378 : パパはなンだかわかってない。~吹寄攻略戦線~[saga] - 2011/06/01 01:28:09.06 GAADdgBZ0 1/7こんばんは。5レス程投下させて頂きます。よろしくです。
【関連】
パパはなンだかわかってない。
http://toaruss.blog.jp/archives/1030485164.html
パパはなンだかわかってない。~打ち止め日記~
http://toaruss.blog.jp/archives/1031450969.html
――― 一方通行の日記より抜粋 ―――
あいつ等には母親が必要だということがよくわかった。
考えてみればそれは当然の事だ。
同じ女同士悩みを共有できる人間がいるかいないか、それがどンだけ心の支えになるのか。
超能力者という枠に収まり、孤独しか知らなかった俺にはその辛さがよくわかる。
同じ孤独を共有できる仲間が俺にはいなかった。
第一位という地位は、レベル5の中でも特に異質のモンだ。
他のレベル5を見渡しても分かり合えそうな奴等はいねェ。
第七位は……まァアレだし、第六位はよくわかンねェ。
第五位は猿山の大将気取りで何だか気の毒だ。
第四位は鮭と空前のコミュニケーションを取る道を進ンでる上に、アレだ。
第二位に至ってはアレでメルヘンがアレな具合になって、冷凍庫とアレしてて、極め付けに童貞をこじらせて「処女ってメンドクせぇしぃ~」なンてほざくアレだ。
唯一まともな第三位は第一印象が最悪だった上に、何ていうか、もう今は娘だ。
だから母親が必要だ。
それも甘やかすだけじゃねェ。きちんと叱れる女じゃねェと駄目だ。全然駄目。もう、駄目。
土御門に女を手に入れる手段を聞いてみる。
「ナンパが手っ取り早いぜい?」
たまには良いことを言う。
メルヘンを誘って街に繰り出すことにした。
幸いあの馬鹿は黙って、羽を出さなきゃイケメンだ。
ナンパは結果から言えば駄目だった。
女が捕まらなかったわけじゃねェ。メルヘンが暴走して、ソイツを沈めていたら何か感謝された。
図らずも不良から助けた、的な感じになった。どォでもいいが、的なって何だ、的なって。
釣れたのはケバ目の女ばかりだ。
赤いドレスを着た女は年恰好が近かったが、滲み出る悪女臭パネェ。
あいつ等の母親に悪女はいらねェ。艶女もいらねェ。
土御門に電話する。
「カミヤンなら濡れ手に泡だぜい。紹介してもらって口説けばいいにゃー」
なるほど、友達の紹介か。
友達……
ともだち……
TOMODATI……
良い響きだ。
とりあえず、女の口説き方を海原(仮)に聞くことにする。
――― 上条当麻のツイッターより一部抜粋 ―――
一方通行から女の子を紹介しろと言われた。
上条さんは全然モテないのですよ、と言ったら真顔で
『いや、もうそういうテンプレはいいンで。ハイ。時間も押してるンで』
と言われた。
涙が少しでた。
――― アステカのブログより抜粋 ―――
一方通行から女の口説き方を聞かれました。
おやおや?小さい御坂さんと大きい御坂さんに慕われてその上彼女を作りたいんですか?
