211 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」1/15[saga] - 2011/06/16 15:17:11.10 TinWtPv9o 1/16

………………???

「はっ……はっ……はっ……」

ゼェ、ゼェ、ゼェ……

―――― (逃げなくちゃ……)

―――― (でも、どこに?)

―――― (とにかく、逃げなくちゃ……)

―――― (そういえば、誰かが言っていたかも)

―――― (この国には、あらゆる魔術師から不可侵とされた街があるって)

―――― (そう。たしか、名前は……)


                  ―――――――― 『学園都市』――――――――

「……逃げ、なくちゃ……」

「学園、都市……」

――――――ゼェ、ゼェ、ゼェ……

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-30冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307804796/
212 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」2/15[saga] - 2011/06/16 15:18:18.40 TinWtPv9o 2/16

………………学園都市 窓のないビル

土御門 「予想以上に早いな」

?? 「ああ」

土御門 「これは一体どういうことだ? お前は何を企んでいる?」

?? 「実働に関しては私などより君の方がよほど理解が深いと思うが?」

土御門 「お前は事の重大さが分かっているのか? ローマ正教が動いたんだぞ?」

?? 「さてな。しかし本来であれば、こんなに早く事が動くはずはない」

?? 「君が何か大きな失敗でもしていない限りはな」

土御門 「馬鹿を言え。俺はお前の大仰なプランとやらで出る軋轢をなんとか抑えていたはずだ」

土御門 「お前こそ俺に何を隠している?」

?? 「………………」

土御門 「………………」

?? 「……ひとつ、質問をしてもいいだろうか」

土御門 「……なんだ?」

?? 「この世でもっとも神に近く、人から離れている者をひとり定義したとして、」

?? 「果たしてそれは誰であろうか?」

土御門 「………………」

213 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」2/15[saga] - 2011/06/16 15:19:11.73 TinWtPv9o 3/16

土御門 「……その質問には答えかねるな」

?? 「ほう。何故だ?」

土御門 「神に近き者、神の如き者……言い様はままあれど、そんな存在があったとして、」

土御門 「――――それが必ずしも “人をやめている” とは限らないからだ」

?? 「……なるほど」

土御門 「まぁ、お前のように人の身でありながら限りなく人から離れているような奴もいるようだがな」

?? 「失礼なことを言う」

フッ

?? 「“アレ” の対処についてはこちらに任せてもらおう。君が直接手を出す必要はない」

土御門 「当たり前だ。ただでさえフィジカルの強い連中だ。相手にしたら、命がいくつあっても足りやしない」

土御門 「世界で20人ほどしかいない聖人など、お前の手飼いの連中でなんとかしろ」

?? 「ああ」

土御門 「では俺は帰る。いいか? くれぐれも国際問題になるようなマネは慎めよ」

?? 「善処するさ」

土御門 「っ……」

土御門 (クソッタレめ。おちおち休んでもいられない)

土御門 (問題はアレだけじゃない……恐らくは、イギリス清教も……)

土御門 (俺が動くより仕方ない、か……)

土御門 (悪いな、舞夏。また当分会えそうにない)

214 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」4/15[saga] - 2011/06/16 15:19:54.92 TinWtPv9o 4/16

………………学園都市 第七学区

タタタタタタタ……

上条 「っ……あーーーーー!!」

上条 「不幸だぁぁああああああああああああああ!!!」

不良1 「うるせぇ待ちやがれこのクソ野郎!!」

不良2 「テメェから喧嘩ふっかけてきといて逃げるってのはどういう了見だこらぁあああああ!!」

上条 「うるせえ! 不良が仲良くつるんで連れションなんかしてんじゃねぇよまぎらわしいだろうが!!」

不良1 「意味不明な逆ギレしてんじゃねぇこのウニ頭!!」

上条 「ウニ!? わたくしツンツン頭と言われたことはままあれど、ウニと言われたのは初めてですのことよ!?」

不良1 「いちいちうるせぇなテメェは! いいからさっさと止まりやがれ!!」

上条 「言われて止まる馬鹿がいるわけねぇだろうが!!」

不良2 「めんどくせぇ……なら、『幻想御手』 で手に入れた俺のレベル2で……」

上条 「……?」

――――ッゴォオオオオオオオオオ!!!

