763 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[] - 2011/04/10 02:27:31.92 RgLTdpuA0 1/64レスいただきます、本編終了後のアイテムの話
今書き終わったとこだから文章が酷くなってくのは勘弁して
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浜面「理后ー、取り込んだのってココに置いておけばいいかー?」
滝壺「うん、そこに放っておいてー」
その言葉を聞いた浜面は、少し高級そうな白いソファーの上に洗濯物を乗せた。そしてそのまま隣に腰を降ろす。
柔らかいクッションに体が沈んでいくのを感じて、青年は一つ息をついた。腰に着けたチェーンがじゃらりと身動ぎ。
すっかり動作が板についている。これでは見た目ゴロツキの浜面もただの家事手伝いの様に見えてしまうというものだ。
というか、もう浜面という表現も避けるべきである。
何故なら――まあ、コレだけ言えば皆様方にはお分かりだろう。
浜面「んあーっ……やることなくなったなぁ」
洗濯物から解放され、手持ち無沙汰になって少し背伸びをしている浜面仕上の両手。
その薬指には、きらきらと輝く指輪が佇んでいる。
浜面「りこぉー、あとどれくらいで終わりそうだよー?」
滝壺「ちょっと待って、もうできる」
また滝壺と表記するのも控えた方がよい。
が、なんかムカつく上に分かり難いのであえて滝壺と書かせていただこう。
今、皿洗いを終えてエプロンで水滴を拭っている少女……否女性の両薬指にも、
彼らの愛の証である指輪が慎ましやかに自己主張している。
すなわち。
浜面「おいでー」
滝壺「うん」
ソファーに座り、手招きをしている浜面仕上。
それに答えてキッチンからテーブルを尻目にトトトっと走りよっていく滝壺理后。
そのまま浜面の上に座り込んだ大切な家族を彼は後ろから抱き締めた。
浜面「理后はいつも可愛いなあ」ギュッ
滝壺「ふあっ!……苦しいよしあげ」
浜面「おお、悪い悪い」
彼らは結婚五年目の夫婦である。
フローリングの床に、機能的なダイニングキッチンと天井が高い開放感のあるリビング。
廊下を挟んでベッドルームが二つあり、二階には大広間と学園都市の一学区ぐらいは見渡せるベランダ。
そんな一戸建ての3LDKが彼ら浜面家の住まいだ。
今馬鹿夫婦がいちゃついているリビングのど真ん中には少々部屋に不釣り合いな革のソファーが居座っており、
真正面から見えるようになっているテレビが今日の学園都市の空気を彼らに伝える。
そんなものは気にしていない二人ではあるが。
ここは、学園都市。
暗部も無くなり、平和になった彼らの町。
浜面「昔から理后の髪はサラサラだなぁ」
滝壺「ん……」
浜面が手で妻の髪を解かすと、立派な女房となった滝壺は気持ちよさげに目を閉じた。そのままされるがままとなっている。
そんな、穏やかな日曜の昼下がり。
しかしそんな静かに一日を過ごせる訳がないのが浜面家なのだ。
にわかに騒がしくなった玄関から厄介事がやってくる――
「理后さん遊びに来ましたよーっ!……超失礼しました」
「何よ絹旗、いきなり戻って…………はーまづらああああああ?」
「うわあ……結局浜面は変態浜面だったって訳よ」
「何だよ夫婦だぞイチャイチャして何が悪いんだよ言ってみろよおおおおおお!?」
「みんな……せめて呼び鈴は鳴らして」
――それが彼らの日常である。
フレンダ「サバ缶無いのりこー?」
浜面「ああ、キッチンに置いてある買い物バックの中だ」
いつの間にか冷蔵庫の中身をごそごそと漁っているフレンダに浜面が答える。
フレンダ「そんなめんどくさそうに言わなくても……ていうか理后に聞いたつもりだったんだけど」
絹旗「しかも超即答でしたしね」
麦野「奥さんより台所事情がわかってるってどうなのよ」
浜面「いいじゃねえか、今日俺が買い出しに行ってきたんだから。理后寝てたしわざわざ起こしたくなかったんだよ」
滝壺「……わたしも行きたかった」
浜面「ごめんな、次は連れていくから勘弁してくれ」
滝壺「絶対だからね、嘘つくしあげは応援できない」
浜面「大丈夫だよ、安心しな。俺は大切なかみさんとの約束は破らないよ」
滝壺「しあげ……」
浜面「理后……」
絹旗「超目の前でいちゃつかれると流石にウザいですね」
フレンダ「結局二人とも、昔っから何にも変わってないって訳よ」
麦野「まあ今でも婚約指輪と結婚指輪、両方肌身離さず着けてるぐらいだからね……あ、電話」
本気で鬱陶しそうな絹旗と、やれやれといった感じのジェスチャーをしているフレンダを横目に見ながら、呆れ顔の麦野は携帯を開いた。
麦野「おっ、これは……もしもし?うん…………ふーん、報酬は弾んでもらうわよ……ああ゛?
