838 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/16 23:58:07.59 DSGenfYDO 1/7投下させてください
番外通行ですの!
いつにもまして中途半端です。携帯からの投下です。誤字脱字あったらすみません。
では失礼します
ソファに座って新聞を読んでいた。3人掛けのど真ん中を陣取って遠慮なく新聞を広げる。黄泉川も芳川も、クソガキ1号も今日は居ない。買い物に行くのだそうだ。
クソガキ2号はさっきからソファの背もたれに腰掛けて携帯を弄っている。聞こえるのは小さいボタンを押す音だけ。静かで何よりだ。
新聞の字を追っていると、背もたれが重みから解放される感覚があった。番外個体が腰を上げたらしい。
「優しくしないで」
突然言われた不可解な言葉。こんな台詞を言われる様な心当たりはない。
「俺がいつ何に優しくしたって?」
「ミサカ達に。優しくしないで」
コイツは最近突然こういう事を言い出す。適当に聞き流しておけば通常モードに戻るのが常だ。だから聞き流す事にする。
「してねェだろ」
…聞き流すんじゃなかったか、俺?こういうのも、最近よくある事だ。誰かの疑問に対して、特にミサカ達に関する事について、俺の口は脳味噌で決めた事と違う言葉を吐きやがる。
「してる」
「してねェ」
ガキの押し問答な会話。時間の無駄だ。
部屋の風が流れたのを感じて顔をあげると、いつのまにか番外個体が目の前で仁王立ちしていた。
新聞を取り上げられた。テーブルに無造作に投げ捨てられる携帯。一週間前にねだられて仕方なく買ってやったストラップが派手な音を立てる。ウサギとカエルと目が合った。こっち見んな。
「"御坂美琴"(お姉様)はあなたにとって何」
「お前らのオリジナルだろ」
「妹達は何」
「被害者」
「打ち止めは何」
「……被害者2」
「じゃあ、このミサカは」
「……」
考えた事もない。
俺の被害者で、俺が守るべき奴ら。
「被害者って何よ」
番外個体はひたすら無表情で、一体何を考えてるかわからない。実験の時のアイツらを思い出す。
「被害者は被害者だろォが」
「じゃああなたも被害者だね」
「はァ?」
「妹達は無抵抗であなたに殺されたんじゃない」
「……」
「相手があなたじゃなかったら死んでる事を、あなたにやってきた」
本格的に何を言ってるんだコイツは。俺みたいなクズは生きてて、アイツらみたいな守らなきゃいけなかった奴らが死んだ。残った結果はそれだけだ。
「俺は死んでねェ」
「妹達はあなたが撃っても死なない事を知ってて撃ったんじゃない。殺す気だった。それはあなたを殺すのと同じだ」
…やっぱ変だな、コイツ。
「疲れてンじゃねェの?寝ろよ。晩飯になったら起こしてやる」
「逃げてんじゃねぇよ自虐大好きなドM野郎」
「……何だと?」
聞き捨てならねぇ事言いやがって。
「何が言いたいのかハッキリ言え」
「じゃあ言う。もうミサカに縛られるのやめてくんないかな」
それまで仁王立ちだった番外個体が抱きついてきた。膝の上に乗られて頭を抱えられる。重たい。
さっきまでむけられていた、全ての感情を抜き取った様な視線から解放されて少しホッとする。
顔は見えなくなったが、なんとなく番外個体が泣いている様な気がした。背中に手を回そうとも思ったが、やめた。コイツは嫌がるだろう。慰めなんて必要になるキャラじゃない。コイツも、俺も。
油断していたせいで、番外個体が電極のスイッチに手を掛けているのに気づかなかった。パチン、と小気味の良い音と共に言葉も思考もない世界に放り込まれる。
番外個体が何か言ったが、何を言っているか理解できなかった。
「あなたがいつまでもミサカ達に罪悪感とか責任感とか感じまくってるせいだ」
「だからミサカは」
「いつまで経ってもあなたに触るどころか近づけもしない」
「好意まで反射するのやめてよね」
「凄い迷惑だから」
「ミサカがこんなに苦しいのは、あなたのせいだ」
844 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/17 00:05:37.53 QvZva9/DO 7/7終わりました!
読んで下さってありがとうございます。
今日は投下少なくて寂しいですね。誰か木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥン!と一方通行大活躍のSS書いてくれませんか←
では失礼しました。