土御門「カミやんカミやん」
上条「ん、どうした土御門?」
土御門「面白い噂持ってきたにゃー」
上条「面白い噂? 脱ぎ女とかか?」
土御門「チッチッ、そんな噂目じゃないぜぃ!」
土御門「『絶対毛髪育成(アートネイチャー)計画』って聞いたことあるかにゃー?」
上条「なんですかそれ……初めて聞きましたよ」
土御門「ふっふっふ、無知なカミやんに俺が説明してやるぜよ! 心して聞くにゃー?」
土御門「『絶対毛髪育成(アートネイチャー)計画』ってのはな、学園都市の誇るレベル5達の育毛計画なんだぜぃ」
上条「はぁ? アイツらみんな髪あるじゃねぇか」
土御門「まぁまぁ、最後までちゃんと聞くぜよ」
土御門「確かにカミやんの言った通りみんな髪はある『ように見える』にゃー」
土御門「でもな、あれは能力を使って生やした、若しくはカツラなんだにゃー」
土御門「例えば、一方通行なら発毛のベクトルを変換して、第三位なら生体電気で発毛促進ってとこだぜぃ」
土御門「カツラはなんと、第二位の未元物質製だぜぃ!」
上条「……んなバカな」
土御門「嘘だと思うなら確かめてみるといいにゃー」
土御門「能力で作って有るものだから、カミやんが右手で触れたらおしまいだぜよ!」
上条「んな事確かめるまでもなく嘘だろ、噂はあくまで噂だってば」
土御門「まぁいいにゃー。気が向いたら試してみるといいぜよ」
―――
上条(って言われてもなぁ……)
上条(レベル5の髪を触ったら……ハゲるのか?)
上条(いやいや噂は噂だって。上条さんはだまされませんよ?)
上条(いやでも、もしホントなら上条さんは、髪浄さんに?)ブフッ
上条(や、やべえ……試したいかも)プルプル
上条(今、ビリビリに会ったりしたら――)
美琴「なぁーにニヤニヤしながら歩いてんのよっ」バチバチ
上条「うわあっ!?」キュィィン
美琴「ちぇっ、なーんでアンタは不意打ちまで防いじゃうかなぁ……」
上条「び、び、ビリビリぃ!? びっくりしたぁ……」ドキドキ
美琴「……なによ、そんなに驚く事ないじゃない」ムスッ
上条「え、あ、いや全然! 上条さんは全然驚いてなんかいませ……いや、不意打ちされたら普通に驚くだろ!」
美琴「あははっ、なーに焦ってんのよ! なぁに? なんかやましい事でもあんのー?」ニヤニヤ
上条「(えっ!?読心能力!?)い、いやあなーんにも! やましい事なんてこれっぽっちもありませぬ!」
美琴「アンタいつの時代の人間よ……」
上条「と、ところでビリビ……御坂は今帰りなのか?」
美琴「そうよ。アンタを見かけたからちょっとからかってやろうと思ってね!」フフン
上条「からかうので電撃は勘弁して下さい……っつぅかもう結構暗くなってきてんぞ? 寮まで送ろうか?」
美琴「べ、べつにアンタなんかに送ってもらわなくてもっ……!」カァァァッ
上条「まぁまぁ、人の好意は素直に受け取るもんですよ?」
上条(ここで、自然に頭に右手を――)スッ
ポンッ
美琴「え?」
バサバサバサバサッ
上条(う、わ)
上条「うわああああああ! ホントに抜けた……あ?」
美琴(ハゲ)「……ホントに?」バチバチ
上条「……あー、そのですねー」アトズサリ
美琴(ハゲ)「アンタ知っててやったのかゴラァ!!!」キィン
ゴッ!
上条「うおっ、まぶしっ!?」キュィィン
上条「すみませんでしたおやすみなさいさようならー!」ダッ
美琴(ハゲ)「待てゴラァ責任取れー!」バチバチバチバチ
上条「うわああああああ!」ダダダダダ
―――――
上条「……はっ、はぁっ」
上条(なんとか、逃げ切った……)ゼェゼェ
上条(しかし、噂はホントだったのか……)
上条(これからもビリビリには狙われるだろうな……ならいっそのこと)
上条「……学園都市のレベル5、全員相手にしてやるぜ」
上条「お前達が育毛するってぇのなら、まずは……」
上条「その毛根をぶち殺す!」
――俺の戦いはまだこれからだ!
――end――