885 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/03/07 21:38:02.96 YV0GEtCX0 1/14

今書いてるssが思うように進まないので気分転換に明るいネタを、と思ったけど結局暗くなったorz
12レス貰います。

完全に設定無視です。怒らないでください。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-24冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1298034529/
886 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:38:55.27 YV0GEtCX0 2/14

○月×日

本日付けで量産能力者計画は中止となり、これらの研究は後続となる絶対能力者計画へと引き継ぐこととなった。
それにあたり、妹達(シスターズ)の暴走を懸念した上層部から監理用の個体を作成するように、指示を受けた。
絶対能力者計画での重要なポストと、通常の研究費とは別に経費が下りると言う事で二つ返事で承諾したが、
その個体だけは幼い状態で保管しろという課題を後から聞き、早くも挫折しそうだ。

とりあえずこの個体には『打ち止め(ラストオーダー)』という検体名を名付けた。
同僚の芳川から「そのままね」と若干馬鹿にされた気がするが、所詮モルモットだ。いちいち気をかける必要もない。

打ち止めの存在は関係者でも知る者は少ない為、今日から特別に監理日誌を付ける事にしよう。

恐らく一週間後には完成するだろう。

887 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:39:35.85 YV0GEtCX0 3/14

○月×日

培養器内での成長も終え、無事に打ち止めは上層部の指示通り幼い状態で留めることに成功した。
妹達は基本的に成長が終了して直ぐに学習装置で人格を入れるのだが、打ち止めの場合は少し仕様が違う。

なので培養器に入れたまま、私が直接プログラムを投与することになった。

私は何かしら失敗をしてしまう体質を持つので、少々不安を覚えたが無事成功したようだ。

芳川に「そんなちっちゃい子の裸をマジマジと見て楽しいの?」と言われた。
ふん、実験の為でなければ直ぐにでも見るのを止めたいね。

888 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:40:01.19 YV0GEtCX0 4/14

○月×日

間違えた。
基本的な知識は入れる事に成功したのだが、妹達特有の語尾の設定を二重にしてしまった。
あの語尾は正直聞いていて癪に障るので反対派だったが、上層部の指示らしいので従うしかなかった。

あぁ、それにしてもあれが二重になるのか……

因みに絶対能力者計画は第六五〇〇次実験まで終了した。

889 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:40:54.92 YV0GEtCX0 5/14

○月×日

特殊な機材を利用して打ち止めの思考を文字に変換し、読み取れるようになった。
こちらの言葉は届くのでこれでようやく調整が楽になる。
彼女の第一声は「おなかへったってミサカはミサカは食事を要求してみる!」だった。
あえて無視してみたら、ひたすら同じ信号を送ってきやがったので退席した。

一時間して戻ったら培養器の中で寝ていた。気楽なものだ。


計画は九九八二次まで終了。
ようやく折り返しだ。
失敗続きの研究人生もあと半分で終わりだ。
実験が終わったら、好きな実験に精を出そう。

そう言えば、実験が終了すれば打ち止めはどうなるのだろうか。
まぁ気にする必要はないか。

890 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:41:39.13 YV0GEtCX0 6/14

○月×日

今日は暇だったので一日中打ち止めと会話をしていた。
やはり人格設定は間違いだったのではないかと思う。

ひたすらどうでもいい事ばかり聞いてきて疲れてしまった。

ただ、純粋に子供のような存在と話すのは新鮮な気持ちだった。


今日の実験は無し。

891 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:42:19.89 YV0GEtCX0 7/14

○月×日

今日も打ち止めと会話をしていたら芳川が気味の悪い笑みを浮かべながら「親子みたいね」と言ってきた。
冗談じゃない。これはあくまでも調整の為だ。

そう言われたのには関係ないが、上層部に実験終了後の打ち止めの処遇について確認した。
「好きにしろ」と言われたので引き取ろうか思案している。
別に情が湧いたわけではない。実験結果だから保管しようと思っただけだ。

実験は一〇〇三〇次まで終了。

892 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:42:55.20 YV0GEtCX0 8/14

