566 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga] - 2014/07/26 23:21:58.85 A3oNcGWd0 1/8

超電磁砲&一方通行発売記念に計6レス置いていきます。コミックスのネタバレは一切ありません。

同じテーマで上←琴とカプなし番外通行止めの2本立て。
多分原作の次の夏ですがギャグなので細かいことは気にしない方向で。


元スレ
▽【禁書目録】「とあるシリーズSS総合スレ」-40冊目-【超電磁砲】
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379543420/
567 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(SSL)[sage saga] - 2014/07/26 23:22:32.47 A3oNcGWd0 2/8


――第七学区 公園――


上条「あっぢぃー……窓開けた部屋に寝てるインデックスが無事なのに俺だけ蚊に食われるし……」ガリガリ

上条「久々に補習が無いと思ったら食料が尽きてて買い出しに出る羽目に……今日も満員御礼、不幸だー」

美琴「あっ……、ぐ、偶然じゃない! なーに疲れた顔して歩いてんの」タッタッ

上条「スーパー。買い出し。俺、急ぐ」メソラシ

美琴「暑いのに面倒臭いのと出くわしたみたいな反応すんじゃないわよコノヤロウ」

上条「察してくれ……出掛けに飲んできた学園都市の美味しい(水道)水も蒸発しきって限界なんだよ……」

美琴「えー、確かに暑いけど言うほどじゃなくない? 育ち盛りの高校生がへばるんじゃないっての」

上条「何でそんなに元気なんだ……」

美琴「嗜みよ、た・し・な・み。どんなに暑かろうとみっともない姿は見せるべからず、
   まして勝手に噂されてる女子校の内情みたいに制服をはしたなく着崩すなんて常盤台の恥……って煩いのよ。黒子が」

上条「噂されてる内情? あー、男の目が無いからってブラウスはだけたりとか、スカートの下に短パンを……」チラ

美琴「どこ見とんじゃコラ! つーかアンタもそんな風に思ってたわけね!?」バチッ

上条「っと危ねぇ! ネットとかの一般的な噂だって、頼むから今日は止めて干からびて死んじゃう」パキン

美琴「ふー、ふー、……ホント覇気がないわね。そ、そうだ、ちょっとそこの喫茶店でも付き合いなさいよ。
   よく知らないけど特売って夕方なんでしょ? 涼しいところで時間潰して行った方が良いんじゃない? とか……」

上条「俺にそんな金銭的余裕があるとお思いか、いや思うまい。つかサ店に入る金があるなら自販機で手軽に水分補給してるだろーが……」

美琴「だーーーっ! 私が呼び止めたせいで熱中症になられても寝覚め悪いしドリンクくらいなら奢るってのよ!
   いいからとっとと来る!!」グイッ

上条「え、っちょ、」ズルズル



568 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[sage saga] - 2014/07/26 23:23:20.74 A3oNcGWd0 3/8


――喫茶店――


上条「あぁ、涼しい、生き返る……」

美琴「ちょっと店員さん来てるってば。あ、私はアイスレモンティーで」

上条「えーっと…………ウーロン茶で」ジー

店員「かしこまりました」ペコリ スタスタ

美琴「……わざわざ一番安いの選ばなくても良いのに。せっかく美琴センセーの奢りなんだからさ」

上条「いや、付いてきてなんだけど流石に奢らせるわけにはいかねえよ」

美琴「暑い中呼び止めたお詫びみたいなものって言ったじゃない」

上条「つってもなー。さっきは暑さで頭やられてたけど、冷静に考えるとあのまま歩いてたらマジで危なかっただろ。
   むしろ無理にでもここに引っ張り込んでもらって助かったと言えなくもないし」

美琴「言えなくもないってどういうことよっ、フツーに感謝できんのか!」パチッ

上条「だー!! スミマセン御坂様のおかげで不幸回避できました! つかここ店内!!!」パキン

美琴(う……く、ホントに今日は暑さで参ってるわけ? コイツ妙に素直なんだけど……)


店員「お待たせいたしました、アイスレモンティーとウーロン茶です。こちらのシロップをどうぞ」コト

御坂「あ、シロップは大丈夫です」

店員「失礼いたしました。ごゆっくりどうぞ」スッ

上条「ふー。いただきまーす、と」ゴクゴク

美琴(うー。勢いで連れてきたものの夕方までどーしようかしら)チュー

上条(さっきから御坂黙りっぱなしなんだが……気まずい)

美琴(っていうか喫茶店で二人きり向かい合ってる状況ってどうなの? 何話したら良いの!?)チュー!

