841 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 01:53:52.97 JfUVwpSs0 1/18

スフィンクス『私の二人の主』

 はい。少しお目汚しですが投下させてもらいます。

 設定としてはフィアンマ戦の後。もし上条さんが死んでしまっていたら、という話です。

 それではどうぞ。






 私の名前はスフィンクス。学園都市のとある一室に住んでいたネコである。


 住んでいた、と表現するには有る理由がある。そう、私は今飼い主である少女と共にイギリスに住んでいるからだ。


 私の飼い主の名前は『インデックス』という。


 私を拾ってくれた心優しい少女。唯、彼女が本当の笑顔を見せてくれる日はもうないだろう。


インデックス「……とうまぁ………」


 彼女は今わたしを抱きしめて泣いている。


 私のもう一人の飼い主の名前を呼びながら。



      『上条当麻』


 これが私のもう一人の飼い主の名前。


 お人好しで、多くの人をひきつける魅力を持ち、他人の苦しみを放っておかなかった勇気ある少年。


 唯、彼はもういない。


元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-34冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1320320521/
842 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 01:56:21.94 JfUVwpSs0 2/18


 フィアンマ、という者との戦いで彼は命を落としたようだ。

 今でも覚えている。

 一年前、私は彼女に抱えられて彼の葬儀に参列した

 多くの者が彼のために泣いていた。

 常盤台中学校の電撃使いが、学園都市最強の能力者が、小さな三つ編みをたくさん編んでいる少女が、くわがたみたいな髪の毛をした男が、髪の毛を端正にまとめた少女が、赤紙の巨大な少年が、奇妙なジーパンをはいた女性が、おでこが光っている長髪の女性が、明らかに幼稚園児にしか見えない小さな女性が、和服を着た美人が、青い髪とピアスが特徴的な少年が、悪魔のしっぽを生やした少女が、アロハシャツをきたサングラスの少年が、メイド服を着た少女が、その他数え切れない人が心の底から泣いていた。

 彼をころした『フィアンマ』と言う人物さえも彼のために泣いて居た。

 フィアンマは最後の最後で、彼に庇われたらしい。

 崩れ落ちるがれきから守られ、フィアンマは生き残り、彼は死んだ。

 フィアンマは彼女に頭を下げていた。

 どんな償いでもする。死んでもいい。そう言ったフィアンマに対して、彼女はいった。

インデックス「とうまは死ぬなんてそんなこと望んでいないんだよ。とうまは、とうまは……」

 そういって、彼女は泣きはじめた。

 そんな彼女をそっと常盤台の電撃使い――御坂美琴――は抱き寄せた。

 私は御坂美琴が泣いているのを見た。

 たぶん、彼女も、御坂美琴も、彼のことが好きだったのだろう。

 誰も彼女に声をかけることができなかったのは覚えている。

 記憶を失った後の彼と、誰よりも身近に居て、誰よりも長い時間居たのは彼女なのだから。

 私は悲しくなった。

 なんでこんな野良猫にも救いの手を述べた彼女が悲しまなくてはいけないのだろうか。

 なんで誰よりも優しかったあの少年が死ななくてはいけなかったのだろうか?

 私は神様とやらを憎んだ。


843 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 01:57:54.46 JfUVwpSs0 3/18


