301 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage] - 2011/04/03 01:39:17.49 It5+frAC0 1/4

番外→通行止めと麦→浜滝前提の番外崩しです
百合ですが百合要素薄めの上に、書こうとしてた長編の一部なので意味不明かもしれません
3レス戴きます

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-26冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301325535/
302 : 番外個体・麦野「今は、まだ」[sage] - 2011/04/03 01:40:43.51 It5+frAC0 2/4

薄暗い部屋の中に、ドライヤーの音が響いている。

時刻は、深夜二時。ベッドサイドのテーブルランプの明かりだけが唯一の光源だった。

『彼女』が髪を乾かす間、番外個体はただベッドに寝転がっていることしか出来ない。

暇を持て余した番外個体は、手持無沙汰に自分の指先を見つめていた。

形の良い桜色の爪は、よく磨かれてはいるものの、ひどく短く切り揃えられている。

そこに性的な意味合いを見出してしまうのは、実際にそういう生活を送っているためだろう。

本来、短い爪に感じるものといえば、『清潔さ』であると相場は決まっているのだから。


ふと視線をずらした先で、番外個体は一筋の髪の毛を見つけた。

長さ十センチほどのそれは、『彼女』は勿論のこと、自分の髪よりも明らかに短い。

きっと、根本から抜け落ちたのではなく、途中で千切れたのだろう。

そう番外個体は判断した。

303 : 番外個体・麦野「今は、まだ」[] - 2011/04/03 01:41:31.75 It5+frAC0 3/4

「ねえ、麦野」

「何?」

ドライヤーのスイッチを切って、麦野は番外個体に向き直った。
そのままドライヤーを置いてしまったということは、ほぼ髪は乾いているのだろう。

「この髪の毛、どっちのだか分かる?」

例の髪の毛を摘みあげて、番外個体は尋ねた。

「知らないわよ」

麦野の反応は、随分と素っ気なかった。
ついさっきまで、体を重ねていた相手とは思えないくらいに。


「麦野はつれないにゃーん」

番外個体は、わざとらしくしなを作って身を捩る。

「もっと、よく見てくれたっていいのに」

番外個体が恨みがましく(とはいえ、これも演技である)麦野の顔を見つめると、
麦野は心底呆れたという表情で溜息を吐いた。

「よく見たって分かりゃしないわよ。
 どうせ、二人とも同じような色をしてるんだから」

麦野の言うことは、間違ってはいないと番外個体は思う。
実際、麦野の髪と番外個体の髪の色は酷く似ていた。
下手をしたら、『お姉様』や『妹達』よりも似ているくらいに。
というのは、少々言い過ぎだろうか。
だって、『ミサカ』たちは皆同じ遺伝子を持っている筈なのだから。

「ま、そりゃそっか」

気のない様子で呟いて、番外個体は摘んでいた髪を床に落とした。

304 : 番外個体・麦野「今は、まだ」[] - 2011/04/03 01:42:43.03 It5+frAC0 4/4

「さーて、寝るとしますか」

「シャワーは?」

「んー、いいや。何か、もう面倒くさいし」

「あっそう」

淡々とした会話。
だけれど、これくらいが丁度いいと番外個体は思う。
この関係は、似た者同士の傷の舐め合い。
それ以上でも、それ以下でもないのだから。

「おやすみなさい」

「おやすみ」

簡潔な挨拶の後、明かりが消される。
その暗闇の中でも、家具の配置を思い出せる程度には、番外個体はこの部屋に馴染んでいた。
ここは、麦野の部屋だ。

そして二人は、互いに背中を向けて眠る。