と若干の殺意と、懐に忍ばせたトラ(ryにそっと手を伸ばしつつも、どうやらあの子達のことは家族としてしか見てない模様。
少し安心しつつも、あの子達が不憫になってトラ(ryに手を伸ばしつつ口説き方のアドバイスをする。
① まずは社交辞令とも取れるような大枠を褒める。
例:貴女みたいなとても綺麗な方をお話が出来るなんて、少々舞い上がってしまいます。
② 相手が本当は褒めて欲しい部分、気付いてくれるのを待っている部分を褒める。
例:とても綺麗な指をされてるんですね。ピアノか何かなさっているのですか?いえ、貴女には似合いそうな気がして。
③ 自分自身がどう思っているのかを伝えながら褒める。
例:貴女のような素敵な方ともっと一緒に過ごせたら、この味気ない日々も変わるというのに。
④ ①~③は段階を踏んで行うこと。
という事を大雑把に説明しました。
といか、④を聞き終わる前に行ってしまったのが少々心配ですが。
――― 一方通行の日記より抜粋 ―――
濡れ手に粟を濡れ手に泡とか言っちまう土御門に若干の不安を覚えないでもなかったが、まァいい。
ヒーローに女を紹介してもらう。
巨乳のデコだ。胸がデカイ女は母性が強いそうだ。
確かに言われてみれば、黄泉川も芳川もやたらと抱き締めたがるが、アレは母性の現れだったンだろう。
何が気に入らねェのか、吹寄とやらは初っ端から喧嘩を売るような目つきで睨みつけてきやがった。
俺はまだ何もしてねェはずだ。ヤベェ、早くも先行き不安だ。
しかし、あいつ等に飛び切りの母親をプレゼントしてやる為には引き下がってやるわけにはいかねェ。
海原の言葉を実行に移す。
まずはその①だったな。
「よォ。デケェ乳してやがンなァ。揉みしだきたくなるぜ。誘ってンのかァ?」
デコの顔色が変わった。
赤い。褒められて照れているンだろう。続いて②に移行する。
「それにしてもいい面積のデコじゃねェか。ぶっ掛けたくなるくれェにいいデコだ」
更に赤くなるデコ。よし、行ける!!
最後は③、自分がどォ思ってンのか言いつつ褒めるンだったな。
「テメェ、ガキは(養女的な意味で)欲しくねェか?可愛いガキ共だ。テメェだったら乳もデケェし(母性的な意味で)問題無ェ。きっといい母親に……」
言い終わる前に俺は宙を舞った。
――― 上条当麻のツイッターより一部抜粋 ―――
実は事前に土御門から聞いていたので知ってたりする。
『一方通行が女の子を紹介してもらいたがってるにゃー気の強いしっかり者を御所望だぜい』と言われていたので吹寄を紹介する。
本当に大丈夫かなとハラハラしながら見守っていると、一方通行が吹っ飛ばされた。
人間って空中で27HITも食らい続けられるんだって初めて知った。
――― 一方通行 ―――
デコにぶっ飛ばされたらしい。あンまりよく覚えてねェ。
気が付けばヒーローの部屋で寝かされていた。
ヒーローが勇者を見るよォな目で見てきたンでまァ良しとする。
海原の言うとおりにやったのに駄目だった。
役に立たないアステカだ。
――― 吹寄制理の乙女回路より抜粋 ―――
上条に紹介したい奴がいると言って会わされたのは何と信じられないことに第一位だった。
どういう経緯で知り合いになったのかも気になったけれど、雲の上のような存在に緊張して声が出ない。
ただ、初めて見る第一位は、色白で中性的で、雪のような髪で、凄く神秘的だった。
赤い瞳も綺麗で、私はただ言葉も無く見つめることしか出来なかった。
けれども、暫くの沈黙の後に第一位の口を出た言葉は一気に私の幻想を砕いた。
私の胸に言及するだけじゃなく、あろうことか、私のおでこに、ぶ、ぶ、ぶっか……書けるか!!
何なのあの男!?最低過ぎる。ああいうことを面と向かって言われるなんて初めてだった。
それも、悪意無く、少しも下品な感じがしないところが余計性質が悪い。
心の底から素直にそう思ってます、ってそう言ってるようなものじゃない!!
一瞬でも見惚れた自分に腹が立つ。そして極め付けはコレだ。
『テメェ、ガキは(孕ませる的な意味で)欲しくねェか?可愛いガキ共だ。テメェだったら乳もデケェし(夜の相手的な意味で)問題無ェ。きっといい母親に……』
あまりの恥ずかしさに、思わず肋骨の間に指を引っ掛けて持ち上げてからの空中コンボを浴びせてしまった。
だって、女の子に言う言葉じゃないもの!!
