689 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:01:16.75 A4+ubxMT0 1/29


投下させていただきます……


注意事項!


ギャグ系ss

電波カオス系ss

キャラ崩壊注意……というより、登場してくるキャラのほぼ全てが原作と"悪い方向"に違います。名前が一緒なだけの別人です。姿形が一緒なだけの別人です。

色々内容がぶっ飛んでます。ifなんてレベルじゃありません。

何人か「お前聖人なんじゃね?」と疑いたくなるくらい強くなってます。

本作を読んで頭が痛くなった方は直ぐに読むのを止め、他のssを読んで脳を癒して下さい。

所々下ネタがあり15禁かも。

美琴が主人公。





元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-26冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301325535/
690 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:02:32.30 A4+ubxMT0 2/29








日本の学園都市。
常盤台中学の寮。

「………………」

朝。
学園都市の超能力者、御坂美琴は最悪の目覚めを体感していた。
皆さんは最悪の目覚めというとどういった物を想像するだろうか?
悪夢を見た後?風邪などの病気を引いた時?
なるほど。確かに目覚めとしてはどれも嫌な物ではある。
だが世の中には上には上があるという言葉があるように、彼女もまた、その最悪の上の上を超える目覚めを味わっていた。

「………………………………」

簡素に言おう。




「ハァハァハァハァハァお、お姉様……起きられましたか」




なんか、自分の体に馬乗りしているルームメイト兼後輩が居た。

しかもただ自分の上に乗っかっているのではない。
その身には何も纏わず、産まれたままの姿を曝け出した素っ裸であり、更には馬乗りになられている自分も下着姿とヤバイ。色んな意味でヤバイ。
ゲコ太のパジャマを着ていた筈なのにどうしてこうなった。
しかも相手の息は興奮を示すように荒く、口からは涎を垂らしている。

「……なにしてんの黒子……」
「いえ、何もやましいことをしようとは思っていませんわ。ただお姉様と◯◯◯したいだけであって、結してやましいことでは」
「吹っ飛べ!」

顔を勢い良く近付けて来た黒子に電撃を浴びせる美琴。
バチバチバチバチィィィッ!!と、結構人体への影響を本気で心配するような電撃音が鳴り響いたが、美琴は気にしなかった。
「あbbbbbbbb」と愉快気な、しかも表情になんだかうっとりした物を浮かべながら気絶した黒焦げ黒子を無視し、ベットから起き上がる。


691 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:04:53.90 A4+ubxMT0 3/29


「はぁ……取り合えず、仕掛けられたカメラ破壊してから着替えよ……」

こうして、御坂美琴のいつも通りの一日は変態の撃退、それに部屋の各所に仕掛けられた百を越すカメラを壊すことから始まった。
この壊れた人物しか居ない学園都市での、最悪な一日が。











(本当、黒子の奴は一体何がしたいのよ……いや、"やりたいこと"は分かるけどさ!)

憂鬱な気分になりながらも、フラフラと廊下を歩く美琴。
その目はなんというか、死んでおり、強姦にあった後の女性を連想させるような目だ。
ちなみに彼女はごく普通のように制服を着ているが、その制服を着るのにはとんでもない激闘があったので、美琴の目が死んでいるのも仕方無いと言えよう。
具体的に言うと、洗濯機にぶち込んであった筈の制服が何故か黒子の鞄の中にあったりとか。下着が湿ってたりとか。空間移動で現れ続ける変態とか。

「……唾液とかついてないよね、これ」

クンクンと、自分の服を注意深く匂う。
何故そんなことをしているのかというと、第二十五回制服争奪戦闘の際、黒子の唾液がベッタリくっ付いていたことがあるから。
しかもあの時は急いでいたためすぐには気がつかず、一日唾液塗れの服で過ごすハメになったのだ。

692 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:06:49.93 A4+ubxMT0 4/29


「なんであんな変態が空間移動なんて能力持ってんのよ。テロリストに核兵器渡すようなもんじゃない、何やってんのよ神様……」

後輩を変態と普通に言ってしまうあたり、彼女がどれだけ憂鬱なのか見て取れるだろう。
しかもこれが毎日なのだ。幾らレベル5といえど、精神が擦り切れる。

それに、何も変態なのは黒子だけではない。


バァァァァァァンッ!!


「おはようございます、美琴様!」
「あ、あぁうん。おはよう……」

廊下のドアを開け放ち、勢い良く現れた一年下の名も知らぬ後輩へと曖昧な笑みを浮かべる。
後輩に好かれるのは、まぁ、悪いことではない。
しかし──

「あの、さぁ」
「はい!なんでしょう美琴様!」
「なんで頬に血が付いてんの……?」
「美琴様に害を為す犬に少々OSIOKIしただけです!どうかご心配ならさず!」
「そ、そう……」

693 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:09:28.61 A4+ubxMT0 5/29



ベッタリと血塗れの女子中学生に微笑まれ、僅かに足が引き気味になる。
見た目は可愛らしいのに、頬だけではなく全身の所々についた紅い斑点模様が恐怖を与え、プラスどころか怖気が走るマイナスだ。

