第一話 クリスマスイブ
――数日前
上条『はぁ、24日ですか? 別にいいけど』
美琴「ほほほほんと!? ほんとにいいの!?」
上条『だーっ! 電話口で怒鳴るんじゃねーよ!』
美琴「わ、悪かったわね……。じゃ、じゃあ24日! 〇〇の前で待ち合わせだからね!」
上条『はいはい了解ですよーっと。んじゃ上条さんはこれから補習なので。またな』
美琴「う、うん。それじゃ」
美琴「………………」
美琴「………………」
美琴(あああああああ!!! つい勢いで誘っちゃったあああああ!!!)
美琴(だだだだって24日よ? クリスマスイブよ? いくらアイツが鈍感だからってさすがに気づくわよね?)
美琴(それで、OKしてくれたってことは…………そう思って、いいのよ、ね?)
――当日
美琴(…………そろそろ待ち合わせ時間ね)
美琴(私服で来たけど、この格好変じゃないかな?)
上条「おーっす御坂」
美琴「お、遅いじゃないのアンタ! こういう時は男が……って、なんでその子がいるのよ!」
禁書「あ、短髪。なんでって言われても私達はこれから教会のミサに行くんだよ」
美琴「……………………………………………………………………………………え?」
上条「まあそういうわけだからさ、要件は手短に頼むな」
美琴「え? え?」
上条「どうしたんだよ、なんか用があるから呼び出したんだろ?」
美琴「え? だって、あの、今日は24日、よ?」
上条「だな」
美琴「クリスマスイブよ?」
上条「そうだな。あ、御坂は珍しく私服なんだな? もしかしてこれからデートか? ならお前も早く要件すましたほうがいいんじゃないか?」
美琴「……………………」
美琴「…………う、うう」ジワ
上条「あ、あれ? 御坂さんはなんで涙目なんでせう?」オロオロ
美琴「馬鹿ああああぁぁぁぁ!」
バリバリバリバリバリ!!!!!
上条「ぎゃあああああ!!!!!? や、やめて御坂さん! 上条さん死んじゃう! 死んじゃうから!」
美琴「うっさいアンタなんか死んじゃえばいいのよ!!!」
上条「なんでそこまでお怒りにいいいいいぃぃぃぃ!?」
第二話 バレンタイン
――放課後
美琴「やっと見つけた! アンタ、こんな時間まで何やってたのよ!」
上条「げっ、御坂……さん」
美琴「……げっ、とはずいぶんなご挨拶じゃない」イラッ
上条「い、いえですね、上条さんは今日学校でたっぷり不幸な目に遭ったので、厄介ごとは勘弁願いたいなーと」
美琴「アンタ、喧嘩売ってんの?」バチバチ
上条「め、滅相もございません!」
美琴「はぁ、まあいいけど……。はい、これ」スッ
上条「……………………これって、チョコか?」
美琴「そ、そうよ///」カァァ
上条「……………………うう」グスッ
美琴「ちょ、ちょっと! 何で泣いてるのよ!」アセアセ
上条「上条さん、今日はいろいろあって貰ったチョコを全部紛失してしまいましてね……。おかげでチョコ食べてないのにお返しはしないといけないと言う…………」シクシク
美琴「へ、へー、そうなんだ……。じゃあ、結局私のチョコ以外は持ってないんだ?」
美琴(こいつには悪いけど私には好都合ね。こいつの事だから、気づかないうちに本命貰っててもおかしくないし……)
上条「いやほんと義理とはいえ御坂さんには大感謝です!」
美琴「……義理じゃないけど」ボソッ
上条「うん?」
美琴「な、なんでもない! それより! ちゃんと無くさずにちゃんと食べるのよ!」
上条「勿論だって! んじゃありがとな、御坂」
美琴「あ、うん。またね」
美琴(はぁ、やっぱり直接告白は出来なかったなぁ……)
美琴(でもメッセージカード入れたし、あれ読めばいくら鈍感なアイツでも気づくわよ、ね///)
上条「たっだいまー」ルンルン
禁書「………………」
上条「あ、あれ? インデックス、さん?」
禁書「……とうま、今が何時だかわかってるのかな?」
上条「え、今? 夜の八時で…………あ」
禁書「私は飢え死にするかと思ったんだよ」ギラッ
上条「す、すまんインデックス! 今すぐに夕飯にするから!」
禁書「もう手遅れなんだよ!!!」ガブッ
上条「ぎゃああああ!!!? や、やめてインデックスさん! あ!」ポロッ
上条(や、やば! 御坂からもらったチョコが!)