 そして一年経ち、今に至る。

 彼女は心を閉ざしてしまった。

 奇妙なジーパンを履いている女性や、赤髪の男性が声をかけても、彼女は生返事しかしない。

 私をぎゅっと抱きしめて、悲しそうな顔をして『わかったんだよ』としか言わない。

???「あんた、大丈夫?」

 赤紙の男性が出て行った後、別の人物が入ってきた。

 その人物を見て、彼女は言う。

インデックス「あ、短髪なんだよ……」

 御坂美琴である。

御坂「ステイルさんからあんたがやばいって聞いてさ、来てあげたのよ」

 そう言うと、彼女の目から涙が流れる。

インデックス「ありがとう、短髪……」

 今、彼女が気を許しているのはもしかしたら私を除いたら御坂美琴だけなのかもしれない。

 同じ少年を好きになって、同じ想いを抱いているからこそ、彼女たちは分かり合っている。

御坂「ねぇ、インデックス」

インデックス「どうしたの、短髪?」

 横に座った御坂美琴が彼女に向かって話し出す。

御坂「私たちはこれからアレイスターを殺しに行く」

インデックス「!!?」

 彼女は御坂美琴の言葉に驚き、私を落としそうになる。

インデックス「短髪、何で!?」

 彼女の顔は蒼白だった。

インデックス「アレイスター・クロウリーに勝つなんて無理なんだよ! あの男は、最強の魔術師であり、最強の超能力者なんだよ?」

インデックス「何の為に?」

 彼女は必死に止めようとする。10万3千冊の知識をフルに使っても、勝てないと思ったのだろう。

御坂「決まってる」

 だけど、彼女の心からの心配の言葉を切り捨てて御坂美琴は言う。



御坂「あんたと、あのバカのために」


844 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 01:59:15.49 JfUVwpSs0 4/18



インデックス「え?」

 彼女は戸惑う。目が丸くなっていた。

御坂「誰が言い出したってわけじゃない」

 戸惑っている彼女を尻目に、御坂美琴は淡々と言う。

御坂「だけど、みんながいつの間にか集まった」

御坂「この一年のあんたは見てられなかった」

御坂「ずっとあのバカのことばっかりで、心を痛めてるあんたは、学園都市のみんなが、イギリス清教のみんなが、天草十字凄教のみんなが、ローマ正教のみんなが、多くの人があのバカの死をのり越えていったのに、一人だけ止まったまんま」

御坂「今だからわかるけど、あのバカはあんたのために戦っていた」

御坂「あのバカはあんたを守ろうとしていた」

御坂「なのに、そのあんたが前に進めないならあのバカの死を侮辱したことになる」

御坂「みんながそう思った」

御坂「ステイルさん、神裂さん、アニェーゼさん、オルソラさん、シェリーさん、ルチアさん、アンジェレネさん、ローラさん、騎士団長さん、キャリーサさん、レッサーさん、アックアさん、ヴェントさん、フィアンマ、ワシリーサさん、サーシャさん、一方通行、黒子、打ち止め、番外個体、姫神さん、土御門さん、初春、佐天さん、青がみさん、垣根さん、心理定規さん、淡稀さん、エツァリ、ショチトルさん、麦野さん、滝壷さん、絹旗さん、浜面、その他数え切れない人が集まって、きめた」



御坂「アレイスターを殺そう、と」


インデックス「そん…な……。無駄なんだよ、あの化け物に勝てるわけないんだよ」

 そういって彼女は震える。

御坂「大丈夫。あのバカが残した絆がある」

 そういって御坂美琴は彼女の頭を優しく撫でて言った。


御坂「だからあんたは私たちの無事を祈っておきなさい」

 そして御坂美琴は去っていった。

 彼女はその後姿を唖然として見ていた。


 私が後に聞いた話によると、この会話の一ヶ月後にこの連合はアレイスターに戦いを挑んだらしい。

 しかし、私と彼女はそれから一ヶ月、この戦いの顛末を聞かなかった。

 一ヵ月間、全くこの戦いについての情報が出てこなかったからだ。
 

845 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 02:00:06.79 JfUVwpSs0 5/18



 私たちがこの戦いの顛末を知るのは、御坂美琴によってである。


御坂「や、元気してた?」

 彼女独特の明るい声がして、彼女と私は振り向いた。

インデックス「―――――――! 短髪?」

 そこにいたのは、右目と右手を失った御坂美琴だった。

御坂「ただいま。勝ったよ」

インデックス「――――!」

 彼女は声にならない声を出してた。

御坂「ああ、私は大丈夫。一応、聞く? アレイスターとの話」

 そう御坂美琴が言うと、彼女はうなずいた。

御坂「まぁ、本当に奇跡のような偶然が重なって勝った、って感じかな。唯、こっちの被害も尋常じゃなかった」

 それを聞いて、彼女は息を飲む。

御坂「フィアンマが生命と引き換えに隙を作った。そして、そこからはほとんど特攻状態」

御坂「ステイルさん、神裂さん、アニェーゼさん、シェリーさん、ルチアさん、ローラさん、騎士団長さん、キャリーサさん、レッサーさん、アックアさん、フィアンマ、ワシリーサさん、サーシャさん、番外個体、姫神さん、青がみさん、垣根さん、心理定規さん、エツァリ、麦野さん、絹旗さん。ざっと言えるだけでこれぐらいは死んでいる」

