46 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/08/31 21:13:53.40 S6v3gaJqo 1/9通行止めじゃないけれど、7レスほどいただきますね。
解釈によってはちょい欝かもしれん。
今朝も目覚めると、お姉さまのベッドは既に空っぽでしたの。
ここしばらくの間、お姉さまは学園都市第三位レベル5超電磁砲としての責務に追われているようで、まともに顔を見ることも出来ませんの。
だけど、黒子はそんなことではめげませんの。
お姉さまはお姉さまの努めを果たしていらっしゃるのですから、黒子は黒子の努めを果たす。それが筋というものですの。
少しの間会えないくらいでは、黒子とお姉さまの絆は壊れませんの。
第一、黒子が自分の為すべき事を忘れては、お姉さまに呆れられてしまいますの。
まずは朝食を済ませて……
あ、その前に、お姉さまのベッドの芳しき香りを胸一杯に吸い込みますの。これが一日元気の秘訣ですの。
すぅー
すぅー
元気いっぱいですの。
では、行ってきますの、お姉さま。
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無事授業が終わって、ジャッジメントの時間ですの。
支部では、皆さんが待っていますの。私が一番最後なんて、弛んでいる証拠ですわ。もっとしっかりしないと。
こんにちは、固法先輩、今日も頑張りますの。
え?
いいえ、特に身体の調子が悪いとか、そう言ったことは……
もしかすると、お姉さまに会えない寂しさが顔に出ているのでしょうか。それは注意ですの。
初春? どうしましたの? 人の顔を変な風に見て、何か付いてますの?
そうですわよね、何もおかしいところはありませんの。
変な初春ですの。
それでは、いつものようにパトロールに出かけて参りますの。ささ、行きますわよ、初春。
そういえば、初春。最近佐天さんの姿も見ませんけれど、どうしましたの?
え? そうですの。ジャッジメント支部が遊び場ではないと、ようやく理解してくれたんですの。
考えてみればよい機会かも知れません、これでお姉さまももう少し遠慮して頂ければ……
どうしましたの? 初春。
もしかして、泣いてますの? 目に、ゴミ?
ハンカチですわ、お使いなさい。
本当に、どうしましたの? おかしな初春ですわね。
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う。
何処かで聞いた声。
この声は、忌まわしき類人猿。
はぁ……。でも、この方がお姉さまの苦しいときの支えになってくれているのは事実。
その点に関しては感謝するべきですの。黒子の心はそんなに狭くありませんの。
ですから、きちんと挨拶だけはいたしますの。
ごきげんよう。
なんですの?
ええ、おかげさまで元気ですわ。お姉さまとのすれ違いが続いていることだけが残念ですけれど。
なんですの、その目は。
自分はお姉さまに会えているからって、そんな哀れみの眼差し。
きええええええ! 許しませんの!
もう降参ですの? か弱い殿方ですこと。そんなことではお姉さまの隣に立つことなど、百年経っても無理ですわ。
むむむ、まさか、手加減とは申しませんわよね? 私を舐めているんですの?
だって、まるで私に触るのを嫌がっているみたいに……
嫌がっているんですの? 触ると拙い? どういう意味ですの。
失礼な。人を病原菌みたいに。病原菌は類人猿のほうですの。
あ、お待ちなさい。逃げるなんて、なんて卑劣な類人猿。
もうあんな殿方とお姉さまのおつき合いを認めるわけには参りませんわ。断固、お姉さまを説得しますの。
そうと決まれば寮に戻りますわ。時間もちょうど良い頃合いですし。
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妹様ではありませんか?
はい、お姉さまにはいつもお世話になっておりますわ。出来れば公私共々……
妹様さえよろしければ……
あう、指先からパチパチと聞こえるのはなんですの? 冗談ですの。
はい、普通にお話をいたしましょう。
ペットロス、ですの? ええ、聞いたことはございますわ。
あ、そう言えば妹様は猫を……。
違いますの? それは良かったですの。少し心配してしまいましたの。
ええ、可愛がっていたペットを失った飼い主が悲嘆にくれるという話はよく聞きますわ。
そうですわね、確かに、妹様の仰るとおり、人間関係でも似たようなことはあるかも知れませんわね。
ええ、ええ。最愛の人が亡くなっても、その死が認められない人間もいますわ。
まるで、サイコホラーですの。
自分がそんな風にならないことを感謝しますわ。
お姉さまも、妹様も、初春も、佐天さんも、皆、私には揃っていますもの。
……ここだけの話ですの。類人猿や、婚后光子もそうですわ。
妹様? どうかなされました?
そうですの?
はい、それでは、失礼致しますわ、ごきげんよう。
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おや。
寮監の部屋から出て来るのは……食蜂操祈?
どうしてこのような所に? 常盤台とはいえ、この寮とは無関係なはずですのに。
用事を済ませて帰っていくようですけれど、寮監様にどのような用事ですの?
あら、寮監さま。何かご用ですの?
はい。……はい。……え? な、何を仰るのですか。
この白井黒子、お姉さまのルームメイトを外れるくらいならこの場で切腹して抗議致しますわ。
そもそも、ルームメイトになる条件としての成績高位の保持、ジャッジメントとの両立などなどは全てこなしておりますの。
今更、約束を違えようとは、寮監さまとも思えませんわ。
……はい。ああ、そうですの。あくまでも案ですのね? 私たちの意思を尊重すると。いえ、私も先走って失礼致しましたの。
ところで、今し方、食蜂先輩がいらしたようにお見受けしたのですが。ええ。
はあ、悩み事ですの。……いえ、珍しいこともあると思いまして。
一体どのような……あ、いえ、他人のプライバシーを知りたがるなんてはしたない真似でしたわ。申し訳ございません。
はい。はあ、よろしいのですか? 私にそんな話を……。
例え話、ですの?
そうですわね。あの方の心理操作は、本気であれば私にも防ぐことは……。
まさか、それはありませんわ。この白井黒子、お姉さまのことを忘れるなんて。
たとえ心理掌握の全力を尽くしたとしても、私がお姉さまのことを忘れるなんてあり得ませんわ。当然ですの。
私とお姉さまの間には、それはそれは強い絆がありますもの。
例え記憶を奪われたとしても、絶対に思い出して見せますわ。
ええ、そうですの。
え、今まで? いえ、私が覚えている限り、食蜂先輩がこちらに見えたのは初めてだったかと。
はい。わかりました。
では、失礼しますの。
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ふう。
今日も結局お姉さまには会えませんでしたの。
……あれ?
……何か、忘れてますの。
お姉さまの姿を見ていないのはいつから……
最後に見たのは……
あら……
え……
今朝は見てない……昨日は……その前は……
どういうことですの?
何か、何かが……え、そんな……
どうしてこんなことを……私は忘れ……
……っ!?
お姉さま……お姉さまっ……
お姉さまぁああああああっ!!!
どこに、何処に行ったんですの!?
そんな、黒子を置いて……そんなの、そんなの認めませんわ!!
違う、お姉さまは常盤台のエースですの! そう簡単に……
!!
どうして貴女がここにいますの!
食蜂操祈!!
どうして貴女が……!
どうして……?
どうして?
どうして、貴女は泣いていますの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今朝も目覚めると、お姉さまのベッドは既に空っぽでしたの。
54 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga] - 2011/08/31 21:18:36.19 S6v3gaJqo 9/9
以上、お粗末様でした