80 : 22冊目で右席の話をした者です[sage] - 2011/02/08 10:15:13.68 0cLo8GPDO 1/7

名前通りで前回恐縮ながら右席の話をした者です
温かい感想ありがとうございましたっ

あの続きが出来たので投下してよろしいでしょうか? 因みにタイトルは決まってません
後、僕はヴェントさんが好きなので大体ヴェントさんが中心です
あ、でも上条さんも一方通行さんも好きです


※関連

ヴェント「はぁ? フィアンマの生存を確認しろぉ?」
http://toaruss.blog.jp/archives/1022568156.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-23冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297083486/
84 : 右席の話をした者です[sage] - 2011/02/08 11:03:50.38 0cLo8GPDO 2/7

いきなり投下するのは失礼かと思いまして、不快に感じたならすいません

では投下します

85 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/08 11:04:38.24 0cLo8GPDO 3/7



―――ロシア。現象管理縮小再現施設。


「ふっふふーんふっふふーんふっふっふーん♪」


やけに上機嫌な鼻歌が廊下に響く。紅茶を淹れたティーカップが二つ。トレイを両手で掴み、軽やかなステップを弾むも紅茶は零さないという偉業を成す。
真っ赤な修道服を身に包む女性。名はワシリーサ。


「サーシャちゃんと息抜きタイム。息抜きタ・イ・ムー♪」


向かう先はサーシャ=クロイツェフが勤しむ部屋。ワシリーサはタイミングを見計らって、紅茶を用意したのだ。

彼女らが所属する『殲滅白書』。半月程前に起きた戦争のさなか、サーシャは戦争の元凶に狙われ、ワシリーサは世界の広い範囲を敵に回す。……結構過激な数日間を送っていた。
戦争終結後。サーシャは兎も角、ワシリーサは計り知れない敵から狙われる“はずだった”。そう、はずだったのだ。
彼女が全て破った契約書のような書類については、なんと綺麗さっぱりお咎め無し。おそらく誰が裏で飛び回ったのだろうが、こちらとしては好都合。
代わりに生じた天井に届く程の始末書を出された時には嘆いたもの。

閑話休題。

無事『殲滅白書』に帰還し、全てが戻りつつある日々。彼女は先刻立てた今日のスケジュールを振り返る。


(まずはサーシャちゃんと紅茶タイムで、満たされたサーシャちゃんのラヴリーなお腹をマッサージしてあげてー、そのまま抱擁で堪能した後は、サーシャちゃんのドキドキ着せ替えのタイムー。うふ、うふふ、うふふふふふふふ)


微笑みは次第に変態気質に満ちた笑みへと変貌していく。口元から涎を垂らしそうな勢いだ。
シスター達がワシリーサと擦れ違う度に脅えられるのは、言うまでも無いだろう。中にはトラウマさえ覚えたシスターも居たとか。

部屋前に到着し、ドアノブに触れるその瞬間、


「――だ――さ――よ」

「――と――い」

86 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/08 11:05:46.59 0cLo8GPDO 4/7

ピタッと凍結する。ワシリーサは首を斜めに傾けて疑念。
扉の奥から耳に届いたのは声は二つ。片方は自分がよく知る人物の愛しい声だ。では、もう片方の女性の声は……?


(オッケー。冷静になれ私。この部屋からサーシャちゃんじゃない別の女が居て、サーシャちゃんと喋っていると……女?)


思考を素早く回転させる。彼女は自身に冷静になれと必死に訴えかけ、分析の途中で『女』というキーワードに刮目した。ワシリーサの見解はこうだ。


女が居る。
サーシャちゃんと会話中。
会話するほど仲が良い。
だがそれは私が居ない間。
私が居ると邪魔。
つまりサーシャちゃんを狙ってる。
女は泥棒猫。


(―――サーシャちゃんの貞操の危機っ!!!!)


