90 : 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] - 2010/12/05 16:39:20.35 QZzW44k0 1/7

3MD(無駄に長い、無駄に飛ぶ、無駄に続く、誰得?)に定評のある投下をさせて頂きますので、どうかご容赦を。


※関連

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
http://toaruss.blog.jp/archives/1017049672.html

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」2
http://toaruss.blog.jp/archives/1017049711.html

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」3
http://toaruss.blog.jp/archives/1017473718.html

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」4
http://toaruss.blog.jp/archives/1017474484.html

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」4.5
http://toaruss.blog.jp/archives/1017475828.html

佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」5
http://toaruss.blog.jp/archives/1017476222.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-18冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4gep/1291435546/
91 : 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] - 2010/12/05 16:43:12.09 QZzW44k0 2/7


「あら、アンタ達だけ?」


結標淡希は心なしか落胆したように呟く。


「愛しの一方通行は仕事だにゃ。今回のはアイツ一人で十分だからな。

残念だったにゃあわきん」

「だ、誰が愛しのよ。あとあわきんと言うな!!」


ニヤニヤと笑う土御門を睨みつける。


「昨日から悩み事があるみたいですね、彼は。何かあったのでしょうか」

「昨日じゃないわよ、先週からずっとよ」

ふと、思い出したように本物よりも人気のある偽者こと海原光貴(偽)が眺めていた雑誌から顔を上げる。

『月刊 御坂美琴 冬の増刊号』という表紙を見なかったことにすると、結標は表情をかすかに曇らせる。

しかし、思わず口にした言葉に、ハッとなる。

案の定というべきか、土御門と海原のによによ、にやにや、てかてかした笑みが結標を眺めている。


「あら、よく見てますこと。やっぱり気になるあんちくしょうのことはすぐに気が付くんでしょうかにゃ~海原さん」

「先週からずっとガン見してたなんて、まったく、若いって素敵ですわね、土御門さん」

ホント、若い頃を思い出しますわね奥様、あら、奥様こそまだまだお若い、と胡散臭い小芝居を繰り広げる。

暗殺などといったダークな仕事よりも、最近は学園都市上層部の遺物でもある研究施設の残りの破壊といった方向へとシフトしつつある。

施設の破壊などグループにとっては造作もない。

故に、彼らは暇を持て余すことが増えていた。

結果、一方通行の凱旋後、すっかりと変わってしまった結標をからかうことを土御門と海原はライフワークとしているのである。日常生活に潤いを。趣味を持つことは良いことだ。


「あ・ん・た・た・ち…」


「しかし、どうやら恋するお年頃なのはあわきんだけじゃねーみたいだにゃ~」


青筋を浮かべた結標がゆっくりとライトに手を掛けようとするタイミングを外すように土御門が不意打ちを放つ。


「え?」

ライトに伸ばした手はそのまま硬直させ、結標は土御門の顔を凝視する。

「物思いに耽っては切ない溜め息まで吐いて。あれじゃあ憧れの君を想うなんとやらだにゃ~」

あわきんみたいに、と意図的に土御門はその言葉を含ませる。

結標はゆっくりと彼の言葉を脳裏で咀嚼する。


「いいのかにゃ~?あわきんがツンツンしてる間に一方通行はかっさらわちまってるかもしれないぜい?」

「な、なななな、なに言ってるにょ、言ってるのよ」

「彼のように自分に向けられる好意に気づかない、もしくは信じられないタイプに

ツンデレは鬼門ですよ。ツンの部分しかキャッチしてもらえないですから」


まるで見てきたことのように、しみじみと語るアステカの魔術師の言葉に、結標は顔を青くした。


92 : 佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」6[sage] - 2010/12/05 16:44:24.97 QZzW44k0 3/7


「ま、頑張るんだぜい。一方通行のお相手はパンピーみたいだからにゃー」

「……無能力者っていうこと?」

「ま、平たく言うとそうだ。意外と庇護欲の強い一方通行的にはある意味うってつけかにゃー。あわきんが勝つには健気属性を前面に押し出すこと。そしてその効果を倍増するために ―――」