と、思っていたら。

「ぐぇっ!?」

ビターン!と盛大な音を立てて女子生徒がすっ転んだ。
その時美琴は見た。
彼女の素足を、血塗れの手が掴むのを。
ゾンビ映画のワンシーンのようにズルズル部屋に引き摺りこまれる女子生徒は、恐らく引っ張っているであろう人物に叫ぶ。

「あっ、テメッ!?まだ死んでなかったのかクソったれ!」
「ふ、ふふふふ……私は美琴様の下着を拝むまでは、死なないと決めている……っ!」
「チィッ!このゾンビが!いいぜ、二度と美琴様の前に出れないくらいに顔面をボッコボッコにしてやらぁっ!」

バタンッ!!と閉まるドア。
そして閉まった直後、内部から轟く轟音。悲鳴。叫び。破砕音。
常盤台中学の入学条件にレベル3以上というのがあるため、普通に人を殺せる力を持っているのだが……

「……知らない。私は何も見てないし、何も聞いてない」

耳を塞いでスタスタ歩き出す御坂美琴。
つまりはスルー、現実逃避である。
だが歩く彼女の耳に更に響く怒号。


694 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:10:05.99 A4+ubxMT0 6/29



「クソが、テメェ隣人と組みやがったなゴラァ!?」
「お前こそ、何時まで自分の気持ちに嘘をついてるんだ!言ってたじゃないか!『美琴様の◯◯◯にしゃぶりつきたい』って!」
「……あぁ、そうさ!私も昔はそう考えていたんだ!でもな、私は変わったんだよ。お前とは違うんだ!」
「……そう。どうやら、私達は二度と同じ道を歩むのは不可能なようね!」
「同じ道を」
「進めないのなら」
「「ぶつかり合うのみ!!」」

「………………」

轟音の頻度が更に増した。
チュドーン!とか、轟!!とか、ドゴンッ!!とか、ソゲブッ!!とか、斬!!とか。
様々な轟音を聞きつつ、美琴は変わらない速度で歩き続ける。
その表情は、なんともいえない憂鬱に染まっていた。
茶色の瞳にはうっすら涙までたまっている。

「どうして……私何かした……?」

残念ながら、彼女に悪くないという人はいない。
じわっと自責の念に押されて涙目になる最強の電撃姫。
黒子が居れば「お姉様が悪い訳ではないんですの!あぁ、でも涙目のお姉様もさいっこうですわね!写真を撮りたいくらいですわ!てゆーか撮りますわぁぁぁっ!!」などと言って高級カメラのシャッターをしきりに押しまくるだろう。




695 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:10:44.72 A4+ubxMT0 7/29






パシャパシャパシャッ!




そうそう、こんな感じで──

「って黒子!?アンタなんで……」
「あっ、あっ、あぁぁぁぁぁっ!涙目のお姉様マジ最高ですの!わたくし、この写真一生の宝物に」
「ふんっ!」
「デンゲキッ!?」

紫電一閃。
黒子のもっていた高級そうなカメラは、文字通り一瞬で使い物にならなくなってしまった。
空間移動する暇もない程の超高速の一撃であったと、黒子は今日の夜に語る。

「で、なんでアンタは復活してんの?」
「お、おぉ……わたくしの、わたくしのカメラが……お姉様の涙目姿を刻んだ、わたくしのカメラが……はっ!?でも待ちなさい白井黒子!お姉様の姿は0.1秒たりとも逃さずに私の網膜、脳、魂に刻まれているはず!ならば、このようなカメラで映した偽物など……」
「聞けよオセロ」

トランス状態になった変態を電撃で叩き起こす。
電撃を受けた瞬間、またもやうっとりした艶やかな笑みをしていた気がするが無視。
彼女は体からプスプス煙を上げつつ、

「うっ、ふぅ……。……黒子の頑丈さを舐めて貰っては困りますの。それに電撃はむしろ快楽。お姉様のツンツンさは大好物ですから」
「オイ待て。なんだ今のふぅは。何がふぅだオイ。後誰がツンツンだ」


696 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:11:24.24 A4+ubxMT0 8/29



変態の襟首を持ち上げ、ワリとガチで尋問する美琴。
口調があり得ないくらい壊れてしまっているが、本人はそれどころではない。

「ぐぇぇぇっ!?く、首しめ攻撃……キツイ、キツイけどそれがイイ!」
「おおおおおおおおっ!!」
「がふっ!?」

どM発言をしてくれやがったお返しとばかりに、ノーバウンドで壁に叩きつける。
ドゴンッ!!と轟音が鳴り響き、背中側から叩きつけられた黒子は強制的に肺から空気を吐き出した。
ズルズルと壁にへたり込み、沈む黒子を一瞥して美琴は歩き出す。

「おはようございます!美琴様!」
「「「「「「「「「「おはようございますっっ!!」」」」」」」」」」
「……」

が、黒子を叩きのめしたことで少しは回復した美琴の精神エネルギーが即座に消え去った。
死んだ魚の目で視線を声の元にやる。
そこには一列にズラリと並んだ女子達の姿が。
ビシッと直立していて、何処ぞの軍隊を連想させる。

