582 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] - 2010/08/31 23:33:44.86 8vKsCVMo 1/10えーみなさんこんばんは。
ようやくここまでこぎつけました、
御坂「最近、黒子が構ってくれない」
の第4話(最終話)です。
それでは、ちょっと長めの8レスもらいます。
※関連
御坂「最近、黒子が構ってくれない」 第1話
http://toaruss.blog.jp/archives/1011767602.html
御坂「最近、黒子が構ってくれない」 第2話
http://toaruss.blog.jp/archives/1012243164.html
御坂「最近、黒子が構ってくれない」 第3話
http://toaruss.blog.jp/archives/1012740779.html
~ とある公園 ~
心理「なーに、御坂美琴。こんなところに呼び出して」
御坂「単刀直入に言うわ。黒子を元の人格に戻して」
心理「…………あらあら、彼女の想いや気遣いを不意にするってこと?」
御坂「そうじゃない」
心理「あらあら、じゃあどういうことかしら?」
御坂「私がどんな男に惚れてるとか、どんな色恋沙汰を抱えてるとかなんて関係ない」
心理「…………」
御坂「黒子は私の大切な後輩で、何者にも代え難い相棒(パートナー)、たったそれだけのことよ」
心理「…………」
御坂「あの子には、あの子らしく……白井黒子らしく、ありのままで生きていてもらいたいの」
心理「……へぇ」
御坂「だから、お願い……あの子を元に戻して」
心理「…………」
御坂「…………?」
心理「うふふ、あはははっ、あははははははははっ!」
御坂「っ!?」
心理「あははははっ!!」
御坂「なにがおかしいの!」
心理「いや、ねぇ? あなたって……ほんっっっっっとうにめんどくさい女」
御坂「…………」
心理「あーぁ、あらあら。このまま何事もなければ、常盤台のエース・超電磁砲は心の支えを徐々に失っていき、この常盤台は完全に心理掌握のものとなる……ってシナリオだったんだけど」
御坂「……どういうことよ」
心理「あらあら、もう気づいてるんじゃないの? 白井黒子が自ら望んであの人格を手に入れたなんてのは――――お・お・う・そ♪」
御坂「!!」
心理「あなたもご存じの通りだけど、私の序列が下である以上、あなたを直接洗脳することができないわ。私の能力で能力者に干渉する場合、その人間の『自分だけの現実(パーソナルリアリティー)』を浸食する必要があるわけだし、超能力者(レベル5)を自分の操り人形とするのは難しい……」
御坂「…………」
心理「でもね、あなたの心にある二つの大きな心の支えの存在を見抜くくらいのことは、この私にはたやすいこと」
御坂「その二つってのが上条当麻、そして……白井黒子、ってわけね」
心理「あらあら、わかってきたみたいじゃない。そうして私は彼女の心を侵し……まぁ、突然あなたから完全に切り離したりしたら不審がられるから、徐々にあなたから離れていくよう彼女の頭を操作した、ってわけ」
御坂「ふん、まぁその目論見もここで消えるわね。さっきあんた自分で言ってたけど、序列が下のあんたは私には勝てない」
心理「…………」
御坂「私は、絶対に能力で人間を殺しはしない。ただ、あんたを徹底的に痛めつけて再起不能にするくらいの覚悟は持ってきてるわよ。さぁ、どうする?」バチバチ
心理「……あらあら、怖い怖い♪」
御坂「(なんなの、この余裕……)わかったら、とっとと黒子を元に――――」
心理「いやぁん、こわぁい。助けて――――『私の』黒子ちゃーん」ニヤリ
御坂「なっ……」
シュン
白井「お呼びですか? ――『お姉さま』」
御坂「くろ……こ」
心理「この女が私のことを痛めつけるんですって。なんとかしてくれる?」
