小ネタスレ向きかなと思いつつ3スレもらいます
日本、学園都市。
七月一九日。
明日から夏休みが始まるというそんな日の夜、街外れの鉄橋に、二人の少年と少女がいた。
先に口を開いたのは、少女の方だった。
少女は、学園都市でも五指に入る名門・常盤台中学校の制服をまとっている。
それだけでもこの街ではステイタスとなるが、それ以上の称号を彼女は持っている。
学園都市、第三位。『超電磁砲(レールガン)』、御坂美琴。
「今日こそ決着付けようじゃない!」
「決着って……どうやったらつくんだよ」
「もちろん、私がアンタに勝ったときに決まってるでしょ!?
第八位の分際で、第三位の私に勝とうなんて、百年早いのよ!」
相対するのは、学園都市第八位。『幻想殺し(イマジンブレイカー)』、上条当麻。
上条当麻の称号は、もうひとつ。
学園都市一、『不幸』な男。
学園都市に八人存在する超能力者(レベル5)のうち、六人――ほぼ全員に狙われる、世界で一番不幸な少年。
「――上条を潰すのは俺だ」
「別に。俺の『未元物質(ダークマタ-)』が効かないなら、能力以外で攻めればいい。
噂じゃあ、無効化できるのは能力だけらしいしな」
「なんかわかんないけど、アンタをみてるとイライラすんのよ!」
「楽しい楽しい夏休みにしようじゃない。『アイテム』の力、見せてあげるわよ」
「私の能力が通用しないけど、魅力は通じちゃう。そこが面白いんだけどねぇ」
「やはり、俺のライバルに相応しいな、上条! 今日も根性をぶつけあうぞ!」
「なんで俺の周りはこんな連中ばっかりなんだよ。不幸だー!」
科学の街、学園都市。
学園都市の表側と暗部。
その両方を舞台に、交錯する超能力者たち。
この物語に、非科学的なものが存在する余地などない。
――しかし。
幻想殺しは、そんな幻想をぶち殺す。
「ベランダに――女の子ぉ!?」
「二人がかりで女の子を追い詰めるとは、お前ら根性が足りないな!」
「私に見えるってことは、幻覚とかじゃなさそうねぇ」
「いい度胸じゃねえか赤毛野郎。
私の『原子崩し』とテメエの炎、どっちが勝つか勝負してやるよ!」
「貸し一よ。その子を絶対に助けなさい!」
「さて……あんたのその格好は、青少年には眼の毒だぜ、お姉さん?」
「魔術師だかなんだか知らねェが、俺の邪魔をできるとか本気で考えてンのかよ」
そして錯綜しはじめる、科学と魔術。
交わるはずのなかった、二つの技術。
その理由は、ただ一つ。
「……、じゃあ。わたしと一緒に地獄の底までついてきてくれる?」
学園都市第八位『幻想殺し』。
魔道書図書館『禁書目録』。
本来交差するはずのなかった二人が出会う時、物語は始まる――!
まあ嘘なんですけどね。
これで原作再構成はちょっと無理があるんで。