142 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] - 2011/05/05 22:29:29.41 iYc2OteD0 1/5

3スレ程投下させて頂きます。オチなし意味なしです。
それではよろしくお願い致します。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-28冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304353296/
143 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] - 2011/05/05 22:30:19.96 iYc2OteD0 2/5



ゆっくりと刃を落としていく。
焦らないように、ゆっくりと。手のひらに切断する瞬間の感触が伝わる。
微かな抵抗、固いものに遮られるのではなく、じわじわとめり込んでいくいやらしい感覚だ。
一瞬、手の中の抵抗感が増す。
その感触は感じ取れるかどうかの刹那のものであり、それを通過すると刃は何の抵抗もなく下まで降りていく。

「くかかかか」

思わず笑いが込み上げた。
自分の周到さ、徹底さ、浅ましさに呆れたのだ。
だが、容赦はしない。ずっと自分の頭を悩ませ続けた憎い存在。
既に一方通行の慈悲は尽き果ててしまっていた。
物言わぬはずの哀れな獲物が懇願の声を上げるのが聞こえた。
勿論そんなものは単なる気のせいだ。それがわかっていながらも、一方通行の喉は自然と震える。歓喜の感情に押されるように。


つくづく救いが無い。


つくづく外道だ。



まさか獲物は思っていなかっただろう。自分の耳まで削ぎ落とされようとは。そこまでされるとは。


だが、予想は外れた。


哀れな獲物は言葉も離さず、切り離された己の分身を見つめることしか出来ない。
しかし、残酷な行為はこの程度ではすまない。
煮立った油に視線を流す。今からコイツをぶち込むのだ。
一方通行の薄い唇が釣り上がる。ぱかりと開いた口は赤く、不吉な三日月を髣髴とさせる。
背筋を走り抜ける快感と好奇心に抗えず、一方通行は無慈悲に手を離す。



 ―――――――――――― ッ!!



言葉に出来ない悲鳴とは正にこの事。

「くはははッ」

堪えきれずに一方通行は息を吐く。


実にいい悲鳴を上げる。

身体の芯まで熱された時、この獲物の尊厳は全て消え去る。
そして言葉すら聞き入れられぬ間に蹂躙は終了する。





144 : パパはなンだかわかってない。~一人で出来るもン~[saga] - 2011/05/05 22:33:01.59 iYc2OteD0 3/5






「いっぽうちゃん、そろそろキッチンペーパーに置いても大丈夫よ」
「あ、ハイ」
「十分に油が落ちたらグラニュー糖をまぶしてね」
「こっちのフレンチトーストの方もいいですか?」
「あら、いい感じに黄金色の焦げ目が付いてるじゃない」

皿に取り上げたフレンチトーストにしたパンの耳にハチミツを軽くかける。
もう一つの皿にはキッチンペーパーを敷いてから、揚げたパンの耳を乗せる。
一度キッチンペーパーを取替え、油が染みないことを確認してから粉雪を舞い散らせるようにグラニュー糖を降っていく。
出来上がりを前に、一方通行は愕然とした。


「あれだけ厄介だったパンの耳が……ガキ用おやつになった…だと?」


打ち止めと番外個体のお弁当用にサンドイッチを作ると必ず余るパンの耳。
勿体無いからとそのままサンドイッチにすると噴出する文句の嵐。
「固い」「美味しくない」「何かかっこ悪い」等々だ。
結局そのせいで切り落とさざるを得ないが、その始末に困る。
チーズフォンデュにしても、流石にそればかりでは飽きる。
辟易していたところで天の声が一方通行の頭上に降りた。料理の師匠とも言える同じマンションの鈴井さんだ。


「グラニュー糖にすれば味がしつこくないからいいのよ。でも揚げ物だから余りお夕飯前に子供達に食べさせちゃダメよ?」

「そンな素人くせェ真似なンざしねェですよ」

「あらあら頼もしいお父さんね」

上品な貴婦人然とした鈴井さんの言葉に、一方通行は気恥ずかしげに頬を掻く。


「後はお嫁さんを貰って、安心させてあげなくちゃ」

「嫁?」

「そうよ。女の子の気持ちは男親だけじゃ汲みきれないの。大泉さんのところなんて男出一つで育ててきたせいか、最近娘さんと上手くいってないらしくて」

「大泉さンが…」

「いっぽうちゃんも気をつけなきゃダメよ?自分だけが娘のことをわかってあげられてる、なんて思い込みが一番反発を招くことなんだから」

「………」

145 : パパはなンだかわかってない。~グラタンとかも案外いけます~[saga] - 2011/05/05 22:35:48.64 iYc2OteD0 4/5


確かにそうかもしれない。学園都市に平和が訪れ、早三年。
最近、どうにも一緒にお風呂に入ってくれなくなった打ち止め。お風呂どころか、手を繋ごうとしても逃げる始末だ。
彼氏の一人や二人できたのかと尋ねたら「死ね」「地獄に落ちろ」「クソ野郎」という年頃の娘としてどうかと思う暴言の数々を吐いてきた番外個体。
反抗期真っ盛りだと楽観視していたが、根はもっと深いところにあるのかもしれない。それこそ、男親では測り切れない程深くに。


「くっくくくく……上等じゃねェか」

しかし、だからといって膝を屈する第一位ではない。
これから先、一万人弱の娘を守っていくのだ、この程度でうろたえている場合じゃない。


「だったら見つけ出してやる。美人で、平凡で、賢くて、優しい…クソガキ共にカントリーマームの作り方を教えてやれるようなとびきりの嫁をよォ」

カントリーマームを作れるようになれば一人前の女らしい。
芳川が言っていた。ならば芳川もきっと作れないのだろう。


「頑張りなさい、いっぽうちゃん」


鈴井さんは目を細めて若い、余りにも若過ぎるパパの背中にエールを送った。






【次回:お父さン初めてのナンパ相手はデコ委員長!?】


146 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/05/05 22:38:17.98 iYc2OteD0 5/5

続きません。3スレじゃなくて3レスでした。

お目汚し失礼致しました。

それでは ノシ