236 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[saga] - 2011/06/16 21:51:48.59 OVSD3N7k0 1/8

5・6レスほど頂きます。
電磁通行風味 幼少期の出会い(捏造)

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-30冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307804796/
237 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:53:35.63 OVSD3N7k0 2/8



ーー学園都市・某所ーー


そこは学園都市内でも屈指の敷地面積を誇る能力開発研究所。
日中ならば研究者や能力開発被験者である子供で溢れている場所。
だが今現在の時刻は午後11時。
研究所に残っている人の数は限られていた。

研究室へ向かう白衣を着た若い研究者も限られたその一人だ。
2回のノックの後、目的の研究室のドアを開ける。
そこにはパソコンに向かいながらコーヒーを啜る上司の姿が真っ先に目に入った。


「芳川先輩~こっちの資料まとめ終わったッス」

「あらありがと。助かったわ」

「そっちは終わりそうッスか?」

「もう少しで終わるわ。コーヒー飲む?」

「いただきます」


背伸びをしながら椅子から立ち上がりコーヒーを用意する。
もう何百回と繰り返してきた動作だ。


「芳川先輩は今日泊まりッスか?」

「なるべくなら職場には泊まりたくないのよね。多分帰ると思うわ」

「自分はもう3日目ッスよ…今日はギリギリ帰れそうですけど」


研究者なら誰しもがしたことのある会話。言わば挨拶のようなものだ。
だが不意にその会話も終わりを告げる。

238 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:55:07.04 OVSD3N7k0 3/8



「ーー彼の様子は最近どう?」

「彼?……ーーあぁ!」


青年がこの研究所に来て1年近くになるだろうか。
伏し目がちに『彼』のことを話題に上げる芳川を青年は何度も見てきた。


「そうッスねー……今週は例の名前の変更が受理された事を伝えました」

「……彼はなんて?」

「普通というか……いつも通りでしたよ。興味無さげに「そォか」の一言でした」

「そう……」


コーヒーカップを口元へやりながらそう呟く彼女は何処か別の事を考えているように見えた。
そして青年はずっと気になっていた疑問を持ち出す。


「随分と気にかけてるんスね」

「……彼がここへ来た3年前、彼の担当をしたのが私だったから……なんだかほっとけないのよね。今の彼を見てると」

「今とは違ったんスか?もしかして明るかったとか?」

「まさか。寧ろ逆よ。私が初めて会った時の彼は地獄や絶望だとかを全て経験しましたって顔してたわね。
 久しぶりに先月会った時ーー名前の変更を申し出た時は『もう全て諦めました』って顔をしたから……気になってたのよ」

「……能力開発のカリキュラムには積極的に参加してますよ?」

「……能力では無い『なにか』を『諦めた』のかもしれないわね」

「能力では無い『なにか』……」


239 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:56:07.97 OVSD3N7k0 4/8


超能力者である彼が持ち得ないもの。それを想像してみる。
彼を特別よく知っている訳では無い青年ですら容易に想像することが出来た。

【人間】

家族・恋人・友人に限らず、誰しも生きて行く上で出会うであろう【他人という人間】の存在。
彼はそれを自ら遮断して、敢て孤独を選んだ。人間を求めること、受け入れることを『諦めた』。
そう考えれば芳川の言葉や一方通行の人を避ける態度にも合点がいく。
芳川の顔を見ると自分と同じ答えに辿り着いたのだと確信する。悲しげに眉に皺を寄せている。


「ここ『住んでる』人間は彼だけッスからね……しかも周りは研究者、学校にも行ってませんし。
 ……通常子供達がここに来る時間帯は、彼も彼専用の能力開発カリキュラム受けてますしね」

「そうよね……せめて彼と接するキッカケのある子がいれば何か変わるかもしれないけど」

「まぁ受け入れるかどうかは微妙ですけどね……」

「……」


確かにそうなのだ。
彼はもう人間を受け入れない準備をしている。その意識を変えることは難しいだろう。
だがこのままで良いのだろうか?
芳川も人間性を失った研究者を何人も見てきた。人の命を何とも思わない、ただ成果しか頭に無い人間。
そんな人間の皮をかぶった【怪物】を目の当たりにした時、力を手に入れ、欲に溺れた人間の恐ろしさを感じた。

(このままじゃ、貴方はただの【怪物】になってしまうわよ……)

そんな警告にも似た言葉を自らの心の内でしか言えないことを歯がゆく思う。


「……そろそろ自分帰りますね」

「引き止めちゃって悪かったわね。色々ありがと」

「こちらこそ。それじゃ失礼します」


ドアを開けようとドアノブに手を掛けた時。用件を一つ伝え忘れていたことに気付く。

240 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:56:48.79 OVSD3N7k0 5/8


「そうそう!伝え忘れてました!
 さっき渡した資料なんですけど、来週1人女の子が特別に能力測定に来るらしいんスよ」

「あらそうなの?」

「なんでも今レベル3でこのままいけばレベル5にいけるんじゃないかって言われてる有望株なんだとか。
 今いる学校じゃ、その子の能力測定が出来ないからここに来るそうです。
 細かい検査やテストをするらしいですから、二泊三日泊まりがけで行なうらしいんですよ?
 まぁ本音は上層部が研究対象として調べたがってるんだと思いますけど」