そんな彼女達はなんかファンクラブらしい。
美琴のための、常盤台中学生のみで構成されたファンクラブだとか。
そしてここに居る十一人は、その幹部メンバーなのだろう。
なにせ美琴ファンクラブの人数は常盤台の十分の九に達する。一般ファンクラブを含めたら万はくだらないのだから。

その内の一人がにこやかな笑みを浮かべつつ、美琴に語りかける。

「おはようございます、美琴様。今日も貴方の美貌が美しく、我々は今日一日を生きることが出来そうです」
「……アンタ達は私が居ないと一日過ごせないの……?」
「えぇ勿論!美琴様の持つ『美琴パワー』が私達の四大欲求の一つ、『美琴欲』を満たしてくれるのです!というかぶっちゃけ『美琴パワー』さえあれば食事も睡眠も無しで十年は戦えます!」
「えっ!?『美琴パワー』ってなに!?何か超重要そうな雰囲気(『』)で言ってるけどなによ!?というかなんで三大欲求が一つ増えてるの!?」


697 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:12:01.31 A4+ubxMT0 9/29



いちいちツッコミを入れる美琴はやはりお人好しなのかもしれない。
そんなギャーギャー大声を上げる美琴を、ファンクラブメンバーはうっとりした変な目で見ている。
例えるなら十歳くらいの女の子に欲情する男の目。
つまりは性犯罪者の危ない目をしていた。女子中学生なのに。色々終わってしまっている。

「はぁはぁ……ごほんっ!それはさておき美琴様。今日も何時ものようにお食事の準備をさせていただきました」
「いや、誤魔化せてないから!って、またなの?いいって言ってるでしょうに……」
「とんでもない!何処の誰が美琴様を狙って媚薬を混ぜるか分かったものではありません!そんなことにならないためにも、是非!」
「いや、だったらコンビニ弁当でも買って食べるから」

むしろアンタ等が用意したご飯なんか食べたくないし、と最近朝昼晩全て外食気味の不良お嬢様の言葉が言い終える前に、

「お姉様ァァァァァァァァッ!!」
「べるくっ!?」
「すごばっ!?」

並んでいた女子の内、二人が轟音を上げて吹き飛んだ。
何かの攻撃を受けた、そう考えた時にはもう遅い。
余りの威力に音すら立てず上半身を壁へとめり込ませ、壁に愉快なオブジェが二つ生えることとなる。

その時。
御坂美琴は体の周囲に放っている電磁波の反射で、音速を超えた何かが二人を吹き飛ばしたのだと理解した。


698 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:12:35.32 A4+ubxMT0 10/29



「……ナンバー005!?ナンバー006!?どうした!?しっかりしろ!」

当然、壁にめり込んだ二人から返事はない。
そして女子達の一人、美琴に話しかけていた女子が目を血走らせながら叫ぶ。

「クソ!やはり貴様か……貴様なのか、"白井黒子"!」
「ふん、『美琴様"常盤台"ファンクラブ会員ナンバー001』。貴方も懲りないようですわね」

女子達の憎悪の視線を受けながらも、白井黒子は堂々と立っていた。
ツインテールを払い上から目線でかっこつけるが、服が先程までの電撃でボロボロなので締まらない。
というより、

「あ、あれ?黒子、今アンタ音速で動いてなかった……?」
「お姉様のためならば、わたくしは時すらも置き去りにしてやりますの!」

キラキラッ!とした笑顔で答える黒子に、げっそりした顔を浮かべる美琴。
一体なんだそれは。変態の力は常識すら通用しないのか。というかなんで女子二人は音速の一撃を受けて生きていられるんだ。
そんな疑問でグルグル頭が廻る美琴を置いてきぼりにして、叫ぶファンクラブ隊長。
顔に浮かぶ壮絶な表情は世紀末世界でするような、少なくとも女子中学生が浮かべていいものでは無かった。

「おのれぇ……美琴様の慈悲を受け、同じルームメイトでありながらあらゆる変態行動を取り続ける罪人め!我々の美琴様に対するサポートを邪魔して、何がしたいのだ!」
「サポート?ハッ、ファック!部屋に監視カメラを仕掛けたり、読心能力者やら透視能力者やら使って部屋の様子を探ろうとするなど笑止千万!お姉様のおはようからおやすみ、更にはおやすみからおはようまで見守るのは黒子だけの特権ですの!」
「えぇいっ!黙れ黙れぃ!そういって貴様は何度美琴様を襲おうとした!?結局貴様の行為はただ己の欲望を満たすためだけの行為ではないか!」
(あっ、やっぱり知らないとこで暗躍してたのね)


699 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:13:15.06 A4+ubxMT0 11/29



美琴が黒子が同室であることを許可しているのはファンクラブや生き過ぎた変態信者達の抑制力としてであり、何もお人好し過ぎる訳ではない。
なんだかんだで彼女達同士で自滅してくれるため、美琴に対する最後の一線を超えた性的被害はないのだ。そこだけが唯一の救いである。

「ふっ……貴方、わたくしが何であるか分からないんですの?」
「何……っ!?」
「わたくしはお姉様の一生のパートナーであり、守護騎士(ナイト)であり、そして生涯の伴侶!そして!」