インデックス「―――!!!」

 私も息を飲んだ。多くの彼の友人が死んだことになる。

御坂「でも勝った。私はこの通りだし、一方通行も左足を失った。そして、多くの人が死んだ。だけど私たちは、死んだやつらを含めても誰も後悔しない」

 そして、御坂美琴は彼女に笑顔でいった。

御坂「やっと、あいつに追いついた。やっとあんたに追いつけた。みんなそう思っている」

 彼女は無言でうつむいた。

御坂「あのバカは自分を犠牲にした。あんたはあのバカの気持ちを理解していた。私たちはやっと、あのバカとあんたに追いつけたって思っているのよ」

 そういって、御坂美琴は彼女に抱きついた。


御坂「ありがとう」

 その言葉に対して、彼女はぼそっと言う。

インデックス「短髪……私はそんなことを言われる資格はないんだよ」

インデックス「私は短髪たちのように先に進む勇気もなかったんだよ。だから……」


846 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 02:01:02.04 JfUVwpSs0 6/18



 そういう彼女を御坂美琴はさらに強く抱きしめる。

御坂「自分を責めないで。そんなんであのバカが喜ぶと思ってるの?」

 そういうと、彼女は御坂美琴の腕の中で号泣した。





???「スフィンクスが死んで60年、なんだよ。ね、スフィンクス」

 イギリス郊外の庭に設置された椅子に、年老いた修道女が座っている。

 私の主様、インデックスである。

 ん? お前は誰かって?

 私はスフィンクスである。

 最も、私は彼と一緒にいたスフィンクスの十代後の子孫なのだが、私の主様は生まれる子猫皆にスフィンクスと名付け、私たちは父母からこの老修道女の過去を聞いて、彼女の心の拠り所となっているのだ。

インデックス「スフィンクス、とうまにあいたいよ……」

 そういって、私はこの老女にぎゅっと抱きしめられる。

 これは私の父母もされていたこと。

 彼女は『スフィンクス』と言う存在に、かつて彼女が愛した、いや、今も愛している少年と過ごした日々を思い出しているのだろう。

???「インデックスのおばぁちゃーん! 遊びに来たよ!」

インデックス「あ、久しぶりなんだよ、麻琴!」

 とととと、という足音をさせてくるのは麻琴という女子大学生。

 私の主様の友人で、昨年死亡した御坂美琴の孫だ。

???「はっ、まぁだげンきかぁ」

インデックス「うん、元気なんだよ、自由通行」

 黒いスーツに身を固めた、自由通行と呼ばれた少年は頭を掻きながら答える。

自由通行「そうかぁ、うちのじじぃもばばぁもぁンたの事心配してンぞ」

インデックス「一方通行も打ち止めも元気?」

自由通行「ぁぁ、げンきもげンき。この間も二人でゆぅぇンちにぃってたぜ」

インデックス「はは、あの二人らしいかも」


847 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 02:01:52.55 JfUVwpSs0 7/18

