442 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] - 2010/05/30 15:50:36.20 .jqr1q60 1/4

すいません。
二、三レス借りて投下させてもらいます。
初めてSS書いたので、何かと読みにくいとは思いますが、よろしくお願いします。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ≪4冊目≫」【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1274787129/
443 : 短編1[sage saga] - 2010/05/30 15:51:33.92 .jqr1q60 2/4

君は何か、絶対的に信じていたものが壊れた事はあるだろうか。

ない、とは誰でも言えないはずだ。

『年とともに信じるという事は薄れていく。

ならば、信じていくという行為を信じなければいけない』

 これは信じていた誰かの言葉。

信じなければいけない行為の一つだ、と自分は信じている。

目的と手段の逆転。それでも構わない、と思う。

肥大していき制御の効かない手段が、『自分が求めていた目的』に届きさえすれば……。その先は求めない。

例え、自分が用いた手段が別の目的にはむかっていても。

そして『自分が求めていた目的』が通過点で、自分を従わせる枷にしているとしても――。

構わない。そう俺は祈るように『信じ』、行動した。

「……、……」

しかし、失敗した。

あと少しだった…。

失敗した原因ははっきりしていた。十中八九、『彼女』いや『彼』だった。

『彼』。

そう、彼だ。彼の事を考えると、顔が愉しそうに歪むのが自分でもわかる。

何度でも血だらけで倒れる彼を見るのは、愉快だ。

何度でも努力し、戦術を工夫して立ち向かってくる彼を削っていくのは、最高だ。

何度でも彼の大事なモノを傷つけたのを、彼に思い出させて眺める彼の表情なんて、射精ものだ。

…本当にたまらない。

「        」

誰かの声が聞こえた。思考に専念した自分の意識を引き戻す。

「もうすぐ到着ですよ。…大丈夫ですか、上条さん」

「――、ああ」

 俺は静かに応答し、車の振動で揺れる窓に顔を向け、外の様子を見る。

 時折、遠くで聞こえる爆発音。

 アスファルトの舗装が剥げ、何かを引き摺ったような染みがある道路。

 道路側に斜めに倒れこんでいる、道路の両脇に並列しているように並んでいる電柱たち。

 人の気配さえ感じない住宅開発地域。

 断片的に建てられている新築の家。

444 : 短編2[sage saga] - 2010/05/30 15:53:28.01 .jqr1q60 3/4

 背の高い建物が少ないせいか、空がやけに広く、黒く、重い雲が重なり浸食している。

 窓に小粒の雨が張り付く。段々、激しく窓に叩きつけた。

 雨。自分が何もできなかった日。自分が無力だと知った日にも降っていた。

 そう、御坂美琴が死んだ日にも降っていた――。

 窓の端に自分の座席の隣にいて、心配そうに自分の顔を見ている黒髪の地味目の女性が映る。

 「………」

 俺はその女性の顔を見ず、そっとその女性の左手を自分の人指し指全部と小指の一部が欠けている傷だらけの右手で握りしめた。

 女性の頬に紅が差す。何度も、身体を重ねているのに何時まで初々しく、変わらない。

 可愛い、と感じた。しかしそれでも心を揺らがず、それがわずかに哀しかった。

 彼女は赤みを帯びたまま、聞く。

「本当に。もう、本当に…これが最後なんですね」

 「……ああ」

 俺はさっきの言葉をもう一度だけ、吐く。

 彼女はその言葉を聞くと、微笑み、俺の肩に自分の身体を預け、目を瞑った。

 彼女は純粋すぎて、良い子だ。…だが、それだけに残念だ。

 もし彼女が目を瞑らず、もう一度俺の顔を見ていたら、この自分の嘘を見破れかもしれないのに。

 嘘。

 あの白いシスターは気づいていたのかも、しれない。

 それでも彼女は協力してくれた。最終的には自分達を破滅に導くかもしれない仕事を。

 『自分はどんなに他のものを裏切っても、これだけは裏切れない』

 初めて自分の手で殺した友人の言葉を思い出す。

 今なら彼の言葉の意味と重さがわかった気がした。

 この気持ちだけは、裏切れない。

 今日、『彼』と『彼女』達だけでもなんとかしなければ。

 最後にしなければ――

 「……一方通行……フルチューニング……」

 そう言い、車の窓で見た自分の顔は醜く、歪んでいた。………。

445 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage saga] - 2010/05/30 15:55:57.98 .jqr1q60 4/4

以上です。
未完成で、ぐだぐだですいません。
これを見て、不愉快になった皆さん申し訳ありません。

それでは失礼します。