559 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 19:56:35.40 mIwRE7CM0 1/6

あまい通行止めが見たくて自分で書いてみた。
すっげえありきたりです。文章力なくてごめん。
ネタかぶってたらすみません。
ちょっと勇気出して投下してみる。
多分4スレほど失礼します。

元スレ
▽ 【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-30冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1307804796/
560 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 19:57:15.95 mIwRE7CM0 2/6



「第一回一方通行甘いもの攻略作戦!はじまりはじまり~ってミサカはミサカは元気良く宣言してみたり!」

「辞退しますゥ」

「えっえぇ~ってミサカはミサカはコンビニの二個入りケーキを大事に持ちながらしょんぼりしてみる・・・」

「あほ毛もしょんぼりしてるな」

「コンビニのケーキだけどおいしいよ!ってミサカはミサカは諦めず口説いてみたり!」

「甘いもンは苦手だって知ってるだろォが」

「いつまでも好き嫌いしちゃいけません!ってミサカはミサカは改めて第一回一方通行甘いもの攻略作戦!宣言してみたり!」

「却下ァ他の奴とおいしく食べてろ」

「あなたと食べたくてお小遣いはたいて買ったのになってミサカはミサカは……」

「……ちっ物好きな」

「そうだ!あなただけ苦手克服は不公平だからミサカもブラックコーヒーに挑戦してみるねってミサカはミサカは閃いてみたり!」

「なんでそうなる」

「幸せはね分かち合ったら二倍になるんだよ」

「はァ?」

「ミサカの好きなケーキを一緒に食べておいしいねって」

「・・・・・」

「あなたの好きなコーヒーを飲めるようになって幸せを共有できるようになりたいなってミサカはミサカは告白してみる」

「・・・・・嗜好品ってものは摂り過ぎると毒だからな、わざわざ相手に合わせてまで摂るもんじゃねェ」

「・・・・・うん、せめて隣で食べてもいいかなってミサカはミサカはお願いしてみたり」

「あァ、皿を2枚用意しろ。仕方ねェからコーヒー淹れてやンよ。お前はまずは甘いカフェオレからな」

「えっえっいいの?!あ、あなた大好きいいいいいいい!!!」

「ケーキ持ったまま抱きつくんじゃねェェェ!!!!!」


561 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 19:58:41.16 mIwRE7CM0 3/6



「「いただきます」」

少女はまず大好きな少年が淹れてくれた、甘いカフェオレを味わう。
おいしーと少年に惜しみない笑顔を向けたあと、目の前のショートケーキをそれまたおいしそうに頬張る。
その様子に少年は決して顔には出さないが少しばかり心が温かくなるのを自覚した。

そして少女に促され少年もフォークを手に取・・・・・らずに、まずブラックコーヒーを口に含む
インスタントだが悪くないなと思いつつもう一口。
決して時間稼ぎではない。覚悟は決めてある。ただ事に挑むためリラックスしようとしているだけである。

そもそも打ち止めがケーキを持ってきた時点である程度事を予想し、そして応えるつもりだった。
一方通行が打ち止めのお願いをそうそう断れるわけがない。受け入れようと心掛けてもいる。

始めのやり取りは、ただの一方通行の照れ隠しである。予想が外れることも考えてた。メンドクサイコ。
そしてイエスのタイミングがわからず、結局受け入れる言葉は早口でいささか唐突な感じになってしまった。

どうあれ今は凶悪な顔の白い少年が白いショートケーキを見つめてるという、あまりにも似合わない図が出来ている。
全ては打ち止めの笑顔の前では本当にどうでもいいことだが。

打ち止めが自分のフォークを止め一方通行を見つめている。
期待の眼差し。

一方通行は意を決しケーキを一口、そしてコーヒーを一口。

「甘ェ・・・・・・」

「よくできましたーってミサカはミサカはあなたを褒めてみたり!」

打ち止めは満足そうに小さな手まで叩いてる。
そして自分の分も一口。幸せそうである。

「至福の一時ってミサカはミサカは幸せを表してみたり!」

「言葉使いたかっただけだろ、それ」

打ち止めはおいしそうに食べ進めていく。
その様子をそのまま見つめるだけで、一方通行は満足だった。

彼女と彼は確かに幸せを分け合っている。
平穏で平和で幸福な空気、生温いと感じながら一方通行は噛み締めていた。


別に二口目が進まないとかそんなわけではない。
打ち止めのためなら自己犠牲を厭わない男である。

ケーキなんぞ試練のうちに入らない。
二口目の味は、それを見ていた打ち止めの微笑みで甘さだけでなく、おいしさを感じられた気がした。

562 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 19:59:59.16 mIwRE7CM0 4/6


