御坂とミサカの一方さんに関する会話? 1~2レスもらいます
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「……と、実はそういうことがあったのですよ、とミサカは暴露してみます」
「あっ、そう」
御坂の感想はそれだけだった。
長々と懇切丁寧に事のあらまし全てを教えてくれた妹には悪いが、
御坂が御坂である限り、この話に感慨を抱くことは皆無だった。
「――――それで? その話はお終いで言い訳?」
喫茶店のテラス席。
可憐な容姿をした双子のような女子中学生二人組に周囲の視線が集中する。
特に同年代の異性からの熱い視線が飛んでくるが、彼女らは気にも留めない。
御坂の素っ気ない態度に、御坂妹と呼ばれる妹達は戸惑いを隠せないらしい。
驚愕、激怒。話を聞いた後、姉がどのような態度を取るか、
様々な予想していたのだろうが、蓋を開けてみれば当人の反応は余りにも薄く。
まさしく『興味がない』と表す御坂の反応は的外れもいい所だったのだみたいだ。
「えっと……」
言葉に詰まる御坂妹。
先ほどまで会話の主導権を握っていた側が沈黙に回ってしまったため、
必然的に今度は御坂が妹のリードすることになる。
「『実は例の第一位さん。
実は妹達を殺したくなくて、
実は自分の罪を後悔し改心して、
実は今まで妹達を助けるために奔走してていたのでした』……まる」
妹から話があると呼び出され誘われがままに訪れた喫茶店。
ウーロン茶で満たされてるグラスのストローをくるくると回せば、
カラン、カランと氷がぶつかり合う音が鳴る。
逆の腕でテーブルの上で肩肘をつく。
『行儀が悪いですわよ』と注意してくる後輩は今この場にはいない。
「ゴメン。
アンタは多分、結構勇気を振り絞って、
その事をわたしに教えてくれたと思うんだけど」
教えない、という選択肢だってあっただろうに。
「『あ、っそう』ってのがわたしの正直な感想よ」
先ほど言ったことの繰り返し。
ある意味申し訳ないが、別にどうと思う事などない。
コレ以上の感想を何か寄越せと借りに妹から要求されても、御坂は両手を挙げて降参するしかない。
だって、それは本当に。
御坂にとって、それ以上でもそれ以下でもない事がらだから。
「そう、ですか……と、ミサカは戸惑いを隠せないまま相槌をうちます」
少しばかり混乱気味の妹に御坂の真意はわかるまい。
御坂美琴という人物は御坂1人だけで、
当たり前だが、正確に彼女の深層心理を暴けるのは自分のみだ。
(あの一方通行が、ねぇ)
意外がと言えば意外だがそうでもないといえばそうでもない。
(――――贖罪のつもりなのかしら?)
贖えるものなら贖ってみればいい。
贖罪は彼の自由だ。御坂がとやかく言う権利はない。
彼が正への歩みを進むことも、負の十字を背負う生き方も。
憧れの人が、妹達が、一方通行を英雄として扱うのも当人たちの権利。
故に、何があろうと御坂は憤慨も感激も驚愕もしない。許しもしないし、認めもしない。
『絶対に認めやしない許しやしない』
一生。
永遠に。
それもまた、御坂美琴がもつ自由だから。
(好きにしろ。―――勝手にやればいい)
一万の妹の命を奪われた憎しみも後悔も怒りも消え失せはしない。
血肉を分けた『家族』を奪われた傷跡は彼女を深く抉り癒えることはないのだから。
純真な心をもつ残り一万の妹たちに、この感情を押し付けることはないけれど。
空へと旅立だった一万の妹だって、確かに御坂の分身であり、御坂の家族だったから。
「うん。―――でもまぁ」
この感情は、自分1人が背負えばいいものだ、と御坂は思案し、
「そんな事があった、ってのは知れてよかったかな?
ありがとうね、『御坂妹』」
「なんだが釈然としませんが、
少しでもお役にたてたのなら幸いです、とミサカは返答します」
烏龍茶に口をつけた。氷に冷やされたお茶の喉越しは、妙にすっとしたものだった。
758 : 姉と妹の会話[saga sage] - 2011/02/03 15:02:17.68 bEdYvxxV0 3/4以上です
759 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/03 18:52:56.37 +veiYzq/o 4/4乙
リアルな反応だな
御坂の正義感ってこういう感じだよね
マッドサイエンティストの計画を憎むのがまずあって、
それの実行者であった一方通行は象徴みたいなもんだよね
関わった研究者を根絶やしにするみたいなアフターストーリーもないし、
上条戦後に追撃してないもんなあ