382 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] - 2010/05/29 15:28:47.29 UyAHANk0 1/7一方+垣根での戦闘を書いてみたんだが、どことなく微妙な気がする…
投下してもいい?
一方通行はロシアの寒空の下、物思いにふけっていた。
あのシスター……禁書目録の助力によって打ち止めは助けることができた。
だがしかし、番外個体、第三次製造計画。
問題は山積みだった。
だがしかし、今は『仲間』がいる。
そう考えたところで彼は自分を笑った。
(本格的にあのヒーローに毒されちまってるなァ…まあ、悪い気はしねェが)
自分でもおかしいとは思う。
だが、『彼』を見ていると自分も光の世界に居ていいのか、彼女を傍で守り続けていいのか―――
そんな錯覚に陥るのだ。
何にせよ、今やることは変わらない。
そう自分に言い聞かせ、彼らの元に踵を返す。
「ほう、『幻想殺し』と合流していたか」
「――――ッ」
一瞬、確実に呼吸と心臓が止まった。
バカな、なぜ、どうして『コイツ』がここに―――
「どォしてここにオマエがいやがる、エイワス!!!
一方通行が吼える。
エイワスはそれを歯牙にもかけず、淡々と述べる。
「なに、ただの興味本位さ」
その様子に一方通行は殺意が湧くが、なんとか抑える。
「だが、ここで彼らを消して、アレイスターの計画を歪めるのも一興かもしれないな」
今度は歯止めがきかなかった。
一方通行は、自分の中のどす黒いものが肥大化していくのを確かに感じた。
「おォォォおおおオおおおオオオおおおおおおオオオオオオッ!!」
一方通行の背中から生まれた『黒』が翼の形状に固定されていく。
「前回よりも力を制御できているな――――面白い」
黒い翼がエイワスに向けられる。
だがその対象は微かに笑みを浮かべただけだった。
「ならば示してみたまえ、汝の法を」
―――轟音が辺りに響き渡った。
(直撃はした。手ごたえもあった。……だが、これで終わりじゃねェよな)
黒翼はたしかにエイワスの居た場所を叩きつぶした。
だが、前回のこともある。
決して油断はできない。
そして彼らを守るために、負けるわけにはいかなかった。
「ふむ、中々の威力だな。―――だが、それだけだ」
ゴパァッ!!という音と共に、黒翼が弾け飛ぶ。
そこにエイワスは何事も起こらなかったかのように佇んでいた。
「クッ…オオオオオオオオ!!」
一方通行は絶え間なくエイワスに黒翼をぶつけ続ける。
だがしかし、エイワスは表情さえも変えない。
黒翼は彼に届く前に弾かれているのだから。
ならば、と一方通行は黒翼を停止させ、両手を真上に掲げる。
「風…?なるほど、プラズマか」
『あの時』よりもはるかに強い風が吹いており、さらに今の一方通行のベクトル操作は以前を軽々と凌駕している。
―――巨大な球体を形成するのに数秒と掛からなかった。
球体が一方通行の元からエイワスに向かっていく。
「なるほど、面白いな。だが―――」
轟音が再び辺りを包む。
一方通行はエイワスの次の一手に備え、目を凝らした。
瞬間、一方通行の体が吹き飛ばされた。
「が…グッ…!?」
対応しきれず、地面に叩きつけられ、仰向けに転がる。
「あの翼が効かなかったというのに、ただのプラズマで私をどうこうできるハズがないだろうに…」
やはりエイワスはそこから動いておらず、傷一つ無い。
そして左手を彼に向ける。
「終わりにしようか。これ以上やっても結果は変わらない」
その言葉に、一方通行が反応することは無かった。
エイワスの左手に青白い光が収束していく。
一方通行にはわかってしまった。
ベクトル変換も、翼もソレには通用しないのだろう、と。
体を動かそうともせず、一方通行は目を閉じた。
―――光が、一方通行の居る場所を跡形もなく消し飛ばした。
「……こんなものか」
エイワスは光によって消えた場所に目を向けて、そうつぶやいた。
一方通行でこの程度では、自分とまともに渡りあえるのは幻想殺しくらいか、と考え、その場を後にする。
「おいおい、なに無視してくれちゃってんだ?」
上空から声が聞こえる。
その声にエイワスは少しだけ表情を変えるが、すぐにそれは分からなくなる。
「『未元物質』、か。君は巨大な機械を付けなければ、生きていけないハズではなかったかな?」
「はっ…第一位が俺以外に殺されそうだってのに、何もしないワケが無えだろ」
一方通行に敗れた後垣根が目を覚ました時、垣根は全身を機械につながれていた。
―――いや、体の大部分を機械で補っていたと言う方が正しかった。
そこで垣根はその欠損部分を未元物質で補い、見事復活したのだった。
「目を覚ました所はちょうど良く情報が集まってる場所でなあ…第一位のロシア行きも、テメエが『ドラゴン』ってことも簡単にわかったぜ?」
「……おい、さっさと下ろしやがれ」
今まで黙っていた一方通行がようやく口を開く。
彼がそう言うのも無理はなかった。
垣根は飛行しながら一方通行を支えているのだ。
しかしおんぶなどは羽根が刺さるので不可能であり、横に抱えるのも不安定だった。
―――そこで垣根が選んだのはいわゆる『お姫さまだっこ』だった。
「ああ!?せっかく助けてやったのになんだその態度は!?」
「それでもこの抱え方は無ェだろォがァ!!……もォいい。離せ」
一方通行が地上に降りる。
それに習って、垣根も降りてくる。
「……ったく、とりあえずアイツをどうにかすりゃあいいんだな?」
「ハッ…わかってンじゃねェか……さァ、仕切り直しだぜェ?エイワス!!」
一方通行の黒翼が再び展開され、同時に垣根も翼を肥大化させていく。
そこで、おかしな現象が起こった。
わかりやすく言えば共鳴になるだろうか。
対極の黒と白であった二人の翼が、同じ黄金色へと変色していく。
「なるほど、そういうことか」
二人の翼がエイワスに向けられる。
「アレイスターめ、これも計算の内だったか」
だがエイワスの表情に焦りは無く、わずかに口角を上げただけだった。
「そうか、そういうことか」
翼が目前に迫る。
「彼らの役割は―――」
翼によって全てがなぎ払われていく。
それでもエイワスは、最後まで笑っていた。
「倒したか?」
「いや―――この程度じゃ倒せてねェな」
黄金の翼がふるわれた後に、エイワスは居なかった。
あれだけの力があるのに、瞬間移動はできないということは無いだろう。
「で、どォする?また俺に挑ンでみるか?」
「それもいいが…テメエの前に学園都市だ」
「あァ?」
「今のテメエの敵は学園都市なんだろうが……それを潰した後、最高の状態のお前を俺の手で潰す」
一方通行は垣根の言葉に固まっていたが、すぐに自嘲するように笑みを浮かべた。
「ハッ…面白ェな……ホラよ」
一方通行が差し出した手に垣根が困惑する。
「オイオイ、『握手』ってのも知らねェのか?」
「いや、お前がそんなことするのが意外でな…」
そう言って垣根がぎこちなく手を握る。
「まあ、俺も随分と毒されちまったからなァ…」
「……ほお、誰に?」
「あァ?決まってンだろ…」
一方通行が空を見上げながら続ける。
「―――お節介焼きな『仲間達』だよ」
389 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] - 2010/05/29 15:35:34.31 UyAHANk0 7/7終わり。
展開無理やりで戦闘も適当すぎる。
あ、タイトルは
垣根「俺がテメエを殺す」
かなあ