136 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:44:20.50 9gYzgjlco 1/8

ちょっくらレス頂きます
孤独のグルメ×一方通行

元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-39冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1363523022/
137 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:44:47.06 9gYzgjlco 2/8

とにかく腹が減っていた。

俺は絶対能力進化実験の被験者となるべく、寮から遠く離れた馴染みのない学区に来ていたが、天候が指定の条件から外れたため実験は中止、全くの無駄足を食わされる事になった。



おまけに俺は道に迷っちまったらしい。

追い打ちをかけるように雨脚が強くなる。

能力による反射があるから濡れることはねェが、ウザいもンはウザい。



(まいったねェ…ここは一体どこだ?)

(…いや、焦るな。俺はただ腹が減ってるだけなンだよ)

(…腹が減って死にそうだ)



いくら学園都市最強の能力者であろうと、飯を食わずに生きていく事は不可能に近い。

(無敵になることで腹が減らなくなるのなら、今すぐ無敵になりてェ…)



(…っと、行き止まりか。)

(しっかしよォ、どうなってンだこの学区は…GPSも役に立たねェし、同じような路地がずっと続いてやがると来たもンだ)



(クソッ…腹が減った)

(この際何でもいい、メシだ)

(メシ屋…メシ屋はねェか…)

138 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:45:23.95 9gYzgjlco 3/8

(!)

(随分とくたびれた店だな…)

(この際何でもいい、ここにするか)



ガラガラ

「っしゃあ~い」

「……」

ドサッ



(オイオイここは本当に学園都市か?)

(外観からしてレトロだとは思っちゃいたが、内装もこれまた輪を掛けてやがる…)

(メニューは…と。第七学区じゃまず見ねェ料理ばっかだなァ)



「豚肉炒めとライス」

「はい」

(俺はできるだけ物怖じせずハッキリという)

(注文を聞き返されンのは面倒だ)



「それとおしンこ」

「おしんこ何にします?」

139 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:47:15.21 9gYzgjlco 4/8

「何があるンだ?」

「えーと、ナスとキュウリとハクサイと…」

「ナスにしてくれ」

(いいねェ…この店員のおばちゃンといい、店の佇まいといい、作り物臭ェ感じがしねェ)

(こういう店の漬物ってのは恐らく自家製なンだろォな)



「あァ…あと豚汁ひとつ」



(注文しちまうとヒマだな…店の中の様子でも探ってみるか)



(運搬作業員…か?帽子をかぶった奴がヤケに多いな)

(そォいやこの学区は外壁に隣接してたか)

(恐らく大半は"外"の連中だろォな)

(成る程…それでこンな店があるわけだ)



「いらっしゃい、食べてくの?」

「持ち帰り。ライスと豚汁」



(ほォ…持ち帰り。ファミレスでもそれが出来れば世話ねェンだがな)



「おーい、豚汁2つとおしんこ2つ。えっと…ハクサイとキュウリね」

「はーい、お持ち帰りね」



(多いンだなァ持ち帰り…しかしライス無しってことは、自分の家ででも炊くのか?)

140 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:48:07.17 9gYzgjlco 5/8

「はーい、おまちどうさま」コト

(………)

(水じゃなくて麦茶か。なかなか気が効いてるじゃねェか)

(ライスの量が多いな)

(この豚肉炒めってヤツは野菜炒めみたいなもンかと思ってたが…)

(豚バラだけを炒めたものが山盛り、横に少量のキャベツの千切り…)

(皿に付いてるこのカラシはどォ使うのか謎だな)

(豚汁の具は豚肉と豆腐…シンプルだな。そしてこれも量が多い)

(このおしンこ、ナスまるまる一つ分はありそォだ)



(しかし…)

(豚肉炒めと豚汁でブタがダブっちまったなァ)

(それに豚汁のこの量…)

(成る程、この店は豚汁とライスで十分なンだな)



「なかなかイケるじゃねェか」ハフハフズズゥ

(このおしンこは正解だった)

(漬かり具合も丁度イイ)

(ブタづくしの中で爽やかな存在だ)

141 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:49:29.95 9gYzgjlco 6/8

「おばさん、ウインナ炒めとライス」

「はーい」



(ハッ…家族だの普通の暮らしだの、そンなもンとは一切な無縁な人生送ってきたが)

(こういうあったかい雰囲気も嫌いじゃねェな…)



(しかし結局、この中で食ってる客は)

(どっちかっつゥと酒を飲みに来てる連中が多いわけだ)

(ちっとばかし勿体ねェ気もするな)



「ふゥ…悪くは無かったなァ」



「勘定してくれ」

「はーい、えーと…800円です」

「ごちそォさま」



「ありがとうございましたー」

俺はゆったりと店を出る。腹ははちきれそうだ…いくら何でも食い過ぎた



スタスタ...クルッ

(店の軒先から店員と客が覗いてやがる…)





恐らく、俺はあの店に不釣り合いな客だったンだろォな…

142 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:49:59.80 9gYzgjlco 7/8

いつの間にか雨は止んでいた。



「おーい、ヤスさんいるかー」

(さっきの店で見た客だな)

(手に持ってる袋は"お持ち帰り"か)



「おう、ヤマさん」

「いっしょにメシ食うべえよぉ」





ようやく大きな通りに出た…GPSも使えそうだ。

タクシーでも拾うか。偶には能力を使わない日があってもいいだろう。

そう思った。

俺は得体の知れない奇妙な満足感を味わっていた。

143 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage] - 2013/04/13 20:50:25.45 9gYzgjlco 8/8

以上です
一方さんって一人で焼肉屋に行って淡々と食べてそうなイメージがある