509 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[] - 2011/06/22 18:01:35.93 hJAvR2BY0 1/11


原作第一巻で、インデックスと最初に出会ったのが上条さんじゃなかったら、という妄想
一巻の冒頭、美琴が雷を落とした夜の出来事です

9スレ頂きます

話の展開上、上条さんの代わりになったキャラの設定を弄っています


元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-30冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307804796/
510 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 1/9[saga] - 2011/06/22 18:03:14.13 hJAvR2BY0 2/11



夜の闇を、巨大な稲妻が引き裂いた。
学園都市の第七学区で発生したその雷は、同学区に真昼の明るさをもたらし、地平線の果てまで雷鳴を轟かせた。

尋常の雷ではなかった。

学園都市はその性質上、高度にインフラが発達し、都市機能は世界最高峰の水準を誇っている。
当然、落雷などの災害に対して、その対策は磐石である。
事実今日まで、自然災害において、学園都市が都市機能を麻痺させた例は無い。

しかしその雷は、第七学区の一部地域で停電を引き起こした。
即座に警備員が出動した。 学生たちにも動揺が広まり、事態が収束するまでの数時間、街は大騒ぎとなった。

    ・
    ・
    ・

第七学区のとあるビルの屋上で、少女が一人、膝を折って身を縮込ませていた。
雷鳴に驚いたのだろう、彼女は両手で耳を押さえ、固く目を閉じている。

彼女は教会のシスターだった。 ただし、学園都市の者ではない。
ここ学園都市にも教会はあるが、彼女が着ている純白の修道服は、学園都市のものとは全く異なるものだった。

ややあって、シスターはゆっくりと瞼を開いた。 琥珀色の瞳が、涙に似た光沢を見せていた。

そのまま、彼女は暗闇に視線をさ迷わせた。 屋上には、他に人影は無い。
すぐ横の通りに視線をやると、幾条かのヘッドライトが通りを過ぎった。 緊急出動をした警備員の車だった。


「一体、何がどうなっているの?」


呟くシスターの声は、僅かに震えていた。



511 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 2/9[saga] - 2011/06/22 18:06:14.08 hJAvR2BY0 3/11



声の震えを自覚したのだろう。 シスターは胸に手を当て、二三度大きく呼吸をすると、立ち上がった。


「……早く逃げなくっちゃ」


小さく呟いて、彼女は屋上を横切り、フェンスに駆け寄った。
勢いそのままにフェンスをよじ登ると、それを乗り越え、フェンスの向こう側に降りた。

細い路地を挟んで、ビルが並んでいる。
隣のビルまでは二メートル近い距離があった。 跳んで渡るには、少し距離が開いている。
しかし、彼女に迷いは無かった。 

彼女は渾身の力を込めて、隣のビルへと跳んだ。
思わず息が止まった。 ひんやりとした風が頬を撫で、次の瞬間に、シスターは隣のビルのフェンスに体当たりしていた。

とっさにフェンスにしがみ付き、落下を防ぐ。 ギシギシと揺れるフェンスの音が、嫌に大きく響いた。

落下を逃れたシスターは、一つ安堵の息をついた。 そしてすぐさまフェンスをよじ登る。
上半身がフェンスを超えると、彼女は腰を折って、頭から屋上へと転げ落ちた。

彼女は受身を取らなかった。 重い音が、短く屋上に響く。

しかし彼女は即座に立ち上がり、階段の入口へと走り出した。
ダメージを負った様子はない。 彼女の白い肌にも、かすり傷一つ見当たらなかった。

不意に、少女の目の前に明かりが灯った。 ライターの火のような、小さな炎だった。
炎は、闇から長い赤髪の男が浮かび上がらせた。 二メートルはあろう大男で、炎を掌の上に浮かばせている。

シスターの動きが止まった。
先程までの勇猛さは鳴りを潜め、彼女は男を睨みながら立ち尽くした。

男が口を開いた。


「鬼ごっこはもう終わりにしよう」

「これ以上、あなたに逃げ場所はありません。 一緒に来てもらいます」 と、シスターの背後から、女の声がかけられた。 氷のように冷え冷えとした声だった。



512 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 3/9[saga] - 2011/06/22 18:06:53.81 hJAvR2BY0 4/11



シスターが振り向くと、そこには身の丈以上の長さの日本刀を携える女がいた。

影のように現れたその女に、シスターは息を呑んだ。
そしてすぐに赤髪の男に視線を戻し、二人が視界に納まるように後退した。

彼らの目には、剣呑な輝きが宿っていた。 視線は鋭く、どこまでも冷たい。 
まるで肉食獣のようだと、シスターは思った。 並の人間であれば、一睨みで体が動かなくなるだろう。

階下への入口は、赤髪の男の背後にあった。
シスターの背後にはフェンスがあり、その向こうにはビルが建ち並んでいる。

シスターに選択の余地は無かった。
彼女は素早く踵を返すと、隣のビルへと駆け出した。


「鬼ごっこは終わりだといったよ」


赤髪の男が掌の炎を投げた。
投げ出される瞬間こぶし大まで膨れ上がった炎は、正確に少女の背に迫り――




――突如発生した竜巻に飲み込まれ、消滅した。



513 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 4/9[saga] - 2011/06/22 18:08:11.96 hJAvR2BY0 5/11



