388 : VIPにかわりましてGEPPERがお送りします[sage] - 2011/01/09 15:34:11.30 tgly6ISO 1/12

麦のん通行投下します。


・キャラ壊れてます
・時系列は不明です
・何故か皆生きてます
・設定壊してます
・地の文です
・拙いです
・中途半端です

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-21冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1294925147/
389 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:35:10.52 tgly6ISO 2/12

初めて会った日から、どれ程貴方を思っただろうか

初めて会った日から、どれだけ貴方の名前を呟いただろうか

初めて会った日から、どれくらい貴方の写真を見つめただろうか

初めて会った日から……何度泣いただろうか……

全ては会えないと判っていたから

弱い私は貴方と仲間のどちらかを選ぶことが出来なかった

でも、もうそんな悩ましい日々は終わり

だって

だって、貴方にまた会えると

会っても良いんだと判ったから

長かった。とても長かった

待っててね

私の王子さま……

390 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:37:09.41 tgly6ISO 3/12

「次の作戦、『グループ』とやり合うことになると思う」

麦野の発言に、会議の席に並んだ『アイテム』の面々の顔が険しくなる。

暗部同士の小競り合いに潰し合い、又は衝突などは特段珍しいことではない。表の知らない所で毎日のように繰り広げられている。
勿論、『グループ』と『アイテム』も例に洩れない。

だが、今回は作戦の規模が大きい。
『アイテム』がこうしてオールキャストで挑もうとしているくらいだ。向こうも勿論、トップメンバーで来るだろう。

「……どうするんだよ」

浜面が弱々しい声を上げる。普段なら咎められるものだが、今日は誰も何も言わない。

「一方通行が出てくるんだろ?」

そう、一方通行の存在と恐怖が有るからだ。

大勢の超能力者の中の最高峰であるレベル5。一人で一国の軍隊をも相手が出来る程の規格外の集団。その頂点に立つ別格の男が『グループ』に居る一方通行。

最強の存在。

「まぁ、少なくとも此処に居るメンツじゃ勝てないでしょうね」

皆、それは判っていた。大能力者二人と超能力者一人が組んで向かっても時間稼ぎにすらなならないことを。

「勝てないならどうする訳よ」

フレンダの疑問に麦野の口が三日月型に裂かれる。

「作戦を成功させるだけなら、良い考えが有るの」

その言葉に皆の伏していた顔が上がる。

「何か考えが超有るんですね!」

「まさか、出し抜くとか言うなよ?」

「浜面のクセに冴えてるじゃない」

「えっ、マジ?」

「おぉよ。大真面目だ」

麦野の自信満々な表情とは逆に皆の表情は再び陰っていく。
出し抜くという何でもない作戦が、素直に通用する相手ではない。

まず、ブレインの土御門を出し抜くだけでも一苦労。その上、座標移動の結標や一方通行自身の機動力を以てすれば、多少のロスや寄り道は無に還るのだ。

391 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:38:45.89 tgly6ISO 4/12

「もしかして、私の力を使う作戦かな?」

「滝壺っ!」

その提案に悲鳴に近い叫びが上がる。

滝壺の力は代償として命を削っていく。恋人として、仲間として、浜面は阻止したいのだ。
だが、他のメンバーは苦々しげだが諦観した面持ちでいる。口に出すことは無いが、それしかないと考えているようだ。

天秤に掛け、一粒の砂と一つの石ではやはりどうしても砂が軽いのだ。

どれだけ大切にしていても。

「違うよーん」

しかし、麦野はその唯一とも思われる可能性を簡単に蹴ってみせた。
浜面は安堵しているが、まとまりかけた意志は混乱に呑まれた。

「じ、じゃぁ、一体どうする訳よ?」

「超他に案なんて……」

「あれれ?判んない?」

当然だよ、という視線が麦野に突き刺さる。
笑いながらそれを受け、もっと酷くなることを予想しながら自らが考えた作戦を語る。

「私が餌になる」

囮ではなく餌。
つまり、会えば食べられるより他は無し。

がたん、と椅子の倒れる音が響いた。

392 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:40:42.01 tgly6ISO 5/12

………………………


学園都市が第四位、麦野沈利は暴れていた。

全細胞を活動させ、全神経を尖らせ、合間を縫って逃げようとする構成員の足音、遠くから狙う狙撃手の殺意一片たりとも取りこぼさずに消し、余裕が出来ればビルへ施設へ道路へ破壊を刻んでいた。

