772 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東海)[sage] - 2011/04/10 04:20:54.59 BoUptuSAO 1/12

素晴らしい浜滝の後に妙な話をすみません、5レスいただきますが人を選ぶネタだと思いますのでsage進行でいきます

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-26冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1301325535/
773 : 風斬「どういうことなの――?」1[sage] - 2011/04/10 04:23:42.62 BoUptuSAO 2/12

ちょっと気味の悪い話かもなのでご注意下さい





「あははは!」

「えーと、これっぽっちも面白いこと言ったつもりは無いんですけど」

「もー、あんなこと言っておいてそのたいどはないかも!」

「えっと……」

「ほら見ろ、風斬だって反応に困ってんじゃねえか!」

「えー!? そんなことはないよねひょうか!」

「……私にはどうしてインデックスが笑ったのか……分からない」

「はっはー! ざまあ見ろインデックス!」

「むー!」

「何やら歯が光っているのですが……っ!」

「かくごなんだよとうまあああ!」


ヒラリ。

「!?」

予想していた手応えがない。

そしてそのまま、インデックスは顔から落ちていく。

「大丈夫!?」

「いたたた……、まさかよけられるなんて……!」

「いつまでもお前に噛みつかれる上条さんじゃないのだよ!」

「……避けられるというか地面に飛び込んでいくように見えたんだけど……?」

「ははっ、風斬もなかなか辛辣だな」

地面に座り込んだインデックスに風斬が手を貸し、再び彼女は立ち上がった。

修道服も汚れがかなり目立つ。

食べたものがどこに消えるのか不思議なくらい細いその手は、長い長いその服に付いたゴミを払っていった。

774 : 風斬「どういうことなの――?」2[sage saga] - 2011/04/10 04:25:09.54 BoUptuSAO 3/12





そんな少女の様を見つめる風斬は、震える唇を開く。


「……インデックス、病院へ行こう……!」

しばしの沈黙。

「……」

「大変なことになる前に……!」

彼女としては声を荒げる自身の親友が珍しすぎて、瞼を素早く開閉する事しか出来なかった。


やっと、甲高い声が上がったのも1分は立ってからだった。

「ええ!? 今のででせうか!?」

「たしかに顔ぶつけちゃっていたかったけど、こんなんじゃ私はぜんぜんへっちゃらなんだよ!」

「そうじゃなくて……っ!」

「大丈夫かも!!」

「そうそう! コイツ頑丈だし!」

「すっぱいごはん食べても大丈夫なんだもん!」

「お前、あの時の焼きそばパンは謝ったじゃねえか!」

「ふんだ! 女の子のうらみはおそろしいかも!」


恐怖で顔を歪ませる彼女に向けて放たれるのは、幾多のフォロー。

「……」

しかし思い詰めたような表情は変わらなかった。

775 : 風斬「どういうことなの――?」3[sage saga] - 2011/04/10 04:27:01.84 BoUptuSAO 4/12






「……」

「そ、そう言えば」

「ど、どうしたのかなとうまー」

「む、昔にお前、あそこのアイス無料券抽選でゲットしてなかったっけー?」

「す、すっかりわすれてたかもー!」

手持ちの鞄からチケットがまだあることを確認し、インデックスは風斬の手を取り、空いた手で広場の一角のワゴンを指した。

好感触は得られなかったものの、そんなの気にしていられるかとぐいぐい手を引き、ピンク色のクルマへと歩く。


視界に入る空は、雲一つ無い快晴である。

776 : 風斬「どういうことなの――?」4[sage saga] - 2011/04/10 04:28:46.22 BoUptuSAO 5/12






「いらっしゃいませー」

平日の真っ昼間ということもあり、他の客は居なかった。

茶髪の男性店員が頭を下げる。

「じゃあ、ひょうかもこの中から決めるんだよ!」

「……うん」

「かく言う私はイチゴ味とクッキー味で!」

「かしこまりましたー」

ただの一度もメニューに目を落とさずにインデックスはオーダーをする。

「あ、このチケットつかえるんだよね?」

「はい、一回限りですが何人分でもOKですよー」


手に持っていたチケットがその効力を持っていることに安堵し、銀色の台にそれを置いた。

「声枯れてて、しかも冬真っ盛りなのに二つも食べるのかよ……。じゃあ俺はシーフード味で」

「とうまそれほんとに好きだよね」

「……シーフード、ですか?」

「えっと……無いですかね?」

「……いえ、ご用意させていただいておりますが、その、お客様」


その凡人である彼のキャパシティを超えたナンセンスな異常事態に、店員は二の句を告ごうとして

777 : 風斬「どういうことなの――?」5[sage saga] - 2011/04/10 04:30:08.52 BoUptuSAO 6/12






「――あの、私は抹茶でお願いします」

何かを決心したかのような風斬の声に遮られた。


先ほどの彼女と同じ表情をした店員は、荒々しくも早い動きでモニターを操作する。

