黒子「お姉様!」(関取みたいな声)
美琴「どうしたのよ」
黒子「つ、ついにわたくし……」
美琴「ま、まさか!?」
黒子「自分を空間移動できなくなりましたの……」
美琴「ウソ!? じゃあレベル判定はどうなるの?」
黒子「わかりませんの……」
美琴「最低でも、元に戻さないといけないわね」
美琴「やっぱりやるしかない。覚悟を決めなさい黒子」
黒子「い、いえ、お姉様。それだけは無理ですの」
美琴「何を言ってるのよ。散々逃げてきたツケだと思いなさい」
黒子「うう……」
美琴「ということがあったのよ」
上条「そうですか……」
美琴「何よ、その淡白な反応は」
上条「いえね。相談がある、なんて真面目な声で電話されて、何かと思ってきてみたら……」
美琴「私は大まじめなんですけど?」
上条「いえね。わかってるんだけど、わかってるんだけどさぁ……」
美琴「わかってなかったら電撃ぶっ放してた所よ」
上条「相談っていうか、解決策までばっちり出てるじゃん……」
美琴「そ、そうなんだけど、あの子がどこまでできるか不安で」
上条「俺に言えば何とかなるのかよ……」
美琴「そういうつもりじゃないけど」
上条「つーか空間移動能力者って、どういう風になってんのかよくわからないんだけど?」
美琴「何がよ」
上条「どういう理由で自分を空間移動できなくなったのか、とかはっきりしてるのか?」
美琴「体重よ」
上条「はい?」
美琴「飛ばす対象の重さに上限があるのよ」
上条「まさか……」
美琴「黒子のやつ、太りすぎて自分の体重がそれ超えちゃったのよね」
上条「ちょっとお待ちください御坂サン?」
美琴「なに?」
上条「白井って人2人連れて空間移動できてたよな?」
美琴「そうね、ちょっと前なら女の子2人くらい軽かったわね」
上条「それだけのウェイトに一人で到達しちゃったの!?」
美琴「みたいね」
上条「いやいや。みたいねってお前……」
上条「もうはっきり聞いちゃうけど、あいつの今の能力の上限ってどれくらいだ?」
美琴「ちょっと前に少し上がったって言ってたし、135kgくらいじゃないかしらね」
上条「おかしいだろ!?」
美琴「何がよ」
上条「何がじゃねえよ!? 中学生が到達し得るサイズかそれ!?」
美琴「実際に到達してるんだからしょうがないじゃない」
上条「白井に何があったんだ……」
美琴「もともとストレス発散に甘いもの食べる癖があったしね」
上条「つーか白井の身長で135オーバーって横の方が大きくなったりしてそうなんですが」
美琴「あんまり人の後輩ぼろくそ言ってるとコイン打ち込むわよ」
上条「そもそもこの相談自体こういうリアクション求めてるとしか思えないんですけど!?」
美琴「ほう?」
上条「ごめんなさいごめんなさいーっ!」
上条「しかしお前まで付き合わなきゃいけないなんて大変だな」
美琴「まぁ黒子のためだし、って言いたいけどそれだけじゃないのよね」
上条「ふーん?」
美琴「寮監にも手伝い、っていうか付き合うように言われちゃってね」
上条「でももともと付き合う気だったんだろ?」
美琴「まあね。でも本当はウチってダイエットとか駄目なのよ」
上条「なんで?」
美琴「無理なダイエットって体に悪いでしょ?」
美琴「能力第一でやってるから体壊すようなことは駄目ですよってね」
上条「白井のはそういう次元じゃないもんな……」
美琴「……アンタさっきから黒子のこと馬鹿にしてない?」ビリビリ
上条「いいえ断じてしてませんむしろそれは作者の方ですーっ!」
──数日後
黒子「お姉様……」(関取ボイス)
美琴「ほら、もうちょっとだけ頑張りなさいよ」
禁書「あ、短髪だ」
美琴「ん?」
上条「おっす。運動中か」
美琴「ええ、とはいえまだ歩くだけでいっぱいいっぱいね」
上条「……ずいぶん立派になられましたね」
黒子「…………はぁーはぁーぜぇーぜぇー」ヒュン
上条「だあああああ!? 針とか飛ばすなよあぶねえ!?」
禁書「ぺったんこではなくなったけど、何段腹なんむぐっ」
上条「やめろインデックス! それ以上は言うな!」
黒子「す、好き勝手言ってくれやがりますわねまな板が……」
美琴「さ、黒子。悔しかったら減量よ」
黒子「うう……」
上条「が、がんばれよー……」
禁書「どうしたらあんな風になるんだろ」
上条「むしろお前がああならないのが不思議だよ」
黒子「お姉様!!」(ry)ヒュン ドスン
美琴「ひゃ!?」
黒子「ついに空間移動できるようになりましたの!」ヒュン ドスン
美琴「よ、よかったわね! でも部屋とはいえ寮内だから控えなさいね!」
黒子「何を言ってますの。部屋の中なら大丈夫ですわよ」ヒュン ドスン
美琴「そ、そうだけどね、でもね、ちょっ」
美琴(すごい揺れてるーっ!!)
寮監「……地震か? いや違う。何だこれは……」
美琴「という感じになったんだけど」
上条「よかったじゃん。つってもまだまだ落とさないと駄目だけど」
美琴「そうなのよね。なのに気を抜きやがって……」
上条「は?」
美琴「歩かずに空間移動で動くようになっちゃったから……」
上条「まさか……」
美琴「元通りよ……」
黒子「お姉様……」(ry)
──後に上条をサンドバックにする形で運動した黒子は100kg近い減量に成功することになる。
そして奇跡的にバストの脂肪だけ落ちきらなかったことで、美琴よりも立派なボディを手に入れる。
その事実を知って自棄食いを始める美琴であったが、
周辺の人たちが全力で阻止したのは言うまでもない。
──終わりだね? いや終われ。