上条(うあ、蚊に食われたとこが痒くなってきた……。ん? そういえば)ジー

美琴「……な、何? どうしたの?」

上条「御坂は腕きれいだよな……」

美琴「は、へ? アアアアンタ急に変なこと言ってるの!!??」ボフン

上条「変なことって、別に深い意味はねえけど」

美琴「ここ店内っつったのはアンタでしょうが! う、腕、とか……変態みたいなこと言わないでよ!」カァァァ

上条「? 何で俺が変態なんだよ。……失礼だろうしジロジロ見たりはしねえけど、多分脚とかもきれいなんだろうな」

美琴「あ、脚、私のっ……! ちょっと待って、『とか』って何!? アンタ一体何を想像して……っ!!」グルグル

上条「いや、別に特定のどこっつーか……全身?」

美琴「ぜんし…………ふ、ふにゃー」バチバチバチバチ!!

上条「のわぁぁぁああああ!! 何故に!!??」パキン!



569 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[sage saga] - 2014/07/26 23:24:07.11 A3oNcGWd0 4/8


美琴「……つまり?」

上条「ハイ。常に発してる電磁波の恩恵で、蚊などとは無縁なんだろーなー、と」ボロボロ

美琴「へぇえ、『きれい』ってのは虫刺されが無いって意味、と……紛らわしいんじゃ馬鹿ッッ!!!」バチィッ

上条「スミマセンもう許してください店員さんガン見してるんでホントスミマセン」パキン

美琴「無駄に消耗したわ……。大体良いことばっかじゃないんだから。知ってるでしょ、小動物の類には軒並み逃げられるし」

上条「そういや妹の方も猫に逃げられるって言ってたもんな」

美琴「そ・う・ね! だったらあの子達も『きれい』なんじゃないの!」

上条(え、今のは何が地雷だったの……?)

美琴「はー……。それにしても電撃使いのAIM拡散力場のこととかよく覚えてたわね」

上条「う、地味に馬鹿にしてねえか? ……人間は何も感じないのに動物は嫌がるってのががよく分かんなくてなー、引っ掛かってたっつーか。
   動物の方が感覚が鋭いからだっけ?」

美琴「概ねそう。相手にもよるけど、体の大きさも結構関係するわ。あと飛ぶ虫だと羽の振動と干渉して不快だって話よ」

上条「やっぱり羨ましいなソレ。仮に能力が発現しても打ち消されちまうだろうけど、もし使えるなら俺も電撃使いが良いな」

美琴「そ、そう?」テレ

上条「ウチのエアコン壊れてるから暑いだろ? 窓開けるしかないだろ? 網戸に何故か空いてた穴から蚊が大量に侵入してくるだろ……?」

美琴「そ、そう……」ヒキ

上条「AIMってことは常時ガードだもんなー。そういえば、他の人の周りにも電磁波展開したりできんのか?」

美琴「無意識には無理だけど、電磁波を発生させることはできるわね。電撃使いの能力に含まれるものだし」

上条「ってことは御坂と一緒にいれば痒みと無縁の生活が送れる……?」シンケン

美琴「ふあ!? って人を蚊取り線香みたいに言うなっ!」カァ

上条「はは、悪ぃ悪ぃ。しかし流石に器用なもんだよな」

美琴(とはいえ……うーん、人体に害や不快感がないレベルの電磁波を発生させるよりは……、
   直接身体に微弱な電流を通して人体が元々発している電磁波を調整した方が早い、かな?)ブツブツ

上条「おい、待てって、そんなに怒らなくても――」

美琴(あ、駄目か。コイツの場合全身にどうこうする系の能力は打ち消しちゃうんだった。
   ってどーしてコイツ前提で考えてんのよ!! いいい一緒にいればとか恥ずかしいこと言うからッ!!)ブンブン!

上条「み、御坂様――?」

美琴(ってかわざわざ電磁波を発生させなくても、私のAIMの範囲内にいれば良いんじゃない。それなら無害だし、消えるのも右手の周りだけだし。
   動物とかに影響するのは私の身体からだいたい三十センチくらいだから、コイツの全身をガードするには……あれ?)ピタ

上条「なあ、まさか具合でも悪いんじゃ――」


美琴「…………………………ふにゃー……」バチバチバチバチ!!

