100 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  1/7[saga] - 2011/02/19 18:22:56.36 ZDKbMV5F0 1/9



身長190Cm近いがっしりとした体格をもつ絵に描いたような暑苦しい男

とても学園都市の研究者とは思えないそいつは俺の実験に割り込ンできてそう言い放った



一方「……突然現れてなにわけわかんねェこと言ってンですかテメェは?」

一方「これから俺がこいつを踏みつぶせばそれで終わり、実験成功だろうが?」 ガシゲシッ

00001号「グッ……!」


修造「ダメダメダメ全然ダメッ!全ッ然わかってないね君!」

一方「はァ?」


修造「だって君全然熱くなってないじゃん、全然本気じゃないじゃん」

修造「そんなんで実験成功とか申し訳ないと思わないの!?」

修造「この実験に協力してくれてるその娘や研究者のみんなに?そこどうなの?ねぇっ!?」


一方「マジでわけわかンねェ……熱くなるもくそもねェだろ?」

一方「こいつら程度ぶち殺すのに本気になる必要なンか一ミリもねェし」

一方「なによりこれから20000体も殺すンだぜ?いちいち本気になってらンねェよ」


修造「違う違うそういうことじゃないの!わっかんないかな~~~~~っ?」

一方「???」


修造「これはあれだね、まだ実験するっていう段階、つまりそういうレベルじゃなかったのかもしれないね、うん」

修造「実験はいったん中止!まずは気合を入れなおす為にトレーニングだ!」

一方「?????」

修造「今から始めるよ、最初はは走りこみから、学園都市を5Kmランニング」

一方「え?え?」

修造「はいスタートッ!ほら走って!」

一方「な、何なンだよチクショウ……」 ダッ!


元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-24冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298034529/
101 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  2/7[saga] - 2011/02/19 18:23:50.76 ZDKbMV5F0 2/9



その日から俺のつらく苦しい日々は始まった

今までだって人より厳しい人生は送ってきたつもりの俺だが、こういう地味な肉体的トレーニングの経験は皆無だった

ランニングから始まり腕立て・腹筋・縄跳び……終わるころには毎日体中ガクガクでコーヒーを飲む気力すらなくなる




一方「くそっタレェ……ハァハァ…何だってこンなことしなきゃなンねンだよ……ゼェゼェ」

修造「なんで?どうして?って思った時は原点に戻ることが重要だよ」

一方「ハァハァ……あン?」



修造「君の目標はなんなの?なんで実験を始めようと思った?」

一方「そンなもン……レベル6になるために決まってンだろうが……」



修造「レベル6になりたい、うんすごいよ、すごくいい目標、志が高くてすごく立派」

修造「でも本当にそれ、君の本心?」

一方「あァ?」



102 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  3/7[saga] - 2011/02/19 18:24:26.94 ZDKbMV5F0 3/9



修造「本当にレベル6になりたいのかって聞いてんの!気の無い返事やめろ!」

一方「ビクッ!) あ、ェ、な、なりてェに決まってン…決まってます」

修造「なってどうしたいの?どうなりたいの?」



一方「それは……」

修造「言い淀んだ!今言い淀んだね!言い淀んだってことは本心じゃないってことだから!」

修造「『なりたい』だけじゃダメなんだよ、『なってどうしたいか』っていうイメージを具体的に持たないとやる気なんてわいてこないんだからね」

修造「どうなの、君にあるの?そのイメージが?」



一方「……………」

修造「自分で自分のことがわかってない顔してるよ今」

修造「自分が本当はどうしたいのか、どうなりたいのか全然わからないっていう顔」

一方「俺ァ………」



修造「いつまでも自分をごまかしたぬるま湯なんかに浸かってんじゃねえよ!! 」

一方「 !? 」



修造「休憩終わり!はいまた走ってきて!」

一方「……クソっ」 ダッ



103 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  4/7[sage] - 2011/02/19 18:25:01.45 ZDKbMV5F0 4/9



なんでレベル6になろうと思ったのかだと?