鬼の如き猛攻。だが、その荒れる力は何処か雑で、我武者で、挑発的である。

「…ッ!」

全ては

「よォ、ご機嫌だなァ。クソ女」
暴風をものともせず、乱撃の真ん中を闊歩して現れた男

「クカカ!直ぐにミンチにしてやるよ!」

一方通行を釣る為に。





麦野の計画は簡単だ。

自分が最大限暴れるだけ。

誰でも罠だと判る程単純に。
たったそれだけ。

だがそれは、《原子崩し》が行うからこそ意味を持つ。
レベル5が暴走してこそ意味がある。普通では止められない相手。

敵は罠だとしてもジョーカーを切るしか手が無くなる。

そして、その通りになった。

393 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:42:21.64 tgly6ISO 6/12

二人は対峙している。瓦礫と死体が散らばる中、お互いに強い意志を持ちながら。

「来てくれたんだ、一方通行」

「ハッ!俺が来ると知っててこンな安っぽい挑発したのか。真性のバカとしか言い様がねェな!」

一段と荒れた口調で一方通行が麦野へとにじり寄る。

彼は苛ついていた。

快く釣られてあげるという任務に。
当然だが、餌が怯えないことに。
それどころか、化け物の自分が来たことを嬉しそうにしていることに。

「なァ、原子崩しァ!」

高位能力者には不可思議な余裕がある。自分の力は格上にだって通用するんだと。
一方通行は過去にそういった身の程知らずの大バカ野郎達の相手を散々してきた。

「私を知ってるんだね。嬉しいな」

呑気に笑う第四位からも同じ空気が見えた。

「知らねェ方がどォかしてるぜ。第四位の麦野沈利さン……よォッ!」

言いながら足元の瓦礫の一つを大行に振りかぶって蹴る。
ただの蹴りなら虚しく転がるだけだった瓦礫は、彼の能力によって物理法則の殻を破り、弾丸のような速度で麦野の下へ走る。

轟音を響かせた歪な弾丸は麦野の横を掠める。整った顔に赤い筋が一つ開く。

「ハッハァ!まさかこれだけでビビらねェよなァ!アバズレェ!」

この舐めた作戦への仕返しの意味もあるが、要は単なる威嚇行為だ。

プライドの高い者ならこうするだけで、激情する。そうなれば過信に満ちた愚者のすることは決まってくる。

直線的に捻りも無い、ただの力押しで潰す。

自分はそれを悉く反射させ、絶望する相手を笑って殺す。

もはや、習慣になりつつあるバカの粛正方法だ。

394 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:45:08.91 tgly6ISO 7/12

「な、名前まで……」

「はァァっ!?」

しかし、肝心の敵は顔を赤らめてモジモジしている。ワンテンポ遅れている上に予想外のさらに向こうにある反応だ。

これには流石の第一位も一瞬毒気を抜かれた。

「……あ、あァ、判った。キチンと時間稼ぎしてンのか。気が強そうなワリには、随分と冷静じゃねェか第四位!」

しかし、直ぐに立て直す。

ペースに引き込まれかけたと思い、さらに苛立ちは加速する。

「そっちが来ねェなら、こっちから行ってやらァ!!」

地面を蹴りつけ、対象に向かって走り出す。
敢えて能力は使わない。怯えながら死んで欲しい。或いは、時間稼ぎで逃げようとするその時に解放し、屈辱と敗北を与える為に。

麦野の鋭い目がこちらを向くのを確認すると、一方通行の口元が大きく吊り上がった。
漸く戦争が出来る。そう思ったのだ。

「ちょ、ちょっとターイム!!」

「なーンなンですかァァっ!?」

しかし、迎撃に移るかと思っていた麦野の行動はまたも一方通行の予想を遥かに越えるものだった。

可愛らしく、恥じらいながら、切羽詰まった声で、叫ぶだけ。

一方通行もはい上がった渦に再びズルズルと飲み込まれ、急停止してしまう。

395 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:46:27.76 tgly6ISO 8/12

「ね、ねぇ、場所移そうよ」

「……なンで?」

思考する前に口から言葉が出る。
二度目で完全に毒を抜かれた一方通行の口調からは刺々しさが消えている。

殺伐としていた最初の雰囲気は、日常会話並の応答がされる抜けたものに変わっていた。

「し、周囲の目とか……その…恥ずかしい……」

「は、恥ずかしィ!?」

「うん……」

再び俯いてしまう。

(え、えェ……)

混乱の中にある思考を必死に働かせる。

(恥ずかしいとかワケが……人の目って今さらってか……アレ?)

