『ピンポーン』
とある平和な休日の朝、上条の家のチャイムがなった、風呂場ではなく自分のベットで上条は目を覚ました。
そのベットを占領していた大食いシスターは今は学園都市にいない。戦争後、彼女はイギリスに帰ってしまった、
今頃はステイルや神裂と仲良くやっているだろう。
「はーい今出ますよー」
どーせセールスでしょう朝っぱらから不幸だ……と呟きながら上条は玄関へ向かい扉を開ける。
そこにはにこにこ笑顔のシスター、オルソラが立っていた。
「オルソラ?何でここに?」
「おはようございますなのですよー」
「あっおはようございますー……じゃなくて何で学園都市にいるの?」
「交流を深めるために学園都市に教会をつくるとかのことで代表としてここに呼ばれたんでございますよ」
「へーそういえばオルソラってそういうの得意だったよな」
「泊まるところを断ってしまいましたので一週間ほどここでお世話になるのでございますよ」
ほんわかシスターが爆弾発言をしながら、上条の家に上がろうとする。上条はそれを「ちょっと待て」と止め。
「そんなの聞いてないぞ、嘘だろ…」
「今初めて言ったのでございます、学園都市の高級ホテルを用意されていたのでございますが、せっかくの学園都市なのであなた様の家に泊まった方が楽しいかなーと思ったのでございますよ、助けていただいたお礼もまだ成し遂げていませんし」
「まじ?」
「まじなのでございます」
オルソラがにっこり笑顔で返事をする、上条もいやなわけではない、いや嬉しいのだが彼の鉄の理性が邪魔をする。
「でも男と女なわけで……いろいろと問題があるんじゃねえか」
「OKーでございます、それにあなた様はインデックスさんと同居していたではないですか、あの方が良くて私が駄目なんておっしゃらないでくださいね」
オルソラが軽く威圧してくる、上条ではオルソラに口で勝てない。元々オルソラに口で勝てる人間なんて限られているだろう。
「はあ……まあもう泊まる場所断っちゃったんなら仕方がねえか、本当にこんな狭い所でいいんだな」
「よろしいのでございますか!」
オルソラの顔が満面の笑顔で染まる。
上条とオルソラで一週間の同居生活が始まった。
今上条とオルソラは2人で部屋の掃除をしている。掃除しなくても良いくらい上条の部屋は綺麗なのだが、さすがに上条も女性が泊まるとなると気になるようだ、初めは一人でしていたのだがいつの間にかオルソラも手伝ってくれていた。
彼女は家事全体が得意なのか掃除も手際がいい、結構掃除と料理が得意と自負している上条なんか比べ物にならない手つきで掃除を済ましていく。
「なあオルソラ」
上条が台所を磨きながら呟いた。
「何でございましょう」
「聞いてなかったけど学園都市に教会を作るって話の会議って一週間もかかるのか?それだけ大切とかか?」
大変だなーと続けながらオルソラに聞くと意外な答えが返ってきた。
「今日の夕方に行かしていただいてそれで私の仕事は終わりでございますね」
へっ……彼が目を丸くする。だがオルソラはそれを無視して言葉を続ける。
「丁度学園都市に行く仕事が入ったので、ついでにそれにあわせて休暇をとったのでございますよー、せっかくなのであなた様にお礼を申しなければとおもったのでございます。それにあなた様とも遊べたらなーと」
「じゃあこの家に泊まる意味は?」
「まあ会議の大切さは大したことはありません、もうほとんど上で話がついているようでございますので」
「……オルソラさーん言葉のキャッチボール」
まあ上条としてもオルソラといるのが嫌な訳でも全然ないのでまあいいかオルソラにもいろいろあるんだろう…と勝手に一人で納得してしまった。
「あーじゃあ後で買い物行かなきゃな、明日からここで食うんだろ」
「あなた様といたほうが楽しいかなーとおもっただけで意味は特にないのでございます、あと今日の晩は食べてくるのでございます……昼は私が作らせていただきますよ」
おっマジで、と上条が食いついた、オルソラの料理は一回食べただけだがとにかく美味しい、一度だけインデックスに頼まれてオルソラに一度食べさせてもらったのと同じ料理を作ったことがあったのだが、上条のとオルソラのでは比べ物にならなかった。
それに掃除をするのもめんどくさくなってきた。
「じゃ今から一緒に行くか!」
「あー暇ねー」
学園都市第三位、御坂美琴は特にどこに行く当てもなくふらふらと歩いていた。
さっきまで病院の妹達に会いに行っていたのだが、その後のことを何も考えていなかったのでとりあえずコンビニへ行って立ち読みにでも行こーかな
といった感じだ。
「おっアイツじゃない」
20メートルほど前にツンツン頭の高校生を見つけた。
「おーいアンター?」
暇なのでその高校生を呼び止めようとしたが、御坂は突然電気が走ったかのように固まった。
……少年の横に女性がいた、正確に言えば巨乳のシスターさんと顔を赤らめて手を繋いで歩いていた。
無意識の内に御坂の全身から電撃がもれる。
『ビリッバリバリ』
その音で上条は後ろを振り向いた、すると見覚えのあるレベル5が何故か放電して上条とオルソラを睨んでいる。
「あはっ……あははっ」
「あれっ御坂さーん……何でそんなにビリビリさせてるんでせうか」
何故か段々放電が強くなってきている。
「あんたはいつもいつも……」
放電が止まり御坂の右手に電気が集まっている。
「あー…えーと御坂さんわたくしこと上条当麻は忙しいのでさようなら」
不幸を予感した上条はオルソラをお姫様抱っこで抱きかかえて御坂から逃げるように走り出した、御坂はそれを見て全力で追いかける。
ちなみにオルソラは「あなた様は本当に……」と呟きながら上条をグーで殴っている。
「ちっチクショウ…不幸だー!」
上条は気付いていない、その発言が逆に彼女達の怒り?を買っていることを
結局御坂を撒くまで上条はいつもより長い時間全力疾走で逃げまくり、
よく時間を見るともう今から買い物して飯作って食ってだったらオルソラ会議に間に合わないじゃん、という時間まで来てしまい、
結局オルソラの手料理を食べることなくオルソラを会議場所へ送り、明日作ってもらうための材料を買って家に帰ろうとしたらまた不幸に巻き込まれてしまった。
おそらく終了