36 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga] - 2012/04/22 18:06:16.37 HizLiWre0 1/11数レスお借りします。
前スレ>>830の設定でマイナーカプ注意。
【関連】
学園都市ベーカリー
http://toaruss.blog.jp/archives/1042673588.html
「じゃあ。今日も頑張って」
「おう、あんがとな。サークル遅れへんようにねー」
白い朝日を浴びて歩いていく背中を見送る。
角を曲がる直前でこっちを向いて振られた手にボクも笑顔を返した。
なんだかんだで週に2・3回は顔を出してくれる彼女だけど、朝から会えるのは珍しい。
休日の朝練様々やで。
「うん、今日は良い日やー」
イートインのテーブルセットを整えて、ブラインドを開けて。
店の奥からはとっとと戻って手伝えと相方の罵声が飛ぶ。
これが女の人ならご褒美なんやけど、残念ながらボクを呼ぶのは若干顔の怖い成人男性だ。
せめてショタなら……ッ!
「けど怒鳴ってる割に機嫌良さそうやな」
分からなくもない。
気候は穏やかで朝から暖かく、店内には新作のパンの香りが広がる。
それに通りには桜吹雪まで舞っているんやから。
~~ 学園都市ベーカリー2 ~~
・AM 8:00
カランカラン
親船「おはよう、青髪君」
青ピ「おわ、素甘センセ!? ご無沙汰しとりますー、って先生まで本名呼んでくれへんの?」
親船「担任含めみんな『青髪』呼びだったでしょう。……本当に店を持ったのね、職員室でも噂になってるわ」クス
青ピ「ホンマに? 嬉しくなっちゃうわ。もっともっと頑張らんとね」
親船「この前は災誤先生が来たらしいじゃない」
青ピ「うん。お昼の買出しで攻防を繰り広げてた先生にランチを提供するなんて、不思議な気分やったわ」ハハハ
親船「彼のオススメは確か……」
青ピ「こってり牛カルビパンと特盛カレーパンやね。素甘先生もコレにしときます?」
親船「いえ、一番ヘルシーなのをお願い」キリ
青ピ「了解ですー。じゃあモロヘイヤパンと……」ゴソゴソ
親船「すっかり板に付いてるのね。はい260円」チャリン
青ピ「おお計算速い、さっすが数学教師!」
親船「馬鹿言わないの。こんなの算数よ。まぁ元気にやっているようで良かったわ」ヒラヒラ
青ピ「おおきに! 今日もお仕事頑張ってくださいー」
・AM 9:50
?「わぁ、美味しそう……!」
青ピ「! いらっしゃいませー」タッタッタ
風斬「あ、中で食べれるんですね」キョロ
青ピ「うん、簡単な飲み物も用意しとります」
風斬「じゃあここで頂こうかな。先にパンを選んできますね」ニコ
青ピ(なんやドアベルが鳴らなかった気がしたけど……奥に居たからかねぇ?)
風斬「これと、温かい紅茶をお願いします」
青ピ「ほい。オニオントースト、メロンパンとドリンクで390円」
風斬「あ、これで」チャリン
青ピ「10円のお返しやね。紅茶は今すぐ? 食後?」
風斬「ありがとうございます、食後でお願いします」トテトテ
青ピ(小動物みたいな子やな)
風斬「うーん、美味しい!」モキュモキュ
青ピ「と、パン二個じゃあすぐ食べ終わってしまうな、紅茶入れんと」
風斬「こっちは……うん、甘過ぎなくてしっとりしてる」モグモグ
青ピ「♪~」トポポポ
風斬「はふ。ごちそうさまで……ッ、急に力場に揺らぎが……!」フッ
青ピ「よし、っと。お待ちd…………え?」
シーン
青ピ「え?」
・AM 10:00
青ピ「ボク、疲れとるんやろか……今度は確かにドアベルの音もしてないはず……」ゴシゴシ
カランカラン
青ピ「っとと、いらっしゃいま、せ……」
10032号「ほう、やはり食欲を刺激する香りが充満していますね、とミサカはネットワーク上の記憶と照らし合わせます」
13577号「実際に体験してみると空腹感もひとしおです、とミサカは音を立てそうなお腹に手を当てます」
10039号「上位個体が食べたのはパンダを模したものでしたね、とミサカはあえて声に出し確認しました」
19090号「中にはチョコクリームが入っていたはずです、とミサカは思い出したら唾液の分泌が止まらないです」
青ピ「」
13577号「そこの店員さん、パンダのパンはありますか、とミサカは問い掛けます」
10039号「パンダパン……」ププ
青ピ(四つ子? ドッペルゲンガー? 何かの能力? いずれにしても……)
19090号「わ、笑っている場合ではありません。お腹が空いて倒れそうです、とミサカは切実に訴えます」
10032号「聞いているのですか店員さん、とミサカは、え、何故急に手を掴むのかと、」ガシリ
青ピ「~~ッ天国や!!」
19090号「10032号に何をするのですか!? とミサカはあわわわわ」アタフタ