土御門はがさごそとカバンから何やら取り出す。

土御門の取り出した『ブツ』を目にするや、結標の口元が引きつる。



「この土御門元春の最高傑作。十字教と陰陽道、アステカの奇跡のコラボレーション。『小悪魔ドジメイド』を着ることで、健気属性は界王拳20倍並に倍増するんだぜい!!」


「何その無駄な合作!?」


「これは意中の相手に見られると中が透けて見えるという新素材(特許申請中)で出来ているんだにゃー」

「アステカの魔道書を盗み出した甲斐があろうというもの。古代アステカ文明において、マンネリに悩んでいたカップルの声に応えるべく生み出された術式が役に立とうとは」

「そうだぜい。あたかも逆裸の王様状態。好きな人の目にだけすっぽんぽんに見えることによって安心かつ快適なプレイを」


「メイド服の意味内じゃないそれじゃあ!!どんだけ本末転倒なのよ!!」



「「…?………――――― ハッ!!!」」

「おそい!!」







「最近佐天さんが輪をかけておかしいんですよ」

「それを私に言ってどうしますの?」

優雅な仕草で紅茶を一口飲む。

目の前の腹黒少女の愚痴は必ずといって良いほどどうでも良いことだ。まじめに取り合うだけバカを見る。

93 : 佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」6[sage] - 2010/12/05 16:52:21.46 QZzW44k0 4/7


「おかしいって、どういう風におかしいの?」

御坂美琴は、黒子とは逆に、心配そうに身を乗り出す。

数少ない友人のこととなれば、根本的に優しくお節介なこの少女が心配しないはずもない。


「確か、一目惚れしちゃったっていう人のところに料理作りに行ってるんだよね」

佐天のことは初春から間接的に聞いていただけの御坂の認識はその程度である。

直接のろけ話に付き合わされていた初春にとってはsの程度の認識ではすまない。


「もう何て言うか押し掛け女房ですね。珈琲の美味しい淹れ方とかもう口実ですらなくなってますから」

「押し掛け女房…すごいね佐天さん」


先天的な恥ずかしがり屋のせいか、会う度に致死量の電撃を浴びせるという強烈極まりない

ツンが災いしてか、未だに家に行ったこともなく、名前でさえまともに呼べない。

凄まじいまでの天性のネンネな御坂にとって、出会って一週間で押し掛け女房となれる佐天の積極性は心底羨ましかった。


「上手く行ってるんじゃないの?」

「ある意味行ってるというか、予想外だったというか」

「はっきりしませんのね、初春」

要領を得ない初春の言葉に、黒子が眉を潜める。初春はグラスの中をストローでくるくるとかき回す。

水っぽくなってしまったソーダの中で氷がからからと音を立てて回る。

94 : 佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」6[sage] - 2010/12/05 16:53:17.77 QZzW44k0 5/7


「正直なところ、今回のはミーハーな気持ちで終わるんじゃないかって思ってたんです。

相手はあまりにも世界が違う人だし、いずれは……」

「佐天さんがその殿方への気持ちを諦めてしまうだろうと思ったのですわね?」

「はい。佐天さんはすごくそういうところシビアに線引きする人だから、というか

私がそう思ってただけなのかな」

「そういう言い方をするということは、諦める気配はないと」


水っぽくなったソーダの残りを不味そうに飲み干すと、初春は顔をしかめる。


「授業中なんか上の空で、溜め息吐いちゃったり、空をずっと眺めてたり。

あと一番変なのが、私のスカートをめくらないことなんです」


「「それはおかしい」」


御坂と黒子の声が重なる。

初春へのセクハラとイタズラが趣味から日課の領域へと達している。

そのライフワークを怠るなど。

戦慄が常盤台のツートップの間を駆け抜ける。


「そ、それは相当重傷ですわね確かに」

「でしょう?佐天さんがあそこまで本気になるなんて正直思いませんでした」


そこまで深みに入るとは思わなかったが、それ以上に、自分に構ってくれないことが初春は寂しかった。

一方で、御坂は手の中にあるカップのミルクティーに目を落とす。佐天の気持ちが御坂にはわかる。

一人のことを思うと、その人以外のことへと思いを配れなくなる。御坂はそんな思いとかれこれ一年以上付き合っているのだから。


「ういはる~?貴女が背中を押して差し上げたのでしょう?寂しいのはわかりますが、もう少し応援する姿勢になってもよろしいのではありませんか」


う、と初春は言葉に詰まる。


「だって、、寂しいんですよ~最近遊んでくれないし、構っても上の空ですし~」


一番の親友が遠くに離れて行ってしまうような、嫉妬とも焦りにとも取れる感情が初春の中をぐるぐると回る。

両手を駄々っ子のように振り回す初春。

何かを思い出したのか、物思いに耽り始めた御坂。(といっても黒子には大方予想が付いているが)