「……かしこまりました、ではイチゴ・クッキー・シーフード・抹茶の四種でよろしいでしょうか」

「おねがいするんだよ!」

「かしこまりました、……あのお客様、コーンとカップ選ぶことが出来るんですが」

「もちろんコーンなんだよ」

「俺はカップで」

「私はコーンでお願いします」

「……ええと、シーフードのみということでよろしいんですよね」

「はい」

「……少々、お待ち下さい」

店員は早足で奥へと消えていった。

778 : 風斬「どういうことなの――?」6[sage saga] - 2011/04/10 04:31:30.85 BoUptuSAO 7/12






あれから五分が立ち、彼女らは購入したアイスを手にデザイン的なベンチへと向かっていた。

「いやー、いつ食べてもこのアイスは最高なんだよ!」

「せめてベンチに座ってだな」

「目の前にしちゃったらがまんなんて出来ないんだよ!」


左手に持ったイチゴ味に顔を寄せ、残り数センチ――。


ボトッ。


「……やっちゃった」

「だからベンチに着いてからって言ったんだ」

それは食べることにばかり必死になって、気を回せなかった右手のクッキー味がアスファルトへと落ちていく音。

名残惜しいものの、地面に落ちてしまったそれをどうすることも出来ない。

「後ろがみ引かれる思い……なんだよ」

「ほんとにお前は不器用だなあ、1個ずつなんだからそれぐらい平気だろうに」

「返す言葉もないかも……」


そうして白い髪を揺らし、真っ黒な椅子に腰かけた。

779 : 風斬「どういうことなの――?」7[sage saga] - 2011/04/10 04:32:41.58 BoUptuSAO 8/12






「ひょうか、おいしい?」

「うん、とっても」

「それは良かったな」

「……インデックスは?」

「もうすぐ完食なんだよ」


ぺろりと、風斬は緑色の球を舐めた。
ほろ苦くて上品な甘さがあり、確かに美味だ。
空も快晴、少しだけ空気は冷たいがまだ許容範囲内。
自分の不安定な体をホログラムだと思う者だっていない、そんな爽やかな日。


「風斬――?」



人工天使の目は悲しみを湛えていた。

780 : 風斬「どういうことなの――?」[sage saga] - 2011/04/10 04:34:18.03 BoUptuSAO 9/12






「ねえ、インデックス」

「どうしたの?」


こちらを見る無邪気な顔はあの日のまま――なんてことはなかった。



「食べ終わったら、一緒に病院へ行こう」

「――どうして?」


美しかった銀髪も、可愛らしい声も、陶磁器のような肌も、純白の修道服も全てが消失してしまった彼女の手を握る。

“二人掛け用ベンチ”で、不自然に風斬と密着するインデックスの手を握る。


「三つも持ってたら、一つくらい落としちゃっても仕方がないよ……」

先ほど、左手と右手で挟んでいたのはプラスチックのカップ。

「なにを――」

「……最初、はしゃぐあなたとここで会ったとき、私が人外だからここに居るべき人が見えないのかって思ってた。 だけど、さっきの店員さん、怯えてたの。 精いっぱい声色を変えて喋るあなたに……」


「おかしいよ……へんだよ」

壊さないように包むその手は、信じられないほどに皮ばっていた。




「……あなたは生きているんだから」



781 : 風斬「どういうことなの――?」9[sage saga] - 2011/04/10 04:37:43.20 BoUptuSAO 10/12






濁りのある碧眼は最早焦点も合っておらず、乾燥していて青い唇からはうわごとのような呪詛のような、そんな平坦な言葉が羅列していく

「あああああぁぁぁあぁああぁぁあああぁああうそだうそだようそなんだよひょうかはそうだあなたはわたしたちをおとしめたいんだそうにきまってるよどうしてそんなことをするのかなまちがってるよぜんぜんなっとくできないよわたしはとうまとひょうかとわたしとでたのしくやっていきたくってなのにどうしてどうしてどうしてそうだねえとうまからもいってあげてよひょうかはしつれいなこといったんだからねえとうまかざきりおれはここにいるじゃないかうんそうだねほらひょうかもちゃんときいたでしょとうまもこういってるんだよえっとこれはさいごつうちょうなんだからあやまってくれればぜんぜんかまわないんだよだってだってねわたしたちともだちだもんまちがえたともだちをただすのがともだちだよだからまちがえちゃったひょうかのこともわたしたちは」

「……インデックス」

誰も居ない右端を病的な視線で見つめるインデックスに対し、これ以上何も風斬には言うことが出来なかった。


今日において自分が“彼”と一言たりとも喋っていないことも含めて。


782 : 終わり[sage] - 2011/04/10 04:39:35.30 BoUptuSAO 11/12

何が5レスぐらいなんだって感じですね、深夜だからってすみません。
あとネタも某所でいただきました、本当にありがとうございました

784 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/04/10 06:44:48.55 Uyr4lfPno 12/12

こういうミスリードは文章ならではで、じんわり怖かった
3回読み直したけど、2回目からはその1からもう切ないです

白コンビスレも楽しみにしてます、乙!