御坂「黒子、聞いて! あんたはこいつの能力で人格が――」
白井「――お姉さまを傷つける輩は、排除いたしますわ」シュン
御坂「え――――かはっ!?」バシッ ドカッ
白井「…………」シュン
御坂「黒子、やめ……がっ?! ぐう……」ゲシッ
心理「あらあら、無様ねぇ。今まで自分の心を支えてくれていた後輩に殴られ、蹴られる気分はどう?」ニヤニヤ
御坂「くっ……(このままじゃ……風紀委員で訓練されている黒子に、肉弾戦では勝ち目がない……やはり、心理掌握を電撃で……!)」ハァハァ
心理「あらあら、あなたの考えてることはわかるわ、御坂美琴。私が倒れれば能力が解ける、確かにそのとおりよ」
御坂「っ!」ハァハァ
心理「でもね……あなたの電撃が私にヒットするのと、私が彼女の心を『崩壊』させるの、どっちが早いかしらねぇ?」
御坂「あんた……っ!」ギリッ
心理「彼女への侵食は最終段階まで達しているわ。後は、私がちょこっと能力を行使するだけで彼女の精神は崩壊し……廃人になるか、気が狂って自殺しちゃうか……あらあら、おっかしー」
御坂「ぐっ……(黒子、ごめん……私、あんたを救えない……私の力じゃ、本当のあんたを取り戻すことができない!)」ハァハァ
心理「ってわけで、『超電磁砲』御坂美琴はおとなしく自分の後輩にボコボコにされたあげく、常盤台エースの座を心理掌握に明け渡すのでした……素敵な物語ね」
白井「……」
心理「さぁ私のかわいい黒子ちゃん、その女をもっと痛めつけてやりなさい」
白井「はい――お姉さま」シュン
御坂「はぁ、はぁ、くろ、こ……や、め」
白井「…………」グググッ
心理「……どうしたの? さぁ、もっと殴って、蹴って、傷つけて、壊しちゃいなさい!」
白井「……、お、おねえ、さ……ま、、」グググ
心理「な、なにをやっているの? 早くその女を殴りなさいよ!」
白井「ね、ぇ、、さま……」グググ
御坂「くろこ……?」
白井「お、ねえさ、ま……申し訳……すみませn、ん……ごめんなさ、い……」ポロポロ
御坂「黒子、泣いて……」
心理「何を、やっているの……? 私は、あなたに涙を流していいなんて、言ってないわよ?」
白井「おねえ、さ、ま、、、くろこは、ごめんn、な、さ、い……」ポロポロ
心理「やれって……やれって言ってんのよおおおおお!」キイイィィン
白井「あ、あぁあああ、っああ! おね、えs」グググ
―――― あんたに、こいつらの絆を完全に切ることなんてできねぇよ
心理「誰?!」
上条「同じ中学校ならわかってんじゃねえの? こいつらが、誰よりも深く心でつながってるってことにな」
御坂「あ、あんた……なんで……」
上条「ある男と約束してんだ。お前も、お前の周りの世界も、全部俺が必ず守るってな」
心理「……あらあら、どんなに深い想いがあろうと所詮彼女は大能力者(レベル4)、私の力に抗えるはずが……」
上条「簡単なことじゃねえか。白井の御坂への想いが、レベル5級だったってことだよ」
心理「はっ、ははは! そんな馬鹿なことが、あるわけない!」
上条「…………」
心理「あるはず、ないのよ! 黒子、この男を倒して!」キイイィィン
白井「あ、あぁああっ! ああああ!」シュン
上条「白井、お前の幻想はここでおしまいだ」スッ
パリィン
白井「…………っ!」バタッ
上条「よっ、と。ありゃりゃ、寝ちまったな」サッ
心理「なんで……なんでよ……そんなはず、ない、のに……」
御坂「……心理、掌握」
心理「はぁ……あらあら、あなたたちって、ほんとおもしろいわ」
御坂「…………」
心理「おもしろくて……うらやましい」
御坂「え……」
心理「おかしいでしょ? ホントは、エースの座なんてどうでもよかった、ただ単にあなたたちがうらやましかったの」
御坂「私たちが、うらやましい?」
心理「同じ超能力者でも、私と違ってあなたには心から通じ合える人間がいる。親友、仲間と呼べる人間がいる。それが、どうしようもなくうらやましかったわ」