この『自由通行』という少年は一方通行と打ち止めの孫だ。

 新たにつくりかえられた学園都市で、この二人は今現在の現役最高峰である。

インデックス「で、ふたりは何でここまできたのかな?」

 私の主様がそう聞くと、麻琴が答える。

麻琴「今から二人で学会に行ってくるんです。って、もう時間!? いくよ、自由通行! それでは、おばあちゃん! また今度!」

自由通行「ぉぃ、待て! ひっぱンじゃねェぞ、このさンしたがぁ!」

 そう言いながら、ふたりは大学の方へと走っていった。

 それを見て、私の主様は微笑みながら言う。

インデックス「あはは、なんか懐かしい感じがするんだよ」

 そういって、私の主様はお茶をのみ、ぼそっと言う。



インデックス「とうま、これがあなたが守りたかった世界なんだよね。私は、とりあえず頑張って生きてみているよ」


 そして、目からうっすらと涙を流しながら老修道女は言葉を紡ぐ。


インデックス「だから、死んだら迎えに来てね」

 その言葉を聞いて、私は父母から伝聞でしか聞いたことがない『上条当麻』の
ことを考える。

 そして私は思うのだった。

『上条当麻、あんたが生きていないことを私は恨む』

 本当に、猫の私から見ておこの世界は理不尽だ。

 こんな優しい私の主様を泣かせるのだから。



   FIN

これにて本編終了です。思う存分罵って下さい。




853 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:39:05.08 JfUVwpSs0 9/18


 スフィンクス『私の二人の主』の蛇足編です


 御坂麻琴と自由通行(フリーパス)はロンドンのとある大学の中に入っていった。

???「やぁ、遅かったね。自由通行に電磁操作(コントローラー)。私は待ちくたびれた故」

自由通行「ぁぁ? がきンときから世話になったばばぁンところにぃってただけだぁ」

麻琴「全く、死後否定(デッドキャンセル)。貴方はあいも変わらずうるさいのね」

死後否定「ふん、祖父である冥途返しからの教訓故。『医者たるもの時間を厳守せよ』と幼い頃から言われている故」

自由通行「はぁン、故故ぅっさぃンですけど?」

死後否定「自覚はある故」

そう言いながら御坂麻琴、自由通行、死後否定の三人は大学の広い敷地内を歩く。

 彼らの目的は、とある大学医学部の最深部にある『眠った男』のところにいくことである。

麻琴「それにしても、本当に『あの人』は生き返るの」

死後否定「ああ、生き返る故。君の電磁操作は生体電気を操る電磁系統最強の能力、自由通行はそこにある障害物を無視してあらゆる物質を自由自在にベクトルをもたせて飛ばす透過系最強の能力故」

死後否定「祖父たる冥土返しと父たる生命維持(ライフキーパー)は待っていた故。麻琴、君の父親たる御坂幻の能力をもってしても、自由通行の父親たる通行止め(ストップ)を持ってしても、父をも超えた最強の陰陽師、土御門舞春を持ってしても、彼を生き返らせることは叶わなかった故」

 死後否定はそう言いながらも顔が緩んでいた。

 死後さえも否定すると言われた空前絶後の名医、死後否定は父祖三代にわたる患者を救えるという喜びに満ち満ちていたのである。

自由通行「でよぅ、この事実はいったぃ誰が知ってンだ?」

死後否定「決まっているゆえ。インデックス以外の『彼』の関係者は全員知っている故。君の祖父たる一方通行と、麻琴の祖母たる御坂美琴の意志により、彼女に下手なる希望を持たせるなと厳命された故」

854 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:40:37.86 JfUVwpSs0 10/18