彼女は不適な笑みを浮かべ、右腕を前に出して宣言する。

「風紀委員(ジャッジメント)ですの!つまりは、わたくしが正義っっ!!」
「最悪だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

思わず大声で突っ込む美琴。
変態の風紀委員など確かに色んな意味で最悪だ。
つーかなんでこいつは風紀委員になれたんだ、と美琴は思うが黒子は答えない。というか美琴の怪訝な目に気がついてない。ドヤ顔のままファンクラブ隊長を上から目線で見ている。

「お分かりですか?わたくしがこの右手の腕章を付け、ジャッジメントであり続ける限り、どうあっても私が正しいのですのよ!?」
「逆にジャッジメントに捕まれ変態ィィィィィッ!!というか真面目にジャッジメントやってる人達全員に謝れェェェェェッ!!」
「ふんっ!私達がジャッジメントなど恐れると思っているのか!?私達常盤台ファンクラブのメンバーは美琴様のためならば学園都市を敵に回しても構わない!」
「うえぇぇぇぇっ!?テロリスト宣言!?レベル3・4集団のアンタ等が言うと洒落にならないから止めてくれない!?」
「それを言ったら私は学園都市どころか世界を敵に回して勝利出来る自信がありますわ!更にはお姉様の両親に『お姉様をください!』とハイパートルネードスクリュー土下座する練習も毎日してますのよ!?親御さん対策もバッチリですわ!」
「ハイパートルネードスクリュー土下座!?何それ!?つーかいい加減言いたかったが私とアンタは同性でしょうがァァァァァァァァッ!!!」
「お姉様、忘れましたか?ここは学園都市。性別を変える技術など幾らでも……」
「最後にだけ反応するのかよっ!?しかも嫌な返答!」

ツッコミまくった美琴がぜぇぜぇと呼吸を整える間にも、状況は進行して行く。


700 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:13:53.22 A4+ubxMT0 12/29



「くっ、メンバー全員戦闘態勢!ナンバー005とナンバー006の空きはフォーメションCで埋めろ!」
「はっ!!」
「了解です!!」
「相手はレベル4の空間移動だ、油断するなよ!」

ザザザッ!!と特殊部隊顔負けの早さで黒子を取り囲むファンクラブメンバー。
取り囲まれても、黒子の姿は微動だにしない。
むしろその顔には余裕の笑みさえ浮かんでいる。

「ふふっ……『美琴パワー』で強化された私に勝てるとでも?」
「甘いな、白井黒子。『美琴パワー』を使って肉体を強化しているのがお前だけだとは思わないことだ」
「あら、それも視野に入れての言葉だったのですが。やはり三流は三流。三下は三下ということですわね。圧倒的な実力差にも気がつかないとは……」
「その自信が何時崩れるか、見ものだな!」
「貴方達の敗因はたった一つ──わたくしとお姉様の愛の間に割り込むという無駄な行為をした。ただ、それだけのことですの!」

ジャキンッ!!と、何時の間にか黒子の手には黒い鉄矢が収まっており、臨戦態勢を整えていた。
対してファンクラブメンバーも自分達の能力を行使しているのか、廊下に風が吹き荒れ始め、空気の重さが絶望的なまでに変わる。

「……かかれ!」

その言葉が合図だった。


────と、ここから先の高位能力者達による戦闘を、描写下手なくせに戦闘描写が好きな作者が書くとそれだけで確実に15レス以上使ってしまうので無理矢理省略する。
とにかく、現実では信じられないような激闘を寮の廊下で繰り広げる黒子達。
天井を、壁を、部屋を。
あらゆる能力を利用して激突する漫画みたいな空間から、美琴は全力で逃げ出していた。


701 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:14:27.54 A4+ubxMT0 13/29



「──はぁ、はぁ、はぁっ!」

床を踏みしめ、お嬢様とは思えない身体能力で駆け抜ける。
レベル5といえど、勝てないことや出来ないこと、怖いものというのがあるのだ。

「ん?誰かと思えば美琴か。そういえば美琴。お前の下着借りてたから返し──」
「ちぇすとぉぉぉぉぉぉっ!!」
「えりんぎっ!?」

ただ逃げつつも、寮の入り口付近に立っていた変態寮監にはラリアットを叩き込んでおいた。
この学生寮、ほぼ全員が美琴ファンであり、寮監とて例外ではなかったのである。













「今更ながら気がついたけどお嬢様が三食コンビニってどうなのよ……」

第七学区の通りを歩みつつ、コンビニで買ったサンドイッチの包装を破る。
玉子が挟まれた薄くて柔らかいパンをもぐもぐ咀嚼しながら、彼女はなんとなく疲労を感じさせる足取りでアスファルトを踏みしめていた。
結局一部が爆発し、吹き飛んだりしていた寮を無視し、『学舎の園』からファンクラブを撒きつつ脱出。
朝ということもあり、コンビニへと直行した訳である。

