478 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/04 01:11:49.27 oAD3cEJIO 1/5上インで小噺
ちょっと未来捏造注意
「一緒にイギリスに来て欲しいんだよ、とうま」
凛とした声で、背筋をピンと伸ばして銀髪の少女、インデックスは上条当麻にそう言った。
インデックスと上条の関係は酷く曖昧だ。
家族、恋人、同居人。
どの言葉も二人を表すには役不足に思えたし、
実際、ふたりもこの関係に名前をつける必要性を感じていなかった。
ただ、お互いが大切だった。
ただ、一緒にいたかった。
本当にささやかな望みの上で成り立つ二人の関係は、あっさりと二つに分けられようとしていた。
魔術側で大きな事件があった。
当然、禁書目録として、魔術側の最終兵器として、インデックスは徴集される。
解決までに何年かかるかわからない、とインデックスは言った。
少なくとも5年か6年。
もしかしたら10年以上もの時を要するかもしれない、と。
だからインデックスは言った。
一緒についてきて欲しいと。
地獄のそこまでいっしょに、と。
「別にね、今すぐに決めて欲しいっていうわけじゃないの」
とうまが高校を卒業するまで、それまで待つから。
ちょっとだけ考えて欲しいんだよ。
そう言って少し困ったように笑った。
そんなインデックスを見て、何を言っているんだろう、と上条は思う。
自分の気持ちはとっくに決まっていて、今更悩む必要なんて感じないというのに。
背筋をピンと伸ばして、少しだけ俯くインデックスの顔に手を沿え、目線を合わせる。
きれいな緑色が上条の目に映る。
「俺は、お前一人にしねえよ」
だから一緒に行く。いやだって言われてもついて行く。
そう伝えればインデックスのまん丸の目が見開かれた。
「だめだよ、とうま、ちゃんと考えないと。
だって、日本、離れなきゃいけないんだよ?簡単に帰ってこれなくなっちゃうんだよ?
家族だって、ともだちだって、いつでも会えなくなっちゃうんだよ?」
顔をくしゃくしゃに歪めて、そんなことを言う。
一緒に来いと行ったのはいったいどの口なのだろうか、と上条は思う。
自分で行ったことにくらい責任を持って欲しい。
「ちゃんと考えて言ってんだよ。ちゃんと考えて、お前と一緒にいたいって思ったんだから。頼むから一緒にいさせてくれよ」
言って笑えばあとはダムが決壊するみたいにインデックスの顔は涙でぐしゃぐしゃになって、
きづけば上条はその体を力いっぱい抱きしめてその背をあやすようにぽんぽんと叩いていた。
「それでもやっぱり、高校はきちんと卒業してからの方がいいかも」
インデックスが涙交じりの声でそう呟けば、上条は「だよなあ」と間延びした声で返す。
「俺が高校卒業するまで、イギリスでいい子に待ってられるか?」
「あたりまえなんだよ!ずっと待ってる!」
上条の小指と自分の小指を絡ませ、インデックスは有名なフレーズをくちずさむ。
ゆーびきーりげん、まん、うそついたーらはーりせんぼんのーます
「ゆびきった!」
幻想殺しと禁書目録の物語は、まだ暫く続いていくようだった。
482 : イギリス行こうぜ![saga] - 2011/06/04 01:15:44.57 oAD3cEJIO 5/5以上
インさんと上条さんの口調がわからなすぎて泣いた