上条 「!?」 (発火能力……!?)

215 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」5/15[saga] - 2011/06/16 15:21:08.68 TinWtPv9o 5/16

上条 「っておいおいおいいいいい!!! どうして能力なんか持ってるんだよ不良のくせに!!」

不良2 「おい今の発言結構傷つくぞこの野郎! 不良は結構ナイーブなんだぞ!!」

上条 「んなこと知るか!!」

不良2 「まぁいい……喰らいやがれぇえええ――――」


                     ――――――――――ッッッッッドンンンン!!!!!!


不良2 「へ……?」

上条 「オレンジ色の光……!?」 (おいおいこれってまさか……)

不良2 「ちょっ、初っぱなから人の見せ場潰してんじゃね――――」


                                     ――――――ッッッドォォオオオオ……!!!!!


不良1&2 『どうせこんな役回りだよわかってたよコンチクショウ!!!』

上条 「………………」

上条 「……うん。なんかごめんな」

216 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」6/15[saga] - 2011/06/16 15:22:26.63 TinWtPv9o 6/16

………………ザッ……

上条 「で……やっぱりお前か」

「なーにやってんのよ、あんたは。不良を助けてヒーロー気取り?」

上条 「そう言ってくれるなよビリビリ」

御坂 「ビリビリ言うな!」

上条 「……まぁいいや。一応聞いとくけど、さっきの不良ども死んでないよな?」

御坂 「レールガンの余波で吹っ飛んだだけよ。骨折くらいはしてるかもしれないけど」

御坂 「あんなのまともに狙って撃つわけないじゃない。どっかの誰かさん相手じゃないんだし、ね」

スッ

上条 「!? ちょっ、おい、待て! 何でいきなり構えるんだよお前!!」

御坂 「うん、待たない」

バヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ……!!!!!!

上条 「っ……!!」

ザッ……!!!!!

上条 「くそっ!!!」


                   ――――――キィン……!!!!!!!


217 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」7/15[saga] - 2011/06/16 15:23:07.58 TinWtPv9o 7/16

上条 「………………」

御坂 「………………」

御坂 「……で、あんたは無傷、と」

上条 「お、お前! あんな電撃まともに喰らったら死ぬぞ!?」

御坂 「でも死んでない。何なのよ、あんた」

上条 「な、何なのよって言われてもな……」

上条 (今さらながら震えが……つーか何で俺が逆ギレされてるんだ!?)

御坂 「……ねぇ」

上条 「お、おう、何だ?」 (しかしこれ以上刺激したくはない……うぅ……)

御坂 「私は学園都市の第三位……レベル5の 『超電磁砲』 ……」

御坂 「この学園都市の頂点……」

御坂 「自分で言うのもなんだけど、32万分の1の天才……」

上条 (うん。天才とか自分で言うなよ)

御坂 「べつに今のが私の全力ってわけじゃない」

御坂 「でも、そこらの能力者にどうにかできる出力じゃないって自信はある」

218 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」8/15[saga] - 2011/06/16 15:26:13.70 TinWtPv9o 8/16

御坂 「……ねぇ、答えて。あんたは一体何者なの?」

上条 「………………」

御坂 「………………」

上条 「………………」

ハァ

御坂 「!? な、何よそのため息は!!」

上条 「……ため息くらいつかせてくれよ」

上条 「何度だって言ってやる。俺はただの無能力者。正真正銘のレベル “0” だ」

御坂 「レベル0がレベル5の能力を喰らって無傷なわけないじゃない!!」

上条 「……ならさぁ、こういうことなんじゃねぇの?」

御坂 「……?」

上条 「お前が32万分の1の天才だってんなら……俺は、230万分の1の天災だってことでさ」

御坂 「………………」

上条 「………………」

219 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」9/15[saga] - 2011/06/16 15:27:17.86 TinWtPv9o 9/16

御坂 「………………」

ニコッ

御坂 「そんな言葉遊びで納得すると私が思ってるのかあんたはぁあああああああ!!!」

バヂヂヂヂヂヂヂヂヂヂ……!!!!

