911 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:28:15.56 jUKgjO/20 1/6

882です
初めて続きをって言われたから3レスもらいます
豚もおだてりゃ木に登るってな!

※関連
むしゃくしゃして書いた。通行止め
http://toaruss.blog.jp/archives/1039196274.html

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-33冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1314623016/
912 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:29:01.95 jUKgjO/20 2/6

頭突きするがごとくの猛攻(キス)にいつしか少年は少女に押し倒されていた。

一方通行が口を片手で守れば打ち止めは鼻に歯を立てた。。
羞恥で滲んだ目尻の水を舐め、額の傷跡に優しく吸いつく。
終いには一方通行は両手で自分の顔を覆った。

「手ぇ邪魔だよってミサカはミサカは必死に引き剥がしてみたりいいいいい」

「いい加減にしろォォォ馬鹿野郎ォォォ」

「あ、耳も真っ赤だ!ってミサカはミサカはおいしそうなものを発見してみたり!」

「っンな!咬むな!舐めるなァァ!美味いはずがねェだろうが!」

学年都市最強はたまらず足をバタバタさせてしまう。
かわいらしい唇から逃れるため、顔を横に背け、耳を手で守る。
そんなことで打ち止めは止まらない。
首を動かしたことで現れたのは桃色に染まった項。

「ん、汗の味なのかなってミサカはミサカは味わってみたり」

「!っふ、んぁ」

予想外の感触に一方通行の肩が跳ね上がり、おかしな声が漏れる。

「えっ、あ、もしかして駄目だった?ってミサカはミサカは心配してみたり……」

一方通行の今までとは少し違う反応に打ち止めは戸惑う。
じゃれつつも探り探りだったいけない線を越えてしまったのかと。
沈黙する一方通行に打ち止めはますます不安になる。
一方通行の生命線である電極に無遠慮に近づいたことを後悔した。

そして一方通行も己の反応に戸惑っていた。
今のは何だ今のは何だいまのはなんだああァァァ!!!
頭の中では悶えに悶え、体は完全フリーズ状態。

「あの、怒ってる?ってミサカはミサカは恐る恐る聞いてみたり……」

打ち止めの若干震えている声が聞こえた時、一方通行はハッと我に返った。

「……もう好きにしろォ」

一方通行はゆっくり息を吐いて脱力し、手を顔からはずし投げ出す。
守るべき者の不安な声で目が醒めた。
非常に馬鹿馬鹿しくなったのである。

かくして少年は少女に完全敗北した。

913 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:31:03.64 jUKgjO/20 3/6

「う~ん、好きにって言われてもってミサカはミサカは困ってみたり」

正直気まずい。と打ち止めは思った。
先程までの勢いが一旦途切れたあとではなかなかできない。

打って変って開き直った一方通行は多少余裕を持ち始めていた。

「別に怒ってねェことは一応言っておく」

証明とばかりに一方通行は先程標的となった首を差し出すように指差す。
それに少し安堵を得た打ち止めはゆっくりと一方通行の首に顔を寄せる。

「さっきまでは簡単にできたのにすごくドキドキするよってミサカはミサカは戸惑ってみる」

「別に無理しなくてもいいですけどォ?」

「するっ!します!いっぱいちゅーするのってミサカはミサカはちょっと自棄になってみたり!」

言った勢いのまま打ち止めは一方通行の首に唇を押しつけた。
それだけでは足りなくて先程より大胆に舐め上げる。

一方通行の肩が小さく動き、息を詰めた。

打ち止めも一瞬動きを止めたが、好きにしろという言葉が頭に響いた。
そのまま首筋に思い切り吸いつく。
そしてこの時、強く吸えば肌に赤く残るということを少女は知る。
鮮やかについたそれが花弁のように見え、恍惚の笑みを浮かべる。

「なんか、すごいかもってミサカはミサカは感動してみたり」

「あ?なにが?」

「んーまだ秘密ってミサカはミサカはもったいぶってみたり」

教えたくても鏡でもないと証明できないので、あとで吃驚させようと打ち止めは心に決めた。

「で?」

「ん?」

少し頭を動かせば重なる距離。
徐に指を伸ばした一方通行はぷにぷにと打ち止めの唇に触れる。

「もう満足か?」

「ふぇっ!」

打ち止めの鼓動が速まった。
まるで催促だ。おねだりだ。誘っている。
この据え膳をがっつかなくてど う す る。
打ち止めはゆっくり深呼吸をし、いざ飛び掛からんと舌なめずりをする。

一方通行は焦れていた。
あまり間を置かないで欲しい。
ちょっと勢いがなくなったりして、こんな体勢のまま場が白けたらたまったものではない。
そしてなにより眼の前の唇が欲しかった。

