382 : 一方通行と鏡の中の百合子ちゃん[saga] - 2012/02/26 18:33:10.73 gO1MH7/Mo 1/1614レスお借りします
捏造と妄想力の強い一方通行注意
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一方通行が鏡の中の自分を双子の姉と認識してたらおいしいな
と思ってこうなりました
一方「今日ね、色ンな人に囲まれちゃったの」
一方「えェ!?
大丈夫だった?」
一方「うン、僕は大丈夫だった。
だけどたくさんの人を傷つけちゃった」
一方「しょォがないよ、
それが君の能力だったンだから」
一方「うン、
それならしょォが……ないのかなァ」
一方「そォだよ、大丈夫、
私は君の味方だからね!」
一方「うン、ありがとう!」
一方「それじゃ、おやすみなさい」
一方「おやすみなさァい」
一方「…………」
一方「……バカみてェ」フッ
そうして僕は手鏡をしまう。
一方「久しぶり」
一方「久しぶり!
元気にしてた?」
一方「うン、でも最近実験が増えてきた」
一方「そっかァ、それは大変だね」
一方「うン、大変。
泣いちゃいそう」
一方「泣いても、いいよ?」
一方「でも僕、男の子だもン…」
一方「いいよ、私はお姉ちゃンだから。
お姉ちゃンの前では甘えてもいいンだよ」
一方「……ふ、ゥぐ、うェ、ふェェ、ふェェェェン……」ポロポロ
一方「よし、よし…
あ、ンっく、なンか、うェ、私も、もらい泣き…ふェェェン……」ポロポロ
一方「ェっぐ…ひっぐ…ふ、うゥゥ……」ボロボロ
一方「あ、ゥああ、ァあああああン……」ボロボロ
一方「…ふ、ゥう、ありが、と」
一方「大丈夫、私は、ずっと君の味方、だから。
双子だもン、ね」
一方「うン、双子だもンね。
おや、すみ、百合子」
一方「おやすみ、なさァい」
一方「…………」
一方「…………」ギュッ
そうして僕は手鏡を抱きしめる。
一方「今日、木原くンと喧嘩したの」
一方「え、どォして?」
一方「僕がそンな実験はイヤだ、って言ったらね」
一方「うンうン」
一方「僕の価値は実験なンだ、って言われた。
実験しなきゃ僕は生きてる意味ないンだって」
一方「そ、そンな事ないよ!」
一方「そォ、かな?」
一方「そォだよ!
君は存在するだけで充分価値があるンだよ」
一方「だと、いいなァ」
一方「……泣いても、いいよ?」
一方「ン、僕、男の子だから、がンばる」
一方「そっかァ、それなら私は応援してるね」
一方「うン、ありがとう、百合子」
一方「うン、ゆっくり休ンでね、おやすみなさい」
一方「おやすみィ」ギュッ
そうして僕は百合子を抱きしめる。
一方「僕ね、超能力者になったよ」
一方「本当!?