八月二十日

問題が発生した。
絶対能力者計画の実験中に一方通行が無能力者に敗北したそうだ。
研究所内はパニックだ。

下手をしたら実験そのものが凍結する可能性がある。
あのガキめ、なにが最強だ……

打ち止めにはその旨は伝えなかった。

893 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:43:57.20 YV0GEtCX0 9/14

八月二十二日

実験が完全に凍結された。
生き残った妹達は各国に送られ調整を受ける事に決定したそうだ。

なら私は打ち止めを引き取ろうかと真面目に考えている。

これを機に研究者から足を洗うのも悪くない。

打ち止めは付いてきてくれるだろうか。
まだ実験凍結の話はしていない。が、ネットワークを介して知っているだろう。

明日、この話をしてみよう。

894 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:44:31.40 YV0GEtCX0 10/14

八月二十三日

ふざけるな。
なぜ全ての責任を私が取らなければならない。

打ち止め、どうすればいいか教えてくれ。

895 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:45:11.57 YV0GEtCX0 11/14

八月二十九日

もう駄目だ。膨大な借金に失った社会的地位。
もう生きていけない。

なんで私がこんな目に逢わなければならない。
どうして。

どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして

896 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:46:10.93 YV0GEtCX0 12/14

八月三十日

あのガキのせいだ、一方通行。
殺す殺す、殺す。

打ち止め、すまない。
結局、一緒に住もうとは言えなかったな。

ここまで一緒に来たんだ、だから私を助けてくれ。

この学園都市に粛清を
この学園都市に断罪を

革命だ

897 : とある科学者の監理日誌[sage saga] - 2011/03/07 21:47:08.83 YV0GEtCX0 13/14


「ふぅ……」

私は自室で彼の残した日誌を読んでいた。
「それは甘さではなく、強さだよ」となぜか彼の最後の言葉を思い浮かべる。
天井亜雄。それが彼の名前。

彼と打ち止めを親子のようと言ったのは私だ。
本当にあの時はそう思ったのだ。いつも研究ばかりで、眉間に皺を寄せていた彼が、唯一笑みを見せていたのが
打ち止めとの会話の時だったから。
彼は認めないだろうが、きっと父親の様な感情を持っていたのだろう。

その不器用過ぎる愛情が、あの結果を招いたのかもしれない。

「ヨシカワ―、こんな遅くまでなにしてるのってミサカはミサカは……ふわぁぁ」

「打ち止め、子供はもう寝る時間よ」

眠そうに私の部屋へと入ってきた少女は、彼が娘のように思っていた打ち止めだった。
私は気取られないようにディスプレイを消し、彼女に向き合う。

天井はあの日、打ち止めの自信が関わった記憶を全て消してから行動をとった。
きっとそれが彼なりに考えた最後の選択なのだろう。

「えっとね、夢を見たんだ!あの人でもヨシカワでもヨミカワでもない男の人とお喋りしてたの
 ってミサカはミサカは起きた理由を説明してみたり」

「……!」

「知らない人だったけど、なんだか安心したなぁ……あれがお父さんって感じなのかな
 ってミサカはミサカは考えてみたり……ってヨシカワ?聞いてる?」

「……聞いてるわよ」

夢で見たその人の話を嬉しそうに語る打ち止め。
私はそれを聞きながら恐らく死んでしまったであろう彼の顔を思い浮かべる。

研究の果てに破綻した彼。
愛情の果てに破壊した彼。

全く、破綻理論もいいところだ。

私も彼の様になっていても可笑しくはなかった。
優しいんじゃなくて、甘い。本当に甘い女。
自傷的に自嘲して、私は打ち止めの話に付き合ってやることに決めた。

この些細な幸せを大切にしよう。




とある科学者の監理日誌

Good Bad END

898 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/03/07 21:49:09.68 YV0GEtCX0 14/14

以上です。
前のSSで天井さんには散々な目に合してしまったけど、結構好きなキャラなんで今回ネタにしました。

長くなって申し訳ない。