「外だったらファンクラブの奴らに見つかりにくいから楽ね。……普通のファンクラブに見つかったら面倒だけど」

『学舎の園』の外にも美琴へのファンクラブは勿論存在する。数も男女混合でデタラメな数だ。噂では統括理事長もファンクラブ会員らしい(後に事実だということを、美琴は知ることになる)。


702 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:15:13.70 A4+ubxMT0 14/29



「さて、何しよっかなぁ」

なるべく明るい調子で呟く。
休日に外で遊ぶ上で問題なのは、余り人の多い所へは行けないということだ。
目立てば目立つだけ、ファンクラブに遭遇する可能性が増大する。
電撃すら御褒美として受け取る変態共ばかりなのだ。絶対に遭遇したくない。
ということで、美琴は片側二車線の通りを曲がって狭い路地裏へと入る。
薄暗い道へと足を踏み込み、

「あっ、御坂さん」
「ぶっ!?」

速攻で吹き出した。
そこには一人の少女が晴れ晴れとした笑みを浮かべて立っていた。
声をかけて来た黒髪ロングの少女の名は、佐天涙子。
一応、美琴の知り合いの中ではまともな部類に入る方の人物である。

「いやー、久しぶりですね。どうしたんですか?今日は白井さんもファンクラブの皆さんも居ないみたいですけど」
「あ、あはは……うん、まぁね……」

にこにこしながら話しかけてくる佐天に、美琴は曖昧な返事しか返せない。
対して、綺麗な女子中学生らしい私服を着る佐天は、首を傾げつつ問う。

「なんだか顔色悪いみたいですけど、どうかしましたか?」
「いや、あのさ……」

顔から血の気を引きながら、恐る恐るといった風に美琴は手を前に出す。
ビシッと人差し指が伸ばされており、正面に居る佐天の"更に後ろを"指差していた。
そして、指差していたものは。


703 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:15:56.41 A4+ubxMT0 15/29



「う、ぐぅ……」
「いてぇ……いてぇ……」
「うぷっ、吐きそう……」
「つか重ェェェェェェェェェッ!?誰か助けてェェェッ!」

十人程重なりあって道を塞いでいる不良達だった。
その姿はボロボロで、まるで戦場にでも放り込まれたのではないかと心配になるくらい酷い。
ただし、一番下に居る不良だけは無事のようだが。積み木のように重なり合い、上の人数分の重さ(単純に考えても550キロ以上はある)に拘束されてはいるが。
九人分の重さに叫ぶ不良を無視して、佐天は笑顔を絶やさずに喋る。

「いやぁ、路地裏を歩いてたら喧嘩売られちゃいましてね。運動代わりにぶちのめしました」
「へ、へぇー……」

ブンブンと無意識の内にか、バトンのように回している金属バットを横目に見つつ、引きつった笑みで返答する美琴。
金属バットの表面に紅い何かがついているのは、正直気のせいだと思いたい。

「服はお気に入りだったんで汚さないようにしたんですけど、やっぱりバットは血で汚れちゃいますよね」
「あはは……」

気のせいではなかったようだ。
というか、幾ら彼女が晴れ晴れとした笑みを浮かべていても、血のついた金属バットを持っている時点で危ない人にしか見えない。

彼女、実は生枠の戦闘狂で金属バット片手に数々の能力者や不良達をぶっ飛ばして来た、ヤクザが可愛く見えるヤバイ人なのだ。
大体、美琴との出会いだって「私より強い奴に会いに行く!」なんて叫んでいた小六の佐天に襲われて、それからの縁なのだから。


704 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:16:33.01 A4+ubxMT0 16/29



因みに、戦闘がどういうものだったかというと。


『電撃!』
『バットを避雷針代わりに!』

『砂鉄の剣!』
『遅い!弱い!脆すぎる!』

『超電磁砲!』
『ホームラァァァァァァァンッ!!』


ダイジェストだがこんなところである。
何故か電撃や砂鉄の剣を受けても壊れない金属バットに、肉体強化能力者顔負けの人外身体能力(壁を走ったりするのも見た)。
直接電流を流せなければ、負けていたのは美琴だったかもしれない。

(というかレールガンを打ち返すってどんだけなのよ……)
「御坂さん、どうしました?はっ!?まさか私と再戦してくれるんですか!?よしやりましょうさぁやりましょう今直ぐやりましょう!!」
「ちょ、ストーップ!?バットを振りかぶるな構えるな!」
「なぁんだ、違うんですか……」

ガクッと心底残念そうに肩を落とす佐天の姿に、冷や汗を垂らす美琴。
こんなとこさえなければそれなりに普通な女の子なんだけどなぁ、と思わざるを得ない。
ちなみにこんな戦闘狂金属バット少女の友人の一人がジャッジメントのBL大好きネット中毒お花畑少女だったりするので、世の中というのは本当に摩訶不思議である。

「正直言って、御坂さん以外のレベル5と中々遭遇出来ないんですよ。一番目撃されている第七位を今日も探そうと思ってたんですけどね」
「本当、命知らずなのね佐天さんは」
「それが私ですから」

ニッコリ可憐に笑うが、やはり背後の屍の山のせいで台無しだった。
さて、と佐天は口を開き直す。
目にギラギラしたナイフのような光を見せながら、


705 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:17:15.87 A4+ubxMT0 17/29