ごくりと生唾を飲む音が鳴る。

914 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:32:49.81 jUKgjO/20 4/6

その一瞬分一方通行が早かった。
少し頭を浮かせ、ちゅっと小さな水音がたつ。

そんな心の準備は一切していなかった打ち止めはこれでもかと顔を真っ赤にした。
わぁっあああと声を上げると一方通行の胸に悶えるように頭をこすりつける。

「……ついさっきまで散々自分からしといて何なンですかァ?その反応」

始めは呆れを含んでいた声がだんだんと笑い混じりになっていった。
鼻先をくすぐるあほ毛を噛んで引っ張る。
痛みで上げた打ち止めに一方通行は首を伸ばして鼻先に唇を掠めた。
とたん打ち止めはさらにゆでダコのように顔を赤くした。

「あっあなたの気持ちょっとわかったかもってミサカはミサカは反省してみたり」

「俺もお前の気持がわかる気がする」

一方通行はニヤニヤと嗜虐性を含んだ笑みを隠しもしない。
攻防逆転である。

打ち止めの頭に右手を回し、左手は腰に。

「こっちは楽しいなァ」

先程の仕返しとばかりに一方通行は打ち止めの瞼に額に口付ける。

「あうあうあまってまってちょっと落ち着くまでまってえええってミサカはミサカは嬉し恥ずかし悶えてみたりいいい!」

足をバタつかせ体をよじり顔を振って抵抗する。
一方通行はそれに合わせて打ち止めの耳を追う。
ニアミスであちこちに口付けを落とす。


915 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:34:07.38 jUKgjO/20 5/6

そして一方的にじゃれついているといつの間にか上下まで逆転していた。
それに気付くと打ち止めはギュッと目をつむり抵抗をやめた。
ふっふっと荒い鼻息が期待を、一方通行の服を強く握りしめた手が緊張を表す。

一方通行は熱い息をハッと吐き出すと、打ち止めの小さな耳に舌を伸ばした。

「っひゃ!」

手始めに耳たぶに甘噛みをされた打ち止めは小さく声を上げる。
溝を丁寧に舐め上げ、歯を立てぬよう口に含み吸い上げる。

「っふん、ん」

打ち止めは身を固くし、顔に力を入れて声を堪える。
それも耳穴に舌を差し込まれるまでだった。

「っふぁあ!はぁああうう」

自分のものでないような甘い声に打ち止めは戸惑う。
下腹部が何故だが重い。
全身でドクドクと脈を打っているようだ。
先程の一方通行ももしかして同じようになっていたのかと思うと、体がさらに熱くなる。

打ち止めの声に一方通行の頭に一瞬背徳感がチラついたが、高まる熱がそれを無視した。
残るは首だけである。
耳から首筋に舌を這わせ、しっかりと打ち止めの汗を味わう。

小さな体がビクンと跳ね、くぐもった声が漏れる。
打ち止めは手で声を抑えるばかりか、鼻も摘まんでいた。

「おい、なにやってンだ」

口元を覆っていた打ち止めの手を一方通行は無理やり剥がす。

「やっ、っはっは、離してよって、っはふ、ミサカはミサカは、鼻息が恥ずかしかったり、っふは」

「……下らねェ」

一方通行がその様子をしばらく黙って眺める。
打ち止めは恥ずかしそうに身をよじったり困った顔をして落ち着きがなかったが、呼吸は落ち着いて行った。

「さて、懲りてくれたかなァ?打ち止めさん」

「……調子に乗ってすみませんでしたぁってミサカはミサカは素直に謝ってみたり」

濃厚な羞恥を味わい、それを味あわせたことに反省を示す。

「ン」

それに短く応えた一方通行は打ち止めから身を引かせる。
しかし、打ち止めの小さな手がそれを阻む。
指先は一方通行の唇に触れていた。

「あっあの、もう、終わりなの?ってミサカはミサカは名残惜しかったり……」

最後は消え入りそうな声だったが、眼は真っ直ぐ一方通行を見つめていた。
ごくりと今度は一方通行の喉が鳴る。
始めに敗北した者が勝者に敵うはずがなかった。
またゆっくりと二人の距離が零になる。

「クソ甘い。虫歯になったらどうしてくれるとミサカは同居者の帰宅が近いことを知らせに来ました。」


余談だが、この日から二人の間で相手の唇に触れることがおねだりの合図となった。

916 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2011/10/28 03:35:26.45 jUKgjO/20 6/6

4レスでした!長くてすみません!
いつの間にこんな時間になった……
失礼しましたー!寝る!おやすみ!