679 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/03/02 22:50:07.97 NdObHdEA0 1/7

昨日から誰も投下してねーのかよww
連投になるじゃねーかコノヤロー

これで最後にするから5レスくれ

あ、一部過激な表現があるから苦手な人は気をつけて

うそですけどね


※関連

一方通行vs垣根帝督
http://toaruss.blog.jp/archives/1025035907.html

垣根「ただ俺は、アレイスターとの直接交渉権が欲しかっただけだ!!」
http://toaruss.blog.jp/archives/1025136100.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-24冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298034529/
680 : 1/5[sage] - 2011/03/02 22:51:11.15 NdObHdEA0 2/7

垣根提督は、自らが暴れ回って破壊の限りを尽くした街並みを眺めて混乱していた。
ボコボコのビル群。
へし折れた道路標識。
吹き飛んだ家々の屋根。
なぎ倒された木々。
しかし、彼が心を乱したのは、自分の所業に恐れ慄いたからではない。

そこに、悲劇が存在しないからだ。

これだけ。
街が壊れているというのに、
見回した限りでは死体がどこにも存在しない。
怪我人も。軽傷者すら、ただ一人として。

力の限り暴れたはずだ。
行き交う人々が巻き込まれるのも気にせずに。

にもかかわらず、巻き込まれて滅茶苦茶にされたはずの通行人たちは、
その顔に恐怖の表情を刻まれてはいるものの、
身体にはかすり傷一つ負ってはいなかった。

何故?

彼の優秀な頭脳は、すぐにその答えを導き出す。

目の前の、宿敵。
超えるべき相手。

(ま、さか……)


「守ったって、言うのか……?」

681 : 2/5[sage] - 2011/03/02 22:51:46.02 NdObHdEA0 3/7


正面に立つ一方通行は、その能力で奇跡を起こし、
垣根の発する衝撃の余波から守っていた。
垣根が気にも留めなかった、虫けら同然の一般人たちを。

何故気にも留めなかったか。
目の前の敵を打ち倒すことで精一杯だったからだ。
それなのに、この男は……

「ふ、ざけんなよ。テメェ、どこまで掌握していやがった?」

相手は、笑って眺めていた。
愕然とする、垣根の顔を。


「ムカついたかよ、パンチラ」

驚愕に染まる垣根提督に、一方通行はくだらなそうに言う。

「……じゃなかった、チンピラ」

驚愕に染まる垣根提督に、一方通行はくだらなそうに言う。

「これが悪党だ」

682 : 3/5[sage] - 2011/03/02 22:52:24.34 NdObHdEA0 4/7



「ッッッ!! テメェにヨヨイの酔ってんじゃねえぞ、一方通行ァァあああああああッ!!」


叫ぶ。
垣根は逆上していた。
それは、自分には一番似合わないと思っていた振る舞いだった。
こんなのは違う。
逆上する相手をあざ笑う方こそ、彼の役割だったはずなのに。

彼の六枚の翼を無茶苦茶に振り回せば、
普通の人間であれば五十人はまとめて圧殺できるほどの力を飛ばす。

しかし相手は、学園都市最強の第一位はただの少しも怯まない。

「バッチ来いよ」

「余裕だな。テメェの『反射』の有害と無害のフィルタは既に解析済みだ」

「フィー!」

「…………」

「You, guy!」

「…………」

「and Moon, guy!」

「…………」

「カッキィーねェ垣根くン」


「…………」

「…………」

683 : 4/5[sage] - 2011/03/02 22:53:02.65 NdObHdEA0 5/7


照準は、真っすぐ敵の胸に。
翼を構えながら、垣根は言った。

「インチキ臭せえその防御能力も、こいつにゃ通用しねえぞ」

「確かに、この世界にゃオマエの操る『未元物質』なんてものは存在しねえ」

一方通行は、誘うように、細い指を動かす。
ただの真っ白な指にさえおちょくられている気がする。。

「そいつに教科書の法則は通じねェし、
 素粒子に触れた光波やデデン電波が普通ならありえねェベクトル方向に曲がっトル事もあンだろォよ。
 だからまァ、この世界の理に従ってベクトル演算式を組み立ててたンじゃ『隙間』ができちまうのも無理はねェが」

二人の間で殺意が膨張する。
スクランブルブル交差点の中心点が死で埋め尽くされる。

「だったらそいつも含めてふっくら演算し直せばイイ。
 この世界は『未元物質』をふっくり含む素粒子で構成されていると再定義して、
 オマエの公式を暴けばチェックメイトですの」

「…………」

「…………」

彼の指は、まだヒラヒラと動いていた。

「ちなみに今のは、かの有名な変態風紀委員の決め台詞『ジャッジメントですの』と
 チェスの王手である『チェックメイト』を掛け

「俺の『未元物質』をも……テメェのベクトル変換で操るだと……?」

「そォ……『未元物質』すら新しい世界の素粒子に含め、掌握する……」


「これぞ ソ リ ュ ー シ ョ ン 」


「…………」

「…………」

684 : 5/5[sage] - 2011/03/02 22:53:41.39 NdObHdEA0 6/7


垣根は、鼻で笑って見せる。
しかし、胸の内は言い知れない不安で満たされていた。
できるはずがない。
そんな事は……

「できねェと思うか?」

「ハッ。俺のそこそこの底まで掴み取るつもりか」

「アッサリ浅い底だ」

「……ッ!!」

「悪ィが、わざわざ掴みむまでもねェよ」


バックオーン!! という爆音が炸裂する。

お互いの交差は一瞬。


それで、第一位と第二位の勝負は決した。

685 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/03/02 22:55:00.37 NdObHdEA0 7/7

このシリーズはこれで終わり。

ここまでやって、まだ悪党……

一方通行の思い描く【善人】とは、どこまでのレベルを要求されているのか……