御坂「…………」
上条「あー、その、なんだ。細かい事情はわかんねえけどよ」
心理「?」
上条「あんたも、人と真正面から向き合ってみろよ。人の心ってさ、弱いしわかりにくいし、時には間違った方向に向かっちまうし」
心理「……」
上条「だからこそ、変な小細工なしに真正面からぶつかるしかないんだ」
心理「真正面から、向き合う……うふふ」フッ
御坂「?」
心理「心を司る超能力者であるこの私に向かって、心について説教するなんて…………あーぁ、『彼女』の心が惹かれるのも無理ないってわけね」
御坂「なっ、ちょっ……!」カアァ
上条「?」
心理「じゃあね、御坂美琴。本当に『愛しの彼』と仲良くね♪」ニヤッ
上条「? なんだ、あいつ? なぁ、御坂」
御坂「うっさい!」ビリビリ
上条「ぎゃあなぜに?!」
~ 寮の部屋、就寝時間 ~
白井「それでは、電気消しますわね」
御坂「あ、うん」
パチッ
白井「……」ゴソゴソ
御坂「…………」
白井「あの、お姉さま」
御坂「ん?」
白井「今日は、いろいろと申し訳ありませんでしたの」
御坂「なーに言ってんのよ、バカ。大切な後輩を助けるのは当然でしょ?」
白井「ですが、あろうことかお姉さまに牙を向けるなんて、わたくし……」
御坂「だぁーっ、辛気臭いわね! いい運動になったわよ、うん」
白井「……お姉さま」
御坂「あーぁ、それにしてもまーたあのウニ頭にひとつ借りができちゃったわねちくしょー」
白井「お姉さまは、やはりあの殿方のことが……」
御坂「や、ちが、そんなんじゃなくて――――はぁ、もう隠してもしょうがないわよね」
白井「……」
御坂「そうよ、私はあのバカのことが好きなの。私の命や、心を救ってくれたあいつのことがね」
白井「……」
御坂「(心理掌握が言ってたことも、あながちうそじゃないみたいね)でもね、黒子」
白井「え?」
御坂「えっと、まぁ、その……変な意味ではないんだけどね……あんたのことも好きよ、黒子」カアァ
白井「えっ……おねえ、さま?」
御坂「だから、あんたは余計なこと考えなくてもいいの! いい?!」カアァ
白井「お姉さまが、わたくしに、好き……」ブツブツ
御坂「……黒子?」
白井「お姉さま、黒子、好き。お姉さま、黒子、愛してる……」ブツブツ
御坂「もしもーし、黒子サーン」
白井「お姉さま……お姉さまあああああああああああああああ!!」ガバッ
御坂「ちょっ、くろ……いゃあああ!」
白井「お姉さま、お姉さま、お姉さまあああ!」ハァハァ
御坂「ちょ、やめっ、変な意味じゃないって言ってんでしょうがああ!」
白井「ふー、ふー、……やはりあの類人猿にお姉さまは渡しませんわ……黒子、一生お姉さまと愛をはぐくんでいく所存であります!」
御坂「でええええい、やめれ!」ビリビリ
白井「あ゛ああ゛あぁぁぁあああ! お姉さまああぁああ!!」ビリビリ
御坂「やっぱあんたはもう少しおとなしくしてなさああああああい!」ビリビリ
白井黒コゲ「あああぁぁあああああはああぁぁん!!」ビリビリ
寮監「静かにせんかあああああああぁぁぁ!」バタン
おしまい
593 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[saga] - 2010/08/31 23:48:23.32 8vKsCVMo 10/10終わった……
完全な台本形式だし、当初はもっと軽いギャグばっかの作品になるかと思ってたけど、予想外に変な方向へ。
これがよかったかどうかはわからないが自分は楽しんでかけました。
心理掌握の口癖について、これを書き終わってようやく上条ママとかぶることに気づいた。まあこまけえこたぁry
最後に、ここまで書き上げるのを皆さんありがとう。
なによりも、この話のネタを振ってくれた10スレ目の>>630、そして読者の皆さんありがとう。