 そう言いながら、死後否定は祖父譲りのカエル顔をにやけさせる。

 祖父と父の墓前に、これでやっといい報告ができる。彼はそう思った。

死後否定「ここ故」

 三人はとある大学医学部の最深部に着いた。

麻琴「これが『最強のお人好し』、『世界を守り抜いた男』、『縁を繋いだ男』って言われたあの人?」

自由通行「ぁぁん? じじぃの話と違ぅじゃぁねーか。じじぃの話聴いてるとにンげン離れした活躍してる気がするンですけど?」

死後否定「はは、君の祖父たる一方通行は『彼』を心の底から尊敬していた故」

 死後否定はそう言いながら彼の患者を見る。



『幻想殺し』


 上条当麻は、そこに在りし日のまま横たわっていた。

麻琴「不思議なこともあるのね。北極海の海底で三十年間冬眠し続けていたなんて」

自由通行「ぁぁ、こいつ実はにンげンの皮被ったクマムシなンじゃぁねぇの?」

麻琴&死後否定「ぶふっ!」

 自由通行が言った冗談にふたりは吹いた。

 ここで少し話は横道にそれる。

 三十年前に上条当麻を北極海の海底で見つけたのは、浜面仕上だった。

 彼はアレイスターとの戦いで生き残った人間であるのだが、同時に彼は罪の意識に苛まれていた。

 本来死んでいるはずなのは自分だった。

 なのに、自分がアレイスターに殺されそうになったとき、二人の人間が浜面とアレイスターの間に立ちふさがった。

 麦野沈利と絹旗最愛である。

 彼が戸惑っていると、麦野沈利は笑顔で言った。

麦野「浜面、滝壷を幸せにしてやりな」

 絹旗最愛ははにかみながら言った。

絹旗「滝壺さんを超幸せにしてください。超化けて出ますよ」

浜面「――――!」

 浜面は声にならない叫びを上げた――と同時に、彼の体は結標淡稀によって座標移動された。

 あとで分かったのだが、麦野沈利が結標に頼んだらしい。

 結局、浜面を逃したあとに麦野と絹旗は死に、彼女たちが稼いだ時間を無駄にしないように、とレッサーと言う少女が命を散らし、初春と戦いの途中で現れた風斬が命がけで隙を作り、そこに一方通行と御坂美琴が止めを刺したのだった。


855 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:41:22.16 JfUVwpSs0 11/18

 戦争後、浜面は泣いた。彼の恋人であり、後に伴侶となる滝壷も、何とも言えない顔で浜面を見ていた。

 彼女も泣きたかった。

 だけど、浜面はそれ以上に心を痛めていた。

 だから泣けない。

 滝壷に今できることはたったひとつ。

 彼の涙を受け入れることだった。

 そして、二人の月日も流れ、滝壷理后が浜面理后となり、彼らが良き父と母になったとき、浜面仕上は言った。

浜面「そうだ――あの馬鹿の死体を探してやろう」

 唐突に言ったにもかかわらず、彼女の妻は驚かなった。

滝壺「いってらっしゃい。そんな仕上げを応援している」

浜面「ありがとう、理后。沈利と最愛と不連雫と利徳と仕立は頼んだ」

 彼は娘三人に、嘗てのアイテムの死んだメンバーの名前をつけた。彼の妻もそれに賛成してくれた。

浜面フレメア「にゃあ、不連雫の世話は任せるのにゃ」

 そういう金髪の少女は、二人の養子となったフレンダの妹である。

856 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:42:14.92 JfUVwpSs0 12/18


 そうして、浜面は北極海に潜り、上条当麻を発見した。

 彼はこれでやっとみんなが報われる。そう思ったと後に語る。

 そうして舞台は再びイギリスのとある大学に戻る。

死後否定「さて、準備はいい故? 学園都市レベル6のお二人さん故」

麻琴「わかってるっての。とりあえず、生体電気をぶち込んで、一人前の人間い仕立て上げればいいんでしょう?」

 御坂麻琴。学園都市に二人しかいないレベル6と謳われる彼女の能力は電磁操作。

 ありとあらゆる生物の生体電流を操作し、操作から筋力強化まで幅広く行える最強の電気使い。

自由通行「はン。わかってるっての」

 自由通行。祖父の一方通行の才能を色濃く受け継ぎ、物体透過とベクトルの能力を持ち合わせたもう一人のレベル6。

死後否定「もう一度確認で言う故。上条当麻は実質死んでいる故。しかし、適切な生体電流を流し、的確な位置にベクトルを与えて、適当な物質を与えたら生き返ることが祖父の研究で分かった故。二人とも――――覚悟は良いゆえか?」

 学園都市最強のふたりは同時に言う。

麻琴「もちろん!」
自由通行「もちろン!」

 そうして、死した英雄に命を与える戦いが始まった。


857 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:43:01.16 JfUVwpSs0 13/18