10039号「その手を早急に離してください、とミサカは武力行使も辞さない構えを示します」カチャカチャ
13577号「待ってください10039号、店内で銃器の使用は危険です。あくまで体術のみで事に当たるべきです、とミサカは冷静に状況を判断します」
青ピ「ちょ、待っ、体術とかボクもう! 密着するん? しちゃうん!?」
19090号「だめだこいつどうにもならない、とミサカはミサカは」アタフタ
10032号「上位個体の真似などしていないで助けてください! とミサカは叫びます!」
青ピ「小動物系巨乳幽霊っ娘の次は無表情クールの四つ子美少女なんて! 幸せやーーーー!!」
・AM 10:20
テッラ「店内でギャーギャー騒いでいたと思ったら、青髪ピアスが白い猿に拉致されていったのですが。何だったんですかね?」
カランカラン
ヴェント「…………」
テッラ「……いらっしゃいませ、と言うべきですかねー」
ヴェント「こんな異教徒の地で何やってるワケ? 『左方のテッラ』」
テッラ「貴女こそ、ここは大嫌いな科学の総本山ですよ? それにもう『左方』ではありませんし」
ヴェント「アックアは英国で王女と乳繰り合ってる。今なら戻っても制裁は無いわ」
テッラ「そうですか」
ヴェント「ねぇ。本当にどうしてこんなコトしてるの」
テッラ「…………。
アックアから命からがら逃げ出す
↓
潜伏したまま世界中を放浪
↓
橋の下で力尽き掛ける
↓
学園都市の学生に匿われる
↓
パン屋稼業の手伝い
↓
パンは世界を救う ←今ここ
みたいな感じですねー」
ヴェント「オイ突っ込み所しかないわよ! さらっと話すことじゃないし最後何があった!!」ガー!
テッラ「聞かれたから答えたまでですがね。こちらも質問させてもらいますが、どうしてこの街に? まさか私を訪ねるためだけとも思えませんが」
ヴェント「っ……! 大戦前に単独で攻め込んだ件の謝罪よ! 教皇に言われなかったらこんなトコ来ないわ!」キッ
テッラ「科学サイドとは十字教の主要宗派が和約を結びましたからねー。政治に付き合うのも面倒なことです」
ヴェント「何、それが帰らない理由?」
テッラ「そういう訳ではないですがね。アックアは英国、フィアンマは世界のどこか。なら私がここでパンを焼いていても問題無いでしょう」
ヴェント「…………そう。邪魔したわね。時間も押してるから、行くわ」フイ
テッラ「あ、待ってください。手土産にどうぞ」ゴソゴソ
ヴェント「日本円は持ってないの」
テッラ「サービスですよ」ニコニコ
ヴェント「ふぅん……、なら食べてあげる。…………元気でやりなさいよ」
テッラ「えぇ、貴女も」
カランカラン
・AM 12:10
カランカラン
青ピ「たーだいまー」ボロボロ
テッラ「このクソ忙しい時間までどこをほっつき歩いてたんですか」イラ
青ピ「酷いわテッラさん、ちょっとはこの惨状を心配したってよ。こっちは未知の扉を開きかけてたっちゅーに」
テッラ「馬鹿言ってないで早く清潔な服に着替えてきてくださいね」
アノー オレンジジュース マダデスカー?
テッラ「あぁスミマセンねー」スタスタ
青ピ「華奢なアルビノっ娘にボコられるとか、目覚めてしまいそうやったわ。っと着替え着替え」
カランカラン
御坂「確かに良さそうなお店ね」
佐天「でしょう!? さらにこのお店には特別割引があって――」
青ピ「っぎゃーー、さっきのクール美少女!? もう手ぇ握らんから許してぇな!!」ガクブル
初春「御坂さん、お知り合いですか?」
御坂「え、ううん。初対面のはずだけど……」
黒子「お姉様の手を取るなんて羨まけしからんですの!!」ビシ!
青ピ「ちょ、マジで勘弁やで! 罰は十分受けたやないの!」
黒子「問答無用ですのぉぉ!!」
テッラ「いい加減にしてくれますかねぇぇええ!?」
御坂「さっきはごめんなさいね、ツレが騒いじゃって」
青ピ「いやーこっちこそゴメンな。お客様に向かって叫んだり怒鳴ったりしてまって」ペコリ
初春「大丈夫ですよ。怒られたのだって、白井さんがうるさかったせいですし」
白井「」プスプス
青ピ「そっちの二人はお得意さんやね。今日はドリンクサービスやからゆっくりしてって」コトコト
佐天「なんだか申し訳ないですね。やっぱりここは……」
初春「や、止めてください佐天さん。サービスしてくれたんですから、これ以上は……」
佐天「お礼が必要だよね! ていっ☆」バサァ
初春「っきゃぁぁぁああああ!?(小声)」
青ピ「」ブフォッ
御坂「何やってるのよ……」
佐天「いえ、以前お店の前で初春のスカート捲ったら『えぇもん見せてもらった!』って割引してもらいまして」
白井「風紀委員ですの! 割引をダシに下着を見せるよう強要するなど言語道断! ブタ箱にぶち込んで差し上げますの!(小声)」キリ
ンー? イマ ジャッジメントッテ キコエナカッタ?
