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『もし上条さんが「必要悪の教会」の一員だったら』
上条と土御門がだらだら話してるだけ
禁書二次創作自体初めてだから口調とか文体とか間違ってても無視してほしい
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イギリス首都・ロンドン。
時刻は午後六時過ぎ。
霧雨にけぶる街、その片隅に建つ、とある小さな教会に、場違いな日本語が響いた。
「学園都市? なんで俺がそんなところに?」
声の主は、ツンツンと立った髪以外、特に取り立てて特徴のない少年だった。
特徴を上げるとすれば、日本人でありながら、ロンドンの空気にしっくりとなじんでいるところだろうか。
少年の名前は上条当麻。
幼い頃、とある事件がきっかけで親元を離れ、以後十年近い間ロンドンのこの教会で生活を送っている。
彼は、数少ない日本人のイギリス清教徒であり――『必要悪の教会』の一員だ。
しかし彼は魔術を扱うことはできない。それどころか、魔術的知識をほとんど持っていない。
一応持っているには持っているが、インターネットで調べれば誰でも得ることができるレベルだ。そこいらに転がっているオカルトマニアに負ける程度の知識しかない。
それでも彼は、『必要悪の教会』の一員で、切り札の一つだった。
幻想殺し――その右手で触れたものは、魔術だろうが霊装だろうがなんだろうが、『異能の力』であればなんでも消滅させる力。
そんな上条に、超能力開発をカリキュラムとして組み込む学園都市にある、とある高校に入学しろという命令が下された。
そんな上からの命令を引っ提げて、数カ月ぶりに姿を現した幼馴染――土御門元春はやれやれと言いたげに首を振った。
「そんなところとはひどい言い草だにゃー。『そんなところ』にオレは三年も暮らして、能力開発まで受けてるんだぜい?」
「無能力者だけどな」
「開発に関しては、中学生ともなったらジジィ扱いだからにゃー……」
しょんぼりと肩を落とした土御門を無視して、上条は質問を続ける。
「あそこの能力開発って中学生までなんだろ? 高校からいきなり入ったら目立たないか?」
「一応、高校から入学でも能力開発はされるらしい。それにオレたちが入学する高校は無能力者や低能力者ばかりの高校だから、特に目立たないだろ」
「オレたち……ってことは、お前も入学するのか」
「カミやんにとっては、もはや日本の方が外国だろ? しかも学園都市はこっちとは色々と違うんだ。サポートできる人員が近くにいた方がいいと思って、上の方にお願いしたしだいですたい」
「土御門……お前、」
土御門の殊勝な言葉に、上条はちょっぴり感動したが、
「いざとなったら、スケープゴートも必要だしにゃー」
「最低だな!」
とりあえず一発殴ろうとしてひょいっとかわされ、代わりにベンチを殴ってしまった。
微妙に痛む拳をさすりながら、上条は呟く。
「でも、俺に直接命令が来るなんて珍しいな……。いつもだったら気がついたらなぜか魔術的な事件に巻き込まれて、なぜかそれが『必要悪の教会』につながってるって感じなのにさ」
上条当麻は、困っている人がいれば、迷わず手を差し伸べる。
例え、どれほどの怪我を負おうとも、それによって感謝されることがないとしても。
そんな上条の姿勢に驚いたのは、『必要悪の教会』の方だった。こっそり始末しようとした事件に、ただのイギリス清教徒であるはずの彼が何度も何度も絡んでくる。
魔術結社の方が、彼が『必要悪の教会』の人間だと勘違いして襲撃した事件がきっかけで、彼は『必要悪の教会』の一員となったのだ。
「今回は特例だな。困った人を放っておけないカミやんだからこそ選ばれたって感じだにゃー。
カミやんなら、インデックスを見つけ出せるかもしれない……と言うのが上の考えだ」
土御門が上条にさしだした写真には、一人の少女が映っていた。
銀髪碧眼に、白い修道服をまとった可憐な少女だ。