……OK、毎度ありがとだにゃーん」
相手のどなり声をスルーして、麦野はパタンと携帯を閉じた。
そして、いつの間にか雑談を止めてこちらを向いていた一同に言い放つ。
麦野「仕事よ」
空気が変わった。
麦野「相手は三人で銀行強盗犯。今は車両で逃走中……どうやら全員能力者で、一人は肉体強化の大能力者らしいわ。
駆動鎧も役に立たなかったのでこっちに依頼が来た、ってことね。アンチスキルから」
麦野「さて、謝礼はたっぷりくれるようだし……受けるわよね?」
麦野の言葉に、元暗部組織「アイテム」の面々がニヤリと笑う。
浜面はひとつため息。どうやらゆっくりとした午後は過ごせそうにないらしい。
そして。
浜面「……当然!」
チェーンを鳴らして、その先についている鍵を空中へと放った。
彼らの『仕事』の始まりだ。
絹旗はキッチンへと歩み寄った。そのまま能力を発動させる。
床に敷いてあるカーペットを外すと、そこから金庫のような扉が露になった。
演算が終了する。
絹旗「行きますよー、……『窒素装甲』!」
絹旗はその重そうな金属の塊を、力任せにこじ開けた。
その先にあったのは人一人が入れそうな穴。
そこに、
フレンダ「おっさきにー!」
絹旗「あ、ちょっとなに先に行っちゃってるんですかフレンダ!超待ってください!」
麦野「なにやってんだかね……ほっ、と」
戦闘要員の三人が飛び込んだ。残された滝壺は穴の前で立ち止まり、未だソファーの前でテレビを見ている夫を振り向く。
滝壺「どうしたの、しあげ?」
浜面「いや、何でもない。すぐ行くよ」
滝壺「分かった」
そのまま滝壺は穴へと降りる。
そして一人リビングにいる浜面は、テーブルに置いてあるリモコンを手に取った。
テレビでは変わらず学園都市の町並みを映し出している。
リポーターが緑が目立ち始めた桜の前で何かを話している。
そんな五月の木漏れ日。
浜面「……今日も平和だなあ……」
そんな呟きと共に、液晶画面はプツリと消えた。
穴へ落ちると言っても大した距離ではない。せいぜい一階分ぐらいの深さである。
しかし一応の安全のために敷いてあるクッションにうまく着地した浜面の目に飛び込むのは、何をかくそう自分の愛車である。
『ドラゴンマニューバ』。
『ドラゴンライダー』を改良した後継機。
運動性能などの特色はそのままに、四人乗り用へと作り替えられた試作機は、作成者によって浜面の手に渡されていた。 曰く、
「実験台じゃ」
ということだそうだ。とはいえ性能は抜群なので、浜面もその立場を甘んじて受け入れている。
そんな『ドラゴンマニューバ』へと乗り込んだ『操縦者』は、先ほど宙に投げた鍵を一気にハンドル横へと差し込みエンジンを駆けた。
威勢のいい駆動音が地下室に鳴り響く。今日も相棒はご機嫌のようだ。
浜面「さて、それじゃ行きますか」
滝壺「しあげ、乗せて」
フレンダ「チャチャっと片付けちゃってみんなでどっか遊びに行こうよ!」
麦野「そうね、昔よく行ったファミレスなんかどうかにゃーん?」
後部座席にはフレンダと麦野。そして浜面の膝の上に滝壺。
浜面「絹旗!」
絹旗「言われなくてもわかってますよ……おりゃっ!」
絹旗がシャッターを跳ね上げる。太陽の光がガラスに反射して、滝壺が眩しさに一瞬目を細めた。
風が吹き込み、床に落ちていた一枚のチラシが舞い上がる。
『手紙、荷物、人から心。ナマモノ割れ物何でも届けます!
奪われたものも依頼さえあれば何でも配達!命でさえも配達可能!
何かを奪いたい届けたい、そんなときには私たちに是非ご連絡ください!地の果てまでもお伺いします!
※要金額相談』
絹旗が助手席へと滑り込んだのを確認して、浜面はアクセルを目一杯踏み込んだ。
彼らの名は――
浜面「『運び屋アイテム』、今日も仕事開始だ!!」
769 : 浜面「理后、風呂トイレ洗い部屋キッチンリビング雑巾がけテーブル拭き食器洗いあと掃除機の修理終わったぞ」[sage] - 2011/04/10 02:49:10.23 RgLTdpuA0 6/6以上です、なんで文章ってこんなに疲れるのかしら
実はこれ今書き溜めてる長編の最初だったりします
でもこれしきでヘロヘロになってるようじゃ完結させられる気がしねえ
あと英語には期待しないでください