987 : 公文生[sage] - 2013/09/07 22:40:39.73 sBGi0B8M0 1/63レス程度いただきます
「キャァーー!離して!!」
「へへ、叫んだって誰もこねえよ」
「あんま可愛くねぇな…まあいいか、おい、さっさとやるぞ」
「いやぁぁぁ……」
「泣いてんのかコイツ?」
「なん…で、私ばっかり…こんな不幸な目に………」
人間には二つの種類がある
「ツイている人間」と「ツイていない人間」
私はツイていない方の人間だと思う
「離して!離してよ!」
そして私は、今日もツイていなかった
「げへへ…だから、意味がねぇって…」
「あれ、お宅誰?」
でも、その日の私はツイていた
いや、正確には私はツイていなかったんだ。でも
「あれ、可愛い子がいる。全く今日も上条さんはあいかわらずツイてるな」
そんな不幸な私の目の前に、一人の男が現れた
「あぁ?てめえ誰だよ!」
「上条当麻。別名、ラッキーボーイ」
口に食べかけのアイスを加えたその男は、中肉中背のウニみたいなツンツン頭で私の事を見ながら口を開いた
「その子、お宅の彼女さん?」
「だったらどうした!?」
「助けてください!!」
一心不乱に叫んだ
地獄に降りて来た一筋の蜘蛛の糸
私はそれを全力で掴んだ
「その反応、どうやら違うみたいだな」
そして彼は、幸運なその男は私を助けようとした
「チッ……おい、お前ら」
「やるのか?」
「仕方ねぇ、見られたんだ」
「助けてって事は、これで助ければ女の子の高感度アップ…ツイてるな……それに対してお前らは俺に倒される…ツイてねぇーな」
「はぁ?何言って…」
「だって、こんなツイてる俺を敵にまわしちまったんだからよ」
そいつの第一印象は「最悪」の一言だった
「あ?何言ってんだコイツ」
「やっちまえ!」
「やめとけ、運気が違う」
そう言って彼はクラウチングスタートの体制に入った
「テメェ…!」
「よーい、ドン!」
そう言って、駆け出した
信じられないスピードで、彼は不良との距離を詰めて行く
「へへへ、こっちにはエモノがあんだよ!」
そう言って、チンピラの内の一人が一直線に進んでくる男にバットを振った
そして、鈍い音と共に男が振っとぶ
はずだった
「うわっと!」
その瞬間、彼は転んだ。
ど派手にぐるんと一回転してちょうど前転のような形になった
バットは空振り、チンピラはその所為で体制を崩す
「何だか知らねーが、隙あり!」
男はその隙を逃さずにチンピラの腹に重い一撃を叩き込む
事切きれたようにその場に倒れこむチンピラ
「ほら、ぼさっとしてるとやっちまうぜ!」
「そんな事よりアイス食おうぜ!」
食べていたアイスを二人目のチンピラの顔に投げる
と同時に飛び蹴り、後ろに立っていた男も巻き込んで一気に二人を倒す
「ほい、こいつで全員か?」
「……え?」
強い。
突如現れたこの男は驚くほど強かった
一言で表すなら強運で凶運。何と言うか、いろんな意味でツイている男だった
「ふぅ、それじゃ。上条さんは忙しいのでこれで」
「あ、はい…」
これが、すべての始まり。
コイツと会わなければこんな事は無かったし、こんな事はあり得なかった
だけど、それでも良かった。私はツイていた
だって生まれて始めて本当に「ツイている人間」に合う事が出来たから
「お、アイス当たりだ」
『とある幸運な上条当麻』
幸と不幸が交差する時、物語は始まる
つづかない
992 : 公文生[sage] - 2013/09/07 22:51:05.89 sBGi0B8M0 6/6投稿終わり
3レスと言ったのに4レス使ってしまいすいませんでした
お目汚し失礼致しました