318 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/02/10 23:19:44.04 EtHM51IAO 1/9

>>184の続きの設定で8レスほどお借りします。需要があるのやら、一方さんと禁書さんです。

※関連

Gifted children
http://toaruss.blog.jp/archives/1022570387.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-23冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297083486/
320 : all-you-can-eat 1[] - 2011/02/10 23:22:06.97 EtHM51IAO 2/9






からんころーんというチャイム音は、今思うと、死刑台へのカウントダウン、そして天使のラッパの音だったのかもしれない。



お昼前、何も知らない新任の女性店員の横で、フロア長の私はただただ悪夢の再来に怯えた。

「お客様は二名様でよろしいですか?」

「あァ」

「それではこちらへ」


連れ立って消えていくお客様の男性の方が、ちらりとこちらを見た。
射竦められ、私は動けない。

彼の表情は、緊張。
これから起こるかもしれない暴虐への。



「フロア長……ッ! あの方がいらっしゃったんですかッッ!!」

「……山田くん」

「また俺は! 惨めな勝負をッッ!」

厨房担当の山田くんは、壁に拳を殴りつけて吼えていた。
痛いほど気持ちは分かる。
何故、私達だけが、世界の歪みを一心に引き受けなければいけないのだろうか。

娘と妻の笑顔が、走馬灯のように蘇ってくる。

「山田くん、私たちは戦わなくちゃいけないのよ」

「……でも」

「配属されちゃったのよ、この地獄にね……」

同じく厨房担当のスタッフは、身に纏う戦闘装束【エプロン】を握りしめた。

321 : all-you-can-eat 2[saga] - 2011/02/10 23:24:19.73 EtHM51IAO 3/9




「――コードホワイト――」

最近の悪魔は、シスターになりすましているらしい。



ニヤリと、彼女は笑った。

「どれもこれも美味しそうなんだよ!」




322 : all-you-can-eat 3[] - 2011/02/10 23:26:34.51 EtHM51IAO 4/9





そんな悲壮感は露知らず。

「うふふ、ハンバーグセットにしようっかなー。 それともスパゲティ? あー! 決められないんだよ!」

「なァ、マジで1500円までなァ」

「うんうん、スープバーとサラダバーとドリンクバーを付けて、それでライス大盛で富士山ポテトとか追加しちゃったり」

「コイツ、聞いちゃいねェ」

「1000円超えると一気に量頼めるかも、太っ腹なあくせられーたに感謝だね!」ニコッ

「」ゾクッ

言いしれようのない蠱惑的な笑みを浮かべた少女は、読んでいたメニューを元の場所に返す。
そして、事も無げに水を一杯飲んだ。


一杯とはピッチャーで、と言うことを加えておこう。

323 : all-you-can-eat 4[saga] - 2011/02/10 23:28:23.15 EtHM51IAO 5/9





「あくせられーたは決まった?」

「まァな」

「じゃあ、私が押しちゃうんだよ」

いつもなら、ぽんぴーんとどことなくマヌケな音を出すはずなのだが、今回は何故かその音ではない。

「たたた、たたた、たたたたたたたたた……これって」

ドシラ、ドシラと聞き覚えのあるメロディー。

ゴジラだった。

「あァ、ぴったりじゃねェか」

「それってどういう意味なのかな!?」

「怪獣で天災みたいなモンだろォ、オマエって」

現に、オーダーを取りに来た髪の薄い店員の表情は笑顔で繕ってもいない、ただただ強ばっていた。


324 : all-you-can-eat 5[] - 2011/02/10 23:29:56.96 EtHM51IAO 6/9



――――

「ただいま!」ガタン

「サラダバー19回目、ドリンク・スープ合わせて56回目。 通算75回ェ…」

「あふへられーはっへば何で数へへるの?」ムシャムシャ

「このままだとただの山賊みたいなモンだから、概算して店のヤツにチップぐらい渡しとこォかと……」

「はりはと!」ムシャムシャ

最早ドレッシングさえかかっているのか疑わしいレタスを、むしゃむしゃと頬張るインデックス。

1時間ほど前にステーキセットを完食したのに、まだまだ元気である。

「あァ、少なくとも俺は出禁くらわねェよォにしねェとなァ……」

何気なく店内を見回してみると、あちらこちらに死んだ目をした店員が彼らを見ていた。彼らがいたたまれなくなって、慌ててメニューを見た。

ちなみに、折節『クビが飛ぶぅぅ!』などの悲鳴も聞こえてくるのだが、そんなことは修道女は一切お構いなしとの姿勢を崩さない、実に見上げた根性である。


325 : all-you-can-eat 6[] - 2011/02/10 23:32:10.24 EtHM51IAO 7/9





「シスター、何かデザート頼めェ」

「良いの?」

「むしろ頼め、オマエ、ほぼ無銭飲食みたいなモンなンだからよォ」

「うーん」

彩色豊かなデザートの面々を、端から端まで舐め尽くすように鑑賞して。

「ねえ、あくせられーたは食べないの?」

「あァ?」

「さっきから私だけが食べてるなって思ってたんだよ」


ごしごしと。

あの時もそうだが、一方通行が持ち歩いているウエットティッシュで、インデックスは口元を拭った。

「気づくのおせェよ。 まァ、こっちは一種のショーを見てる感覚っつゥか」

これは嘘ではない。

何故なのか、まるでブラックホールのように、あんな小さい口に尋常ではない量の食べ物が消えていくことが妙に好きだった。

それと

326 : all-you-can-eat 7[] - 2011/02/10 23:33:44.51 EtHM51IAO 8/9




「……幸せそォに食うな」

「何か言った?」

「別に、早く選べっつったンだよ」


こんなとこに長居してたまるか、と背もたれに深く寄りかかる。
自分が超能力者で、そしてブラックカードを持っていて良かった、と少し安堵しながら。


「……ねえ、あくせられーた」

「あァ?」

「私ね、これ食べたいかも……」

少し躊躇い気味に言うのが珍しく、目線だけちらりと移動して

「はァ?」

「いや、違うんだよ! そのね? えっと、限定メニューだから今がチャンスかなあって……」

ツンツン、ツンツン。
彼女の両人差し指が触れて離れる。

「カップル限定メニュー…だと…?」


どうやら、まだまだ彼の受難は止まないらしい。

327 : おわり[] - 2011/02/10 23:37:55.58 EtHM51IAO 9/9

前回分で沢山コメントを頂けて、とても嬉しかったです。それで、スープバーとかサラダバーとか、インデックスさんの限界はどこまでなのか自分にも分かりません、可愛いは正義の典型的なお人だと思います、インデックスさんハスハス!
というか増えても良いよね一方禁書!
お付き合いいただきありがとうございました