406 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/02/11 23:20:26.01 X6mVbBtAO 1/12

>>184と>>324の続きで10レスほどいただきますねー


※関連

Gifted children
http://toaruss.blog.jp/archives/1022570387.html

all-you-can-eat
http://toaruss.blog.jp/archives/1023525749.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-23冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1297083486/
407 : indulgent 1[] - 2011/02/11 23:21:46.45 X6mVbBtAO 2/12






「怖かったよぉぉ、あくせられーたぁ!」ギュッ

「落ち着け、オマエは既にアレから降りたンだ。 たかがモノレール」

「だってね、あんな大きいのがあんな上に…!」

彼としては、既に杖で片手を割かれているので、もう片方に体をすり寄せられるとなんとも離しようがなく、かといってモノレールに半ば無理やり乗せた引け目から怖がる彼女を放ってもおけず、ただただ困っている。

幸いなのは、平日の昼間故に閑散としているぐらいか。


「飛行機のほォが原理的には不気味だろォが、鉄の塊が宙を舞うンだぜ?」

「あ、それは揚力で安定してることは知ってるんだよ」

OKと親指を突き出す修道女に、彼はただ嘆息するしかなかった。

「基準が分かンねェ」


空を見ると飛行機雲が一筋。
見事な晴天である。


408 : indulgent 2[] - 2011/02/11 23:23:57.42 X6mVbBtAO 3/12



「で、どンなやつが良いンだよ?」

「えっとね、使いやすくって、丈夫で、濡れなくて、大きめのものなんだよ! 背負えると尚良いかも!」

「案外堅実な理想だな、つゥかそれならオマエにぴったりのものがあるぜ」

「ほんと!?」

「あァ、色も選び放題、体にフィット、物によっちゃァ、背筋が伸びる」

「ん?」

ここで、訝しげな表情をしたインデックスに、したり顔で彼は告げる。

ご丁寧に子供用のマネキンを指差して。


「ランドセル、うってつけじゃねェ?」ニヤニヤ

「あくせられーたってばぁあ!! また私のことバカにするんだよぉお!!」

「ピンクとか好きだろ」

「きぃぃい! 私は英国産のレディだと言うのにぃぃ!」

「あれ、天使の羽かァ?」

「うぅー! っ!」ピーン

インデックスも地団駄を踏みながら憤慨してばっかりではいられない。
すかさずに、魔術サイドが誇る頭脳で反応してみせた。

それは、どちらがゲスいのか。

409 : indulgent 3[] - 2011/02/11 23:26:02.75 X6mVbBtAO 4/12





「……そっかあ! 私にランドセル買ってくれるんだ! わーい! お祖父ちゃんありがとなんだよ!」

「オマエ……っ、この……」


さっと場の空気が一変する。
一応ここは閑散としているとは言え、通りの一角なのだが天才児達には関係は無いようだった。


「ふん! やられてばっかの私じゃないかも!」

「よォしィ、くかかか、1月の百人一首の借りでも果たそォじゃねェかァァ…!!」

「望むところなんだよ……!!」ガルルルル


さてはて、年も性別も違うのにどの観点で争おうとしているのか不明な中で(多分誰も深くなど考えてはいない)

彼らの足にコツンと当たる物があった。


410 : indulgent 4[] - 2011/02/11 23:27:36.81 X6mVbBtAO 5/12




「あァ?」

「あ、まいかが乗ってるやつなんだよ」

一台の清掃用ロボが何故なのか突撃してきたのだった。

(犬でも喧嘩は食わねェンだろ)