「やれやれですわね…」


ただ一人、完全な傍観者である白井黒子は溜息を吐いた。



95 : 佐天「嫁にして下さい」一方通行「ゴメン、ちょっと待って」6[sage] - 2010/12/05 16:55:18.49 QZzW44k0 6/7


佐天涙子はパスタの陳列棚の前でパスタを手にしたままぼんやりとしていた。

一方通行と会わなくなって一週間が経つ。

一方通行に弱音を吐いた夜。彼が呟いた言葉が耳から離れない。

翌日は食事の用意だけして一方通行には会わずに帰った。

会うことに抵抗があった。一方通行に特別な非があるわけではない。

気まずいと勝手に佐天が思っているだけだ。一方通行に食事を作ることに抵抗はない。元々面倒見の良いだけに放っておけば肉ばかり食べる一方通行の食生活は心配になる。

初春に話したこともあったが、一方通行を見ていると、佐天は無性に胸が痛くなることがある。

肩肘を張っている姿がどこか痛ましく思えることがある。

あの儚げな背中に、母性本能が擽られることがある。

けれども、三日前、帰りが早かった一方通行と鉢合わせてしまった。

そして、佐天は逃げ出した。

自分を見て、一瞬の躊躇の後、唇が動くのを最後まで見ることなく、脱兎のごとく彼の前から走り去った。おかしな女の子だと思われただろう。

思えあ第一印象からそうだったのかもしれない。

訳の分からない面倒くさい子供。そう思っているにちがいない。


パスタを棚に戻す。


「……止めよ。行きづらい」


このヘタレ娘め!!佐天の中の強気な自分が罵る声が聞こえてきそうだ。返す言葉もない。

期間を開ければ開ける程行き辛くなるのはわかっている。わかっているのだ。

それでもどうしても一方通行の顔が見られない。


自分に向けた優しい笑み。


自分を撫でてくれた手の温もり。


そして、自分にくれたあの言葉。


彼がなにを思って言ったのかはわからないが、甘くて少し掠れた声を思い出す度に何故か頬が熱くなる。

96 : 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] - 2010/12/05 17:11:34.01 QZzW44k0 7/7


無駄に長くなりそうなので、続きは時間を開けて投下します。夜にでも。

一応このお話の中のグループの関係の縮図を書くと。


土御門「知ってるかにゃ一方通行。友達になるには名字じゃなくて下の名前で呼ぶというのが常識なんだぜい」

一方通行「あァ?なンだァそりゃ。俺ァ別にお前等と友達になンざなりたくねェんだけど?」

土御門「それは残念。せっかく“あわきん”が友達になりたいなって言ってたのに、可哀想だにゃーあわきん。そうは思わないかにゃ、“光貴君(偽)”?」

一方通行「……知るか。てかお前いつの間に名前で…」

海原「ええ、“淡希さん”もショックでしょうね。ようやく学園都市の闇から解放されて、苦楽を共にした貴方と友達になりたいって仰っていたのに…ねぇ“元春さん”」

一方通行「……くっだらねェ。別に俺にはァ関係ねェし。別に除け者とか思ってねェしィィ」

土御門「これ聞いたら泣くかもにゃーあわきん」

一方通行「!」ピクッ

海原「ええ、控えめに言って、泣き喚くでしょうね淡希さん…」

一方通行「………」


結標「あら?ど、どうしたの一方通行」(やたー。一方通行と二人きり///)

一方通行「……おい…」

結標「な、ななな何よ、ジロジロ見てきて急に」(や、やだ…そんなに真っ直ぐに見つめられたら…私…私…////)


一方通行「あ、……淡希…」

結標「ほえッ!!?」(な、名前で、今、ああ、あわきって////)

一方通行(ビクッ!?)

結標「あ、あん、あんた今」

一方通行「ど、どうしたァ?淡希?」

結標「…にゃ、にゃんでもにゃい…/////」



物陰から


土御門海原((一方通行、GJwwww))





こんな感じです。それではまた夜に。