上条「だから何でぇぇぇぇえええええ!!??」パキン!



570 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[sage saga] - 2014/07/26 23:24:47.68 A3oNcGWd0 5/8


――黄泉川家 リビング――


打止「あ、おはよーあなた。今日も重役起床だねってミサカはミサカは早起きの重要性を仄めかしてみたり」

一方「はよォ」フラー

番外「ぎゃっははは、何それひでークマ! また夜な夜な面白いことに首突っ込んでんの? ミサカにも暴れさせろよー」

打止「!? 危ないことしたらダメなんだからね! 番外個体も夜遊びは控えめに! ってミサカはミサカは姉として忠告してみる!」

一方「うるせェ……つかクマはオマエが言うな」バフン

番外「お、そこのちっこい姉(笑)はともかくミサカの前でソファに突っ伏すとかナメてるね。むしろ誘ってるね? 好きなだけ嫌がらせしろってポーズだね?
   よろしいならば戦争だ、とりあえずデザートのゼリーはミサカが頂いた」

打止「待って、この人が食べないんならそのゼリーはミサカの、じゃなくて誰が(笑)か! ってミサカはミサカは抗議してみる――
   ん? この人の首のとこに、赤い、アザ……?」ジィ

番外「え、ちょっと見せて……。ぶひゃっ、何だコレ! なーんだコレ!
   やぁん、そりゃ上位個体の前じゃ言えないよねぇ。夜の間お盛んにナニしてたかなんてさぁ」ギャハハ

一方「チッ……見ンじゃねェよ」

打止「どういうこと、怪我とかじゃないの? ってミサカはミサカはネットワークを駆使してアザの正体を検索してみる。
   ――なになに、学園都市内の一九〇九〇号によると、首筋の赤いアザは…………って何コレぇ!?」ボフン

番外「あーあ、ほらほらあなたがそんな恥ずかしいもの晒してるから大事なお子さんが大人の階段上っちゃったよ?」

打止「ちょっとぉぉ! あなたってばユリコちゃんだったの!? ってミサカはミサカは驚愕してみたり!
   っていうか相手は誰!? どこぞの馬の骨にウチのユリコはやらないんだから!」

一方「オイこら。誰が百合子ちゃンだよ、つゥかオマエらが想像してるよォなもンじゃねェ」ビシ

打止「ふぎゃ」

番外「へぇえ? 第一位はミサカ達がナニを想像してると思ったのかにゃー? ん? ん?」

一方「うっぜェ」

打止「え、きすまーくじゃないの? ってミサカはミサカは首を傾げてみる」

番外「そーだよ、情事の名残りじゃないんならコレが何なのか言ってみ? ぷふっ、どーせもっと恥ずかしいものなんだろー?」

一方「チッ……」



571 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[sage saga] - 2014/07/26 23:25:22.75 A3oNcGWd0 6/8


打止「へ、蚊に食われた、跡……?」

番外「~~っ、~~~~っ!! 学園都市第一位が虫刺され! だっせぇぇぇぇえええええ!」

一方「もォ黙れよオマエ。窓から捨てンぞ」イライラ

番外「ごっめんねぇ? ミサカ達電撃使いだからぁ、夜も寝れないストレスとか分かんないしー?」

打止「そんなに痒いの? ってミサカはミサカはクローゼットから救急箱を持ち出しつつあなたを気遣ってみる」

一方「あー、例えば首と腕と脚の三箇所刺されたとすンだろ? まず腕を掻く、そうすると一旦痒みは紛れる。
   次に脚を、最後に首を掻く。その頃には腕の痒みが復活してやがる。それが一晩ずっとだ、分かるな?」

打止「うえぇ……あんまり考えたくないよってミサカはミサカは聞くだけで背中が痒くなってきた……。
   はいあなた、ウナ○ーワ」

一方「実際には三箇所なンてもンじゃねェ。奴らは仕留められない限り貪欲に体中を刺し続ける。
   俺はソイツをすり潰すまでに六箇所やられたしな」ヌリヌリ

番外「シリアス顔で誤魔化してるけど蚊だからね? つか夜中ネットワークに負荷が掛かったのはそれかよ。
   羽虫相手に全力出す超能力者ワロス」ネェドンナキモチ? ドンナキモチ?