「後二、三十発ぐらいこの不良共をぶん殴ってから行きましょうかね」
「うぉぉぉぉぉいっ!?一つばかり0が多い気がするぜ嬢ちゃん!?」
「だまらっしゃい。少し前までランドセルを背負ってた女の子に対して欲情するような男に、慈悲を与えるつもりはありません」
「で、でも佐天さん。流石に二十発は死ぬ──」
「御坂さん」
「はいっ!?」

ギャーギャー喚いている不良を無視しながら、佐天は金属バットを構えつつ一言。

「人間って意外と頑丈なんですよ♪」
「全く安心出来ないぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

さってやるぞー!ホームラン、ホームラン♪
ぎゃぁぁぁぁっ!?へ、へるーぷ!嬢ちゃんへるぷみーっ!
そんな声を聞き、美琴は絶叫しつつ考える。
今から目の前で殺人事件が起きかけている。で、一応自分には止めるだけの力はある。
が、それは厄介事に自ら飛び込むことに他ならない。
この超人と戦うだけならばまだしも、戦いが大きくなってファンクラブ連中に見つかってしまえば休日は終わる。間違いなく終わってしまう。

(ど、どうしたら……)

自分の平和と今まさに目の前で死にかけている不良を天秤にかけ、

(……仕方ないっ!)

やはりお人好しの彼女は助ける選択肢を選んだ。
茶色の前髪が火花を上げ、臨戦態勢だというのを示す。
バチバチッ!という音に、対象たる佐天は笑って反応していた。
自分の考えが当たった──そう思わさせるような、黒い笑みだった。


706 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:17:51.41 A4+ubxMT0 18/29



「いいですね。やはり御坂さんはいい。その性格といい、お人好しっぷりといい、実力といい」
「そうかしら。私自身は、そんな自分が嫌いになってきてるんだけどね」
「いやいや、私は好きですよ」

ギシッ、と空気が張り詰めた。
戦いを予期するように周囲には平和から切り取られたような別世界の雰囲気が立ち込め、二人の間に緊張が走る。

「……っ!」
「だって、それが貴方の強さなんですからね!」

空気が弾けた。
そう感じた時には佐天は既に飛び出している。
衝撃によって砕けたコンクリートの破片を撒き散らしつつ、居合いの如くバットを振る彼女に、美琴はかき集めた砂鉄で対処しようと




「待てよ」




声が響いた。
男の、低い声だった。
思わず二人は動きを止め、顔を見合わせる。
今の声は勿論、そこに這いつくばっている不良などではない。
路地裏の入り口、そこに声の主は居た。
特徴的なツンツン頭。
その姿に、美琴は見覚えがあった。


707 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:18:23.77 A4+ubxMT0 19/29



「アンタ……!」
「ふぇ?美琴さん、知り合いなんですか?」
「いや、そこまで知ってる訳じゃないけど……」

そう。
御坂美琴は彼のことを余り知らない。
ただ街中でファンクラブ相手に電撃を浴びせていた際に、間違えて飛んだ電撃を彼は右手で防いだのだ。
レベル5の力による電撃を、だ。

不思議な右手を持つ彼の名前は、上条当麻。見た目はただの高校生。

御坂美琴が探しても見つけられなかった少年は、表情に怒りを見せて一歩を踏み出す。

「……御坂さん、下がって」

そして、それに答えるように佐天も一歩踏み出した。
慌てて美琴が足を後ろに下げる間に、二人は互いの顔を睨んでいる。
上条の視線は、最初から佐天のみを見ていた。
彼は口を開き、声を発する。

「お前、なんでこんなことするんだよ」
「こんなこと、が一体何かが知りたいですね。それによって私の返答も変わります」
「知ってんだぞ。最近、ここら辺の不良が病院に行かなきゃなんないような大怪我を負わせられてるって」
「なるほど。そして貴方はそれが認められない、と。自分としては正当防衛のつもりなんですけどね」
「……ッ!」

ギリッ!と、上条は歯を食い張る。

708 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:19:02.10 A4+ubxMT0 20/29



「そんなに、人を傷つけるのが楽しいのかよ!?」
「人を傷つけるのが楽しいんじゃないんですよ。心躍る戦い──それ自体が楽しいんです」
「…………なぁ、だんだん俺等には訳のわからない会話になってね?」
「…………うん」

真剣そのもののシーンを、気が抜けた不良と会話するこの話の主人公である筈の御坂美琴。
主人公の筈なのに、完全に置いてきぼり状態だった。
しかも変態達のシーンと違ってシリアスな雰囲気なのでツッコミを入れることも出来ない。火屋の外だった。

「結局自分の欲望のために他人を傷つけてるだけじゃねぇか!」
「否定はしませんよ。だけど、それが『私』なので譲ることも出来ません。ようするにナイフが何かを切るために存在するように、私も戦いのために存在するんです。……もういいでしょう?」

スッ、と小さく腰を落とす。
その姿を背後から見ていて、美琴はマズイと思った。

(……アレは……っ!)

