708 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage saga] - 2012/08/07 02:21:39.75 HyTIzpWAO 1/8



上条さんと出会わず、イタリアで逃げていたインデックスさんのお話。
再構成(?)モノ。

カップリングとしては右方目録です。


6レス程いただきます。




元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-37冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1334385245/
709 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:23:08.97 HyTIzpWAO 2/8



夏のイタリアの、バチカン市国よりそう遠くない、とある街で。
右方のフィアンマは、裏路地の、つまり、建物と建物の間で、暇を潰して…いや、強制的に潰せられていた。
どのような状況か。
動物に好かれやすい彼は今現在野良猫に囲まれすりつかれ、一歩も踏み出せないままでいる。
流石に野良猫を蹴飛ばしてまで帰る程、彼は横暴ではない。
そういう訳でこんな状態だ。
その尊大な口調や態度、容赦のなさから勘違いされがちだが、彼自身はそんなに冷酷でもなければ、猟奇趣味のある人間でもなく。
必要な事を、ただ淡々とこなしているだけ。
一切の情を挟まず、問題に対して計算し、答えを出すだけ。
そしてその答えを躊躇なく行う。
だからこそ薄気味悪い、歪んでいるなどと言われがちな訳だが。

フィアンマ「…魚でも何でもやるから、いい加減一旦離れろ」

人語が通じるかどうかは不明なものの、面倒臭そうな声で、青年は野良猫達を窘める。
しかし、人語が通じる事はなく。
野良猫達は一層すりすりとフィアンマの足下で甘えるばかり。
当然の事ながら、猫達はもふもふとした毛が体表面を覆っている。

710 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:23:36.30 HyTIzpWAO 3/8

そんな綿の塊のような、加えて体温のある猫達は暑苦しく。
『聖なる右』で払うぞ、なんて。
右方のフィアンマも所詮は人間、暑さによりやや短慮になってしまっても、致し方ない訳である。この猫畜生共、などという汚い言葉ではないものの、それに近い事を考えながら憂鬱そうな表情でフィアンマが空を見上げたところで。



白くて可憐な少女が、唐突に降ってきた。




711 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:24:47.50 HyTIzpWAO 4/8


インデックス「お腹いっぱいなんだよ、いい人だね!」

フィアンマ「……」

普段の居住地としている聖ピエトロ大聖堂ではなく、殆ど使用していないやや狭めな、フィアンマの自宅で。
頭上から落ちてきた少女を見事姫抱きにしたフィアンマは、その少女に強請られるまま食事を与えていた。
インデックスの食事が終わり。
いい人、という評価を受けたフィアンマは、怠そうに水を飲んでいた。
いかんせん暑いので、あまり人の話を聞いていない。
これではいかんな、と小さくため息をつき、フィアンマはインデックスを見つめる。
独特で真っ白な修道服には、見覚えがあった。
即ち、『歩く教会』。


フィアンマ「…イギリス清教の『禁書目録』、か」

インデックス「!? ど、どうして分かったの?」

まさか自分を狙う魔術師では、とびくつくインデックスの様子を眺め、フィアンマはくすりと笑った。

フィアンマ「修道服から予想したまでだ」

インデックス「…」

本当かな、と言わんばかりの視線に、フィアンマは楽しそうに笑った。
自分の築いた熱を遮断する術式が効いてきた為に涼しくなってきた事に気が付かないのか、と。

712 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:25:15.40 HyTIzpWAO 5/8

インデックスは辺りを見回した後、壁に書かれた魔術記号を見、目を瞬かせた。

インデックス(あからさまに魔術師かも、でもご飯くれたいい人だし…)

警戒と感謝との間で揺れ動くインデックスの様子を観察し、フィアンマはゆるく首を横に振った。

フィアンマ「お前を狙っている訳ではないよ。そうならば、こうして呑気に食事など振る舞うものか」

インデックス「そ、それもそうだね! …ええと、一応自己紹介しておくね。私はイギリス清教第零聖堂区『必要悪の教会(ネセサリウス)』のシスター及び魔術師なんだよ。魔道書図書館としての正式名称は『Index-Librorum-Prohibitorum(禁書目録)』、インデックスで良いかも」

フィアンマ「そうか」


聖ピエトロ大聖堂の地下書庫に招いた事があったはず、と思い出したものの、フィアンマは何も言わなかった。

フィアンマ「俺様は…ミハイル=フェリーチ。十字教系の、フリーの魔術師だ」

フィアンマの嘘。
しかし、あまりにも堂々した様子の為、インデックスは疑わずに頷いた。

713 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:25:48.83 HyTIzpWAO 6/8


インデックス「ミハイルだね、しっかり覚えたんだよ!」

フィアンマ「それで、何が原因で落ちてきたんだ」

インデックスは口ごもり、少女らしくもじもじとした後に、おずおずと答えた。

インデックス「飛び移るのに失敗しちゃったんだよ」

フィアンマ「追われているのか?」

インデックス「うん、二人の魔術師に。…でも、貴方を巻き込む訳にはいかないから…そろそろ行くね。本当にご飯美味しかったんだよ、ありがとう」

はっと思い出したかのように、インデックスは立ち上がる。

714 : 右方「野良猫を拾った」禁書「猫じゃないんだよ!」[sage saga] - 2012/08/07 02:26:36.97 HyTIzpWAO 7/8

どこか取り繕ったような綺麗過ぎる笑顔は、フィアンマの嫌う、弱者の強がりのソレだった。

フィアンマ「待て」

インデックス「?」

鋭い声に、インデックスはきょとんとしながら振り返る。
フィアンマは立ち上がって一歩踏み込み、インデックスの背後へ一瞬にして距離を詰め、少しだけ計算を誤ってつんのめり、慌ててインデックスを抱きしめバランスをとった。
挨拶のそれとは違い突然の抱擁に、びく、と羞恥で固まるインデックスの白いフードを見つめ、フィアンマは自らの力量に基づいた余裕たっぷりに、機嫌良く言い放った。


フィアンマ「丁度、白い猫を飼いたいと思っていたところなんだ。お前を狙う魔術師達には悪いが、適当にご退場いただいて…お前にはしばらく、ここに居てもらおうか」


715 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage saga] - 2012/08/07 02:27:03.46 HyTIzpWAO 8/8


以上で投下終了です。
再構成をやり切るには既に過去ログに素晴らしいものがありますし、最後まで書ける気がしないので諦めました。