40 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[] - 2011/04/14 22:52:03.25 xbwcQ0Y50 1/4

2か3レスいただく
さっき前スレ読んでたらふと思い付いた

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-27冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1302720595/
41 : 上条「あれ?なんでフライパン持ってるんだ俺?」[saga] - 2011/04/14 22:59:28.79 xbwcQ0Y50 2/4


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上条当麻は焦っていた。

そりゃもう尋常じゃなく。

神裂「上条当麻」
フィアンマ「俺様はよぉ」
インデックス「おなかがすいたんだよー」

恐怖の大魔王×3の存在故に。
上条「どうしてこうなった……」

まだ一品も出来ていない、出せたのは(何故か)台所にあったキムチだけである。しかしそれすら、

フィアンマ「キムチって嘗めてんのか」
神裂「あ、私漬物はちょっと」
インデックス「辛酸っぱいのは嫌いかも……」

などと散々ボロクソに言われた(主にフィアンマに)後突き返された。

それなら豚キムチならなんとか、と思ったのも束の間豚肉がない。
どうやら諦めざるを得ないようだ。

大体どうしてこうなったのだろうか、俺は家のベッドでぐっすり寝たはずなのに……
と思う余裕すら無いのである。「パパー」
頭の中はかの三大天……いや悪魔に捧げる賄いのことで既に要領オーバーなのだ。

上条「ヤバいヤバいヤバいこれは本気でヤバい」

ひとまず冷蔵庫の中身を確認しようと開けた扉の向こうにあったのは清々しいほどの空っぽ。
椰子の実サイダーのようなジュースやお茶、水といった飲み物系統は言わずもがな。
もはやマヨネーズや醤油等の調味料すら無いのである。
これを完全完璧なる異常事態だと言わずしてなんとしよう。コックのキャパシティが足りなくなるのも無理はない。

そっと後ろを振り向いた先には、ギラギラ「パパー?」とこちらを見つめる三人の魔神。いや超絶大魔神。
もしこの状況で何も食べられるものが無いとバレでもしたら――

上条「殺られるな…………間違いなく」

どうなるのかは想像に難くない。

元『神の右席』最強が片手を上げる。

妙なジーパンに変なTシャツを着た露出度の高い『女教皇』が刀を抜く。

そして見た目だけは可憐な銀髪暴食シスターがその可愛らしい顔にちょこんとついた薄桃色の唇をおおぉぉぉぉぉぉきく開け「パーパー」自慢の鋭くとがった歯をがちりがちりと音高く鳴らす。

そして響き渡る「不幸だああああああ!!」という自分の断末魔――

上条「いやだぁぁぁぁぁぁああああああああああああ!!」

気がついたら叫んでいた。と同時に気付く。
背中を刺す人を容易に殺せる視線に。

後ろすら振り向けない。
どうあがいてもぶち殺せないこの状況。

出来るのは八つの瞳に怯え、自分の末路に絶望するだけ……八つ?
そして上条当麻は気が付いた。
もうひとつの存在に。

そっと(目線を上にあげずに)振り向けば、最悪の邪神達が着くテーブルの下に、

肉があった。

上条「スフィ……いや、にく………」
これで助かる。
豚キムチならぬ猫キムチが作れる。何か出せば買い出しにも行かせてもらえるだろう。

上条「……おいで、に……スフィンクス」
腕の中へと飛び込んできた暁には、まな板の上へとご招待。

そして肉、いや猫は上条に飛び付きながら、一声鳴いた。


「パパっ!」


42 : 上条「あれ?なんでフライパン持ってるんだ俺?」[saga] - 2011/04/14 23:01:06.09 xbwcQ0Y50 3/4





上条「ぐえっ」

マイ「起きてーパパー」

娘が体の上でジャンプしているのを父親となった上条当麻は感じた。まだ小さいので大したダメージでは「むぎゃあ」鳩尾に入ったようだ。

マイ「ママがごはんだって!早く来て!」

腹を抱えてベッドでのたうち回る親を尻目に、黒髪の少女は階段をかけ降りていった。

上条「んがはぁあ………………夢か」

落ち着きを取り戻して一息つく。かなり疲れているように見えるのは気のせいだろうか。反語。

上条「夢でよかった最後まで見なくてよかった本当にありがとうマイ……ん?」

スフィンクス「にゃー」

上条「」


その後、部屋で猫に土下座する妙な男が必死で懺悔の言葉を吐いていたのは言うまでもない。



一階へと降りれば、パンの焼けたいい香りが漂ってきた。マイのはしゃぐ声が聞こえる。
空きっ腹を押さえつつ顔をばしゃばしゃと洗い、歯を磨きながら自分の髪型を整えた。
学生の頃からのツンツン頭は三十路を過ぎた今も健在である。

そしてリビングのドアを開ければ――

インデックス「おはよう、とうま。早く食べないと朝ごはん冷めちゃうかも」

立派な一児の母、そして妻となったインデックスがそこにいた。
美しい銀髪はさらりと腰まで伸び、素晴らしく細いのに出るとこはしっかり出ているモデル体型。
体の成長に伴い食べる量も減り、もはやあの頃の面影を残すのは変わらない綺麗なままの眼だけ。
今では上条家の完璧な嫁である。

その最愛の家族を目にしたとき、彼の心に言い表せぬ感情が巻き起こった。

みるみるうちに目尻に涙が溜まる。どうも最近涙腺が弛い。

インデックス「ど、どうしたのとうま!?……キャッ」

押さえきれぬ感情に従い、上条はインデックスを力一杯抱き締めた。







「……ん?上条当麻にかけた一番怖いものに一番辛いことをされる悪夢を見させる呪いが解けた?
念には念をと思い、身動ぎをさせない術式もかけていたが……これでは14からの努力が水の泡だ。
原因は何だろうか…………おっと、煙草が」

43 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(長屋)[sage] - 2011/04/14 23:05:21.64 xbwcQ0Y50 4/4

投下終了、遅くてスマソ読みにくくてスマソ
スマートフォンに未だになれん

なんか知らんが思い付いたんだなこれが
長編の上条パートが出来て嬉しいわ