737 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[] - 2011/04/09 18:41:30.47 eeK9F9tc0 1/7

投下します

ゴスロリと猫目シスターで百合というかプラスというか
色々捏造入ってます

ローラは関係ない

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-26冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301325535/
738 : あーくびしょっぷさまがみてる[] - 2011/04/09 18:42:38.72 eeK9F9tc0 2/7

その日、シェリー・クロムウェルが目覚めると、既に日は高く昇り切った後だった。
もっとも、明け方近くに眠りに就いた時点で、こうなることは分かっていた。
彼女は、特に焦った様子もなく自室のドアを開ける。

シェリーは、ライオンのような金髪を搔き上げながら食堂へ向かった。
そこにいたのは、猫目のシスターただ一人だけである。

シェリー「ああ、あんただっけ。今日の朝食当番」

ルチア 「おはようございます、シェリー・クロムウェル。もっとも、おはようと言うには少々遅い時間ですが」

何となく噛み合わない会話を交わして、シェリーは席に着いた。

シェリー「朝食って、まだ残ってる?」

ルチア 「ええ。何とも残念なことに」

そう言って彼女が持ってきたのは、アンジェレネ辺りなら悲鳴を上げそうな代物だった。
具材が野菜のみのサンドイッチと野菜サラダ(一応、サンドイッチとは野菜のチョイスが違う)。
かろうじて、飲み物だけは野菜ジュースでなく水である。

シェリー「相変わらずの野菜尽くしねえ。そりゃ、寄り付かねえシスターも多いわけだ」

ルチア 「それで、あなたは食べる気があるのですか?」

シェリー「ええ、ありますとも」

パシンッ。シェリーがサンドイッチに手を伸ばしかけると、ルチアは黙ってその手を叩いた。

739 : あーくびしょっぷさまがみてる[] - 2011/04/09 18:43:20.90 eeK9F9tc0 3/7

シェリー「った、何すんだてめえ」

ルチア 「お祈りを」

シェリー「は?」

ルチア 「食前のお祈りを」

シェリー「あー、はいはい」

ルチアに言われるまま、シェリーは決まり文句を並べていく。
気持ちが籠っていないのは明らかだが、唱えた文言に間違いはない。

シェリー「これでいいのか?」

ルチア 「まあ、良しとしましょう」

シェリー「じゃ、いただきます」

何とかお許しが出たところで、シェリーは今度こそサンドイッチを手に取った。
一口噛み付くと、何とも素っ気ない味が口内に広がる。
とはいえ、彼女は食べる物に興味のある性質(たち)ではない。
特に文句も称賛も口に出すことなく、淡々と出された料理を平らげていく。

ルチア 「シェリー・クロムウェル」

不意に、ルチアがシェリーの名前を呼んだ。
口に食べ物の入っているシェリーは、声を出して答えることが出来ない。
視線だけをルチアの方へ向けると、彼女は神妙な顔をして話し始めた。

740 : あーくびしょっぷさまがみてる[] - 2011/04/09 18:44:42.29 eeK9F9tc0 4/7

ルチア 「以前から思っていたのですが、あなたは生活態度を改めるべきではありませんか?」

シェリー「生活態度、ねえ」

ようやく口の中身を飲み込むと、シェリーは心底どうでもよさそうに呟いた。
ルチアは構うことなく、否、だからこそといった様子で言葉を続けた。

ルチア 「先ほどのお祈りの件もそうですが、明け方近くまで起きていて昼に起きる生活ですとか、その女性らしくない言葉遣いですとか、他のシスターたちに示しがつきません」

シェリー「つっても、私は厳密なシスターじゃないんだけど」

ルチア 「そういう問題ではありません。いつ如何なる時も、主は私たちのことをご覧になっているのですよ」

シェリー「神様、ねえ」

シェリーはぐしゃぐしゃと自分の髪を搔き回すと、頬杖をついて言い放った。

シェリー「悪いけど、私は神様とやらをあんまり信じてねえんだよ」

ルチアの眉がピクリと動いた。

ルチア 「それは、どういう意味ですか?」

返答次第では、霊装による制裁も辞さない。
猫目のシスターは、言外にそう言っているように見えた。
しかし、シェリーは怯んだ様子を見せることもなく、ただツラツラと言葉を並べていく。