「分かったわ。この資料はその子のデータなのね」
 
「はい。なので目通しておいて下さいね~」


言葉が終わらない内にドアが閉まる。
ふぅっと一息つきながらコーヒーを啜りながら資料に目を通す。
名前は御坂美琴。11歳のあどけない少女の写真がクリップで添付されている。


「この娘……」


頭の片隅にあるさっきまで話題に上がっていた少年の顔が浮かべる。
目の前にある少女の写真。二泊三日。キッカケ。
何かが繋がる気がした。


「……試してみる価値はあるわね」


ほんの少しの悪戯心と好奇心に満ちた表情を浮かべ、カップに残っていた濃いブラックコーヒーを一気に飲み干す。

241 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:57:54.24 OVSD3N7k0 6/8



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ーーー


「ここかな?能力開発研究所って」


研究所と言うよりもお金持ちが通っている病院といった方が適切であろう、能力開発研究所の前に彼女は立っていた。
研究所の敷地に入ると庭園とまではいかないが美しく手入れされたガーデンスペースがあり、そこを抜けると研究所の建物が構えていた。
まるでここに来た人間が「研究所」という未知の領域を怖がらせない為の配慮の様に思えた。

自分だけ学校を休めるという特権を得た少女・御坂美琴は少しだけ舞い上がっていた。
とはいっても2日分の着替えの入った斜め掛けのバッグの重さを苦痛と感じない程度だが。
一人で出掛ける事自体が初めてであったが、今の精神状態では不安要素が入り込む隙はなかった。


「……よしっ!行きますか!」


自動ドアが開き、研究所内の様子が目に入る。
一歩踏み入れると清潔だが少しばかり寂しげな印象のロビーが広がっていた。
何人か白衣の人間が行き来している位で人も疎らのようだ。


「えぇっと……」


少しの不安に駆られた美琴はキョロキョロと周りを見回す。確か担当者がロビーで自分を待っていると言ってたからだ。
すると目線の端から肩につかない長さの髪型をした白衣の女性が近づいてきた。


「あなたが御坂美琴さん?」

「! はい!」

「初めまして御坂さん。今回の能力測定の担当責任者の芳川桔梗です。今回はよろしくね」

「はい!よろしくお願いします、芳川さん」

「で、いきなりなんだけどここへ来たのは初めて?」

「初めてです」

「そうよね。今回の能力測定はこの研究所の各研究室に移動して行なう事になってるの。
 本当は私がついていてあげられれば良いんだけど、そうゆう訳にはいかなくてね。
 だから代わりの人をよこしたから、今回はその人と一緒に行動を共にしてほしいと思うの。いいかしら?」

「はい!分かりました」

「良かった。それじゃあその人を紹介するわね。一緒に来てくれる?」

242 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 21:59:03.67 OVSD3N7k0 7/8


ロビーにあるエレベーターに乗り込みながら美琴は『代わりの人』がどんな人物か予想してみる。
女性か男性か、厳しい人か優しい人か、無口な人かおしゃべり好きな人か…………

(優しい人だと良いなぁ……)

エレベーターの扉が開かれ、芳川は美琴に着いてくる様に促す。
自分の研究室に向かう芳川は自分の鼓動が微かに早くなっているのが分かった。

(らしくないわね……緊張しているのかしら)

これから美琴に会わせる人物。
今日から3日間、その人物と美琴がうまく過ごせるか……はたまた人間関係を築くキッカケになるか……
その二点の疑問だけが彼女の鼓動を早くしていた。
思考をグルグル廻している内に、目的地であるその人物が待っているであろう研究室へ着いてしまった。


「……ここよ」


ガチャッとドアを開けると室内には一人の少年が立っていた。
芳川にとっては見慣れた少年。
美琴にとっては初めて会う少年。


「……!!!」


少年を見て美琴は息を呑んだ。
髪は雪の様に透き通るような白。肌も髪ほどでは無いが白く儚い。
そして紅い瞳。

(……キレー……)

一度見つめてしまったらもう離せないのではないだろうか。美琴は少年から目が離せなかった。
何故か自分の頬が熱を帯びていくような気がした。


「……御坂さん?」

「……ふえっ!?は、はい!?なんですか???」


芳川の声に夢から覚めたような声をあげる。
美琴は思考を今に戻してここに来た目的を思い出す。
そうだ。自分は能力測定にしにきて、この部屋へ『代わりの人』に会いに来たのだ。


「紹介するわね。この子が今回御坂さんと一緒に行動してもらう
 一方通行(アクセラレータ)よ」

「えっと……」


ペコリとお辞儀をして初めて会う人間に対する常套句を口にする。
少年の表情は分からない。


「初めまして、御坂美琴です」

「……あァ?」


御坂美琴と一方通行の初めて出逢いだった。

243 : 美琴「初めまして、御坂美琴です」一方通行「……あァ?」[saga] - 2011/06/16 22:05:55.27 OVSD3N7k0 8/8

とりあえず以上です。
アニメのロリ美琴とショタセラレータを見て思いつきました。
このあと続きが長くなりそうならスレ立てた方が良いんでしょうか…