女=サーシャを奪おうとする泥棒猫。と極論直結に至った彼女は、ご機嫌だった頃の笑顔とは打って変わって、鬼の形相へ。
鬼を討つべき桃太郎は、不幸な事に彼女の周りには一人も存在しなかったらしい。

本人的には、ヒロインを攫う悪役に怒りを覚え、退治すべく立ち上がる主人公のポジションであるのだが……端から見るとその見解が、手の平を返されるように覆る事を彼女は知らない。


「サーシャちゃああん!! 私が来たからには安心だよー!!! 横から奪って行くよゴパァーっ!!!?」


扉を蹴破り、バターン!! と、つんざく轟音を響かせて室内に駆け込む……が。
突如としてワシリーサの顔面に金鎚が鈍い音と共に突き刺さった。しかし無傷である。痕さえ残らない。


「意味不明な言動は放っておいて第一の解答ですが、私にとって最も危険な存在は貴様だという事にさっさと気付けよクソ野郎」


冷淡な言葉をワシリーサに贈り付けたのは小柄な少女。サーシャ=クロイツェフである。
見に包むのは、赤いマントの下にインナーそのもののようなスケスケのスーツと黒いベルトで構成された、水着のような拘束服。
但しこれは彼女自身が、自ら望んで着てる訳では無いという事を覚えといて欲しい。


「あぁん、冷たいサーシャちゃんも可愛いー」

「第一の質問ですが、面倒くさいので出て行ってもらえませんか?」


腰をくねくねして頬を染める上司にサーシャは溜息をつく。
話しにならないと感じたのか、彼女は身を翻して歩き出し、椅子に座って『客人』と対面する。

87 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/08 11:07:01.32 0cLo8GPDO 5/7



「第一の質問ですが、多少逸れましたが話を戻していいですか? 付け加えて補足しますと、先程と同じような答えを出されますと永遠とループする羽目に―――」

「手伝いなさい」

「……第二の質問ですが、せめてあなただけでも話を聞く常識人で居て下さい。私が疲れます」


困り果てる彼女を余所に、目の前の人物は構わない様子で自ら話を促す。


「別に良いじゃない。アンタどうせ暇でしょ。それとも、戦争の時の恩を仇で返すつもり?」

「う……だ、第一の解答ですが、それとこれとは話が別です。付け加えて解説しますと、私は暇ではありません。なので手伝う事は出来ません」

「私に否定形はない。だから手伝え」

「第二の解答ですが、それは何度も言うように、ただの横暴ですっ!!」


ガタッと身を乗り出して力説。全く意見を取り合わない彼女にサーシャは声を荒げる。
そこでワシリーサが二人の会話に乱入してきた。机の上に紅茶が入ったカップを二つ置き、


「あらあらぁ~ん? 『神の右席』がサーシャちゃんに何の御用かしら?」


サーシャと同様に用意された椅子に腰を掛け、相対するのはヴェント。彼女は手足を組み、片目を瞑り淡々と対応していた。
突然割り込んで来たワシリーサに眉を顰めるも、変わらない調子で答える。


「“元”だ。今は何処にも所属しない流れ者の魔術師よ」

「その報告は受けてなかったわ。あのクソジジィめ……」

「第二の質問ですが、あなたが関わるとややこしくなるので、部屋の隅で黙っててくれませんか?」

「酷いっ!? サーシャちゃんは私よりこの女が良いっていうのーっ!!!?」

「第二の解答ですが、断言が可能なほど比べるまでもありません。寧ろ価値があるのですか?」


彼女はさらりと刺々しい言葉を放ち、置かれたカップを一つ手に取って口の中へ流す。
そして愕然な衝撃的発言をされたワシリーサは、文字通り『拗ねた』。


「ちくしょぉぉぉ……サーシャちゃんは私だけのモノなのに、あんな女に穢されて……」


膝を抱え、ブツブツと止む事無く一頻りに念仏を唱えるように呟く上司の姿があったという。

ヴェントはそれを尻目に一言。


「いいのか?」

「第三の解答ですが、問題ありません。どうせ長くは保たないでしょう」

88 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/08 11:07:49.21 0cLo8GPDO 6/7



それより、とサーシャは畳み掛ける。


「第三の質問ですが、そもそも何を手伝えと言うのですか? 何の説明も無しに単刀直入ばかりでは理解が追い付きません。事によっては場合も異なりますが」


言い終わってから再度、紅茶を口に含む。理由によっては断れなくもない、そう明言した。

ヴェントにしたら今回の件は確実に内輪の話になるため、余り事実を公言するのは控え目にしていたのだが、……仕方無いと腹を括る。


「捜索よ。赤い男の」

「?」


遠回しに気付かせようとしたのが間違いだったらしい。サーシャは全くピンと来てない様子。
心の中で大きく舌打ちをし、


「フィアンマ。『右方のフィアンマ』の事しかないでしょ」


今度こそピタリと、カップを傾けていたサーシャの手が停止し、ワシリーサまでもが念仏を止めた。

89 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/08 11:10:13.61 0cLo8GPDO 7/7

投下終了です
原作設定、キャラ設定、違いがあるかもしれません