604 : 理解 1/5[] - 2011/02/01 22:10:33.89 p/PVJutg0 1/6

上条「なぁ、いがみ合うだけじゃいけないと思うんだ……」

確かに、対立する理由はある。
お互い傷付け合ってしまった。
でも、

上条「痛いのはお互い様だろ……。でも、わかりあえるかもしれないだろ!」

だからこそ、通じ合うものは、あるはずだ。
そう、信じたい。
でなければ、悲しすぎる。

上条「言葉を尽くせば、繋がるんだ、俺たちは! もしも、違うというんなら、そんな幻想はぶち壊す!」

「バゥワゥ!!!」

上条「はい! すいませんっしたぁぁぁぁぁ!!!」

木の幹にしがみつきながら、根元の犬に謝る。
まだまだ噛む気満々だ。
降りた瞬間にやられる。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-22冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1295367884/
605 : 理解 2/5[] - 2011/02/01 22:11:12.23 p/PVJutg0 2/6

上条「やっぱ、説得はむりか……。英会話アプリよりも犬語翻訳機だな、時代は」

学校帰りに、うっかり尻尾を踏んでしまってから、
二時間以上逃げ回る羽目になった。
なんとか、命がけで公園にたどり着き、
木に登り、行ってしまうのを待っていた。
しかし、ヤツの辞書に諦めるとの言葉はないらしい。
上条が登った木の周りをぐるぐるとまわり、
吠え続けている。

「バゥ!」

上条「だから、俺が悪かったって、な」

「バゥバゥ!!」

上条「へへへ、……不幸だー」

「バゥ!!」

上条のいつもの嘆きに合わせて、
犬が降りてこいと言わんばかりに吠える。
時計はとっくに特売の時間を示していた。
やっぱり不幸だ。

606 : 理解 3/5[] - 2011/02/01 22:11:49.18 p/PVJutg0 3/6

「きゃうん」

諦めずに吠えていた犬が唐突に逃げ出す。
まるで、なにかに怯えたかのように。

「何やってんの? アンタ」

上条を不思議そうに見上げる少女。
その顔はすでに見飽きるほどだけど、
今は女神に見える。

上条「……御坂。すまん、助かった」

美琴「へ?」

無意識に発する磁場で、動物に逃げられてしまう少女。
本人はかわいい物が好きなのに、かわいい物からは嫌われてしまうその性質。
でも、それで助かった。本当に。
奇跡のごとく。

607 : 理解 4/5[] - 2011/02/01 22:12:19.37 p/PVJutg0 4/6

美琴「ふーん。犬に追いかけられて……」

上条「マジ助かった。うん、助かったぁ……」

二時間以上、逃げ回っていた時間を思い出すと、
目頭に熱いものが溜まってくる。
瞳から鼻水が出る。

美琴「昔のマンガみたいね……」

上条「ありがとう、マジでありがとう」

美琴「別に助けようと思ってやったわけじゃないし」

上条「でも、助かったんだよ。礼は言わせてくれ」

美琴が近づいてきた時、
心の底から安堵した。
その事は本当で、感謝したいと思う。

美琴「な、なに言ってんのよ。そ、それよりレベル5に二人も勝ってるヤツが犬に逃げないでよ」

上条「犬を舐めんじゃない!!」

美琴「え、何?」

上条「犬はシャ―ッて来るんだぞ! ガブってくるし!」

今日の二時間で、その恐ろしさが骨身にしみた。
もう、愛玩動物とはおもえない。
オオカミの仲間は流石だ。

608 : 理解 5/5[] - 2011/02/01 22:12:46.35 p/PVJutg0 5/6

美琴「は、はぁ」

上条「うん、今日はお前の『ホントは優しいのに、普段はアレ』の優しい部分を再確認したわ、ホントに」

美琴「アレって何よ、アレって。私はエブリディ優しいわよ」

上条「普段がアレな分、余計くるな、優しさが……」

美琴「アレじゃないわよ!」

ホントは良い子の癖に、
まだ何か言ってやがる。
上条が助かったのは事実なのだから、
素直に感謝されれば良いに。
メンドクサイ女だ。
だからこそほっておけなくもあるが。



609 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/02/01 22:13:39.75 p/PVJutg0 6/6

以上です

アレってのはアレですので、アレしてください。

お目汚し失礼しました。