「そこまでだ」 と、声が響いた。


若い男の声だった。 聞き覚えのないその声に、シスターは足を止め、とっさに振り返った。

シスターの眼に飛び込んできたのは、こちらに背を向けて佇む男の姿だった。

奇妙な風体の男だ。 全身を装甲のようなボディスーツで覆い、その上からマントを纏っている。
頭部をすっぽりとマスクで覆い、真一文字に結ばれた口元だけが覗いていた。

彼の装備は、全て白で統一されていた。
月明かりを受けて仄かに輝く彼の姿は美しく、神聖さすら伴っている。

彼は襲撃者二人に鋭い視線を投げた。
マスクから覗く瞳はルビーのように赤く、視線は刃となって男たちを射抜いている。


「あなたは……何物ですか?」


刀を持った女が問いかけた。 冷たい響きに、確かな敵意があった。

女は返事を期待していた訳ではなかった。
しかし白尽くめは、堂々と、まるで映画のヒーローのように名乗りを上げた。



514 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 5/9[saga] - 2011/06/22 18:08:44.96 hJAvR2BY0 6/11







「ベクトル仮面――――参上ッ!!」







515 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 6/9[saga] - 2011/06/22 18:10:26.76 hJAvR2BY0 7/11



――ベクトル仮面とは――


それは学園都市に関する都市伝説の一つ。

日々犯罪が起こる学園都市。 この街に、独自の武力で犯罪を取り締まる怪人が現れた。
全身を白尽くめのスーツで包み、自らを『ベクトル仮面』と称する謎の人物。

彼は一切の見返りを求めることなく、学園都市の自警活動を続けていた。
あらゆる不法行為の現場に介入し、一人の犠牲者も出すことなく事件を解決するのだ。

既に彼によって解決された事件は枚挙に暇が無い。
その献身的な活動は多くの学生たちに受け入れられ、学生達の間で、彼は絶大な人気を博していた。

しかし風紀委員や警備員はこの限りではなかった。 
特に警備員では、ベクトル仮面の活動は私的制裁であるという見方が強く、彼を逮捕しようとする動きも目立っている。

現在、風紀委員や警備員、あるいは暇をぶっこいてる学生たちが、ベクトル仮面の正体を探ろうと懸命の捜査を行っている。
しかし、今だ何一つ詳しい事はわかっていない。

多数の目撃証言から、彼が能力者である事は確定している。
『空力使い』であるという見方が強いが、能力の詳細は不明である。

『虚数学区にて作られた最初期の能力者』『才能工房から送り出されたアンドロイド』など様々な噂が流れている。



516 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 7/9[saga] - 2011/06/22 18:11:38.84 hJAvR2BY0 8/11



ステイル「そのベクトル仮面が、こうして目の前に現れるとはね」

神裂「よく調べていますね」

ステイル「当然さ。コンビニで売っていた『週間 学園都市伝説』にバッチリ載っていたからね」

ステイル「情報収集の一環として目を通したが、あの手の雑誌も中々どうして、バカにできないものだ」

神裂「……」

神裂「いえ、いいです。 それよりもベクトル仮面……でしたね」

ベクトル仮面「……」

神裂「私たちはあなたの後ろにいる少女、禁書目録の回収にやってきました」

神裂「無益な争いは好みません。 その少女をこちらへ引き渡してはもらえませんか?」

ベクトル仮面「……」

神裂「繰り返します。 その少女を、こちらへ渡してください」

ベクトル仮面「断る」

禁書「!」

ベクトル仮面「こンな小せェガキに手を上げやがって。ンなクソ野郎に耳を貸すほど、俺ァお人好しじゃねェンだ」

ベクトル仮面「警備員の更生施設で、真人間に生まれ変わるンだな」

神裂「……残念です、ベクトル仮面」

ステイル「これ以上、手間をかけたくないのだけどね」

神裂「構いません。 すぐに終わらせます」スッ



517 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 8/9[saga] - 2011/06/22 18:12:36.07 hJAvR2BY0 9/11



ベクトル仮面(居合の構え……ねェ)

神裂「命までは取りません。 ですが……」

神裂「ヒーロー活動は、しばらく控えてもらいますッ」ヒュンッ


ガガガガガガガッッ!!


神裂「っ!?」

ステイル「な……ッ!」

ステイル(神裂の七閃が跳ね返されただと? アイツ一体何をした!?)

ベクトル仮面「日本刀を使った居合術、と見せかけて、実体はワイヤーでの斬撃ねェ。面白ェがそれだけだ」

神裂「何を……っ」スッ

ベクトル仮面「無駄だ。オマエのベクトルはすでに見切った。 痛い目を見たくなけりゃ、大人しくするこった」

ステイル「……噂というものは、普通尾ひれがつくものなんだけどね」ジリ…

神裂「噂以上、という事ですか」ジリジリ

神裂「ひとまず下がります。 態勢を整えますよ」タタッ

ステイル「――クッ」

ステイル「ベクトル仮面! 彼女は必ず返してもらうからな!」ダダッ



518 : もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、○○だったら 9/9[saga] - 2011/06/22 18:13:32.61 hJAvR2BY0 10/11



ベクトル仮面「……」

禁書「あの、ベクトル仮面?」

ベクトル仮面「あァ」

禁書「助けてくれてありがとう。 ……それと」


ぐ~きゅるるる…


禁書「おなかへった……かも」

ベクトル仮面「……あァ?」



519 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga] - 2011/06/22 18:15:33.19 hJAvR2BY0 11/11

と言う訳で、『もしインデックスと出会ったのが上条さんではなく、ベクトル仮面だったら』でした

他にもオフェンスガールやボンバーレディなんてのも思いついたけど、上手く組み込めなかったよ