俺はレベル6になれば何かが変わると思ってたんだ、今のゴミだめみてェな生活の何かが

……だが

もしレベル6になったら、それは今以上に誰も寄りついてこねェそんな生活の始まりだ

敵さえも寄ってこねェ本当に一人きりの日々

……本当の孤独……




一方「…………」 タッタッタッタッ…

00001号「む、これはこれは被験者一方通行ではありませんか?」



一方「ハァハァ……テメェは……なンでこンなとこにいやがる」

00001号「ミサカは現在外部研修中なのです、とミサカは汗だくの一方通行に説明します」

00001号「しかし本当にすごい汗ですね、大丈夫ですか?」



一方「当り前だろうが…ゼェゼェ…俺を誰だと思ってやがンだ」

00001号「………これを」 スッ

一方「あ?なンだこりゃ?」

00001号「ミサカが支給されているハンカチです、と言いながらミサカは一方通行にハンカチを差出します」



104 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  5/7[sage] - 2011/02/19 18:25:33.15 ZDKbMV5F0 5/9



一方「それは分かるがお前……」

00001号「汗をかいたまま走ると体温を過度に奪い風邪をひく危険があります、これで汗をぬぐってください」


一方「……なんでテメェが俺の体調なンか気にすンだよ?」

00001号「そんなこと……心配だからに決まっているでしょう、受け取らないならミサカが一方通行をふいてしまいますよ?」 フキフキ

一方「え……?」


00001号(一方通行が体調を崩したりしたら実験に支障をきたしますからね)

一方(俺はお前にあンなにひどいことしたってェのに……)キュン



フキフキフキ…



00001号「……もういいでしょう」

00001号「トレーニングは基本的に推奨されることですがオーバーワークにはならないよう気をつけることですね」

一方「お、おう」


00001号「では……頑張ってくださいね、とミサカは運動部のマネージャーのような笑顔で一方通行を送り出します」 ニコッ

一方「…………ッ!?」 ドッキュン



105 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  6/7[sage] - 2011/02/19 18:26:18.57 ZDKbMV5F0 6/9




    ――――― 一か月後 ―――――――



00001号「やっと実験再開ですね」

一方「あァ……」

00001号「現在時刻は11時28分12秒、あと1分48秒後に… 一方「その前に少し話を聞いてくれ」

00001号「?なんでしょうか?手短にお願いします、とミサカは時計を見ながら答えます」



一方「俺ァ……」

一方「俺はお前が好きだ!!」

00001号「…………………」

00001号「…………………はい?」



一方「俺ァ気づいたンだ……この一カ月のトレーニングの中で……」

一方「俺は孤独な自分が嫌だった、憎まれ恐れられるだけの今を変えたかった」

一方「そして自分の傍にいてほしい誰かのことを考えてたら」

一方「気づくとお前のことばかりが頭に思い浮かンでいた」

一方「初めて俺のことを気遣ってくれた一人の女の子であるお前のことがな……」


00001号「 !? 」



一方「だから……僕と付き合ってください!!!」



00001号「………………」

00001号「~~~~~~~~~えええっっ!?」



106 : 修造「君の為の実験なんだよ?もっと熱くなれよ!!!」 一方「 !? 」  7/7[sage] - 2011/02/19 18:27:12.82 ZDKbMV5F0 7/9



00001号「あ、あのですね?ミサカはここに実験の為に来たわけで……」 ドキドキ


一方「実験なンかもうどうでもいい、いやむしろこンな実験俺がぶち壊す」

一方「お前が死ななきゃなンねェようなふさけた実験はな!」

00001号「 ドッキュン) ミ、ミサカは一方通行の突然の告白に……その…驚愕を……」

00001号「え、え~~~~とぉ~~~」



一方「……………」 ジッ

00001号「……///」 

00001号「……………~~~っ!」


ダッ!


一方「あっ!?」


修造「何ボサっとしてるの?」 シュタ

一方「修造さン!?すみませン、俺実験はもう……」


修造「いいんじゃないかな?」

修造「レベル6になるという初めの目標は達成できなかった、それは事実」

修造「でもこれも確かな青春だと思うよ」 キラッ


一方「修造さン……」

修造「ほら追いかけて!女の子待たせちゃだめでしょ!」

一方「はい!」 ダッ



学園都市第一位一方通行はこの後数々の事件を修造に授かった熱いスピリットにより乗り越えるのであった END



108 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/19 19:09:11.04 7m6XnboAO 8/9

この一方さんは垣根くんに「オマエには超能力者としての熱さが足りねェンだよ」とか言っちゃうんですね

110 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/02/19 19:25:52.45 PNXOFqkzo 9/9

乙!
修造がいれば大抵の事件はどうにかなりそうな気がするような気がする