621 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2012/01/17 06:51:12.65 YN+42jEDO 1/8

アクセラロリータで6レスもらいます

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-35冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1324178112/
622 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:52:01.39 YN+42jEDO 2/8



垣根くんは復活しました。
すっかり世間に置いていかれた垣根くんは、まずは情報収集だと「相談室」を開くことに決めました。
垣根くんはさぁ誰が来るかとドキドキです。
何せ人から相談を受けるなんて初めてなのですから。


トントン


おや、さっそくお客さま第一号が来たようです。


垣根「どうぞ」

ガチャ

一方「どォも」


垣根くんはビックリしました。
一方通行にも相談をするような繊細な心があったのか、というのももちろんですが。
自分をほぼ殺した相手がやって来たのですから。
しかし一方通行は垣根くんには気がついていない様子。
仕方ありません。
一方通行は垣根くんに全くと言っていいほど興味がなかったのです。


垣根「今日はどのようなご相談で?」

一方「俺の」

垣根「はい」

一方「……妹が、反抗期なンです」

垣根「妹さんが」

一方「はい妹です」

垣根「本当ですか?」

一方「……」

垣根「嘘ですと上手く相談に乗ることができません」

一方「嘘です」

垣根「ありがとうございます」

一方「で、そのクソガキがですね」

垣根「あなたと一緒にパンティを洗われたくないと」

一方「はい」

垣根「あまつさえ一緒に空気を吸うのも嫌だと」

一方「そこまでは言われてませン」

垣根「はい」


少し調子に乗りすぎました。
垣根くんは反省します。



623 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:52:40.36 YN+42jEDO 3/8





垣根「妹さンはおいくつですか?」

一方「(見た目は)小学生くらいです」

垣根「原因がわかりました」

一方「凄いですね」

垣根「はい」

一方「で、原因は?」

垣根「思春期です」

一方「なるほど。思春期は父親離れをしたくなるンですよね」

垣根「父親なんですか?」

一方「いえ。例えです」

垣根「すみません」

一方「はい」



624 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:53:17.66 YN+42jEDO 4/8





ここまででわかったことがあります。
垣根くんは一方通行と戦ったときにエサにしたガキのことを思い出します。
あのガキに一方通行は今、避けられている。
これは大きな収穫です。
垣根くんは内心で「ざまぁ」と笑いました。


一方「何をニヤついてンですか」

垣根「いえニヤついてません」

一方「そうですか」

垣根「はい」

一方「で、どうすればその思春期は治りますか」

垣根「治すつもりですか」

一方「もちろンです」

垣根「治すとその子どもの成長が損なわれます」

一方「それが狙いです」


垣根くんはギョッとしました。
けれど顔には出すまいとします。


一方「何を驚いているンですか」


バレました。


垣根「ロリコンですか?」

一方「違います」




625 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:53:51.34 YN+42jEDO 5/8






垣根「本当ですか?」

一方「……」

垣根「嘘ですと、上手く相談に乗ることができません」

一方「ロリコンです」

垣根「ありがとうございます」

一方「先生。成長を損なわせるためにはどうしたらいいンでしょうか」

垣根「思春期はもういいんですか?」

一方「本当の目的はコレです」

垣根「わかりました」


とはいえ、垣根くんは悩みました。
成長を損なわせる方法なんて、垣根くんがシュミレーションしてきた解決案の中にはひとつも見つからなかったのです。


垣根「成長というのは、内面的な成長ですか?」

一方「ちがいます。外見的な成長です」

垣根「なるほど」

一方「もうわかったンですか?」

垣根「……」

一方「……」

垣根「すみません」

一方「いえ」


垣根くんは必死に頭を捻らせます。
ガキが成長しない方法――あぁ!と垣根くんは思わず叫びそうになりました。


一方「叫ばないでください」

垣根「すみません」

垣根「で、成長しない方法ですが」

一方「わかったンですか?」

垣根「はい」

一方「凄いですね」

垣根「ありがとうございます」

垣根「では早速説明しますが、成長の伝達を出している脳信号を乱すんです。幸いここは学園都市。能力を使えば一発でしょう」

一方「しかし」

垣根「はい」

一方「ガキを傷つけるのはちょっと」

垣根「そうですか」

一方「はい」





626 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:54:23.49 YN+42jEDO 6/8





二人の間には沈黙が漂ってしまいました。
垣根くんはゆっくりと息を吸って、またゆっくりと息を吐き出します。
垣根くんは一方通行を見据えました。


垣根「ここまでいろいろなことを言ってきましたが」

一方「はい」

垣根「やはりただ見守るだけではダメなのでしょうか?」

垣根「その成長を見守ることこそが、愛と呼べるのでは……ないでしょうか?」

最後は恥ずかしくなり、垣根くんの顔は真っ赤に染まっていました。
きっと触れられたくないのでしょう。
垣根くんは自分の顔を手のひらで隠します。
しかし一方通行はそんなことは気にしません。


一方「先生、真っ赤ですね」

垣根「……はい」

一方「自分でもクサいと思ったンですか?」

垣根「……はい」

一方「恥ずかしかったですもンね」

垣根「……そうですね」

一方「けれど心に響きました」

垣根「えっ」

一方「失っていた気持ちを取り戻せたような気分です」

垣根「えっ」

一方「俺はクソガキを守ると決めたンだ。例え、それがクソガキじゃなくなったとしても――打ち止めを、守ると」


一方通行はひとり語り始めます。
垣根くんは「あれ?こんなキャラだっけ」と些か一方通行のキャラに不安を覚えつつも、


垣根「そうですね」


とりあえず相づちを打っておきました。



627 : 垣根くんの相談室[] - 2012/01/17 06:54:57.03 YN+42jEDO 7/8






一方通行は去りました。
一方通行はとても良い笑顔でした。
垣根くんは思います。
これで良かったのかと。
けれど、と思い直します。
この先いろいろな人の相談に乗っていくうちに、わかっていくのだろう。
もちろん目的は情報収集です。
けれど、垣根くんは少し楽しかったのです。
誰かの相談に乗るということが。


トントン


おや、またお客さんがやって来たようです。


一方「あのォ」ガチャ


おわり



628 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2012/01/17 06:55:24.83 YN+42jEDO 8/8

おわり
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