145 : 禁書昔話・幸福の王子[sage] - 2010/07/30 15:35:25.79 xWSJzVwo 1/1

とある国のとある町に幸福の王子(上条)の像が立っていました。
幸福の王子の像は全体を薄い純金で覆われ、目は二つの輝くサファイアで、王子の剣のつかには大きな赤いルビーが光っていました。

その像の近くに、貧しい少女(インデックス)が住んでいました。
少女は食べたいものも食べられず、いつもお腹を空かせていました。

幸福の王子はそんな少女の様子を眺めて涙をながしていました。
そんな幸福の王子の所に一羽の旅のツバメ(一方通行)がやってきました。

ツバメ「なにを泣いてやがンだァ?」
王子「ここからとても貧しい少女が見える。助けてやりたいんだが俺はこの台座に固定されてて動けないんだ」
王子「なあツバメさん、もし良かったら剣のつかからルビーを取ってあの少女に届けてくれないか」
ツバメ「旅の途中なンだが仕方ねェ。手伝ってやるよ」

ツバメは王子の像の剣のつかからルビーを取って少女に届けました。
少女はとても喜び、そのルビーを売ったお金で沢山のパンを買って食べました。


次の日、全てのパンを平らげた少女はまたお腹を空かせていました。

王子「なあツバメさん、俺の両目のサファイアもあの少女に届けてくれないかな」
ツバメ「オマエがそれで良いってンなら良いけどよォ………」

ツバメは王子の像の両目からサファイアを取って少女に届けました。
少女はとても喜び、そのサファイアを売ったお金で沢山のパンを買って食べました。


次の日、全てのパンを平らげた少女はまたお腹を空かせていました。

王子「なあツバメさん、俺の体に貼ってある金を………」
ツバメ「…………なァ」
王子「言いたいことは解ってる」

ツバメは王子の像の体から金を剥がして少女に届けました。
少女はとても喜び、その金を売ったお金で沢山のパンを買って食べました。


次の日、全てのパンを平らげた少女はまたお腹を空かせていました。

王子「えーっと………」
ツバメ「じゃあなァ」

ツバメは再び旅に出て、見窄らしい姿になった王子の像は取り壊されてしまいました。

王子「不幸だ………」

おしまい。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-11冊目-【超電磁砲】
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