406 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:47:45.66 jIjnpi1DO 1/10

エロい流れ切ってごめんね。7レスもらう

前にやろうと思って諦めたSSの冒頭が携帯の中に残っててなんか勿体ないから投下する


タイトルはとある佐天の幻想殺し

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-26冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301325535/
407 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:48:32.63 jIjnpi1DO 2/10

 10月9日の夜。ここは第七学区にあるとある病院。冥土帰しと呼ばれる凄腕の医者が居り、不幸少年の専用の病室があると噂されている名物病院である。

 その病院に一人の少女が駆け込んで行く。その少女の名前は佐天涙子。

 佐天が目指す病室は、先の学園都市独立記念日に発生した『爆破テロ』に巻き込まれた親友、初春飾利の病室である。


 勢いよく駆け込んでみたものの人と職員の多さに思わず足が足が止まりそうになってしまう。

(あーもう! 人、ひと、ヒト、HITOだらけ! この街ってこんなに人いたっけ!?)

 佐天は今日の大混乱で色んな人がごった返す院内を注意されながらも器用に走り抜けて初春の病室を目指す。

(見つけた! あの部屋だ!)

「やっほー! 元気にっ――てぇ!?」

「おや?」

 ダダダダッと勢いよく入った目当ての病室ではカエル顔の医者がちょうど初春の診察を行っていた。

「し、失礼しましたーっ!」

「いや、ちょうど終わった所だから大丈夫だよ?」

 音速を超える勢いで頭を下げては上げ下げては上げを繰り返す佐天にカエル顔の医者が入室わ促す。


「そ、そうでしたか。それじゃあ……お邪魔しまーす」

 妙に畏まり病室に入る佐天。その先には点滴に繋がれ眠っている初春飾利の姿があった。

「あの、初春は……?」

「ああ、電話でも話した通り命に別状はない。ちょっと眠ってるだけだから明日目を覚ますはずだよ」

 心配そうに尋ねる佐天にカエル顔の医者は優しく答える。

「そうですか。良かったぁ」

 安堵の息を吐く佐天に医者は「でも」と話を続ける。

408 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:49:22.07 jIjnpi1DO 3/10

「少し特殊な状態でね。どう説明すればいいか……僕にも分からない所があるんだ」

「え? だって初春は」

「命に別状はないし、明日目が覚めることは間違いない。安心してくれていい。ただ、今日運ばれてきた何人かの患者はこの子のように『何かに当てられた』ように眠っているんだ。僕にはその何かがイマイチ分からなくてね」

 医者は立ち上がり佐天に椅子を譲る。佐天は椅子に座って眠っている初春を見つめながら医者に尋ねた。

「先生、『何かに当てられた』の『何か』というのは能力ですか?」

「どうして、そう思うんだい?」

「能力だとしたら、私ならなんとか出来そうだからです」

 能力だと感じたのはほぼ無意識だった。それはまるで瞬きをするのと同じような感覚だった。

 感じ取った感覚に従い佐天は初春の額に自らの左手を乗せる。自分の才能さえも食い殺しているかもしれない左手を。すると――

「う……うぅん……さ、佐天……さん?」

「おはよう初春!」

 つい先ほどまで眠っていた初春が目を覚ました。左手で初春に憑いた何かを打ち消したかのように。

「これはまさか……?」

 カエル顔の医者は佐天が起こした事象にとある少年の右手を思い出す。

 幻想殺し。それは上条当麻の右手に宿り、異能の力だけではなく神様の奇跡さえも打ち消す能力。

 佐天の起こした事象はこの幻想殺しの事象と酷似していた。

「あの、ここは……どこですか?」

「病院だよ初春。ほら、先生早く診察診察!」

「ん、あぁ、そうだね」

 カエル顔の医者は目の前の光景に戸惑いながらも聴診器を付け直し診察を始める。

409 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:50:00.88 jIjnpi1DO 4/10

「って言うか佐天さん。おはようってもう夜じゃないですか」

「まぁまぁ気分の問題ってやつでね。それでどうですか先生?」

「……ふむ。特に問題はないようだね。明日もう一度診察してなにもなければ退院だね?」

「え、あ、はい。分かりました」

「んもう! 佐天さんが答えてどうするんですか!」

「あははっ」

「あの、ありがとうございます」

「これが僕の仕事だからね。それじゃあ僕は他の患者さんを見てくるけど……静かにするんだね?」

「はい!」

「だから佐天さんが答えないで下さいよぉ!」

 カエル顔の医者は二人の元気そうなやり取りを見て「また明日」とって病室を後にする。

410 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:50:34.75 jIjnpi1DO 5/10