テンナイダシ キノセイデショ
青ピ「ちょ、変な事言わんといてや! 客商売は評判第一なんやで!(小声)」
佐天「あー……」フイ
御坂「どうしたの? 急に目を逸らして」
佐天「いや、ウチの学校では既に、パンチラ割引のあるお店として噂が……」
初春「佐天さん得意気に触れ回ってましたもんね」ハァ
青ピ「勘弁やで! ……あれ、でもそしたら女子中学生がたくさんパンチラしに来てくれるん?」
白井「やはり所詮殿方なんて皆類人猿ですの……」ギロ
御坂「根も葉も無い噂って訳じゃないのが一番の問題ね……」ハァ
佐天「コレが無ければ良い人だし、パンもみんな美味しいんですけどね……」ハァ
・PM 2:50
カランカラン
インデックス「ふおぉ! とっても良い匂いなんだよ!」キラキラ
青ピ「いらっしゃいませー、ってインデックスちゃん、カミやんは一緒じゃないん?」
インデックス「うーん。とうま、頼んでも連れて来てくれないから一人で来たんだよ」
青ピ「頼んでも? インデックスちゃんをボクに会わせまいとは、カミやん憎し!」
インデックス「そういうことじゃないと思うけど……ここのレイアウトってあなたが決めたの?」
青ピ「うん。相方と二人で考えたんよ」
インデックス「多分、それでかな」
青ピ「?」
インデックス(商品を置いてるところは人が流れやすく、奥のテーブルのところは人が留まりやすくなってる。効果としてはおまじない程度だけど……れっきとした魔術かも)
青ピ「まあえぇや、カミやんは後で締めたるし。ゆっくり選んでってな」
インデックス「……うん!」パタパタ
青ピ「…………おぉー……積んどる積んどる」
インデックス「今日はこれで我慢しておこうと思うんだよ」ドンッ!
青ピ「セーブしてこれかいな……」
インデックス「お金、これで足りる?」ピラ
青ピ「大丈夫やね。まぁ足りなくてもカミやんにツケとくし。お釣り30円な」チャリン
インデックス「ありがとう、……ってレジ脇に聖書まである!?」
青ピ「あぁ、もう一人のスタッフが十字教徒なんよ。シスターさんとしては気になる?」
インデックス「うーん、私とは宗派が違うみたいだけどね。美味しければもーまんたいかも! じゃあ!」ノシ
青ピ「おおきにー」ノシ
・PM 5:40
カランカラン
黄泉川「よー、元気してるじゃん?」
青ピ「黄泉川先生!? 何や、今日は先生がぎょうさん来る日やね」
黄泉川「あー、親船先生とそんな話をしてな。寄りたくなったじゃんよ」
鉄装「黄泉川さーん、早くしないと訓練遅れちゃいますよう」ヒョコ
黄泉川「まぁそう言うなって。こいつ、ウチの高校の卒業生なんだ」
青ピ「いらっしゃいませー。お姉さんも警備員なん?」
鉄装「お、おね……そうです。鉄装と言いまして、黄泉川さんとは警備員の同僚です」
青ピ「今後ともよろしゅう頼みますー。ボクは」
黄泉川「青髪ピアス」
青ピ「そうそう、略して青ピ……って酷いですよ先生! どうして誰も本名で呼んでくれんの!」クワ
鉄装「青髪、ピアス君ですか。じゃあこちらのミックスサンドをください」
青ピ「聞いとらへん……。210円ですー」ゴソゴソ
黄泉川「私はこれとこれ、お願いするじゃん」
青ピ「ほいほい、カツサンドと鮭クリームパンで360円」
黄泉川「はいよ、っと。それにしても良かったじゃんよ」チャリン
青ピ「?」
黄泉川「高校の頃は三人揃って問題児だったもんな。もう卒業して一年、自分の進路で楽しくやってるみたいで良かった」
青ピ「先生っ…………、ボク問題児やなかったですよ!?」
黄泉川「はっはっは。別に悪い意味じゃないじゃんよー。小萌先生のトコにもまた顔を出してやるといいじゃん」ノシ
鉄装「あぁっ、待ってください~」パタパタ
青ピ「はぁー。また来たってくださいー」ノシ
46 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga] - 2012/04/22 18:14:05.17 HizLiWre0 11/11以上です。
こういう日常系(?)ってどう締めたら良いか分からなくなってしまう。
まとめサイトでとある短編を読んでから左前が俺のジャスティス。
というかテッラさんSSはもっと増えるべき。
同じような状態になったフレンダがあんなに人気あるんだから、偶像の理論でテッラさんも同じくらい愛されるべき。