「インデックス……?」
首をかしげる上条に、土御門は簡単に説明する。
禁書目録の少女。一〇万三〇〇〇冊もの邪本悪書を記憶する、『必要悪の教会』の切り札の一つだ、と。
「まあ、端的に言うとカミやんの真逆にいる存在ですたい。
カミやんは魔術的知識ほぼ空っぽだからにゃー」
「空っぽ言うな。頭空っぽの方が夢詰めこめるんだぞ」
「カミやんの冗談は置いといて」
一瞬で土御門の声音が真剣なものになる。
身近な幼馴染から、プロの魔術師に一転して、土御門は続けた。
「このインデックスという少女は、完全記憶能力を持っていてな。
一年に一度、記憶の消去を行わなければ、その記憶したものに脳を圧迫されて死んでしまうんだ。
普段だったら記憶を削除した後に仲間だと説得するんだが、今年はそれに失敗したらしくて、日本中を逃げ回っている。
で、今までの逃走ルートから考えて、どこかのタイミングで学園都市に潜入するんじゃないかって結論が出されたわけだ」
「で、俺の出番ってことか……」
上条当麻は魔術師ではない。だから、能力開発を受けたところで特に問題はない。
また、学園都市に対しては、『イギリス清教から仏教に改宗し直しました』という言い訳ができる。
「出発はいつだ? たしか、日本だと入学式は四月頭だよな」
「入学式なら明日だぜい」
「あーそうか明日か。明日……あした?」
「正確に言うなら今日だな。あっちとこっちじゃ時差が九時間あるから、向こうは丑三つ時くらいかにゃー」
のんびりと土御門は告げる。丑三つ時と言えば丑の刻参りだけどカミやん知ってる?と話題を振ってきた土御門を無視して、上条は叫んだ。
「……直行便でも半日かかるんだぞ!?
上条さんの空っぽに近い知識参照で申し訳ありませんが、イギリス清教にゃ、こっちとあっちをつなぐ便利魔術なんてないだろ!」
「ああ、それなら大丈夫だにゃー。
丁度学園都市製の音速旅客機がロンドンに賓客を運んだ直後だから、今から空港に行けば復路に便乗できる。
大体一時間くらいで向こうにつくから、身なりを整える時間を考えても十分余裕ってわけだ」
「なにドヤ顔きめてんだよ! 今から空港経由で学園都市直行ってどういうことでせうか!?
上条さんのごちゃごちゃになった部屋はお掃除するのに丸三日はかかりますことよ!
今までお世話になった人たちとの涙のお別れも許されないのか!? 40秒で支度しろってかァ!?」
「落ち着けカミやん。口調が変になってるしなんか別の人が混ざってるにゃー。
さらに言うなら支度に40秒もさけないにゃー。ぶっちゃけこうして話してる時間すら惜しいんだにゃー。
本当は今すぐ空港に行かなくちゃいけないんだにゃー」
「にゃーにゃーにゃーにゃーうるせぇ!! てかなんだ!?
入学手続き完了済みとかどう少なく見積もっても一週間以上前から確定してたことだろ、なんで当の俺に話が伝わってないんだ!?」
「いやーこっちもドタバタしててな。ま、あれだ。こっちのミスだ。悪い悪い」
どう聞いても誠意の感じられない土御門の言葉に、上条の肩ががくりと落ちる。
数秒後、夜に片足を突っ込んだロンドンの片隅に、少年の日本語の絶叫が響いた。
「不幸だーーーー!!」
この後、上条当麻は、合法ロリ教師と邂逅したり、
土御門と謎の青髪ピアスとのトリオでデルタフォースと呼ばれるようになったり、
不良に絡まれてる女の子を助けたら毎日ビリビリ追われるようになったり、
なぜかターゲット(禁書目録)が自分の部屋のベランダに引っかかっているのを発見したり、
ショタから2メートルくらいの大男に成長した幼馴染&実年齢と外見年齢に大きな差がある親友(聖人)と再会したり、
禁書目録を助けるために奔走することになったりするが、それはまた別のお話である。
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ごめんね初めてだから1レス目がめちゃくちゃ見づらい
調整したけどたぶん2レス目も見づらいと思う