じゃあ、学園都市製で高性能なこのロボットならば咀嚼できるのか。
どちらにせよ、くだらない。

ただの不良品が迷惑をかけてきただけではないか。

「おそうじろぼ、私はゴミじゃないんだよ?」

「喧嘩は止めろとでも言いたいのかっつゥンだ」

「ほんとにそうかもしれないんだよ?」

ただの毒づきに同調された。
相変わらず食えない女だ。


「とんだメルヘンだな」


411 : indulgent 5[] - 2011/02/11 23:28:58.66 X6mVbBtAO 6/12




「案外、修道女なんてそういう物なのかも」

「あァ?」

「全知全能たる主を心から敬愛してるんだよ? 王子様に憧れる女の子みたいな心境じゃないかな」

「何でオマエは他人ごとなンだよ」

「神さまに助けてもらった記憶は無いんだよ」

「……」

修道服が地面に付かないよう、少しだけ持ち上げてインデックスは屈んだ。

「私がここに居たせいでキミのお掃除を邪魔しちゃってごめんね」


労うかのように、つるりとした表面を撫でると清掃用ロボは新たな不浄の地を求めてまた彷徨う。

未開の地にて布教をするシスターらもこうなのだろうかと、太陽に反射して光る後部を見つめた。


412 : indulgent 6[] - 2011/02/11 23:30:04.19 X6mVbBtAO 7/12




「……背負えるって、リュックとかっつゥことかよ」

「うーん、やっぱり語弊があったかも。 一つの肩からかけられるバッグが便利そうで良いなあって思うんだよ」

「ショルダーバックねェ……」

先ほど食べた苺パフェの味がまだ口の中に残っていて、妙な気持ち悪さを誘ってくる。
だから自販機をさっきから探しているのだがどこにも見つからない。
もう直ぐ店に着いてしまうと言うのに。



「でも私は、あくせられーたがくれるんなら何でも良いかも」

「いつも仲良くしてもらってるし」

「何だかんだで、やっぱりあなたは優しいんだよ」エヘヘ

「俺が優しいねェ……、これまた酔狂なことを」

「食べ物くれる人に悪い人は居ないかも」
「凄まじい基準をお持ちのよォで」

413 : indulgent 7[] - 2011/02/11 23:31:47.75 X6mVbBtAO 8/12






「あ、そうだ!」

インデックスは袖の中をごそごそと漁る。

「はいこれ! コーヒー味の飴なんだよ!」

「どこから出したのかもアレだがよォ、オマエが飢えに飢えやがって拾ったンじゃァねェだろォな」

違う違うと首を振った。

「さっきのファミレスで貰って来たんだよ」

「ファミレスで?」

「お陰様で助かりましたって」

「あァ――」


414 : indulgent 8[] - 2011/02/11 23:33:43.38 X6mVbBtAO 9/12




先ほどの会計時に損失額分を置いてきたことだろうか。

そうだとしたら、こちらの罪悪感だけであちらに礼を言われる筋合いはさらさら無いのだが。


とはいえ、好意を無駄にする必要もない。

「口ン中甘ったるくて困ってたンだわ」

飴を受け取り口内へ放る。
やはりというか、彼にしてみればこれだってコーヒーと名は付くにせよ甘ったるくて仕方がない。

からんからん
幾度も歯に当たる。

「どう!? 美味しい?」

「普通」

それでも、他の誰でもなく彼女が渡してきたのだから、妙な義務感を持たずにはいられなかった。


415 : indulgent 9[] - 2011/02/11 23:34:36.78 X6mVbBtAO 10/12




(なンか、違うよなァ――)

何とも言えない生温さ。微妙な甘さ。


「これ、温度計ついてるんだよ! こっちはピカピカしてるかも!」

「無難なやつにしとけっつゥの」


空調設備の整った室内も、やはり人は居ない。
突然の客に店員も驚いているようだった。


(この味悪くねェとか思っちまうとか、本当柄じゃねェよなァ――)


インデックスが茶色の鞄をぶら下げてこちらに歩いてくる。
期待に満ちたような眼差し。


かける言葉は決まっていた。


「ねえねえ、これはどうかな?」

「――あァ? まァ悪くねェンじゃねェの?」

416 : indulgent 10[] - 2011/02/11 23:35:44.31 X6mVbBtAO 11/12






これが白い白い彼らの、とある1日。






417 : 終わり[] - 2011/02/11 23:41:31.39 X6mVbBtAO 12/12

誰にも頼まれてはいないんですが3部作になりました。とりあえずタイトルは『天才児』『食べ放題』『寛大な』の英語訳です。今日放映でしたっけ、いやあ楽しみで胸が踊るものです。とりあえず例のファストフード店に行ってみたいなあ、雇っていただきたい。
スレ立て迷ってる一方禁書の話があるので、これから見かけたらコイツだなと思ってスルーしていただけたら幸いです。
お付き合いいただき誠にありがとうございました!