今度はコーヒーではなく、口直しにショートケーキのメインともいえる真っ赤な苺にフォークを刺す。

熱い視線。
打ち止めの物欲しそうな目があった。

一方通行は打ち止めの前に苺をかざしてみる。

わっと嬉しそうな顔。
すぐに申し訳なさそうな顔。
こちらを窺うような目線に、苺を欲しがっていると思っていた一方通行は怪訝な顔をする。

さらに口元に苺を寄せてみる。
苺を目の前に抑えきれない期待からか口がにやついている。

「いいの?」

「いらないのならいい」

もはや形だけの確認だったが、一方通行の捻くれた返答に打ち止めは慌てて元気な声を出す。

「いります!いります!あなた、ありがとう!ってミサカはミサカはもう苺しか見えてない!」

そして打ち止めは一方通行のフォークに齧りつく。勢いが良すぎである。
一口でもごもごと苺を頬張ったその顔は見ている者も幸せにし、よく凶悪だと評される顔を少しばかり綻ばせていた。

そのままの流れで一方通行は一口大に切り分けたケーキを打ち止めに、苺と同じように口元に寄せた。とても自然に。
打ち止めは少し驚つつ一方通行の顔を見た後、パクリとケーキを食べた。

「おいしいってミサカはミサカは嬉し恥ずかし喜びを感じたり!」

今日一番の笑顔。頬にうっすら赤みまでさしている。
その笑顔は一方通行の固い顔をさらに一糸一糸綻ばせる。

さて、次はどうしようか。まず、同じ手は遠慮されるだろう。

一方通行はこの時小さな目的が出来ていた。
いかに打ち止めに自分のケーキを食べさせるか。

要は自分の食べる量を減らしたい。
だけではなく、打ち止めの幸せそうな顔を正面から見ていたいという理由もある。これはあまり自覚はないが。

考える時間はない。行動は先程と全く同じ。そして一言添えるだけの一工夫。

「ほれ」

「えと、すごくうれしいんだけど、あなたにも食べてもry「あーン」

見事に打ち止めの口が一方通行と同じようにあーんという形に開いた。ポカンといったほうが正しいが。
そのままフォークをを打ち止めの口の中にいれ、ケーキを置き去りにする。

つまりゴリ押しである。

上手くいった。一方通行の顔はすっかり緩んでる。

「お前は嬉しそうに食べるなァ」

「っん、ぷはっってミサカはミサカはっんぐ」

「こっちまで嬉しくなる・・・・・なんてなァ」

「だっておいしいんだもんってあわわわあなたのいつもより素直な気がする言葉にミサカはってまた、っぱく」

一方通行は一言一言添えながら打ち止めに三口四口とケーキを与えていく。
打ち止めは戸惑いつつもおいしそうにケーキを食べていく。されるがままだ。

563 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 20:00:52.07 mIwRE7CM0 5/6


一方通行はケーキを運ぶ度に少しばかり餌付けしている気分になっていった。
想像してほしい、小動物に自らの手で餌を与える、その一時。

小動物のあまりの可愛さに幸せ胸いっぱい、顔は気持ち悪いくらいニヤニヤしていること間違いなし。
それと同じことが一方通行に起こっていた。徐々に綻んでいき、そして完全にデレデレである。

そのおかげで打ち止めはケーキを一口食べる度に顔の赤みが増していた。
珍しいデレ期に心拍数は上がるばかりである。

そしてついに最後の一口。

「ごちそうさン」

「あなたはほとんど食べてないじゃないってミサカはミサカはああでもいろんな意味で大満足だったり!」

「後は頑張れ」

「残りのケーキのこと?それなら頑張るなんて必要性は全然なしだよ、余裕余裕~ってミサカはミサカは勝利宣言!」

半分ほどになっていた自分のケーキをまたおいしそうに打ち止めは頬張っていく。
一方通行はコーヒーをすすりながら、その様子に幸せを分けてもらっていた。ちなみに顔は元に戻っている。

ケーキはすっかり食べ終えた。残りは真っ赤な苺。
フォークに苺を刺したままじっと見つめたかと思うと打ち止めはそのまま一方通行に苺を差し出した。

「お返しだよってミサカはミサカは苺なら平気かなと気遣いを見せてみる」

「あァ?いらねェ、自分で食え」

「えーあなたばっかりずるいよってミサカはミサカは不平を訴えてみる」

「意味わかンねェ」

「はい、あーん」

幼女からあーんをされて断るバカがいるだろうか、いや、いない!
そう一方通行もバカではなかった。苺の甘酸っぱさが口の中に広がる。クリームも付いてたので甘い。

「甘ェ」

コーヒーを一口。カップは空になった。

「えへへ~間接キスだねってミサカはミサカは照れてみる!」

照れくさそうに身をよじる少女。あっと息を飲んだ後咳き込む少年。
一方通行は今日のケーキを食べるそれだけの行動を客観的に思い浮かべてみる。

体温が上がるのを感じる。顔が熱い。

その様子に打ち止め心底嬉しそうに笑っている。
その顔を一方通行は見ることなく、明後日の方向を向き、口元を手で押さえながら、小さく呟いた。

「甘ェ・・・・・」

564 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/06/23 20:02:15.99 mIwRE7CM0 6/6

こんなのでごめんね!力尽きた!
読むのと書くのでは全然違う、すごい難しい。
多分この後見ていた同居人にからかわれるお約束があるはず。

失礼しましたー!