 私の名前はスフィンクス。

 私の主様はいま泣いている。

 理由は簡単だ。

インデックス「……グスッ……とうまぁ……」

 彼女は一日に三時間はこうやって泣いている。

 私を抱きながら泣いている。

 父祖から聞いた話では、この60年間彼女はずっとこうやって泣いているらしい。

 三年前にイギリスに遊びに来た『御坂美琴』と言う、隻眼隻腕の老女がこっそりと、『あいつの時間は止まったまんまじゃない』と涙ぐみながら言っていたのを思い出す。

 まさにその通りだ。

 彼女の人生は六十年間、止まったままだ。

インデックス「……グスッ……とうまぁ……」

 私がネコであることが悔やまれる。いや、私が上条当麻でないことが悔やまれる。

 彼女に拾われた初代スフィンクスから、私たちスフィンクス一族はこの心優しい老修道女を慰める事しかできないのだから。




インデックス「とうまぁ、だいすきだよ……」





 涙を流しながら彼女は言う。

 六十年間、彼女はたった一人の少年を愛し続けている。


  ピーンポーン。

 チャイムが鳴る。

 私の主様を訪ねるのは誰なのだろうか?

インデックス「グスッ……誰なのかな?」

 私の主様が立ち上がり、涙を吹く。

 そして、彼女はドアを開ける。

858 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:43:56.33 JfUVwpSs0 14/18


















上条当麻「よ、インデックス」













インデックス「え?」

 直後、私の主様は倒れたのだった。


859 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:44:51.40 JfUVwpSs0 15/18


上条『おーい、インデックス! 朝ごはんだぞ!』

インデックス『とうま、またもやしー?』

上条『うう、しかたがないのですよ。上条さんは貧乏なのですことよ』

インデックス『うー、でも仕方がないかも。今日はもやしで我慢するんだよ!』

上条『そうしてくれるとありがたい』

インデックス『スフィンクスー、おいでー!』

スフィンクス『にゃー』

上条『それじゃあ』

インデックス『いただきますなんだよ!』




 ああ、これは戻らない夢。私ととうまが幸せだった時。

 なんでこんな夢を見るんだろう?

 とうま……だいすきだよ。




860 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:45:49.45 JfUVwpSs0 16/18



インデックス「とうまっ!」

 私は私が一番好きな人の名前を呼んで目を覚ます。

 夢だ。やっぱりあれは夢で、とうまはもう死んでるんだ。

インデックス「……グスッ……とうまぁ……」

 私はまた泣きだす。

 とうまが死んでからずっとだ。

 泣かなかった日がない。

上条「インデックス、どうしたんだ?」

 私はその声に驚いて横を見る。

インデックス「とうま……幻覚?」

 ありえない。なんで私の横にとうまが当たり前のように座っているんだろう。

 そうか、私は死ぬ前なのか。

 そう思ってると、当麻の幻覚がしゃべり始める。



上条「いいぜ、インデックス! てめぇが俺のことを幻覚だと思っているなら――――まずはその巫山戯た幻想をブチ殺す!」



インデックス「え……本物なのかな?」

 私は夢見心地で目の前の少年を見る。

 彼はにっこりと笑って言った。

上条「あたりまえだ。上条さんはこの世に一人しかいないっての」

 そういって彼は私の頭をなでる。

 あたたかい――――間違いなく彼だ。

インデックス「とうま――本物?」

上条「ああ、当たり前だ」

 その直後、私の視界は涙で濡れる。


861 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:46:47.41 JfUVwpSs0 17/18


 全く、何と言う英雄譚か。

 それが私、スフィンクスの意見だった。

 六十年待ち続けた少女は、これでやっと報われた。

 私は、わたしの 父祖を代表して言いたい。


    ありがとう、上条当麻


 私は、私の二人の主様を誇りに思っている。




862 : インデックス大好き[] - 2011/12/14 10:47:45.07 JfUVwpSs0 18/18



 そうして時は巡り60年後。

 学園都市郊外にある墓地に一人の老人がいた。

 彼の職業は墓守である。

 肩に一匹の猫を載せたうに頭の老人は『Index-Librorum-Prohibitorum』と書かれた墓の横に座り、晴れ渡る空を見てこういうのだった。


「インデックス、空が綺麗だぞ――もうすぐそっちに行ける」


 うに頭の老人は、横の墓に眠る自分を60年間待っていてくれた女性のことを思い出して涙を流したのだった。


  END

 これで完全終了です♪
 思う存分罵って下さい!