打止「もーう、超能力者だって痒いものは痒いんだよってミサカはミサカは諌めてみる。
   特にこの人は無菌室状態が長くってアレルギー反応とか起きやすいんだからってミサカはミサカはさらに補足」

一方「――納得いかねェのはそこだ」

番外打止「「は?」」

一方「まずは第二位、アイツはそもそも身体構造が人間と違う。よって蚊が餌を判別するための汗や二酸化炭素を発生させねェ。
   よしンば刺されたとして吸われる血がねェし、痒みの原因となる物質が効くとも思えねェ」

打止「カブトムシさんだしね」

番外「いつも思ってたんだけど上位個体の交友関係ってミサカどうかと思うよ。この保護者さんを筆頭に」

一方「混ぜっ返すな。第三位はオマエらと同じ電磁バリア仕様。
   飛ンで第七位は『根性』の一言で大抵のことを片付ける理不尽な原石らしいから多分根性で刺されねェンだろ」

番外「雑すぎじゃね」

一方「最後に第四位と第五位、コイツらは境遇は違うが共に金の掛かった環境に住ンでいると推測される。
   つまり窓を開けて寝る必要がねェ。黄泉川の方針で夜間のクーラーを禁止されている俺と違ってなァ!」

打止「ねぇねぇ、さくっとスルーされた第六位は? ってミ」

一方「理不尽だろォが!! なンで七人いる超能力者の中で俺だけは蚊に刺されなきゃならねェ!!
   第一位なンじゃねェのかよ!! 俺の能力は蚊すら防げねェ程度のもンだってのか!!」バンバン

打止「超能力者の順位付けは能力研究の工業的価値によるもので戦闘力や蚊とは関係無いってミサカはミサカはうんぬんかんぬん。
   っていうかあなた寝てないせいでテンションおかしいよね」

番外「能力自体は蚊どころか核兵器も弾き返すってのがウリじゃん。
   うっかり演算に必要な脳の機能ポイしたからって今更無いもの強請りすんなっての」ケケケ

打止「あ、そっか。家にいる間なら充電しながら能力をオンにしとけば良いんじゃない? ってミサカはミサカは名案を発表してみたり」

一方「それは去年の夏に試したがな、充電速度を消費速度が上回っちまうンだよ」

番外「第一位を充電しながら使うと膨らんじゃうしね」

一方「俺は携帯の電池じゃねェ」



572 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[sage saga] - 2014/07/26 23:26:21.88 A3oNcGWd0 7/8


番外「っていうかさー、もうミサカ飽きてきたから教えてあげるけど。
   第一位は蚊を潰すのに大人げなく能力まで使ったんだよね? その後は刺されたところが痒くてみじめに一晩掻き毟ってたんだよね?」

一方「表現が気に食わねェが大筋はそォだな」

番外「あなたの能力ならアレルギー反応くらいどうとでもなると思うんだけど」

一方「……あっ」



――その夜 一方通行の部屋――


一方「つゥことで、辿り着いてみりゃァ単純な答えだったわけだ。あの性悪の思い付きっつゥのが癪だが」カチ

一方(昼間に分析したアレルゲンの性質から対応する抗体を特定。体内の分泌物を操作――)キュイーン

一方「……よし。一時的に蚊の持つ化学物質に対するアレルギー反応を抑制、と。ハッ、科学法則で表せる現象なンざ敵じゃねェンだよ。
   血が欲しいならくれてやる、だが俺の睡眠は邪魔させねェ……!」カチ


ボフン

一方「……」スースー



プ―――――ン


一方「……」スースー



プ______s―ン


一方「…………」ス



プ――――z________ン


一方「……………………」



ン←―――プ

プ―γγγ――ン


一方「だァァァっ寝れねェェェエエエエ!!!!」ガバッ


黄泉川「真夜中に煩いじゃんよ!!」バキィ!



――余談――


芳川「昼間はクーラー禁止じゃないんだから、昼に寝て夜は起きてればいいじゃない」ドヤァ

一方「……えっ」ドンビキ



573 : そういうエレクトロマスターに わたしはなりたい[saga] - 2014/07/26 23:28:28.03 A3oNcGWd0 8/8

以上です。
この夏一番欲しい能力は間違いなく電撃使い。あの忌々しい蚊を片っ端から焼き払いたい。

最初の一レスは入れ忘れましたが名前欄がタイトルです。
原作では真面目に仕事探してるのにオチ要因にしてごめんね芳川。