741 : あーくびしょっぷさまがみてる[] - 2011/04/09 18:45:43.36 eeK9F9tc0 5/7

シェリー「いや、神様の存在そのものは信じてるわよ。現に、聖書の記述をなぞって魔術が使えるんだし。ただ、神様の救いとやらは信じることが出来ない。自分を救ってくれない神様の目なんて、いちいち意識してられるっかつーんだよ」

シェリーの言葉の全てを理解することは不可能だった。
きっと、過去に何かあったのだろう。
その程度の想像はつくが、ルチアはあまりに彼女のことを知らない。

ルチア 「あなたが、そう思うようになった理由は何なのですか?」

テーブルの上で両手を組み合わせると、ルチアはそっと身を乗り出した。
その表情は、完全に告白を引き出そうとする修道女のものである。
対するシェリーは、小さく鼻で笑うと何て事もないように吐き捨てた。

シェリー「別に、大したことじゃないわよ」

色々あんだよ。私くらいの歳になると。
そう付け加えたシェリーは、どうやら全てを話す気はないらしい。
何となく、そんな予感はしていた。
もともと、彼女たちはそんなに仲の良い方ではない。

ルチア 「私は、あなたの過去を知りませんが」

軽く言葉を詰まらせた後、ルチアは俯きながら話し始めた。

ルチア 「私だって、この歳までにそれなりの苦労を重ねてきました。生まれたのはスラム街で、親の顔も知りませんし、教会に保護されるまでも、されてからも、様々な困難がありました」

そこまで言うと、ルチアはぐっと顔を上げ、真っ直ぐにシェリーの顔を見つめた。

742 : あーくびしょっぷさまがみてる[] - 2011/04/09 18:46:59.95 eeK9F9tc0 6/7

ルチア 「しかし、私はこう思っているのです。これは、主が私に課された試練なのではないかと」

シェリー「試練、ねえ」

ルチアの言葉に、シェリーが心を動かされた様子はなかった。

シェリー「じゃあ、あの子は私に試練を与えるために生まれて死んだのかしら」

ぼそっと呟かれた一言に、ルチアの表情が凍りつく。
もしかしたら、自分は酷くまずいことを言ったのではないか。
呟いた内容に反して、シェリーの声がどこまでも淡々としていることが恐ろしかった。

ルチア 「シェリー、クロムウェル?」

恐る恐る、ルチアは彼女の名前を呼んだ。
シェリーはハッと我に返ると、ばつが悪そうに言い捨てた。

シェリー「何でもないわよ。忘れろ」

それから、放り出されていた野菜サラダに手を付けた。
ルチアは、何と言っていいのか分からなかった。
そうこうしているうちに、シェリーは残っていた料理を食べ終えてしまう。

シェリー「じゃ、御馳走さまでした」

シェリーは何事もなかったかのように席を立つと、自室へ戻るべく踵を返した。

ルチア 「シェリー・クロムウェル」

咄嗟に、ルチアは彼女のことを呼びとめていた。
振り向いたシェリーは、機嫌を損ねた様子はなく、ただ不思議そうな顔をしている。

ルチア 「あなたに、神の御加護がありますように」

こんなことを言ったって、彼女には何の意味もないのかもしれない。
そう思いながらも、ルチアは口にせずにはいられなかった。
シェリーは、一瞬驚いたように瞳を見開いた後、花が咲くように、笑った。

シェリー「ありがと。まあ、期待はしてねえけど」

今度こそ、彼女は自室へ帰っていく。
その背中を見送ると、ルチアは残された食器の片付けを始めるのだった。

743 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(静岡県)[sage] - 2011/04/09 18:48:31.60 eeK9F9tc0 7/7

以上です
独自解釈と捏造設定の塊で申し訳ない
お目汚し失礼しました