忘れもしない。
かつて戦った佐天涙子の戦闘体型。
腰を落とし、バットを腰だめに構える。
そう、その姿は正に居合い抜きの予備動作。

「戦いましょう……私達の意地を押し通すために。そして、」

ギチリ、と。
力の篭る音が響いて、


709 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:19:38.96 A4+ubxMT0 21/29



「私の魂を、潤わすためにっっ!!」

気がついた時には、佐天涙子は飛んでいた。
ゴバッ!!と轟音を立て、コンクリートを破壊し、彼女の体は音速を持ってして空を翔る。
肉体強化でも絶対にたどり着けないであろう速度で、上条との距離を詰めた彼女は、そのまま勢いを殺さずに敵の前に着地する。
着地、というよりは着弾といってもよかった。
足から伝わる衝撃に耐え切れず、大地を覆うコンクリートが崩壊したからだ。

「きゃぁぁぁっ!?」
「うぉぉぉぉっ!?」

衝撃波による烈風と瓦礫の破片に悲鳴を上げる美琴と不良。
だがそんな声を気にせず、烈風吹き荒れる戦場の中、佐天はただ愛用のバットを右手で振り抜いた。
狙いは上条の頭部。
────ッッッ!!と。
音を置き去りにして、バットが空を裂く。


空を裂く。


(な、に……っ!?)

空振ったと振り切ってから気がついた。
視界から上条の姿を見失い、一瞬思考が真っ白になった佐天の耳へ、

「いいぜ」
「!?」

声が鳴り響く。
視線だけを下げると、上条が懐に潜り込むようにしゃがみ、右の拳を強く握り込んでいた。
ゾッ、と。
佐天の背中に、悪寒が走る。

「お前が戦いだけしかない人間だって思ってんなら」
(間に合わな──)


710 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:20:12.47 A4+ubxMT0 22/29



回避は無理。防御も不可能。
バットを振り切るという完全に隙だらけの態勢が、仇となった。
そして、何らかのアクションを起こす前に、




「まずは、その幻想をぶち殺す!!」




轟音が炸裂した。
岩のように硬く握り締められた上条の拳は佐天の顎を撃ち抜き、薙ぎ倒す。
今までにない一撃を受けた佐天の体は手足を投げ出し、ボールのように地面にヒビを入れながら吹き飛んでいった。
そして壁に轟音を上げながら激突し、止まる。

(……って、この男容赦なく女の子の顔面殴りやがったぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?)

と。
そこまで見て美琴は心中で絶叫を迸らせていた。
いや、シリアスだから言ってはいけないことなのだと分かってはいるが、幾ら何でも目の前で行われた男女平等パンチには目を疑うくらい驚いた。
現に美琴はともかく、不良は驚きのあまりポカーンと魂が抜けてしまっている。

「……まぁ、仕方ないか」

ふぅ、と息をつく美琴。
なんだかんだで佐天を止めたのは確かなのだ。
これが意味なき一撃ならただのどSだが、理由があるのならば問題はない(見た目的には大有りだが)。

「はぁ、はぁ……よう、御坂。無事だったか?」
「えっ?あぁ、うん。名前私言ったけ?」
「お前有名だから」
「なるほど……」


711 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:20:51.56 A4+ubxMT0 23/29



納得する。
名前を突然呼ばれて少しドキッ、としてしまったが何のことはない。
何故か赤くなる頬を押さえて冷やしつつ、上条から視線を外した。

「う、うう……」
「あっ、佐天さん!」

そこで呻きが一つ。
小さなその声を、美琴は聞きのがさなかった。

「わ、私は……」

よろよろとしながら、ズタボロになった佐天が起き上がっていた。
壁に手をつけながら、震える体を支えつつ起き上がる彼女の姿に、先程までの戦闘狂の雰囲気はない。

「そうだ、私はただ怖かっただけなんだ……だって、わた」




「まずは、その幻想をぶち殺す!!」




轟音が炸裂した。
岩のように硬く握り締められた上条の拳は佐天の頬を撃ち抜き、薙ぎ倒す。
今までにない一撃を受けた佐天の体は手足を投げ出し、ボールのように地面にヒビを入れながら吹き飛んでいった。
そして壁に轟音を上げながら激突し──

「ってちょっと待てぇぇええええええええええええええっっ!?」

叫んだ。むっちゃ叫んだ。
今日一番の叫び声を上げるのも無理はない。
なにせまた殴りやがったのだ。思いっきりグーで。容赦なく。


712 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:21:28.72 A4+ubxMT0 24/29



「なんで殴ってんのよアンタ!?今のは佐天さんの回想とかが入って、改心する定番シーンでしょうが!」
「止めないでくれ御坂!俺はまだこいつの幻想をぶち殺しきれてないんだ!」
「アンタの中でどんな思考が繰り広げられてんのよ!?」
「がっ、ぐっ、う……」
「あっ!佐天さん!よかった、無事で──」
「まずはその幻想をぶち殺す!」
「ぐはっ!?」
「ちょっとぉぉおおおおおおおおおおおおおっっ!?」