上条 「どわっ! 危ねえ!!」

御坂 「今日という今日は分からせてあげるわ……」

御坂 「レベル5の底力ってものをねぇ!!」

上条 「はは……ふ、ふ、ふ……――――――」



                    「――――――滅多なことでは “不幸だ” 、などという台詞を口にするものではないのである」



上条 「――――不幸だー……って、え……?」

御坂 「……?」

ト、ト、ト、ト、ト、ト、ト、ト……

上条 (な、何だ……? 外人のおっさん……?)

?? 「このような恵まれた国に生まれて、不幸などという言葉を使うことすらおこがましいのである」

御坂 「……警備員か何かかしら? 子どもの喧嘩の仲裁までしてくれるなんて、えらく親切ね」

上条 「お、おいおい、やめとけよビリビリ」

御坂 「ビリビリ言うな!!」

220 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」10/15[saga] - 2011/06/16 15:28:42.79 TinWtPv9o 10/16

上条 (何だろう……このオッサン、なんか……なんか……)

?? 「……一つ尋ねたい。君が御坂美琴であるか?」

御坂 「? そうだけど、何かしら?」

?? 「なるほど。君が学園都市第三位であるか」

上条 「……?」

――スッ……ポイッ……

御坂 「……!?」

         ――――――カランカラン……

上条 「? 何だ……? 金属の粒……?」

御坂 「まさか、それ……!」

御坂 「――――私が撃った、レールガンのコイン……!?」

?? 「落とし物である。硬貨を破損させ紛失させるのは関心せぬな」

御坂 「………………」

バヂッ……バヂヂッ……!!!!!

御坂 「……あんた……一体どうやって……!!」

221 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」11/15[saga] - 2011/06/16 15:29:45.11 TinWtPv9o 11/16

上条 「御坂……? ただ単に拾って持ってきてくれたんじゃないのか?」

御坂 「そんなわけないでしょうが! レールガンの弾丸なんて、すぐに摩擦で燃え尽きちゃうわよ!」

上条 「は……?」

?? 「………………」

御坂 「どうやったのかは知らないけど、つまりあんたは……!」

御坂 「レールガンの射程距離内でコインを受け止めた……音速の三倍以上の弾丸を!!」

?? 「………………」

?? 「……それがそんなに気色ばむほどのことであるか?」

御坂 「っ……!」

?? 「まぁいい。そちらがやる気ならこちらもやりやすいのである」

――――――スッ…………

上条 「なっ……!?」 (棍……!? あんな大きいものをどこから……!?)

御坂 「……ふん。私と戦おうって言うの? おっさん」

?? 「否。そうではない」

?? 「君に倒れてもらおうというだけのことである」

222 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」12/15[saga] - 2011/06/16 15:30:35.37 TinWtPv9o 12/16

御坂 「……へぇ」

上条 「っ……」 ギリッ 「いきなり現れて何トチ狂ったこと言ってやがる!」

上条 「正気かよ、あんた!」

?? 「無論、正気である」

御坂 「……どいてなさいよ。あちらさんは私に用があるみたいだし」

上条 「お、おい!」

御坂 「……運が良かったわね。今日は見逃してあげる」

上条 「御坂!」

――――スッ

御坂 (……早く逃げなさい) ボソッ

上条 「えっ……?」

御坂 「……それで、おたくはどちらさま?」

?? 「ふむ。名乗るのが遅れたのである。非礼は詫びよう」

?? 「我を示す名は 『ガブリエル』 を象徴せし “水”」

アックア 「――――――神の右席が一人、『後方のアックア』 である」

223 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」13/15[saga] - 2011/06/16 15:31:25.04 TinWtPv9o 13/16

