927 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 1/6[saga] - 2011/05/21 19:09:53.71 ACOnTzyM0 1/7

「その幻想をぶち殺すっ!」

ガッ! と拳をぶつける音が響いた。
これで終わった、全てが。
思えば長かった。あの少女と病室で出会ってから今争いの元凶になっていたコイツを倒すまで。

「とうま……」

後ろから声が聞こえる。
自分が記憶を失ってでも守り、決して泣かせたくないと思った人、インデックスの声が。

「とうま、ようやく前みたいに一緒にいられるんだね」

上条とインデックス。
この2人はベツレヘムの星で離れ離れになってから1度も会っていなかった。
インデックスは魔術サイドの重要人物として連れて行かれ、
上条は幻想殺しを持つがゆえにアレイスターに狙われていたから。
そう。そんな状況だったが、魔術と科学の争いがなくなった今、2人は平和な日常を取り戻せる。







そのはずだった。







元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-28冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1304353296/
928 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 2/6[saga] - 2011/05/21 19:11:25.87 ACOnTzyM0 2/7

「……悪い、インデックス」

「えっ?」

インデックスはその言葉の意味が理解できなかった。
上条がインデックスに対し記憶喪失を隠してたのはもう赦してる以上、
彼が自分に謝らなければならない事なんてない。
それなのに何故彼は謝るのだろうと思った瞬間。





上条の体が透き通っていった。
風斬が不安定な状態の時に見えるブレのようなものまで見える。





929 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 3/6[saga] - 2011/05/21 19:12:49.46 ACOnTzyM0 3/7

「と、とうま、それ……」

「俺はもうお前とは一緒にいれない。だって俺は既に……」

死んでしまっているのだから。
インデックスの表情はさっきから全く変化していない。
恐らく認めたくないのだろう。今まで一緒にいて、これからも一緒にいた少年と2度と会えなくなる事実を。

「俺の本来の肉体はもうガブリエルとの戦いの時に破壊されちまった。
 今ここにいる俺は『幻想殺しの本質の力』で作った仮の肉体を与えられた、偽者なんだ」

そう。いかに幻想殺しを持っていたとしてもガブリエルとの戦闘を行い、無事に帰還できるはずがない。
たとえその奥に強大な力があったとしても、一時的な延命処置。いや、ごまかししかできない。

「インデックス、お前のところに帰るって約束してたのに、ごめんな。
 こんなんじゃ記憶喪失の分も謝れねぇ」

「嘘だよね……?」

嘘だ。そんなのは絶対に嘘だ。
周りを助ける事に気をとられても、世界を救おうと必死になっても、
自分と一緒にいられるように頑張っていた少年が死んでしまったなんて。

「とうまは何があっても絶対に帰ってきてくれた。だからこれからも……」





そんなの嘘だ。





930 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 4/6[saga] - 2011/05/21 19:15:34.84 ACOnTzyM0 4/7

「インデックス、いきなりだけど聞いてくれ
 こんな状況になるまで気づかなかったけど、俺はお前の事が好きだ。こうなってからじゃ遅いのに、本当ならもっと早く気づいてたはずなのに」

その時になってインデックスははっきり気づいた。
自分も上条のことが好きなのだと。家族的な意味でもなく、友人的な意味でもなく、ただ一人の男の人として。
2人とも気づくのが遅かった。もっと互いの事をよく見ていれば、こんなことにはならなかったかもしれないのに。

「……もう時間みたいだ」

上条の体がさらに薄くなっていく。気のせいか、体から光の粒子が出て行っているようにも見える。

「とうま……、私もとうまが大好きなんだよ。だから……」

消えないで欲しい。置いていって欲しくない。そうなるなら自分も後を付いていく。
この少女の傲慢な感情が一気に放出され、上条に抱きつく行為になって現れる。
しかし、いつも抱きついている時とは違う。肉体の感覚はあるのに、ぬくもりを感じられない。
彼の死をまざまざと伝えられているようだった。

「お前はシスターだからこんな事言うと失礼かもしれないけどさ、
 この世界に天国や地獄があるかなんて分からない。
 でももし、天国も地獄もなかったりしたらさ……」

931 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 5/6[saga] - 2011/05/21 19:16:46.44 ACOnTzyM0 5/7











ずっとお前の傍にいてやる。だから、俺も分まで精一杯生きて、楽しい思い出を作ってくれ。










932 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 6/6[saga] - 2011/05/21 19:18:18.09 ACOnTzyM0 6/7

「ぁう……うっ……えぐっ……」

止まらない、涙が。あの病室で彼が『死んでしまっていた』時と同じように。

「じゃぁな、インデックス。お前と一緒にいた時間は本当に楽しかったぜ」

「うん…・・・っ、わた……しも……楽しかっ……たんだよ」

だがもう泣く訳にはいかない。彼は自分に楽しく生きてくれといったのだ。
だから泣いていてはいけない。でなければ彼は困ってしまう。

「あぁ、だけどこれからもお前と一緒にいたかったな……」

そういい残して、上条は消えた。もう誰もどこにいて、何をしているかも分からない。

933 : 上条「もし、天国も地獄もなかったりしたらさ…」 7/6[saga] - 2011/05/21 19:22:14.01 ACOnTzyM0 7/7

終わり

初SSで鬱とか地の分ありとか投下しようと思った自分が馬鹿だったんだよ!
こんなんだったらほのぼのとかにしとけばよかったかも
と言う訳で次はほのぼのをかんがえておくんだよ

2度目の死ってどんなんなのかなーって妄想してたらこうなった
原作では死別になってほしくない、なるにしても相手への気持ちには気づいて欲しい
いや、もうくっつかなくてもいいから平和でいて欲しい