ウィーンウィーン シュコン ←掃除ロボがチョコを吸い取った音
掃除ロボ「ゴミのポイ捨てはしないでください」ウィーンウィーン
上条「…………え?」
禁書「あぐあぐ」ガジガジ
上条「ふ、不幸だ……」
美琴「………………返事が来ない」グスッ
最終話 告白
美琴「あ、アンタ! なんで返事くれないのよ!?」
上条「ああ、御坂か。返事って何のだよ?」
美琴「な、何のって……メッセージカードよ!」
上条「メッセージカード?」
美琴「こ、この間あげたチョコに一緒に入ってた奴よ……。読んだん、でしょ?///」カァァ
上条「…………あ」ダラダラ
上条(やべぇ、メッセージカードなんか入ってたのかよ! 包装ごと掃除ロボにゴミと間違えられて回収されちまったよ!)
上条「あ、あのですね、御坂さん。落ち着いて聞いていただけると嬉しいのですが……」
美琴「な、なによ」ドキドキ
上条「ごめんなさい、色々あって食べられませんでしたあああぁぁぁ!!!」ジャンピングドゲザ
美琴「……………………は、はぁ!?」
上条「うう、申し訳ありません。でもきちんとお返しはさせていただきますので」
上条「それで、あの、差し支えなければメッセージカードの内容など聞かせていただければと……」
美琴「え!?」ドキーン
上条「やっぱり、メッセージカードにするぐらいだから言い難いことなのか?」
美琴「えっと、それは、その……」
美琴(言い難いに決まってるでしょうがああぁぁぁ!!!)
上条「まあ、無理に言えとは言わないからさ。ごめんな、俺不幸のせ「言う!」御坂?」
美琴「言うから…………ちょっと、気持ちを落ち着かせる時間くれない?」
上条「ああ、別に構わねーけど」
美琴「………………………………………………」ドキドキ
上条「………………………………………………」
上条(な、なんだこの気まずい空気は。上条さん何言われちゃうんでしょうか?)
美琴「あ、あの! か、上条当麻、さん!」
上条「は、はひ!」
上条(あれ、こいつ初めて俺の名前呼んだんじゃねーか? しかもさん付けって、なんか緊張する……)
カキーン ヒューン
ワーバカヤロー ドコトバシテンダー
美琴「私、その、ずっと前、から……」ドキドキ
上条(ん……? げ! なんでボールがこっちに! しかもこの軌道、御坂に!)
美琴「ずっと前から好「あぶねぇ御坂!」きゃああ!?」ダキシメラレ
カーン
上条「げふっ!?」コウトウブチョクゲキ
美琴「あああああアンタななな何すんのよ!!! いいいいいやそりゃ抱きしめられるのは嫌じゃないというか好きだからむしろ嬉しいというか……///」ゴニョゴニョ
美琴「ね、ねぇアンタ聞いてるの?/// こんなとこで……って、あ、あれ? アンタ気絶してんの?」
野球少年「す、すいません! ボールがその人に当たったみたいで! あの、その人大丈夫ですか?」
美琴「」
おまけ・ベンチで上条さんを膝枕する御坂さん
美琴「……………………はぁ」
美琴「まったく、アンタは救いようがないほど鈍感よね」
美琴「おまけにストレートに好きって言おうとしたら、変な不幸が起きて妨害されちゃうし」
美琴「でも逆に言えば、私の告白がアンタにとって幸福なことって意味なのかしらね? だったらいいんだけど」
上条「う、うーん……みさかぁ……」
美琴「あ、アンタ起きて!?」
上条「みさかぁ……けがはないかー……上条さんはなぁ……むにゃむにゃ」
美琴「はぁ、なんだ寝言か……」
美琴「そういえば、さっきのも私のこと助けてくれたのよね…………」
美琴「………………」
美琴「こ、これはお礼、うん。お礼をするだけ。お礼なんだから、頬に、その、するぐらい変じゃないわよ、ね?」
美琴「………………」ソー
上条「………………」zzz
美琴(あ、あとちょっと)ドキドキ
上条「………………ん?」パチ
美琴「!?」ビクッ
上条「…………あれ、えっと。御坂さん、顔が近いんですが」
美琴「」プルプル
上条「ん? 何で上条さん寝て……ああ、さっきのボールに当たって」
美琴「アーンーターはああああぁぁぁぁ!!!!」バチバチ
上条「え、ちょ! み、御坂さん! この距離はダメ! この距離で撃たれたら上条さんホントダメだから!!!」
美琴「このタイミングで目を覚ますなくそばかやろーーーーーー!!!!!!!!!!」
バリバリバリバリバリ!!!!!
上条「ふ、ふこぎゃあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!」
315 : 以下、三日目金曜東Rブロック59Aがお送りします[sage] - 2010/12/07 01:43:06.95 BGlMfWo0 12/12終わりです。
おやすみことうま