………………数日前 バチカン

―――― 『学園都市を潰せば均衡は保たれる』

―――― 『学園都市がなくなれば、科学と宗教のバランスは正常に戻るのだ』

―――― 『俺様が行くか?』

―――― 『珍しいねぇフィアンマ。引きこもりのアンタが出たがるなんて』

―――― 『ふふ。何かの思惑がないかと勘ぐってしまいますねぇ』

―――― 『ふん。なら問うが、術式が完全でないお前たちで、あの学園都市が潰せるのか?』

―――― 『っ……』

―――― 『……私が行くのである』

―――― 『? アックア、お前は……』

―――― 『心配召されるな、法王。私は額面通りの聖人君子というわけではない』

―――― 『本当ならアタシが行きたいところだけど……天罰術式の調整も終わってないし』

―――― 『私は構いませんよ? 他にやることがたくさんありますし、』

―――― 『何より、異教の猿どもの国に行くなどご免ですからねぇ』

―――― 『けっ、勝手にすればいい。行け、「後方のアックア」』

―――― 『――――行って、学園都市の権威の象徴……レベル5とやらを、すべて潰せ』

―――― 『そしてその上で、学園都市統括理事長を、やれ』

―――― 『……了解しているのである』

224 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」14/15[saga] - 2011/06/16 15:32:40.35 TinWtPv9o 14/16

………………学園都市 第七学区

アックア 「すまぬな。恨みはないが……」

ザッ……!!!!

上条 「御坂……!!」

御坂 「っ……!」 ギリッ 「早く逃げなさいあんた!!」

アックア 「世界の平穏のため……戦乱を回避するため……」

アックア 「今ここで倒れてもらおう!! レベル5!!」

――――――ッッッッッッッッド!!!!!!


………………学園都市 窓のないビル

?? 「ふむ。騎士崩れの傭兵、か……」

?? 「レベル5を潰し、私を殺し……それで本当に世界の均衡が保たれると思っているのか?」

?? 「まあいい。無駄にレベル5を消費されるのも困る。手は打っておこう」


………………???

?1 「なるほど、ね……これはまた厄介なところに逃げ込んでくれたものだ」

?2 「ですが、逆に好都合とも言えます。他の魔術師に狙われるリスクは低いでしょう」

?1 「ふむ……最大主教経由で許可を取ってもらうのももどかしい。行こうか」

?2 「……目標はあの子のみ。それ以外は……」

?1 「極力関わらないようにはするが、もし邪魔になった場合は、容赦なく燃やす。それだけさ」

?2 「……ええ」


………………学園都市 ???

「えっ……?」

「莫大な魔力の反応……? 今のは、ひょっとして……」

ズキッ……!!!!

「あっ……」 ガクッ 「アタマ、いたっ……あ……」

…………パタッ……


………………学園都市 ???

??? 「侵入者の速やかな掃討だぁ……? んなもん警備員にでもやらせろよ、面倒くせぇ」

??? 「っ……ああ、理事長直接の命令だってんなら聞くけどよぉ……」

??? 「仕方ねぇか。まぁいい。補充要員のテストも兼ねてやるとするか」

??? 「クズ共、仕事だ。十分で準備しろ」

??? 「…… 『猟犬部隊』 出撃だ」

225 : アックア 「必要悪の魔導書図書館であるか……」15/15[saga] - 2011/06/16 15:33:48.19 TinWtPv9o 15/16

………………学園都市 第七学区

上条 「くそっ……!!」

ザッ……!!!

御坂 「な、何やってるのよあんた! 邪魔よ!!」

上条 「――――――わけ、ねぇ……だろうが……」

御坂 「え……?」

上条 「やばそうな野郎目の前にして、女子中学生置いて、一人で逃げられるわけねぇだろうが!!」

御坂 「あ、あんた……」

アックア 「その心意気や良し。だが貴様、素人であるな」

ブゥンンンン……!!!!!

上条 「ッ……!?」 (速ぇ……!! あんなもん、当たったら……!!)

アックア 「――――――死ぬぞ?」

上条 「くそッ……――――」


――――――――――――――――――――――――――――――ズドォオオオオオオッッッッ……!!!!




━━━七月十九日  とある傭兵と少女が交差したとき

                                 物語が始まる━━━

226 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage] - 2011/06/16 15:35:34.08 TinWtPv9o 16/16

以上です。中途半端でごめんなさい。
まだ傭兵と少女が出会っていないので物語は始まっていないということでご容赦を。

忙しくなくなったらスレ立てしたいです。