制止もなんのその。
再度更にズタボロになった佐天が起き上がった所を、きっちりきっかり拳を振り切って殴り飛ばす暴力ヒーロー。

「待て!いや待って下さいお願いですから!」
「止めるんじゃねぇ!まだ俺の右手が言ってるんだ!『こいつの幻想をそげぶし切れてねぇ!殴れ、殴れぇぇぇっ!』って!」
「なによその邪気眼は!?つーかそげぶって何!?」

羽交い締めにして止めるのだが、どうにも身長差と体格差があり過ぎて止められそうにない。
もう既に殴ってるので、流石に次は無いだろうと信じたいのだが……

「……っ、かはっ、あ」
「その幻想をぶち殺す!!」
「べぶっ!?」
「止めろぉぉおおおおおおおおおおおおおっっ!!」

またもや起き上がった佐天をぶん殴った上条を見た時、美琴は自分の中で何かが砕け散るのを聞いた。
それはもしかしたら、彼女の中で立とうとしていた何かだったのかもしれない。





713 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:22:11.03 A4+ubxMT0 25/29







「ううっ……疲れた……」

よろよろした足取りで美琴は寮に帰って来た。
時刻は七時を回り、普通なら門限を破ったために寮監が飛んで来るのだが、それはなかった。
周りの壊れた壁やら床やらめり込んだ人型の何かを無視しつつ、彼女は己の部屋に戻る。
あの後、結局上条を電撃で気絶させて黙らせ、病院に電話してから一人逃げ出した。
面倒事はごめんであり、ファンクラブに見つかったというのも理由の一つ。
とにかく疲労献倍といった姿で、彼女はドアノブに手をかける。

「今日は何時にもまして疲れたわ……早くベットで寝たい……」

はぁ、とため息を長ーく吐き出しながら、彼女はドアノブを手馴れた感じで捻った。
ガチャ、と音が鳴り、ロックが外れる。
そして中へと入り、




「お、ね、え、さ、まぁぁあああああああああああああっっ!!」




裸で、自分(美琴)のベットで悶えている後輩を見た。

714 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:22:45.03 A4+ubxMT0 26/29



「…………………………」

ブチン、という音が聞こえた気がした。
それが堪忍袋の尾が切れたという音だというのに、残念ながら気がつくものはいない。
というよりも、黒子に至ってはまず美琴の存在に気がついていない。

「あぁ、朝のカメラは一瞬で壊され、昼は変態共のせいでお姉様と触れ合いませんでしたが、役得もありましたの!毎日毎日このベットでお姉様が!クンカクンカ!モフモフ!柔らかい匂いで黒子は、黒子はもうっ!」
「そう。変態。そんなに死にたいか」
「………………へっ?」

漸く気がついた変態。だが時既に遅し。
布団に寝転がっていた黒子の上にのしかかる美琴。
その態勢はマウンドポジションと言われる、いわゆる虐殺態勢ともいっていものであった。
馬乗りなので、普段の黒子なら喜びそうなものだが……

「えっ、ちょ、その……お姉様?」

その馬乗りしている美琴の顔がヤバ過ぎた。
なんというか、笑っているのだが黒い。
黒い何かが笑みの端からビキビキ漏れ出している。
歯を震わせて恐怖に思考が埋め尽くされながらも、黒子が正気を保てているのは一重に彼女の精神力が強いからだ。
ただし、混乱し過ぎて思考が働かず、能力が使えない。
つまりは彼女から逃げ出せないということで──


715 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:23:22.06 A4+ubxMT0 27/29



「あのね、黒子。私は今とても苛ついてるの。えぇ、朝っぱらから変態共や性格破綻者のせいでね。具体的に言うならば、八つ当たりもかねて裸の変態をぶん殴りたいぐらいには」
「え、え、えへへ……?」
「分かる?誰のことか分かる?ねぇパンダ?」
「だ、誰のことでしょう……ほ、ほほほ……」

バキバキと指の骨を鳴らす美琴。
もはや笑いしか浮かばない黒子。

この後の展開など、決まりきっている。











「この変態がぁぁあああああああああああああああああっっ!!」
「うぎゃぁぁあああああああああああああああああっ!?」












御坂美琴、十四歳。
変態や異常の中で頑張って生きようと努力する年頃である。







716 : とある美琴の非日常[saga] - 2011/04/09 16:24:31.49 A4+ubxMT0 28/29







■簡単まとめ■
御坂美琴 ツッコミ役+被害者
白井黒子 変態+抑制力
モブキャラ ファンクラブなど
佐天涙子 超人
上条当麻 そげぶ中毒者



Q.これなに?
A.電波作品。


自分のスレはあるのですが、そこでは多重クロスをやっているので、此方をお借りしました。
本当はもっと色んな壊れたキャラを出したかったのですが……まぁ、仕方無い。
読んでくれた方、どうもありがとうございます。
読んで頭が痛くなった方、どうもすみませんでした。

では、失礼しました。





717 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga] - 2011/04/09 16:25:18.10 RJFEUD60o 29/29

美琴可哀想に……
こんな変態どもに囲まれてるから上条さんが癒しスポットになるのかと思いきや、特にそんなことはなかった