だが、どうにもまとまらない。

記憶を掘り返し最初から辿ると、一応顔が赤く俯き加減で場に合わないという点では統合性のとれた行動ではある。
でも、全くもって理解不能であった。

考えれば考える程に疑問が深まり、そうしてさらに思考が混乱する。

「良く判ンねェが、まァ、移動……するか」

そして、放棄。

「ほら、捕まれよ」

一方通行の手が麦野へ差し伸べる。

「え……あぅ……」

真っ赤に茹であがった彼女は、震えながら、でも力強くその手を握った。

396 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:47:49.25 tgly6ISO 9/12

…………………………


たった十秒間のフライト。それだけで、二人は既に銃撃の音が聞こえてこない場所にまで来ていた。
警備員や見回りの人さえ付かない完全なる廃墟となっている研究所。
明かりの無い静かそうに見える方向へ適当に飛んだので、本人さえも此処が地図上では何処に当たるのか把握していない。
帰りに若干の不安を覚えるが、彼女を要望通りの場所に運んだというタクシードライバーのような満足感が今の一方通行の中には有った。
似合わないと思いつつも悪くはないと思った。

彼の頭から、抹殺指令のことは完全に消えている。

「おら、ここなら良いだろ」

力の制御範囲から出ないように胸元に強く押しつけるようにして抱き締めていた麦野を引き剥がす。

だが、直ぐにまた腕の中に納めることになった。

支えを失った麦野が崩れそうになったからだ。流石に女の子に埃いっぱいの床への膝付きは冷酷な彼でも見過ごせないようだ。
それ以外には罪悪感もある。

(酔っちまったか……)

慣れない生身での飛行は内臓を引っ掻き回されたような感覚に陥る。かなりの速度を出していたから、通常の何倍も負荷がかかっていたと推測出来る。

(弱ェ。第四位っつっても女ってことか…)

そんなことを考えていると、腕の中の麦野が自分を軽く押した。
もう大丈夫との合図だと認識し、解放する。

顔色は変わらず最上級に赤いが、今度は支えを失っても崩れなかった。

397 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:49:46.79 tgly6ISO 10/12

「やっぱり……優しい…」

「それはねェ!」

反射的に否定する。

生い立ち、過去の罪、現在の偽善。

自分をダークヒーローと位置付けしている一方通行は、光を極端に避けている。
感謝の言葉や他人の視点で創られた優しい自分。そういったものが怖い。

今は自分のペースでないせいか、否定する言葉には普段乗せることのない身を切るような感情が込められている。

「優しいよ……」

「優しくねェって言ってンだろ!」

麦野は一方通行のその様子に気付かない。普段の彼を知らないのもあるが、少々惚けているのも加わって見えなくなっている。

「あの日もそうだった……」

「だァかァ……あの日?」

一方通行に新たに騒つく頭の隅で記憶を選り分ける仕事を与えつつも麦野の語りは止まらない。

「あの日から、貴方は私の王子さま……」

「……」

そして、第四位の口からはおよそ出ないであろう単語が聞こえたところで一方通行の思考は凍結した。

想いを吐露した麦野が照れて顔を両手で多ってしゃがみ込み、酷く興奮した様子で「い、言っちゃったよぉ」と儚げに呟く。

それをただ、意識も薄く眺める。

それから、暫し時間を空け、

「ごめン。話が全く判らねェンだが」

何とか自分を取り戻して精一杯悩んだ一方通行のたどり着いた答えはそんな純真な台詞だった。

398 : 麦野「王子さま……」[] - 2011/01/09 15:51:39.38 tgly6ISO 11/12

『アイテム』の面々は重い空気を提げて自分達のアジトへと帰還した。

作戦は成功した。被害も驚く程少なかった。

ただ、コアの一人で大切な仲間が生死不明となった。いや、正確には死に近いだろう。

滝壺の力を使おうともしたが、キーである体昌が無くなっていた。

誰の仕業かは直ぐに理解した。自分を餌と表現した時点で帰ることは諦めていたのだろう。
無駄なことをするなという彼女の意志に見えた。

「麦野、超キャラじゃないし…」

絹旗の一人言は誰にも拾われることなくコンクリートの壁に吸い込まれていった。

死神を背負い暗躍し死を何度も経験してきたが、彼女の死には今一実感を求められず涙は流れない。
かといって、生きている希望も得られず、自分達を偽り励ます言葉の一つも浮かび上がらない。

沈黙と無気力が続く。



変化は皆が夢に誘われ始めた頃に訪れた。

アジトの扉を誰かが乱暴に叩いたのだ。

弾けるように椅子から飛び降りる。
警戒するのも忘れ、皆で押し合い攻めぎ合い駆け扉を開く。

「「麦野!!」」

「よ、よォ」

しかし、そこに居たのは一方通行だった。

「こいつ、どォにかしてくれ」

皆が待っていた麦野は殺し合いをする予定だった筈の男におんぶされ、気持ち良さそうに寝息を立てている。

状況把握が出来るまでの数分、弱り顔の赤目と点になっている4つの目は風に晒されながら情けなくぶつかり合っていた。

399 : むぎ[] - 2011/01/09 15:59:26.96 tgly6ISO 12/12

忠告通り中途半端です。ここまでしか書いてないです
なんかもう、胃が痛くてこれ以上は書けませんでした

でも折角書いたからと投下した次第です

続きは要望あれば考えます…


以上。お目汚し失礼しました