 カエル顔の医者が退出すると初春はのそのそと起き上がり、佐天の持ってきた鯛焼きをさも当然のように頬張りながら話始めた。

「ふぁ天さん。ほーは一体になにが起こってあんですふぁ?」

「食べながら喋らないの。ほらもうこぼしてだらしがない……」

「どこのお母さんですか」

「ほーら飾利ちゃん、よい子にしてないと御坂さんの電撃が飛んできますよー?」

 妙に声が裏返った変なモノマネに、初春の放った一言が佐天のハートをブレイクさせる。

「なんだか色気がないです」

「はぅあ!!」

 初春の一言に一瞬にして石化する佐天。初春は「どうかしましたぁ?」などと聞きつつ鯛焼きを笑顔で頬張っている。

 軽くよろめきながら心の中で初春への復讐を誓った佐天が初春の質問に答える。

「えっと、今日起きたことはニュース程度でしか知らないけど、学園都市に恨みを持つ集団? 組織? が爆破テロを起こしたみたいだよ」

「ほぇー爆破テロですか」

「ほぇーって、初春はその場に居て当事者なんだからもう少し自覚を持ってよ」

「だって爆破テロなんておかしいと思いません?」

 鯛焼きを食べ終えた初春がキッパリと言った一言に佐天はしっくりこない。

411 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:51:26.50 jIjnpi1DO 6/10

「変……変……満州事変?」

「……」

 笑顔の初春だったが目は決して笑っていなかった。

「ごめん初春。私はなにが変か分からないよ……」

「全くもう佐天さんは。いいですか?」

 佐天の敗北に気を良くした初春は人差し指を立て説明を始める。

「この学園都市は科学の最先端の街です。外部の組織が技術を盗むのが一番利益が出ます。また学園都市もそれを一番警戒しているんです。だから利益の少ない爆破テロをしても、広い意味でこの街相手じゃ意味がないんですよ」

「まぁ、言われてみれば……」

 佐天はゆっくり左手に視線を落とす。確かにただの爆破テロであれば『何かに当てられる』ようなことはない。毒など類ならば被害者はもっと出ているし、医者達もその事態に対応する。

 しかしニュースや医者の話を聞く限り、爆発以外のことは報道されていないし起きてもいない。

 初春の話の通りテロと片付けてしまうには不思議な事件である。

 その証拠に、佐天の持っている特殊な左手の力で初春の目が覚めた。これは外部の組織の犯行ではなく、内部の――しかも能力者の犯行であることを示していた。

412 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:52:06.15 jIjnpi1DO 7/10

「うーん……」

「まぁまぁ佐天さん。そう難しく考えなくても」

 「だよね」と、難しいことを考えて頭がパンクしそうになった佐天は考えを切り替える。

「てかさー初春」

「はい?」

 その時、佐天の瞳が怪しく光った。

「夜にそんなに食べて大丈夫なの?」

「………………」

 初春が恐る恐る佐天がお見舞いに持ってきた鯛焼きの箱を見ると『6個入り』と書かれている。

 それがない。つまり、全て胃に収まり栄養となることが確定したのである。

「ば、晩御飯食べてないから大丈夫です!」

 慌てて言い訳をするが過去は帰られない。グッバイ鯛焼き。ウェルカムカロリー。

「でもカロリー的にはやばいぞぉ?」

「い、いい一日くらいなんともないです!」

「多分明日、白井さんや御坂さんがなにか持って来ると思うんだよね。どうするの?」

「うぐっ、ぐぐぐぬぅ……」

「あーはっはっはっは!!」

 目の前に叩きつけられた事実に初春はぐうの音しか出なかった。復讐を達成した佐天は満面の笑みで初春の横腹をつつき高笑いをする。

413 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:52:47.83 jIjnpi1DO 8/10

 佐天と初春が楽しく談笑している中、カエル顔の医者こと冥土帰しは自室に戻り、特殊な回線を用いてある場所にいる『人間』に連絡を取っていた。

『特になにも話すことはないが』

「それでもいい。今回のようなことがまだ起きると言うなら覚悟を決めよう」

『……』

 『人間』からの返答はない。

「……分かった。宣戦布告をしよう。もうすぐ第一報がそちらに届くはずだ」

『……』

 やはり『人間』からの応答はない。

 回線を切った冥土帰しは目頭を押さえ大きく息を吐く。

(誰かを傷付けないために誰かを傷付ける……。酷い矛盾だよ……)


「……」

 『人間』は目の前に表示された画面にほんの僅かにだが目を細める。その画面には――

 『垣根帝督を確保出来ず』

 ――『人間』が回収を指示した第二位の名前が表示されていた。

(そうか。もう一つの幻想殺しを使うか)

「……急ぐ必要はない。監視だけでいい」

 『人間』は短く指示を出すと無数の画面が表示される。その中の画面の一つには『予備計画(スペアプラン)』と表示されていた。

「ここで私を止めに入るか。だが私はもう……止まらない」

 『人間』の言葉に少しだけ感情がこもる。それはどこか悲しげなものだった。

414 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/04/04 22:56:29.98 jIjnpi1DO 9/10

当然未完ですが終わりです

設定としては佐天さんは左手に劣化幻想殺しを持ってる。冥土帰しはスペアプランを使ってアレイスターを止めにかかる

スペアプランは
一方通行→垣根帝督
御坂美琴→麦野沈利
滝壺理后→春上衿衣
上条当麻→佐天涙子

っていう話を書こうと思ったんだけどアレイスターがなにをしたいのか分からなくて諦めた

415 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[sage] - 2011/04/04 23:11:58.07 0HvFMmPso 10/10

毒を持って毒を制すかな?
それって根本じゃ変わらない気がするし、個人的にはカエル先生らしくない気がするが…
夢見すぎだな。うん
文上手いし、話面白いし良かった。乙!