すごいね、頑張ったね、おめでとう!」
一方「えへへ、ありがとォ。
でもね、今以上にみンなが話しかけてくれなくなっちゃった」
一方「それは、ちょっと、嫌だね…」
一方「木原くンまでオドオドするよォになっちゃったの」
一方「え、あの木原くンが?」
一方「うン…」
一方「そっかァ…」
一方「でも、僕には百合子がいるもンな!」
一方「うン、大丈夫だよ、私はずっと君の味方だからね!」
一方「ありがとォ」
一方「それじゃ、おやすみなさァい」
一方「おやすみなさァい…」
そうして僕は自分達に毛布をかけた。
一方「最近、実験の頻度が変わってきたンだ」
一方「少なくなってきたの?」
一方「うン、なンか長期的に記録する実験しか残ってないンだって」
一方「そっかァ。
だから私と話すのも少なくなってきたンだね」
一方「いつも実験終わってからしか話さないもンね」
一方「ねー」
一方「でも、僕は百合子の事、大好きだから」
一方「私も君のことが大好きだよ、大丈夫だよ」
一方「ありがとう」
一方「いつも傍にいるから、安心してね」
一方「うン!」
一方「それじゃ、またね」
一方「うン、またね」
そうして僕は百合子をしまう。
一方「これからしばらく実験ないンだって」
一方「そうなンだ、よかったね!」
一方「うン、僕も研究所じゃなくて普通に寮に入ることになったンだ!」
一方「憧れの一人暮らし、ってやつ?」
一方「うン、これからは一人で暮らすンだ」
一方「私は応援、してるからね」
一方「うン、だから今まで、ありがとう」
一方「わかってる、それじゃ、バイバイ」
一方「大好きだよ」
一方「私も君のことが大好きだよ」
一方「今まで僕を支えてくれてありがとう、お姉ちゃン」
一方「当然のことをしたまでだよ」
一方「ありがとう、さよなら、百合子」
一方「さよォなら」
一方「…………」
一方「……ふ、ゥあ、ェっく、グスっ、うェェえン…」ポロポロ
一方「うェ、うわァァァンっ、あああああン……!」ボロボロ
そうして僕は手鏡をしまった。
もう彼女と会うことは二度と無いだろう。
僕はこれから一人で生きていかなければならない。
一方「……もォ二度と無いと思ってたンだけどな」
一方「だが、さっきチラッとガラスに映ったのは紛れも無く百合子だった」
一方「まァた馬鹿げた実験始めたからか?」
一方「バッカみてェ…」
一方「でも、それほど俺も限界なンだろォな」
一方「…………」
一方「百合子は引き出しの中にある」
一方「でも、一人で生きるって言った手前、ちょっとな」
一方「アー、複雑だが、そこら中に映るようになっても困るだろォし…」
一方「例えば人形共のゴーグルの中とか」
一方「…………」
一方「出すか」ガラッ
そうして俺は手鏡を取り出した。
一方「最近人形共の数が増えた」
一方「あァ、一度に戦う人数が?」
一方「そォだ」
一方「まァ、一人ずつやっていくのには限界があるもンね」
一方「勿論、シチュエーションとかは全部違うけどな」
一方「そォじゃないと実験の意味が無いしね」
一方「だな」
一方「うン」
一方「…………」
一方「……疲れてるなら寝た方がいいよ?」
一方「今はそンな気分じゃねェンだ」
一方「そっか、それなら私はずっとそばにいるね」
一方「悪いな」
一方「姉弟だもン、いいンだよ」
一方「ありがとう」
一方「いえいえ」
そうして俺は鏡に囲まれた部屋で立ち尽くす。
一方「さっきはなンで私を出さなかったの?」
一方「よく考えると実験中は危ないからな」
一方「そっかァ」
一方「おォ、怪我でもしたら困る」
一方「私にまで能力は及ばないもンね」
一方「アァ、だからこれからは実験中は俺が守ってやる」
一方「わァ、頼もしい!」
一方「……」
一方「ふふ、ほっぺた赤くなってるよ」
一方「オマエだって」
一方「え、えへへ」
一方「…ふン」
男「アイツ、何をしてるんだ?」
一方「それでさァ…」
男2「絶対ヤバイ奴だって、見てないふりしとけ」
一方「へェ…」
そうして俺達は会話を続ける。
一方「次から実験、外になるンだってよ」
一方「外かァ、人に見られるとちょっと厄介だね」
一方「だな、その時はどォにかする」
一方「うン、君は最強だからね!
敵無しだから大丈夫だよ!」
一方「まァな、どンな状況でもなンとかなるだろ」
一方「そォだね!」
芳川「…さっきから君は何をしているの?」
一方「姉と話してるだけだ」
芳川「あ、姉?」
一方「そォだ、そこにいるだろ」
芳川「……そうね、確かにいるわ」
一方「だろ?
