213 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/04/17 22:39:22.39 QBkKtHRDO 1/3番外通行? 違う気もする小ネタ投下します
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番外「あなたのムカつくところその1」ハイ
珍しく全員揃った夕食を迎えた後、ダラダラとテレビを見ていたときのことだ。くだらないワイドショーを真剣になって見るもの、コーヒーを片手に眠り半分に耳だけを傾けるもの、一様ではない。けれど誰も声を発することのなかったその中で唐突に切り出した番外個体に、リビングの視線が集まった。彼女の、いつものように人を馬鹿にした笑顔が憎たらしい。
一方通行「あァ?」
いきなり何を切り出すのだと、白い少年は片手に持っていたコーヒーを置いた。彼の膝に乗っていた幼い少女は、切り出した女――番外個体に顔を向ける。結ばれた前髪がぴょこんと揺れた。ほのかに赤らんだ頬を膨らませる。
打ち止め「ちょっと! ケンカはいけないよってミサカはミサカは注意してみる!」
番外個体は唇を歪めて笑うと、いやいやと首を振る。そして少し眉間を寄せると、一方通行を指差した。
番外個体「ケンカっていうかさ、黄泉川とかも思ってると思うんだよねぇ」
黄泉川「どういうことじゃん?」
夕食に使った皿やらコップを洗っていた黄泉川は、自分の名前が出てきたことに反応してこちらを振り向いた。ちなみに芳川は今風呂に入っている。半ばニートだというのに一番風呂である。
番外「あなた、男のくせして肌が綺麗……っていうか無駄毛すら生えてないことがミサカは気に入らないっていうかさあ」
一方通行「はァ?」
打ち止め「そう言われると……うーってミサカはミサカはあなたの腕をじっと見てみる」
深く眉を潜めた一方通行の腕を、小さな手でそっと掴むと打ち止めは自分の腕と比べ始めた。
打ち止めも番外個体も体毛が濃いというわけではない。むしろ薄い。だが一方通行の方が薄い――ほぼ生えていないように見えるのは、体毛が白いせいであろう。
黄泉川(確かに……けど番外個体も充分薄いじゃん……)
溜息を吐くと、下手に会話に巻き込まれては堪ったもんじゃないとまた洗い物の作業に移る。
一方通行は打ち止めの手から逃れると、捲っていた袖を戻した。
一方通行「生えてねェわけじゃねェよ……能力のせいで白いンだから仕方ねェだろォ……」
少し気にしていたのだろうか、一方通行の声のトーンが落ちたように感じた。番外個体は、これはいい弱点を見つけたとばかりに嬉しそうに追撃する。
番外「確かに男らしくないよねぇー、本当にモヤシみたい! ってミサカ吃驚しちゃう、あひゃ」
打ち止め「わわ、落ち込まないであなた!ってミサカはミサカは俯いてるあなたの頭をなでなでしてみる!」
番外「幼女に慰められるとか、あなたってまじでロリコンだったの? キモーイ」
一方通行は舌打ちをすると、打ち止めを降ろし立ち上がった。
番外「あ、あれぇー? もしかしてあれぐらいでミサカに怒っちゃった?」
肩が僅かに震えている。ニヤニヤとした笑顔は崩さないが、どこか固い。
一方通行「……コーヒー買ってくるゥ」
見ると、先ほどまで飲んでいたコーヒーが無くなっていた。そのことにほっと安堵してしまった自分が悔しい。一方通行はその様子を横目で見るだけで、玄関に向けて歩きはじめた。片手に持った財布をジーンズの後ろポケットに入れる。
打ち止め「み、ミサカもミサカもついていきたいって大アピール!」ハイハイッ
一方通行「……もォ夜だから危ねェだろ。アイス買ってきてやっから」
打ち止め「……ぶー、わかったよってミサカはミサカはいいこの姿勢を見せてみる」
打ち止めは一方通行の座っていたソファーに座り直した。出ていく一方通行の背中に向けて「いってらっしゃい」と声をかける。一方通行が手をひらひらと振ったのを見届けると、満足したようにテレビに向き直った。ガチャリとドアの閉まる音がする。
番外「むかつく……」
アヒルのように口を尖らせ、番外個体は呟いた。
番外「ムカつくところその2……何を言ってもミサカに怒らないこと……クソモヤシ」
215 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/04/17 22:42:09.62 QBkKtHRDO 3/3おわり
1レスでいけました。お目汚し失礼しました。
新訳のミサワさんの可愛さで地球がやばい