その後の言葉は聞くまでも無い。きっと、
『いい母親にしてやンよ。第一位の子種をたっぷり浴びせかけてやンよ!!』
と続けるつもりだったに決まっている。
何て下劣で、ロマンティックの欠片も無いプロポーズなのかしら!!最低だ。
………… プロポーズ?
わ、私は何を考えてるのかしら。あんな最低男さっさと忘れるべきよ。
でも、あんなにストレートに色んな言葉をぶつけられたのって、初めて……いやいや、今の無し!!無しったら無し!!
寝よ寝よ。きっちり睡眠時間は取らないといけないんだから。
――― 一方通行の日記より抜粋 ―――
あいつ等に母親を作ってやる作戦は見直す必要が出てきた。
やはり、黄泉川か芳川に頼るしかない。
問題はどちらを母親にすべきかだ。
芳川はでっかい子供だが、黄泉川は炊飯器だ。
母の味が炊飯器というのは考え物だ。
そォか、黄泉川に女を紹介してもらえばいい。
アイツならきっと少しはマシな女の知り合いもいるだろう。
さっそく今晩にでも打診してみることにするか。
――― 黒夜海鳥の呟き ―――
最近絹旗ちゃんとたまに会う。会うたびに愚痴という名の自慢が始まる。
『何かと兄貴面してきて超ウザイです』
ニヤケながら言ってた。何アレ凄くウザイ。
アレか?自慢か?V系のイケメンに可愛がられてる愛され系wって奴か?
大体、第一位の野郎、絹旗ちゃんばかりじゃなくて、もっと私の事も構えよ。
別に、羨ましいとかそういうんじゃないからな!!
と思っていた矢先に第一位の野郎に会った。
体の具合が悪いせいか、心臓がバクバク言ってる。
きっとあのいけ好かないツラを見たせいだ。
自分ひとりだけ大人になったぜ、的なツラ。大体的なって何だよ的なって。
一方通行は近付いてくると、手を軽く振ってきた。
別に、フレンドリーな関係でもないってのに、酔狂な野郎だ。頭可笑しいんじゃないのか。
一応手を振り返してやる。
「ハッ、天下の第一位様がこんなところで何…―― 「よォ、ボンバーじゃねェか」 ――― 何して……ボンバー?」
「?テメェの名前だろォ?」
「え?」
「え?」
「いや、だって、ボンバーって……」
「絹旗が ――― 『妹の愛称を知らずして兄貴は超名乗れませんよ。アイツは黒夜=ボンバー=海鳥。ですから家族は親愛を込めてボンバーって超呼ぶんですよ?ケケケケケ』 ――― って」
自分がどうやって帰ったのか覚えていない。
その日、私は久しぶりに泣いた。
――― 一方通行の日記 ―――
今日は妹と親睦を深めることに成功した。
愛称で呼ぶなンざ、こンな悪党がしゃらくせェかもしれねェが、似合わねェのは今に始まったことじゃねェ。
娘を大事にして、妹を蔑ろにするよォじゃあ、悪党の美学に反する。
急に愛称で呼ばれてビックリしたのか、ボンバーは泣きながら走り去った。
映画館で待ち合わせていた筈の絹旗が腹を抱えて笑っていた。
どォせならボンバーも加えて観たかったのだが、仕方が無い。
結局晩飯まで付き合わされることになったが、コイツもまた兄貴としての務めだ。
それにしても絹旗とボンバーは随分と仲が良いよォだ。
やれやれ、兄貴のいねェところで妹同士がちゃっかり仲良しになってやがるとはなァ。俺もまだまだだな。
384 : パパはなンだかわかってない。[saga] - 2011/06/01 01:41:36.26 GAADdgBZ0 7/7以上で投下終了です。ついカッとなってやった。
黒夜難しいです。っていうか無理です。
それでは失礼いたします。 ノシ