話、終わったンなら帰らしてもらうぜ」
芳川「はいはい、それじゃあね」
一方「じゃァな」
芳川「…………」
芳川「最近妙に声が高くなったと思ったら、ねぇ」
芳川「…やっぱり甘いわね、私」
そうして俺は百合子の手をとり外へ出る。
一方「さっきなァ」
一方「なァに?」
一方「今日の実験外だったろ?」
一方「うン」
一方「超電磁砲が来た」
一方「え、あの?」
一方「おォ、あの第三位だ」
一方「それでどォしたの?」
一方「ちょっと遊ぼうかと思ったら、人形共に止められた」
一方「そォだったの、怪我はない?」
一方「大丈夫だ」
一方「それならよかった」
一方「どォも」
一方「……あ、コンビニ通り過ぎたよ」
一方「っと、危ねェ危ねェ」
そうして俺は鏡を買い足す事を心に決める。
一方「実験までちょいっと時間があるから話すか」
一方「うン、いいよ」
一方「アイツらも殺されるってェのになンか無いのかね」
一方「さァね、それは本人にしか分からないンじゃないかな」
一方「そォかねェ」
一方「そォだよ」
御坂妹「……それはもしかしてミサカの事を話しているのでしょうか?
とミサカは尋ねます」
一方「おォ、なンか無いのか?」
御坂妹「特には無いです、それがミサカの義務ですから。
それよりも、もうすぐ時間ですがよろしいでしょうか?
とミサカは暗に所定の位置に移動することを促します」
一方「オマエつっまンねェな」
一方「まァ、そういう物なンだよ、しょうがないよ」
一方「そォいうもンかねェ…
ンじゃ、またな」
一方「うン、また後でね」
御坂妹「これより第10032次実験を開始します」
そうして百合子は俺の胸に。
御坂「……救急……こっち……はや……」
「ガヤガヤ…」
「ガヤガヤガヤガヤ……」
一方「…………」
一方「……ハハッ」
一方「負けちまったぜ」
一方「俺、最強じゃなかったンだな」
一方「本当、今まで何してたンだろォな、俺」
一方「なンつゥか、笑いしか出てこねェぞ」ケタケタ
一方「…………」
一方「……俺が今まで見てきた世界って、狭かったンだなァ」
一方「俺より強い奴がいる、なンて考えたことも無かった」
一方「人形共にも、ちゃンと命がけで守ってくれるような奴らがいて」
一方「そいつらにとって俺は、悪者だった」
そうして俺は一人地面で笑う。
一方「アーちっくしょォ」
一方「おかしすぎて涙が出てきやがった」ポロポロ
一方「なァ、百合子…」
一方「百合子!?」ガバッ
一方「あ……」
一方「百合子…割れて…」
一方「…………」
一方「ああ、でも俺」
一方「今度こそオマエと話せなくなっても大丈夫だ」
一方「勿論、オマエがいたから俺はここまでこれた」
一方「まァ、色々めンどォな事もあったけどよ」
一方「俺の色ンな幻想をぶち殺してくれる相手に出会えた」
一方「そして俺の中の幻想は全て俺に突き付けられた」
一方「…………」
一方「だから、これからは前を向ける」
一方「もォ二度と会えねェけど、出来るさ」
一方「オマエは俺の心にいる、俺は一人じゃねェ」
一方「さっきの野郎は、俺にソレを気づかせてくれた」
一方「だから」
一方「これからは、別の形で、よろしくな」
一方「百合、子……」ポロポロ
そうして俺は百合子の残骸を抱きしめた。
彼女は俺の心の中にいるから、もう彼女を拒絶する事も、幻想にすがりつくこともない。
今日はいつもより星が綺麗に見える気がした
397 : 一方通行と鏡の中の百合子ちゃん[] - 2012/02/26 18:56:21.18 gO1MH7/Mo 16/16こちらの都合で投下に間が空きすぎました、ごめんなさい
以上です