「不幸だ・・・」
今に始まった事でもない上条当麻の運のツキ。
それでもボヤいてしまうのは仕方がないと本人は思っている。
ため息をつくと幸せが1つ逃げるなんてのは、※ただし元から幸せな人に限る、と思うのだ。
確かに昨夜寝る前に見た天気予報では晴れのち曇り。
それが今朝、同居人と揃って寝坊したおかげで見逃した天気予報で
実は今日の天気は曇りのち雨になっていた、と聞かされたのは補習前の事だった。
「雨降ってやがる!なんでだ!?そんな予報聞いてねぇぞ!」
「・・・カミやん、お前今朝の天気予報見てないな?」
「あ、あぁ、今朝はちょっと寝坊してたから・・・」
「ツイてないなぁ。昨夜から今朝にかけて予報は変わったんやで~」
「はーい、皆さん席についてくださいね~」
補習が終わる頃には雨が上がっていれば・・・などと期待したが
そうそう都合よく彼に幸運は訪れない。
さらに追い討ちとなったのは担任である小萌先生からの呼び出しだ。
「上条ちゃん、先週のこの課題、1人だけ提出してないですよ?」
「えっ、あ・・・あれ?そう・・・でしたっけ?」
その場でA3プリント5枚を手渡され、居残り。終わるまで帰宅不可。
3バカトリオの他2人はすでに提出していたらしく、先に帰ってしまった。
そんな訳で1人教室で課題を片付け終わる頃にはすっかり日も暮れ
完全下校時刻になってしまった。
「悩んでても仕方ねぇよな・・・雨に濡れて帰るか・・・」
下駄箱で上履きを脱ぎ、靴を取り出し、外に出るとそこには、
「あ、とうま!おそいよ!」
「インデックス!?お前、こんなとこで何してんだよ!」
「むっ、ひどいんだよ!傘ないだろうなと思ってお迎えに来てあげたのに!」
同居人インデックスの姿があった。
「お迎えって・・・誰かに声かけられたりしなかったか?」
「したけど、とうまを待ってるって言ったら皆帰っていったよ」
恐らくその中には土御門や青髪も含まれているだろうし、他のクラスメイトもいただろう。
明日の事を考えるとちょっと頭痛が止みそうになかった。
「ていうか傘1つしかないじゃねぇか」
「・・・2人で1つの傘に入れば良いんだよ。
それはそうと早く帰ろう、とうま。スフィンクスがお腹すかせて死んじゃうかも」
「・・・ハラ減ってんのはお前だろ・・・?」
よく見るとインデックスの修道服、歩く教会は、裾が雨のせいで泥だらけだった。
心なしか唇も少し赤みが足りない気もする。
寒い中ここで当麻が出てくるのを待っていたのだ。
「ったく・・・仕方ねーなぁ・・・」
「ん?なーにー?その言い方!」
「今夜はインデックスのリクエストにお応えしましょうかね」
「・・・え!ほんと!?良いの!?」
まさか最初からこれが目的だったんじゃねぇだろうな・・・。
インデックスと傘を分け合いつつ、そう胸の中で勘繰る。
小さな体を寄せてくる同居人を横目に盗み見しつつ。
まぁ、今日くらいは良いよな。
財布の中身は気になるが、悪い気は到底しない当麻だった。
582 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] - 2010/05/31 18:54:09.80 Tu84566o 3/3どうにも調子が悪いので気分転換に走り書きした。
反省はしていない(キリッ