161 : 右席の話をした者です[sage] - 2011/02/09 08:59:56.99 7tg9uVpDO 1/8続きを書けました
スレ建てはだいぶ溜まってきたら建てようと思います
本業もあって不定期になりそうなんで
では投下します
※関連
ヴェント「はぁ? フィアンマの生存を確認しろぉ?」
http://toaruss.blog.jp/archives/1022568156.html
ヴェント「はぁ? フィアンマの生存を確認しろぉ?」2
http://toaruss.blog.jp/archives/1022568304.html
場が凍り付く。それもそうだろう。
フィアンマは今回起きた戦争の首謀者。表沙汰には名が挙がって無いが、多くの魔術師から殺害の対象となっているのは間違いない。
しかもその大半がロシア成教の魔術師である。そしてココはロシア成教の中枢、場を間違えばヴェントさえ狙われかねない。
「……第四の解答ですが、状況を把握しました。詳細の続きをどうぞ」
「だから手伝え」
「ですからっ!! 何度もっ!! 言ってるじゃないですかっ!!」
「チッ、せっかちなヤツめ。騒ぐと誰か来るわよ?」
ギリギリと強く握り拳を作り、彼女は融通の利かないヴェントに頭を悩ます。
どうして自分の周りは話を聞かない人ばかりなのだろうか、これも運命なのか。サーシャは苦悩の種が尽きない。
「一応言っとくけど、私はアイツを助けようとか守りたいとか、そんな下らない概念で動いてる訳じゃないから。
アイツがどうなろうと知ったこっちゃないし、どうでもイイしね」
彼女は本当に心の奥底からどうでもいいと吐き捨てた。
組んだ手足も表情も変わらない。元々仲間意識が無かったからなのか、真実は彼女にしか判らない。
「第四の質問ですが、では何故捜索を? あなたがそこまで言うんです。相応な理由があるでしょう?」
「アンタはホントに間抜けね」
呆れて盛大に溜息をつく。対するサーシャはムッと顔をしかめる。
……後ろの方で何やら上司が悶絶して騒いでいるが、この際無視。
「仮にも元『神の右席』。私の存在を関知、尚且つ戦争の元凶と面識のある人間……こう考えたら簡単でしょ?」
「元ローマ教皇。あのクソジジィか」
「ビンゴ♪」
的を射たワシリーサに指を差し、口元を吊り上げて嫌な笑みを浮かべた。
「正確には『連れ戻せ』って依頼らしいけどね。それにあのクソ野郎が意味も無く姿を晦ます何て気色悪い。また面倒事を起こされたら堪ったもんじゃないわ」
勘弁被る、と首を横に振った彼女は肩を竦める。
ヴェントの言葉にサーシャは頷き、
「第五の解答ですが、事情は理解しました。しかし協力は困難が立ちはだかります。
補足説明しますと、今ロシアは学園都市からの攻撃を受け、復旧に必死です。私達も例外ではありません。
その状況中で私だけ戦争の元凶を捜索というのは、必ずしも上への許可が必須。事が悪い方向に行けば私は罰則が下ります。
第六の質問ですが、その上、同行の人物が元だとしてもローマ正教に属すると知れば、あなたまで危険が及びますよ?」
ロシア・ローマの仲は、戦争以降どちらかと言えば悪くなった。
何故こんな曖昧な表現について掻い摘んで説明すると、上の人間だけが今回の戦争を引き摺っているのだ。それ以外の人間は気にしてはいない。
大の大人が責任はそっちだそっちだと、お互い罪を擦り付け合って議論している。七つの美徳や七つの大罪なんて何処へやら。
以上の事柄を踏まえて、サーシャは懸念するのだ。過去形にしても元ローマ正教のヴェント。
上が黙っちゃいないだろう。今こうして会話をするだけで十分危険極まるのだが……。
ヴェントは「大人の事情」とやらに嘆息を漏らす。
「……はぁ、面倒ね。結局ココに来たのも無駄足だったってわけか」
「第六の解答ですが、もしフィアンマ捜索に当たるなら有力な情報があります」
「それを先に言えよ私の気分が無駄に落ちたじゃない」
「……第七の解答ですが、疲れてきたので、何だか段々どうでもよくなってきました」
168 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/09 09:07:04.90 7tg9uVpDO 8/8投下終了です
今回は限りなく短いぃぃ……すいません