204 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/03/15 14:00:16.40 JLImiEQAO 1/8

いつだったか、上条さんが黒子の従兄って話を投下した者ですが、続きっぽいものが出来ました

※1・2巻キンクリしてますが何か、時系列はヘタ錬戦の2日後
※上条さんの記憶は黒琴も一緒に戦ったおかげで無事ですが、その模様については割愛します


黒子さんの従兄のようです
http://toaruss.blog.jp/archives/1019275142.html

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-25冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1299734320/
205 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:03:47.99 JLImiEQAO 2/8

 上条当麻。
腐れ縁にして従兄である殿方。
先日、お姉様と彼とで、インデックスなる少女を呪縛から解き放つ為、ボロボロになるまで戦ったばかりだというのに。
彼はまた厄介事に巻き込まれに行ったようで、現在いつもの病院のベッドで寛いでいる。

上条「悪いな黒子。また迷惑かけちまって」

黒子「お構いなく。元気そうで何よりですわ」

 聞いた話では、錬金術師なる存在からとある少女を救う為、右腕を切り落とされされつつ打ちのめしたとか。
いい加減無茶をしないで頂きたいものだが、言って聞く人間でない事は嫌という程理解している。
そして哀しいかな、わたくしはそんな彼が堪らなく愛おしいと感じている。
わたくしがお姉様に惹かれたのは、恐らくはそんな所が彼に似通っていたから、かも知れない。

206 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:06:07.34 JLImiEQAO 3/8

美琴「おーっす、お見舞い来てやったわよ」

 お姉様が病室にやって来た。相も変わらずの上から目線である。
その手に小さな包みが摘まれている。ああ、アレか。

上条「おお! 流石は美琴センセー! オトコゴコロを分かっていらっしゃる!」

美琴「ふふん、この私の手作りクッキーを食べられるなんて、アンタはなんて幸せ者なのかしらねー、とーまくん?」

上条「へへー、ありがたやありがたやー」

 頭を下げて差し出された彼の手に、お姉様は「苦しゅうない」と言って気取った顔でクッキーの包みを手渡す。
……最近、お二方がどうにも『盲目恋仲(バカップル)』というものになり始めている気がするのだが、どうやら気のせいではないようだ。
……ああ、黒子の中のお姉様の幻想(イメージ)が、音を立ててぶち壊れていきますの……。

207 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:09:07.37 JLImiEQAO 4/8

黒子「そういえば、インデックスさんはどうなさっておりますの?」

美琴「コイツの担任が代わりに預かってくれてるらしいわ。こんな超を付けてもまだ足りない問題児を抱えちゃって、その人も大変よね」

 インデックスさんはあの日以降、当麻さんの家で預かるという事が本人の事情(主に懐)を無視して決定してしまい、更に家計が苦しくなったと顔を合わす度にボヤくようになった。
完全に自業自得なのだが、そう言って切り捨てられる程非情にはなれなかったわたくし達は、どちらかが材料持参で晩ご飯を振る舞いに当麻さん宅へと赴くようにしている。
おかげで時々、にゃーにゃー喧しい隣人が「義妹と彼女が甲斐甲斐しく通い妻だなんて、カミやんは幸せ者だにゃー?」とからかいついでにご飯をたかりに来るようになった。
交遊関係を改めるべきだと思うのだが、このお人好しには言うだけ無駄だろう。

208 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:12:33.53 JLImiEQAO 5/8

上条「なんでせうか黒子さん? その汚いものを見るような目は?」

美琴「アンタねえ! 当麻の事をなんて目で見てんのよ!?」

 ご安心を。お姉様もこのジト目でじっくりねっとりと拝見させて頂いております故。

美琴「……何かしら、寒気がするんだけど」

上条「風邪かもしれねえし、今日は早めに帰って寝とけよ?」

美琴「そうする。当麻に伝染しちゃったら悪いし」

 少し残念そうな笑顔でそう答えるお姉様。
……ちくしょう。
わたくしが敬愛するお姉様にこんなにも愛されて、お姉様やあのヘンテコな隣人の言うとおり、当麻さんはこの上ない幸せ者だ。
これで「不幸だ」などとのたまおうものなら、即刻どつき回しに馳せ参じてやりますわよ、当麻さん?

美琴「そういえば、アンタっていつ帰省するの?」

上条「とりあえず、退院したら行こうとは思ってる」

美琴「じゃあ、宿題とか先に済ませちゃわないとね。明日アンタの部屋から持ってくるわ」

上条「んなっ!? 病院なんだから療養させて下さい美琴センセー!?」

美琴「甘ったれた事言わない! 高校生でしょうが!」

 甘々なお二方のやり取りを眺めながら、わたくしはこっそりと病室を出る。

209 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:16:03.46 JLImiEQAO 6/8

 寮への道のりを歩いていると、反対側から見知った人物がやって来る。
……いや、まさか。そんな、有り得ない。
だってその人物は、未だ当麻さんとイチャついているであろう筈の--

黒子「お姉、様?」

 自分が呼び掛けられたと感じたのだろう。お姉様と瓜二つの少女は足を止め、しばらくわたくしを凝視し、答える。

「いいえ、ミサカは御坂美琴お姉様のクローンであってご本人ではありません、とミサカは回答します」

黒子「ですわよね……って!「クローンですって!?」」

 後ろから飛んできた声と見事にハモる。
振り返れば、そこにいたのは本物のお姉様。
肩で息をしている所からして、急いでこちらに来たことが伺える。

美琴「どういう事よ? ……ッ! まさか、あの時提供したDNAマップを……!」

 お姉様の表情が見る見る険しくなっていく。
そんな彼女の様子を特に気にするでもなく、クローン少女は言葉を紡ぐ。

ミサカ「初めましてお姉様、とミサカは挨拶を」

美琴「挨拶なんかいいのよ! そんな事より、アンタはどういう経緯で産まれてきたの!? 説明しなさい!」

ミサカ「禁則事項です、とミサカは説明出来兼ねます」

美琴「そっちの事情なんて関係ないのよ! いいから」

210 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:18:22.82 JLImiEQAO 7/8

「なンだなンだァ? 騒がしいなオイ。どォかしたのか? 妹ォ」

 聞き慣れない厳つい声が耳を衝く。
声の主が、クローン少女の後ろから近づいてくる。
白い髪に白い肌、獣のようにギラギラした赤い眼の少年だった。

ミサカ「少々柄の悪いお嬢様に絡まれてしまいまして、とミサカはあなたの方を振り返り報告します」

美琴「柄が悪い、って……」

 その少年を見た途端、お姉様の顔から警戒の色が消える。
そして次の瞬間、わたくしは信じられない言葉を耳にする。






美琴「……お義兄、ちゃん?」







211 : 黒子さんの従兄のようです2[saga] - 2011/03/15 14:20:24.33 JLImiEQAO 8/8

終わり
ってなにこの「続きは後日」的な引き
どうしてこうなった